雲上の楽園 |
H11・7・23−26 参加者 森、阿部
登山ルート 栂池ー白馬三山ー鑓温泉ー猿倉
7.23 |
一関を17:38の新幹線で出発し、新宿に22:10頃着く。予想通りホームは登山客で埋まっていた。しばらくホームをさまよったが、結局短い列は見つからず覚悟を決め最後部の禁煙席の列に加わる。
しばらくぶりのアルプス号、混雑してもまた楽しい雰囲気があった。席には着けないものの、通路もまた体を伸ばせて良いものだ。ここで一つ発見、登山靴を横に倒すとちょうど良い枕になった。ガタコトと列車の音やコンプレッサーの甲高い響きに悩ませられながら、寝たものか起きていたものかわからないまま白馬駅に着く。
7.24 |
一番心配していた朝食と昼食は、駅を出て左手のバス停脇の食堂で調達出来、栂池高原に向け出発する。パノラマウェイを乗り継ぎビジターセンター脇で朝食をとり、体調を整え出発準備をする。ほとんどの登山者は猿倉方面に行ったため、周りには100人ぐらいしかいないようだ。でもこのコースもすざましい人気である。
栂池から一時間少々で天狗原に着く。薄曇りの天気のため吹く風も寒いくらいに感じ、あまり遠くは見渡せなかった。乗鞍岳の登りがかなりの急登に見え、少休止を取るが口を動かしていないと眠気が襲う。ここの登りは、早池峰の河原の坊コースに似ていてゴツゴツした岩が足場を悪くしている。しかし高山植物の花々が丁度開花期をむかえ、写真撮りをしながら快適に登る。雪渓のはじまる付近には、キバナシャクナゲが咲いており大雪山以来の対面を果たす。
乗鞍岳山頂は広々とした高原で、ガスのあいまから小蓮華岳や朝日岳か゛見えだし展望も良くなる。再びコツゴツした岩場を進むと、白馬大池が眼下に迫り、写真とは別の風景に感激する。大池山荘の周りには、どこから来たのか二百人位も散らばり休憩を取っている。我らもここで早い昼食を取ることにしたが、森氏が小屋でカップラーメンを買ってきたため、出したコンロをしまい手抜き昼食とした。
小蓮華岳に続く雷鳥坂は、なだらかな登りだが腹が満腹になったのと寝不足がたたり、上部になるとかなりのスローペースになった。ハクサンコザクラ、チシマギキョウ、コマクサなどの群落に大げさに感激し、眠気を覚ましながら登る。後で他の登山者に聞いたのだが、この坂の途中で雷鳥にあったらしい。もっと目を開きシャキッと歩けば良かった。
小蓮華岳に着くとさらに展望も開け、白馬の山頂はガスで見えなかったが針ヶ岳から朝日岳の縦走路が一望でき、雄大な北アルプスを感じることが出来た。この辺にくると周りの登山者も顔なじみとなり、抜かれたり追い越したりした人々が身近にいる友達に感じる。この後も白馬の山頂まで同じパーティの様に、時々話をしながら進む。
三国境からは、少々登りもきつくなり、憧れの?ウルップソウの群落を眺める余裕もなくなってきた。しかし一面に広がるお花畑が美しくたまらず、ゼイ゛セイハーハー言いながらカメラをまわす。山頂直下の肩に来ると今度は雷鳥の親子が出てきて愛嬌を振りまいていた。周りの皆さんも思わず、雷鳥に愛嬌を振りまいていた。雷鳥の雛も可愛かったが、愛嬌を振りまくおばさん方も捨てたものではなかった。あと15分と言いながらもう一踏ん張り。
山頂に着くと、5−60人ほどが雄大な景色を堪能していて、ガスも切れ剣岳や立山が間近に望める。素晴らしい、こんな光景は久しぶりだ。森氏と記念撮影をしてもらい、感激にむせぶ。しばしこの光景を満喫して白馬山荘に下る。8:10に出発して小屋に着いたのは、4:10だった。
宿泊の手続き後、部屋で森氏とビールで乾杯して夕食を待った。外は再びガスにおおわれ、夕日を眺めるのをあきらめ仮眠を取る。
7.25 |
次の朝、暗いうちから動き出す音に目が覚め、ご来光を拝みに少し登る。白馬の東斜面いっぱいに登山者が広がり、ご来光を待っている。4:40頃雲間から後光が差した。完璧とは言え無いがきれいな朝日だった。おまけのブロッケンも出て感激にむせぶ。
この日も朝からガスが出たり切れたりで、シャツターチャンスを逃すまいと大変な日だった。白馬と杓子のコルからは、白馬大雪渓が全容を見せたり、クロユリの群落があったりで結構忙しかった。少し遅く出発した我々に、昨日まではあまり見かけなかった若者が挨拶してくれる。しばし中高年と子供しか出会っていなかったので、近頃の若者はどうしているか疑問があったが、頼もしい限りである。ザックから上下の服装も全く同じ若者が、道ばたのお花を挟んでホーズを取る姿を見て、何かホッとするものがあった。
杓子岳に近づくとガスが濃くなり、残念だがエスケープルートを通り、白馬鑓ヶ岳のコルに出る。今回の最後の登りを花々を眺めながらゆっくり楽しむ。ウルッブソウがここでは、花盛りだった。
鑓ヶ岳に近ずくと、白馬のガスが切れ始め杓子岳と白馬岳がきれいに全容を見せてくれた。雄大な景色である。たまらず、ほとんど同じアングルで撮りまくる。白馬鑓ヶ岳の山頂で早い昼食を取り、コーヒーをたてて展望を楽しむ。
約20分の下りで鑓温泉と天狗平の分岐に着き、尾根最後の記念撮影をする。大手原のお花畑に着くと、雨粒が落ち始め遠くで雷鳴が響く。雪渓を渡りきると雨も強くなり、雷も頭上で鳴っている。窪地に身を寄せるほどでもなかったので、しばしブッシュ帯を急ぎ足で下るが、30分ほどで雷も去りカッパを脱いで鎖場にはいる。岩場が濡れて滑りやすく慎重に下る。最後のはしごの所で大きなキヌガサソウが咲いていた。まともな花を初めて見て二人で感激する。まもなく無事に、白馬鑓温泉に着く。8:00に出発し2:30着だった。
こじんまりした小屋だが、自噴する温泉としては日本一の高さで、標高2100mにある、あまりにも有名な温泉である。さっそく荷物を放り投げ、温泉に浸かる。たまらなくいいゆだった。上から丸見えの浴槽だが、眼下の眺めも最高でスッパダカも気にならない。むしろ、間違って覗いた人が恥ずかしがっていた。
7.26 |
白馬山荘と同様にテキパキとした案内で朝食を取り、名残惜しく猿倉に向け出発する。温泉下部からは、まだ夏道が出ておらず仮設のの案内ロープや橋を渡り、不安定な足場を慎重に下る。鑓沢を渡る付近の雪渓には、多くの落石があり上部に注意しながらトラバースする。合掌岩を抜けると一安心でブッシュ帯を進むと、鑓温泉や八方尾根の展望が開けしばしたたずむ。三次郎沢で顔を洗い、双子尾根に近ずくと八ヶ岳も遠望できた。
ブナ林を下ると三白平に着き、白馬三山の展望が開けた。この日の天候が三日間で一番良さそうで、クッキリと白馬が見えている。勿論栂池や小蓮華も素晴らしい景観で迫っている。下山するのがもったいない。ここから時間をかけ下るが、まもなくブナ林に入り展望のきかないまま車道に出る。3:40かかった。
猿倉に着くと、元気のいい兄さんが「おつかれさん!冷たい生ビール有ります。ついでいいですかー?」と威勢良く声をかける。思わず「いいよーっ」と答え、二人で乾杯する。うまい!最高の味がする。(値段を聞かずに飲んだ)後で聞いたのだが大ジョツキ一杯600円だった。
汗ばんだ体を拭き、着替えてタクシーに乗るが、運転手さんの計らいで白馬大橋に寄り最後の白馬三山の姿をビデオに収める。白馬、名前の響きも良いし、町並みや人々も良い。森氏も大変気に入ったようで、「宝くじに当たったらここに住みたいな。」ともらしていた。全く同感であった。
参考
栂池パノラマウェイ(ロープウェイとゴンドラリフト)片道1720+300円(10kg以上の荷物)
各小屋宿泊代 一泊二食付き8500円、弁当1000円位
宿泊スペース 畳二畳分に3名が標準