秋田駒ヶ岳

どこも花でいっぱい


阿弥陀ガ池

エゾツツジ


H25.6.13

     秋田駒ヶ岳   本文:森、写真:浅沼


雫石方面は雲海の下
 「初心者のための登山教室」の指導で秋田駒ケ岳に登って来ました。一関6時。濃い霧の中を出発。雫石道の駅で休憩。空は雲がいっぱいで晴れそうもない。天気情報によれば秋田県は30度、仙台は21度。「下肢の雨具だけは着けさせようか」などと吉家さんと相談。しかし、仙岩トンネルを抜けると真っ青な青空。


鳥海山もバッチリ見えた
 峡谷の栃の花、アカシヤがの白が、新緑に彩を添える。田沢湖高原では30度の表示。高度を上げるごとに車窓からムラサキヤシオ、タムシバが咲き乱れ、眼下に田沢湖が見える。8合目のマイカー用の駐車場は7割くらい埋まっていたが、バスの団体客はいない。

 準備を整え出発。「例年より残雪が多いので注意」の表示がしてある。確かにいつもの雪渓は少し長く感じられた。右前方に真っ白な鳥海山、北へ見ていくと森吉山、岩木山、八甲田山と主峰が眺望できる。

 片倉岳で小休止して出発。イワカガミ、コメバツガザクラ、ミヤマキンバイが目を楽しませてくれる。阿弥陀池周辺はチングルマ、ヒナザクラ、ミネズオウ、ミヤマダイコンソウなどが咲いている。最後の急登、男岳向けて出発。馬場の小路、駒池は残雪に覆われ例年より1週間以上雪解けが遅れている感じがした。

 頂上は思ったより空いてるので少し早いが眺望を楽しみながら昼食。岩手県側は雲海。岩手山、早池峰山、栗駒、焼石、和賀岳の連山が頭を出している。昼食後、横岳へ出発。馬の背、ナイフリッチでの休憩の仕方、三点確保での登り方を指導しながら横岳へ。途中の岩棚にイワウメがぎっしり咲き誇っている。


お花もいっぱい
 降りは焼森のコマクサを観賞しながらと計画しましたが、コマクサは葉が出たばかりでした。石楠花コースの雪渓も大きく残っておりの消えた後にはシラネアオイが今盛りと咲いていました。

 久しぶりの晴天、雲海のすばらしさに皆さんも満足のようでした。道の駅の湯っこで汗を洗い流し「顔、首、腕・・・ヒリヒリする」と言いながら帰路に着きました。

コース・タイム 一関6:00~8合目9:05/9:07出発~阿弥陀池10:20~男岳11:0011:30出発~横岳12:20~8号目13:22着



H23.7.17
    秋田駒ヶ岳 (男岳:1632m)   登山者:森、吉家、浅沼、阿部


急登の後のなだらかな登り
 久々の足慣らしに近場の山へ・・と森さんに声をかけたら、秋駒が良いんじゃない・・との答え。その通り、お花が丁度良いはず。急遽「秋駒へ行こう・・」と、ほかのみんなさんに呼びかけた。

 7月17日、浅沼宅・森宅を経由し、最後に吉家さんと合流して6時10分頃の出発となった。一関IC手前で少しの買い物をして高速道にのって一気に盛岡ICへ。少々朝早かったせいか、例の混雑はなくスムースに国道46号に入る。雫石の道の駅で少し休憩、国見温泉の登山口には8時13頃に到着する。しかし、駐車場は満車状態。少し戻って車を置く。


コマクサの咲く斜面を行く
 この日、下界の予想気温は35度という。温泉付近は陽が射して、30度ぐらいもありそうで暑い。身支度を揃えて8時20分「ゆっくり、いぐべし・・」と全員、元気に出発する。

 温泉脇の登り口から一気に急登が続く。中途半端な段差の階段が続き、歩幅を合わせるのに苦労しながら15分ほど登ると傾斜がゆるんで一息。ブナ等の背の高い灌木帯が続き、風の通りが悪く結構体が火照る。木道が増設され、整備された階段部も増えているが、不揃いの段差に一苦労・・。以前は水場のあったあたりで小休止を取っていたが、みんな元気、一気に横長根の尾根分岐まで登ってしまった。


鞍部の草原
 分岐で腰を下ろすと、後続隊が更に上の第一展望台まで行くと言って追い越していった。喉を潤し2分ほど休んで後を追う。背丈の低い灌木のトンネルをくぐるように、やや平坦な道を快適に進む。15分ほど進んでみんなと合流、第一展望台でしばらく休んで腰を上げる。

 尾根筋では、ベニバナイチヤクソウやミヤマハンショウヅル等が時折顔を出す。写真やビデオに収めるのに結構忙しい。山頂方面は終始ガスがかかり見通しは効かないぶん、足下に気が行き届き久々に見る花々が新鮮でなによりである。小学生の集団をやり過ごし、大焼砂分岐よりコマクサの咲く斜面を駒池に向かって進む。


駒池
 相変わらずの強風地帯、強くあたる風はとても涼しく心地よい。コマクサの花はドライフラワー状態、既に最盛期を過ぎているようだ。シャクナゲやヨウラクの咲く低灌木帯を通り過ぎると、女岳と男岳に挟まれた鞍部に続く草原にはいる。雪が溶けて間もないのだろう・・チングルマやエゾツツジが最盛期で駒ヶ岳らしさを誇っている。女岳、男岳等が見渡せれば、外国の山を思わせる光景が広がっているはずだ。


男岳山頂
 しばし木道に沿ってお花畑を楽しむ。チングルマは長い毛に覆われた物も多いが、ヒナザクラ、ムシトリスミレ、ウサギギク、アオノツガザクラ、コイワカガミ等々写真にビデオ撮影と時間が足りない思い。今期最高の人出か、木道のすれ違いも大変だ。ガスの合間を待ちながら、駒池の辺で大休止を取る。

 駒池から男岳に続く、尾根への登りに取り付く。雪のためか傾いた木道が歩きづらいが、見事なエゾツツジの群落に励まされ高度を稼ぐ。草原からブッシュ帯に代わると程なく二つ目の分岐が現れるが、男岳へは右に進路を取る。真っ直ぐ行けば女岳を通り中生保内コースの尾根に出るらしいが、道はハッキリせず通行不能とのこと。


ほんの一部の花々です
 分岐から、不安定な石コロ・浮き石の転がる急登となる。灌木や背の高い草が覆い被さり、真っ直ぐに立てない場所もあり体がふらつく。運動不足がたたり、暑くはないが苦しみながら高度を稼ぐ。シラネアオイの株をを見つけ、丁度良い花に感激しながらカメラに収める。程なく中生保内コースからの分岐尾根に出て少し火照った体を風にさらす。男岳山頂は直ぐそこのはずだが、ガスって何も見えない。

 もう一踏ん張りと足を進めると、エゾツツジに混じりミヤマウスユキソウを発見。疲れ切った足腰にムチを撃ちながら、変な格好で写真撮影。元の歩行体型に体を戻すのも大変だ。やがて先着者の声が聞こえだし、程なく山頂に立つ。証拠写真を撮って風下に腰を下ろして少し早い昼食を取る。


ニッコウキスゲの群落
 下山は阿弥陀池に降りずに、馬の背を通り横岳を経由して横長根に戻る。男岳から少し下ると両斜面にニッコウキスゲの群落が現れる。5−6個付く花芽の一番花が咲き出したばかり、後一週間はニッコウキスゲの花を楽しめるだろう。ガスが無ければ更なる景色が堪能できる場所だが、黙々と馬の背の登りに取りかかる。昼食で足が冷えたのか、股が吊るような感覚を堪えて慎重に足を運ぶ。新たにハクサンフウロの写真を加えて、馬の背の休憩所(横岳)でみんなと合流して大休止を取る。


馬の背の一部
 暑い下界に戻る時間をなるべく遅くしたい、と言う気持ちでゆっくり休んで下山開始する。ブッシュ帯を過ぎると広々とした火山礫帯に変わる。相変わらずの強風地帯なので、歩いて弾いた小石が風下側の足に絡みつく。スパッツ無しでは小石が靴の中には入り込む。寒気がするくらいの風に、自然と足早となる。男岳と横岳への大焼砂分岐を通り再び低灌木帯へと入る。田沢湖に低い霧がかかり湖面はハッキリしないが、雄大に湖が広がっているのがわかる。


大焼砂の中間部から横岳方面を振り返る
 更に休むことなく横長根分岐まで進む。灌木のトンネルになると、風の通りが悪くなり蒸し暑くなる。横長根分岐で大休止して国見温泉へと下る。風の通りが悪いせいか、みんな黙々と足早に下る。膝をかばいながら下るが、さすがにきつい。運動不足がたたった一日であった。車は温泉から300m程下に置いたので、国見温泉をパスして、雫石・道の駅の温泉で汗を流す。

 花々のオンパレートと温泉に全員大満足して帰路に就いたが、高速の出入り口で、それぞれ30分程度の渋滞にあった。 阿部 記

コース時刻:国見登山口(車)8:20−9:05横長根分岐9:07−9:20尾根休憩所9:30−10:24駒池10:40−11:40男岳山頂12:24−13:10横岳13:22−14:13横長根分岐14:28−15:04国見登山口(車)



H22.7.17
    秋田駒ケ岳・横岳  (1582.74m:秋田県仙北市生保) 登山者:沖夫妻

コースタイム:大東町摺沢6:00==(約155Km)==8:40アルパこまくさ駐車場9:25==(600円)==9:50八合目駐車場9:55---11:00阿弥陀池11:15---12:00男岳鞍部(ムーミン谷逍遥・昼食)---13:00大焼砂分岐---13:55横岳14:00---14:10焼森---14:50八合目駐車場15:15==(600円)==15:40アルパこまくさ駐車場==(入浴:水沢温泉@500円)==男鹿半島へ

 花の山、秋田駒ケ岳に家内を連れて登ることにした。家内にとって初めての山だそうで、「登り一時間」とだけ伝えて、あとは行ってからのお楽しみと考えていた。アルパこまくさ駐車場はすでに8割方うまっていて、土曜日だというのに大勢のハイカーで賑わっていた。シャトルバスは準備時間中に出発してしまったので、一本遅らせ臨時バスを期待したがダイヤ通りの運行で、40分ものロスとなってしまった。


エゾツツジ
 八合目の駐車場に着くとガスが丁度境界線と言うところで、心地よい気温に包まれていたが、視界は山頂部が見えない状況だ。男女岳の西側を巻く一般コースを採って、大勢の登山者と同じルートを辿る。家内にとってはそのほうが遅い人のペースに合わせやすいからだろうが、まあ焦らずゆっくり登っていくことにする。登る途中から八合目の駐車場が望むことができたが、田沢湖は見えない。登りはじめから足元にはハクサンチドリが沢山咲いている。またモミジカラマツも大きく花を開いている。

 阿弥陀池に近づくほどに咲く花も変化してくる。ハクサンシャクナゲ、ハクサンシャジン、ニッコウキスゲなどが見え出すと、まもなく平坦な道になり阿弥陀池の一角に到着だ。残念ながらチングルマはもう終わっていて、トウゲブキ、ヨツバシオガマ、ニッコウキスゲに主役の座を明け渡している。

 池のほとりで軽食を摂ってムーミン谷を目指すことにする。男岳へ続く小さなのぼりを登りきって、150m以上もの高度差を一気に下るのだ。稜線から見下ろすと崖を下りるように見え、谷底に花園のあることを知らない家内はすっかり怖気づいている。でも実際下り出してみると、上から見たような傾斜ではなく、安全に下ることができる。この斜面にはシラネオアイが沢山咲くが、いまはもうその時期も過ぎて谷底のほうに数株が咲いている程度だった。


ヒナザクラ
 ムーミン谷に降り立つと、そこはもう花園。有難いことにガスも消えて青空が広がってきた。ここの主役はあくまでもチングルマだ。すでに大半は花穂になっているがその褥の真ん中に居ると、完全にハイジの世界だ。池の周りでは何人か昼食を摂っている。チングルマに混じってエゾツツジが赤紫色で人目を引く。足元にヒナザクラが増えてくる。何枚も何枚も同じような構図で同じような写真をいっぱい撮って、チングルマの褥が尽きる手前で私たちも遅い昼食を摂る。

 大焼砂の斜面に入ると、景色は一変して不毛の地と思えるようなガレ場の斜面にコマクサが一面に咲いている。家内が今まで見たコマクサの群落で一番すごいと感動している。黒っぽい斜面が遠目に見てもピンク色で染まって見え、ピンク色と黒っぽい山肌の織り成す襞模様がくっきりと識別できる。背景に田沢湖や秋田駒ケ岳の一家を入れて、ここでもまた何度となく同じような写真を撮る。至福の時間がいつまでも続く。

 そんなコマクサの大群落に割って咲いているのがオヤマソバとイワブクロだ。そして一ヶ月前の主役であったタカネスミレは葉っぱだけ少し残している。


コマクサ
 横岳までムーミン谷へ下った分以上の登り返しをしなければならない。家内は当初、登り一時間だけれど、その後の周回に二時間も歩くとは聞いてなかったと不評だったが、サプライズを感じて欲しかっただけだと言い含めて納得する。それもそのはず、これだけの花園に迎えられたら誰だって感動する。

 天候が回復して大焼砂の斜面の下にムーミン谷、その谷の向こう側に男岳、女岳、小岳の秋田駒ケ岳一家の山々、その後方には田沢湖が見える。和賀山塊も山頂部を隠しているものの、大きな裾を広げて見えている。残念ながら、山座を同定することはできない。大焼砂の登りはザレて歩きにくいが、コマクサの大群落に励まされて苦もなく横岳に到着。横岳からは北側に湯森山、乳頭山から岩手山へ至る山並みが良く見える。残念ながら岩手山の山頂部はガスで見えない。


焼森から見た阿弥陀池・秋田駒ケ岳の山群
 

沖夫妻
今回の山歩きで三角点は横岳にあるだけだ。その三等三角点(点名:氷倉、標高:1582.74m)に軽くタッチし、いつものように山の安全、健康祈願、商売繁盛、家内安全などの呪文を唱えてから山頂部の写真を撮る。横岳まで登ると、残るは焼森を経て八合目の駐車場まで下るだけだ。ミヤマハンショウヅル、ハクサンシャクナゲなどに励まされながら、フィナーレに向かって足元に気をつけて慎重にゆっくり下っていく。

 今回は爽やかな夏山の空気を存分に吸って、沢山の花々を眺め、写真を撮り、のんびりと山を歩いて、会心の山旅を満喫できた。 沖 記


H21.7.17

        秋田駒ケ岳


ミヤマハンショウヅル

見つめ続けるカモシカ

駒池付近にて
 年金者組合の自称「青年部」4人で登ってきました。雲の多い朝でしたが、雨の心配はないということで出発。国見温泉駐車場には先客10台ほど止まっていて、日中日陰になりそうなところに駐車して出発。登山者名簿は今日最初の記入者である。

 霧が深く風も無いためブナ林の登りは蒸し風呂のようである。道路が濡れていたのでゆっくり汗を拭きながらの登山である。樹高も低くなり周りが明るくなったところで一呼吸を居れ、上着を脱ぎTシャツで登る。ときよりの風に汗も消えていくようである。

 横長根からの女岳は霧で見えない。今日は霧の中の登山と覚悟を決め、初めての人も居たのでどのルートにしよう考えながら第2展望台へ。霧もだんだん薄くなり、少し風が出てきたので駒池コースを登ることにきめて大焼砂に着いたときは、霧もすっかり晴れ、田沢湖も見える。

 曇らないうちに記念写真を撮り、コマクサの咲く斜面をゆっくり進む。道沿いのコマクサは、終り斜面の奥のほうに咲いていて、写真にはならない。駒池付近の雪は消えてチングルマ、エゾツツジ、アオノツガザクラが咲き始めていた。時間が早いためか登山客も少なくゆっくり散策しながら男岳へ向う。

 男岳へは最短コースで登ることにして、浮石や落石、スリップに注意して登るよう指示して女岳との鞍部へ向う。以前は木製の標識がわずかに残っていたが、今は岩にペンキで「男岳」と記してある。いっきに急な登りとなる。足場は思ったより安定している。男岳ー女岳のコースとして利用しているようである。


男岳山頂にて
 息がきつくなったところで振り向くと、岩の狭間に日本カモシカが我我をじっと見ているではないか。ここのコースはシラネアオイが多いから「荒らされるのではないか」と思っているのだろうか。しばらく登って振り向くとまだ見ている。「どこを登っていったのか」「何処を下るのか」など口々に言いながら登っていくと、中生保内コースと合流する。間もなくのコースを登ってきた登山客に追い越される。頂上までもう少しである。

 頂上には登山客は数人が休んでいるだけでいたって静かである。360度の展望、しかし遠くの山は見えない。阿弥陀池方面から団体客の上り始めている。できるだけかち合わないよう、昼食をとって阿弥陀池へ下る。


阿弥陀池を望む
 男岳の南斜面、北斜面はニッコウキスゲが咲き始めていた。阿弥陀池で水を補給し横岳へ登る。横岳から大焼砂の間のコマクサも終りに近く所所に残っているだけである。風は登りの時より強まり帽子を飛ばされないよう気をつけて下山する。下山後は緑色の国見温泉にゆっくり浸かり汗を流し帰路に着いた。  森 記

コース・タイム:国見温泉8:10 横長根9:05 大焼砂 9:40 男岳登り口 11:00男岳11:30 12:00発 阿弥陀池12:30 横岳12:45 大焼砂13:10 横長根 13:40国見温泉 14:30 

H20.9.5

          秋田駒ヶ岳  ( 森 ほか3名)


男岳山頂にて

ウメバチソウ

ハクサンフウロ


アオノツガザクラ

コマクサ

チングルマ

 6時出発一路見温泉登山口へ。この時季はシーズンオフのため、登山者は見当たらない。空はどんよりしていて風も無く蒸し暑い。横長根に着く頃にはアンダーシャツはグッショ濡れである。上着を脱ぐと少しは涼しさも感じられるが、ガスまったく動こうとしない。男岳分岐付近に来ると少しは風が肌を撫でて気持ちが良い。

 所所に遅咲きのコマクサを見つけてはシャッターを押す。横岳で一休みしていたら二人の登山客に遇う。馬の背を越えて男岳へ登る。頂上には誰も居ない。今までも何回か登ったが今回のようなことは初めてである。ガスは一向に晴れそうも無いので、一緒に登った仲間と息をそろえて思いっきり吹いたら、ガスが動き出し田沢湖が半分程現れた。もう少しと吹き続けたが、瞬く間にガスで隠れてしまった。

 昼食後、駒池・馬場の小路を下山。チングルマの穂がまだ沢山残っているのに、もみじが色づきはじめ秋がそこまで近づいている。今回は、年金者組合一関支部の皆さんと一緒なので時間をかけた登山となりました。下山後は、「みどりの湯」で汗を流して岐路に着いた。  森 記


コース・タイム:一関6:00  国見温泉8:00 横長根 9:00 大焼砂 10:30 横岳10:45 男岳11:30/12:25発 駒池13:10 男岳分岐13:40 横長根14:07 国見温泉15:00着



H18.7.23
    秋田駒ヶ岳  梅雨空の中を秋田駒ケ岳に登りました。花と天候に恵まれてバッチリでした。


イワブクロ

エゾツツジ

コマクサ

チングルマ
 7月23日、花の時期も終盤を迎えつつある状況にあって、花の山である秋田駒ケ岳はどんな状況になっているか気になり、今回もまた天候に恵まれないことを覚悟で出かけた。不安が的中して自宅を出るときから霧雨が降り、その状態が盛岡ICを降りるところまで続いた。しかしR46に入ると路面は乾いており県南よりも県央のほうが雲が薄く、少しは期待できそうな塩梅だ。駄目なら温泉に浸かってこようと思い、近場からのアプローチの国見温泉登山口に向かう。

 国見温泉ルートは初めてだったが、先行車に習って満車状態のトイレのある登山者用駐車場へ導かれ、辛うじて空きスペースを見つけて駐車する。ガスは徐々に薄くなってきているので、合羽を着ることも無く元気を出して準備を整え、登山口のある森山荘脇へ向かう。ガスで登山口が分かりにくかったが、近場になると標識があり迷うことは無かった。

 整備された階段状の登山道は樹林の中で視界も風も無く蒸し暑い状態だったが、ゆっくり目のペースで汗をかかないように登っていく。そろそろ一本立てようかなと思うところで、横長根の稜線に出た。登りはじめはブナが多かったがいつの間にか小潅木に変わっていた。紅葉の頃はさぞ綺麗だろうと察しがつく。

 横長根からは火口壁の稜線に沿って歩くが、この辺りから風が通るようになり、ガスも徐々に消え明るさが増してきた。ハイマツが出てくるともう大焼砂が近い。程なく男岳との分岐に到着。今回の主目的である花のプロムナードを目指して馬場の小路へと向かう。

 一歩入ったとたんにコマクサが斜面下部に沢山の花をつけている。しかし時期的には盛りを過ぎていて、写真に収めるほど新鮮ではなかった。瓦礫地帯を抜けるとまだ雪渓が残る鞍部になり、チングルマが一面に繁茂している。雪解けとリンクしてすでに果穂の状態になって大きな広がりを見せるところもあり、また今が見頃の一帯もあったり、まだこれから咲き出すところもあったりで広大なチングルマの斜面は目を見張るばかりだ。木道が敷かれて監視の目が厳しいが、花園を守っていくためには仕方が無い処置だろう。


男岳山頂

阿弥陀池
 チングルマの褥に共生するかのようにエゾツツジが赤紫色のあでやかな色彩で、個性的な風合いを見せてくれる。谷底の花園にはヒナザクラ、ハクサンチドリ、ミヤマカラマツ、ミヤマキンポウゲなどが彩りを添えている。

 男岳と女岳の鞍部へ登り、そこから急登を経て男岳を目指す。まだ雪解けして間もない斜面は、芽吹きが始まっているところだった。尾根筋に出ると田沢湖が霞んではいたが、ガスの間から浮かんで見えた。女岳の溶岩は36年の歳月で緑が目立ち、黒っぽい下地が噴火時の溶岩流出の印象を思い出させてくれた。

 秋田駒ケ岳は人気の山で登山者が絶えることなく、阿弥陀池方面から続々と登ってきて男岳山頂は大混雑だ。そんな山頂で他力本願で記念写真を撮ってもらい、やっと見えた山頂からの展望を急いでカメラに収めた。ガスが消えて眼下に広がる馬場の小路一帯の地形をやっと把握できた慶びはひとしおで、秋田駒ケ岳の女神も今回は少しだけ私に心を開いてくれたような印象であった。

 男岳山頂から人ごみの阿弥陀池には降りず、十文字分岐を横岳を目指して登る。誰もいない静かな登山道だ。好きなときに立ち止まって前後左右に広がる雄大な景色と、ハクサンフウロ、ハクサンシャクナゲ、ハクサンボウフウ、ハクサンシャジン、マルバシモツケ、ミヤマトウキ、ヤマハハコ、トウゲブキ、ニッコウキスゲ、エゾシオガマなどの花々をカメラに収める。

 登山者の話では焼森付近にはコマクサが多かったとのことであったが、花の盛りは過ぎている様子だったので、横岳から焼森へ寄り道せず、大焼砂に直進し下山モードに入ってしまった。しかし大焼砂一帯は一ヶ月の間に黄色いタカネスミレに代わってコマクサが一面に株を育てていた。しかし若々しい花はもうほとんど無く、おまけに柵外から遠いためにカメラに収められない。道端に何とか少しだけ見頃の花を見つけて、記念の写真とした。これから盛りを迎えるイワブクロが所々に花株をつけていた。そろそろコマクサと勢力が逆転する時期かもしれない。

 全般的に今年は花数が少ない印象だったが、今回は天候に恵まれて秋田駒ケ岳の全容を大凡で理解できた。山稜から南側を見ると秋田県側は晴れているようで雲が少ないが、岩手県側は低い標高に一面雲海が広がっていた。どうも分水嶺の山域は天候が読めない。下山後は国見温泉の緑色のお湯を楽しんで、山の汗を流し大満足で帰路に就いた。  沖 記

コースタイム:大東町6:30==(130Km)==8:30国見温泉駐車場8:45---9:30横長根9:40---10:15男岳分岐(大焼砂)--(馬場の小路)--12:05男岳(1623m)12:20---13:00横岳(1583m)---13:40男岳分岐(大焼砂)---14:10横長根---14:45国見温泉駐車場(入浴:400円)15:45==(130Km)==18:00大東町