早池峰夏


コウベゴウリ付近の花

河原の坊


H27.6.17

   早池峰山   参加者:浅沼、阿部(洋)、森


ナンブイヌナズナ

ヒメコザクラ

ミヤマシオガマ

チシマアマナ

森、阿部、浅沼 各氏

ハヤチネウスユキソウ
 6月17日、2006年以来花の早池峰山へ正面から登ってきました。

 6時一関を出発、曇り空だが午前中の雨は無いことを祈り、途中平泉から阿部洋一さんを乗せ、3人で一路河原の坊へ走る。

 河原の坊駐車場にはすでに数台、先週の山開きには1200名が集ったとのこと。今朝はその100分の1程度と本来の静けさである。

 支度を整え出発。早池峰山には毎年登っているが、最近はほとんど小田越コースの往復で、正面からの登山は9年振りである。歩き始めてまもなくノビネチドリが迎えてくれ、春の花がまだ残っていることに期待しのんびりと登る。いつの間にか雲も薄くなり、日が差してきて暑い。

 頭垢離の上の尾根で小休止。チングルマは終わりつつある。見上げる登山道は一直線。阿部さん「まっすぐに登るんですか」と気を引き締めている様子。

 ミヤマオダマキ、ナンブトラノオ、ミヤマシオガマ等咲き乱れている。そろそろヒメコザクラもあってもよいと思いながら注意して登るもなかなか見つからない。ハヤチネウスユキソウ、ミヤマアズマギクも咲き出している。

 打ち石を過ぎた頃、数人のグループが追いついてきた。イワウメ、チシマアマナスがまだ咲いていると言うことは、ヒメコザクラもあるかもしれないと思うとますます歩幅が遅くなる。突然目の覚めるようなナンブイヌナズナの黄色、その上部には帯のように咲き乱れている。

 更に注意してみて登ると岩陰に1輪のヒメコザクラ他の数本は花が終わっている。期待をこめ登っていくと小さな一群が残っていた。今回目的とした花に会えて満足。

 頂上は10人程度と静かな中で山ガールの賑やかな話し声・八幡平市から来たという。なでしこジャパンの結果も気になりラジオをかけながら昼食をとる。日本は1対0で予選通過のニュース二一安心。

 突然「ガリガリ」と強い雷音。これはやばいと、急ぎ下山準備して早々に下る。空も暗くなってきた。雨が降れば岩が滑ってますます歩きにくくなるのと、這い松地帯で雷の直撃に会ったらそれこそ大変とばかりに一目散に下山する。

 いろいろな花が咲いていたと思うがほとんど記憶に無い。途中イワウメの群落の残りがチラッと見たくらいで下山をい急ぐ。1合目が見えてきたところでついに雨がポツリポツリと降り出し、大急ぎで雨具を着用し下山。

 森林帯に入ったら雨は本降りとなり、小田越えからの道路をジャブジャブ急ぐ。花巻地方の一部に避難勧告がでたとのニュースに、これ以上降らないことを願う。駐車場につく頃には、少し小降りとなってきたが、ビジターセンターで着替えて帰路についた。 森 記

コース・タイム:河原の坊8:30〜頭垢離の上9:50〜打ち石10:45〜頂上11:40 昼食 12:30下山〜1合目13:30〜小田越14:00〜河原の坊14:30



H26.7.6

     早池峰山   山行者:吉家・森・阿部      コース:小田越→山頂→河原坊


ハヤチネウスユキソウ
 7月6日に急遽、早池峰山に登ることになった。土・日曜日は岳から一般車両の乗り入れ制限があるため、シャトルバスの時刻表とにらめっこ。一関の出発は6時として、県道14号ー国道456号−県道43号−県道25号を大迫・岳へと進む。約2時間半、8時半のバスに間に合う。しかし、盛岡からの小田越直通バスが遅れて、岳出発は9時少し前になった。


小田越コース 下部にて

山頂の避難小屋

山頂の森氏・吉家氏
 バス3台約120名、殆どの登山客は小田越口で下車した。そこの臨時売店で携帯トイレを調達し、身支度を整えて出発する。小生、十数年ぶりの早池峰山だ。木道は整備され歩きやすくなったが、所々に、つぶれた一斗缶(ペール缶)がシラビソの枝に吊り下げられている。・・どうやら熊除けの鳴り物のようだ。外観も悪く、美しい森に似合わず、みすぼらしい・・。某所では、真鍮性の立派なツリガネが付いている・・なんだか、かっこわりぃぃ・・等と思っていると森林限界を超える。

 滑りやすい蛇紋岩には、足かけのための窪みが彫ってあり助かる。植生保護の為のロープもキチッと張られ、関係者の活動に感謝しながら快適に進む。山頂方面はガスが掛かっているが、足下を見渡すと早速高山植物のオン・パレードだ。アッ、あれは何とかだぁぁ・・と、次々に顔を出す花々の名前を思い出すのも大変だ。一つ一つをカメラにおさめながら楽しく進む。


チシマフウロ

三種類のオンパレード

左・ミヤマシオガマ、右・ヨツバシオガマ
 ハヤチネウスユキソウは丁度見頃を迎え、さらに昔より増えた様子で花株が広範囲に多く見られる。長年の保護活動の成果なのだろう。この日は、川井村の集団登山も行われて、登山者の列と岩場と周りのお花がマッチして素晴らしい光景となっている。

 やがてガスも薄くなり、薄日が射し、そよ風も手伝って快適な登山日和となってきた。急ぐことなく、のんびりと花々を鑑賞しながら高度を稼ぐ。東京から来て、明日は秋駒・・とか、熊本から来た人・・等々、談笑するのも楽しい。懐かしい山頂の姿、そこに散らばる登山者の群、さすが人気の早池峰山ならではの光景だ。12時少し前、山頂到着。北西方向に移動して昼食を取る。

 昼食後、周辺を散策していた森さんが、白いオダマキを見つけたと言う。少し中岳側に下ると・・なるほど白っぽいオダマキの株が数カ所にあった。カメラに収め、山頂広場で証拠写真を撮って下山開始だ。咲き残っていたチングルマにナンブイヌナズナ等の撮影をしながら慎重に下る。

 震災の影響なのか、大きめの岩片や砕石のような小石が非常に多く、道をふさいで歩きづらい。登ってくる速度より、下るのに時間が掛かる。浮き石に気をつけ、膝をかばいながら慎重に下る。すると、裸足の登山者が登ってきた。・・なんでも、岩を踏む足の感覚が良く解り、本人としては登りやすいらしい。・・足の裏痛いだろうなぁぁ・・怪我しなければ良いなと、心配する。

 良く見ると、下っていく人が殆ど見えない。こちらを登った人は、下山は危険だと察知して小田越コースにまわったのだろう。下りとは言え少々汗ばんで膝も痛くなり、打石で大休止を取る。10分ほど休んでも、歩き出すとすぐに膝が痛くなる。あらよっと!!等と、気合いを入れながらトントンに黙々と下り、更に小休止を一回取って何とか河原坊に到着する。



ナンブイヌナズナ
 バス停から見上げると、山頂方面から北東方面はどす黒く、雨でも降っている様子だ。雨、雷等に合わず、無事下山出来て一同ホッとしながら、帰りのシャトルバスを待つ。久しぶりの早池峰山に大満足の一行でした。 阿部 記

コース時刻:小田越9:25ー10:45ごきんぞう11:00−11:32田代平11:40−11:55山頂12:54−13:35打石13:45−14:33こうべごうり14:45−15:34河原坊  尚、シャトルバス時刻等は花巻市・大迫町のHPで御確認下さい。

今回見つけた花:ミヤマキンバイ、ミヤマオダマキ、ミヤマハンショウヅル、ナンブトラノオ、コイワカガミ、キバナコマノツメ、チングルマ、ミヤマアズマギク、ミヤマヤマブキショウマ、サマニヨモギ(蕾)、マルバシモツケ、モミジカラマツ、ハクサンチドリ、ムシトリスミレ、イワウメ、ホソバイワベンケイ、ミツバオウレン、ウラジロヨウラク、マイズルソウ(実)



H24.10.10
       早池峰山  川原の坊〜山頂〜小田越  登山者:森、浅沼


頭垢離の下

頭垢離の上
 当初、焼石岳を予定していたが、先日の台風で道路状態が悪く、普通車は大変だとの情報を得て早池峰山に変更した。曇りがちで肌寒い朝6時一関を出発。途中コンビにておやつを仕入れ登山口川原の坊へ向う。


御座走り付近より

打石
 岳部落を過ぎた頃より岳川沿いの木々は色づき始めている。3日前の須川より進んでいる。川原の坊の上段の駐車場はほぼ満車。全部が他県ナンバー車。残っている1区画に駐車して準備に取り掛かる。

 上空は曇っていてガスが中腹までかかっているが天気情報では雨の心配は無い。ビジターセンターの職員が出勤。須川と違うわ。登山者名簿に記入し、マットで靴の泥をすっかり落として出発。しばらくぶりの早池峰登山である。登山道は刈り払われて歩きやすい。30分ほど登るとガスの切れ間から中腹の紅葉が見え、高まる期待と心臓の激しい鼓動を抑えながらもくもくと進む。

 頭垢離でひと息を入れる。長休みは滲んだ汗が冷たくなるので出発。両側にロウプが張られ道も整備されている。尾根筋に出ると、小田越方面の紅葉が真っ盛りで、這い松地帯と紅葉地帯がはっきり区別されこの山特有の植生がわかる。二人でしばし写真に収めて登る。

 ひと息登るごとに景色も開け振り向いてはシャッターを押し、なかなか前に進めない。道は「御座走り」岩には確保用のロープが張られ、『夫婦岩』の方には行かれないように保護ロープが張られている。岩はテカテカに磨り減っていて相当数の登山客が登っていることが伺える。「打石」でしばし休憩しながら眼下の紅葉を楽しむ。


山頂にて

五合目より
 時折スポットのように日差しが紅葉を照らす。なかなか意の場所を照らしてくれない。所所にナンブトラノオが咲いている。打石から上は紅葉はなく、高山植物が枯れて茶色化している。

 頂上は風が有るので写真を撮って小屋に入る。2〜3のグループが食事を摂っている。我々も靴を脱いで上がって食事にする。室内温度は1度C゜。黙っていると手が凍えるようである。

 下りはもしかすると風があるかもしれないということと、風も冷たいので一枚上着を足して下山する。登る時は、東側の斜面の紅葉を見れたが、這い松地帯からの紅葉はあまりよく見えない。

 5合目まで降ると眼下から1合目に掛けての紅葉が飛び込んでくる。紅葉も1合目の「御門」までで潅木地帯に入ると回りに秋を感じながら一気に小田越登山口まで降りる。

 舗装道路を色づき始めたダケカンバ、道端のウメバチソウを見ながら駐車場に到着。今朝あった車の殆んどは帰ってしまっている。途中観光ぶどう園によって葡萄作りのコツを教わり、お土産を買ってお決まりの温泉につかって。無事帰宅。 森 記

コースタイム:川原の坊8:35 頭垢離9:25 御座走り10:15 打石10:35 頂上11:25昼食12:00出発 1合目13:15小田越13:40 川原の坊14:15着



H24.7.17

      早池峰山 小田越コース

 7月17日、一関の「24年度生涯スポーツ教室・初心者のための登山教室」の最終実技登山が早池峰山で行われました。小田越登山口は、今にも降り出しそうな天気模様でしたが、今日が最後なので雨具を着て出発。

 御門(1合目)まで登ってきたが、晴れそうで晴れない。休憩中に数名のグループが降りてきたので、話しかけてみたら「秋田から来たが、これ以上無理ということでしき返してきた」というこしでした。風も出てきたので先が心配されたが、御金蔵まで登って風が強ければ引き返すことを考えながら進む。御金蔵まで登ってきたが、風も思ったより強くなく、空も明るみが見えてきたので、雨具を脱ぎ登る。

 この山の最大の難所?梯子のところでは、3点確保の実技の習得しいるうちに、空が開け青空も見え最高の天気に回復してきた。参加者も安心と余裕が出てきたのか花を観賞しながら全員頂上に到着。西の方はまだガスが取れなく展望はききませんでしたが東の方は剣が峰、釜石の風力発電用の風車、五葉山も見え楽しい登山教室の最終日となりました。

 早池峰山は固有植物・花が多く有名です。7月中旬といえば高山植物がいっせいに咲き始める季節ですが、今年は例年に比較して花の咲いている種類が少なく感じました。森 記  

講師:吉家省吾、千田典文、森 作苗 
コースタイム:小田越9:35 御門10:05 梯子11:00 剣が峰分岐11:50 頂上12:10 昼食 12:45発 5合目13:30御門14:15 小田越14:50



H23.8.28
      早池峰 (1,917m:岩手県花巻市)    登山者:沖

コースタイム:大東町5:40==(約90Km)==7:30岳部落==(6.0Km)==7:45河原ノ坊駐車場8:05---9:05頭垢離9:10---9:55御座走り岩---10:10打石10:15---10:55早池峰山頂(1917m:昼食)11:30----12:10御金蔵(五合目)---12:50御門口(一合目)---13:12小田越13:14---13:40河原ノ坊駐車場13:55===14:10岳集落==(約90Km)==16:00大東町


キンロバイ
 休日の天候がやっと晴れマークになり、運動不足ですっかり鈍った体に刺激を与えるために比較的簡単に行ける早池峰に登ることにした。8月後半の日曜日、シャトルバスの運行は終了していて、河原ノ坊まで自家用車で入ることができた。


ナンブトラノオ
 岳部落から河原ノ坊まで距離は丁度6.0km、その内うすゆき山荘から河原ノ坊まで1.1kmの距離がある。シャトルバスが廃止になれば、この6.0Kmを歩くことになるのだろうか。そんなことを思いながら緑濃い県道を徐々に高度を上げていく。河原ノ坊に到着、人気の山とは言えウスユキソウの時期以外は混雑することも無く、8月末の日曜日の河原ノ坊駐車場は比較的空いていて車約20台強といったところか。

 山の支度は至って簡単、ザックには合羽、食料としてのペットボトル2本、コンビニお握りとアンパン、梨、飴。定番の携帯トイレ、カメラ、ミニ三脚などで、これ以上の軽量化は不可能なほどの少ない荷物量だ。それに杖、麦藁帽子と言った格好で登山開始。コメガモリ沢を詰めていくいつものルートを採る。


山頂にて
 登山道に入ると早速ソバナの薄紫の花、トリカブトの濃い紫が出迎えてくれる。センジュガンビも白い残り花が咲いている。コメガモリ沢は水量が多く、森林浴に涼しげな音を添えてくれる。


中岳方向
 頭垢離に近づくと早池峰固有種であるナンブトウウチソウが目に付いた。上部を見ると結構咲いているようだったので、焦ってつまらない写真を撮らないよう自分に言い聞かせながら敷居値を高めて淡々と登る。水場を離れると一面にナンブトウウチソウが咲いていて、ピンクの穂をたれている。ナンブトラノオも次々と顔を出すようになってきた。

 やっと本格的にカメラの出番が始まる。すると一気に登山の速度が落ちるという、いつものパターンにはまってしまった。ミヤマアキノキリンソウ、ナガバキタアザミ、ガンジュアザミ、オヤマソバ、シロバナトウウチソウ、ミネウスユキソウ、タカネナデシコ、ハクサンシャジン、コウメバチソウ、ダイモンジソウなど目白押しの状態だ。


岩手山遠望
 谷を隔てた薬師岳を背景にして早池峰の固有種をカメラに収める。急斜面の逆方向になるので、余程背の高い花でなければうまくカメラに収まらない。そんな構図は小田越えルートに任したほうが良いが、谷にあたるコメガモリ沢は風の影響を受けにくいと言うメリットもある。

 結局いつものように大凡3時間を掛けて山頂に到着。団体客がいないせいか、登山者の多くは山頂部の岩陰にポツリポツリと散らばって食事しているだけで非常に静かだ。ボランティアの方に山頂三角点でシャッターを押してもらい、2つの神社にお参りをして昼食とする。


ナンブトウウチソウ
 山頂からの展望は、雲が低く湧いていて南側は薬師岳だけ、北側も姫神山が見える程度で岩手山も時々雲が切れて裾野が見える程度だ。少し秋の気配が感じられる山頂で、涼しい風に吹かれて旨い空気を一杯に吸ってリフレッシュ。

充電が終わって下山開始だ。下りは小田越コースを採る。その小田越コースは風が心地よく正面に薬師岳を見つつ、足元の花々を愛でながら足場を慎重に捕らえゆっくり下る。梯子場を過ぎた辺りから所々で薬師岳を背景にしてナンブトウウチソウをカメラに収める。意地悪い風に邪魔をされて簡単にシャッターを押さしてくれない。御金蔵周辺まで下がるとサマニヨモギが、そしてキンロバイが見えてくると御門口が近いことを教えてくれる。


秋色のお田植場
 樹林帯に入るとクールダウンしながら下るのが常だが、今回は河原ノ坊まで歩かなければならない。気を抜くことなく淡々と小田越に到着。そして車道を足裏を熱くしながら河原ノ坊へ戻る。

 久しぶりに早池峰に登ったが今年はナンブトウウチソウ、ナンブトラノオの当たり年だったかと思われるほど、登山道を常に賑わしてくれていた。早池峰固有種以外にも沢山の花が咲き誇っていた。やっぱり早池峰は花の名山だった。

 注意すべきこととして、門馬側に下るルートは閉鎖されていた。また携帯トイレは避難小屋でも販売されており、早池峰では「トイレは携帯」が常識化しつつある。登山口には携帯トイレの回収ボックスも備えられている。  沖 記

H22.6.26

       早池峰山    登山者:3人 報告:浅沼

 この時期夏の遠征の肩慣らし足慣らし登山をしてきた。今年は春山も須川の登山出来ず、初の山行となる。起床すると東の空は、朝焼け梅雨の晴れ間を思わせる。

 今回の参加は登山が始めての菅原さんも一緒だが走っては50Kレースの参加者なのでその点は心配無用。僕の車の運転の方が心配。5時30分市役所裏駐車場を出発。1000円高速道の恩恵を受け花巻より大迫に入り、岳到着7時駐車場は半分以上埋まっている。7時30分のバスには間に合わず8時のバスとする。これも1台はたちまち満員。2台運行。7時55分小田超え到着、登山者名簿に記帳8時登山口出発。

 足元にはマイズルソウが今頃花をつけている。またムラサキヤシオも花の終わりを告げるように咲いていた。花の写真を撮り初参の菅原さんに合わせてゆっくりゆっくり進むのだが何パーテーも追い越してしまう。何せ小休止を要せず。5合目付近で従兄の自然保護監察員浅沼氏と会う「今日で早池峰登山2977回目5月の誕生日に3000回登山をと思ったが果たせなかったが今年中には達成したい」とのことでした。

 後ろを振り向けば薬師岳がくっきりまた鳥海山もうっすら確認出来360度の展望。天気は快晴稜線を吹く風は何ともいわれない。(それに美人のハイカーと一緒であれば直のこと)


山頂にて
 御田植場にはショウジョウバカマ、イワカガミ、チングルマなどなど、頂上直下にはまだ残雪も残っていました。頂上着10時20分予定通り。30人程がごった返していた。朝食が早かったので早速腰をおろし春雨スープにコンビニおにぎり2個にインスタントコーヒーに、フルーツの差し入れによる楽しい昼食。初参加の菅原さん「山のてっぺんで、カップラーメンにコーヒーが飲めるなんて最高」と感嘆。来て良かったとのこと。案内冥利に尽きた1日でした。帰りは正面コースを下山13時50分河原の坊到着。

一関5:30−7:00岳−8:00小田超−9:255合目−10:20頂上−12:10仏石−13:50河原の坊−15:00岳−15:30東和温泉16:20−17:30一関

H21.8.16

      早池峰山 河原坊−早池峰山頂−小田越−薬師岳−小田越−河原坊

 十年振りにお盆期間中に夏休みが取れ、帰省を兼ね早池峰に行ってきました。梅雨明け宣言をみない今年の夏やっとお盆に入り夏らしい気候を迎えた16日朝目を覚ますと、朝霧に覆われていたが晴が望まれる。


仏石

 5時過ぎ準備運動にと4キロほどジョキング後朝食、お昼のおにぎりを戴き7時実家を出発、内川目に入るとそれまで霧に覆われていた辺りも青空が覗く。

 今回は初冬期合宿用灯油をうすゆき山荘までの荷揚げもあったので、兄から灯油を分けて戴き持参山荘に格納。河原の坊着7時55分既に駐車場には30台ほどの車、早速準備し登山者名簿に記録先陣が16人もいた。空は快晴最高の登山日和。登山道に入ると、トリカブト、アザミは花を過ぎるもヤマハハコ、ソバナは今盛りと咲いている。コメガモリ沢の水量は雨ばかり降っていたせいか何時もより多く感じられる。コウベゴウリ付近にはナンブトウウチソウ、ナンブトラノオが稜線を吹く風にゆらゆら揺れ体の汗もひき心地よさを感じる。


山頂の浅沼氏

 昨年6月の地震により打石下の大きな岩の崩れを見ながら打石がよく崩れなかったことに感心する。振り返ると薬師岳がどっしりと構えている。ガレ場の岩を登るとアザミにクジャクチョウガ羽根をゆっくり上下していた。

 今日は単独行写真を取りながら昇るも体が軽く感じられ、次々先発隊を追い越し頂上に着く。登山口から2時間10分。山頂には2人がいたがそのうち次々到着。快晴360度の展望が利くが岩手山は確認できなかった。お互い写真を取り合い軽い昼食。早い登頂が出来たので予定通り下山し薬師に向う。


ヒカリゴケ

 小田越登山口から薬師へはしばらく整備された木道を進むと樹林帯、その先アオモリトドマツの中進むと急な登りとなる。振り返るとダケカンバの間から早池峰を望むことが出来た。ここの魅力は大きな岩陰に不気味に光輝くヒカリゴケ、今日もあのなんともいわれぬ神秘の輝きを確認。デジカメに収録、山頂を目指す。ダケカンバの林を過ぎると今度はハイマツトとシャクナゲが目立つが花は終わっていた。ロボット雨量計を過ぎると山頂は目の前、稜線の風を受け山頂へ、今日は薬師への登山者はなく終始一人旅山頂へは登山口から1時間弱で到着。こちらも360度の展望、誰もいない頂上で昼食を取り下山。頂上直下の岩陰には小さなダイモンジソウが可憐に咲いていた。

 帰り途中大迫産直によりボンデァのソフトクリームを始めて食べたさすが並んで買うだけの味がした。 浅沼 記

コース時刻:大迫外川目7:00〜7:30うすゆき山荘7:45〜7:55河原坊8:08〜8:58コウベゴウリ9:05〜9:44仏石9:50〜10:18頂上10:45〜11:55小田越登山口12:08〜13:04薬師岳13:13〜14:12小田越登山口〜14:37河原坊15:00〜17:40一関


H19.6.17

     早池峰山   (登山者:浅沼、佐藤)


イワウメ

ナンブイヌナズナ

山頂の佐藤・浅沼各氏

薬師岳より早池峰山
 今年前半のマラソン大会も終わり今日は天気も良さそうなので予定通り早池峰山に行ってきました。山の会・走友を誘うも走友佐藤さんと2人の山行になりました。

 一関5時半出発平泉で走友同乗江刺経由で岳到着7時16分、すでにマイクロバス、乗用車で第一駐車場をほぼうめている、仕度しているうちに7時30分のバス出発、8時に乗ることにし準備万端。バスは座席を満席にし8時出発、河原の坊着8時15分、ここで下車した人は6、7人他は小田越え方面に行った。

 登山者名簿に記入し8時21分登山開始、天気は快晴体調も良好。コウベコウリ下で7時30分出発の団体20人ほど追い越し上部で休憩、真黄色のナンブイヌナズナ、ヒメコザクラ、アズマギクが咲きシャッターに収める。今日は健脚の走友との同行で途中10分の休憩で頂上着10時27分、360度の展望。

 のどが渇き早速ビールで乾杯。定番のコンビにおにぎりに、カップラーメンの昼飯にコーヒー。頂上では屎尿担ぎ下ろしのボランテアが作業をしている。頭の下がる思い。いつの日にか協力を肝に銘じる。頂上では一関山の会の団体15、6名と一緒になる。その他20人位がいた。


ヒメコザクラ
 下山はいつもの小田超コースを選択、途中イワウメの群落、ところどころにアズマギク、イワカガミ、たまにショウジョウバカマの花も咲いていた。ハヤチネウスユキソウは固い蕾、今年は3月の寒さで花が遅れているとのこと。そうこうして小田超着、12時42分のバスは出発したばかり、次のバスまで1時間もあるので、「1時間あれば薬師岳に行ける」と相棒に言ったら薬師に行くとのこと、休まずそのまま次を目指す。


ツバメオモト
 薬師は早池峰の岩場と違い林の中を進み、山道の感じ、山道にはオサバクサ、時たまツバメオモトが咲いてました。薬師岳到着1時53分小田超より丁度1時間、相棒はなんとぼくより18分も早く着いていた。薬師より観る早池峰はまた格別。また遠野盆地など360度の展望。薬師の頂上はもう登山者はいない。

 今日は一気に早池峰と薬師二股かけた山行、帰りは2時42分のバスに乗るため、駆け足下山やっとの思いで乗車できた。それもこれも今年の八ヶ岳登山を目指してのトレーニングが功を副うした感じでした。 浅沼 記

コースタイム
一関 5:30〜平泉 5:48 〜岳 7:16 〜河原の坊 8:15 8:21 〜打石 10:05〜 頂上 10:27 11:45〜 小田超 12:53 〜薬師岳 13:53 〜小田超 14:40 〜岳 15:30 〜一関 17:30

H20.6.21

      早池峰(1,917m:岩手県花巻市)薬師岳(1,644.9m)

 6月14日の栗駒山山麓を震源とする地震で磐井川上流、迫川上流が壊滅的な破壊を受けて、栗駒山への入山は出来なくなってしまった。また焼石岳にも波及して現状では入山が困難な状況にある。近場の花の山に行けなくなった為、被災者の苦労を尻目に今回は早池峰に登ることにした。


早池峰山 山頂

 大東町のアパートを出発したのが丁度6時、早池峰までのルートにコンビには大迫にあるだけなので、摺沢で昼食おにぎりを購入して北上する。走行距離は東和町経由でも田瀬湖経由でも同じだが、今回は何となくカーブの多い田瀬湖経由のルートを採った。信号の無い2車線道路をエコランですいすい走り、予定より早く岳部落の駐車場に到着でき、何とか8時丁度発のシャトルバスに乗車できた。駐車場には思いの他登山者の車は少なく、予定したバスも10人の乗客で発車となった。


山は花盛り、花名は思い出して・・

イワウメ

ミヤマシオガマ

 河原ノ坊で半数が下車、私もそのメンバーの一人だ。今回は体力に余力があれば前回登りそびれた薬師岳まで足を延ばしたかったので、小田越に下りることもその理由だ。逆コースも考えたが、やはりメインディッシュは早池峰、そこをヨタヨタ登っては意に反するとの思いもあり、今回もまたいつも通りのルートとなった。

 河原ノ坊で下車して登山監視員に山の状況を伺うと、『今年は異変でハヤチネウスユキソウも咲きだしたし、全般的に開花が早い』とのことだった。いつもは書かない登山者名簿に記入をして、カメラを首にかけて第一歩を踏み出すと、すぐさまテガタチドリが登山道両脇に花を咲かせている。ハクサンチドリも競演している。早速カメラの出番で、こんなことでは前途が思いやられそうだ。

 コメガモリ沢を右岸、左岸と何度か飛び石を拾って亘り、まだ傾斜のきつくない沢沿いの慣れた道を登っていく。でも今回は少し蒸し暑いせいもあるが、日頃の運動不足か足が非常に重く感じる。おまけにこの沢沿いのルートでさえ沢山の花が咲いていて、タチカメバソウ、タニウツギ、ベニバナイチヤクソウ達が写真を撮るように囁いている。立ち止まって息を止めて屈んでカメラを構えると、その姿勢を維持するだけでも疲れが倍増して不調の足が更に重く感じる。

 岩場のいつもの休憩場所で一本立てるが、汗が吹き出てくる。おまけにこの汗のにおいに感じて小さな羽虫が沢山纏わり付いてきて、落ち着いて休んでいられない。お茶とおにぎりを欠損胃袋に補給し、身体のほてりが残った状態で次の休憩ポイントの頭垢離へと向かう。沢沿いの傾斜は段々きつくなるが、まだ問題の無いレベルだ。瓦礫に旨く適合してミヤマオダマキが可憐でいつ見ても惚れ惚れする容姿で迎えてくれている。沢山の蕾が付いた咲き出したばかりの株を見つけては何度もシャッターを押す。足元に可憐な花株を見つけても、もっと先に更に美しい花株が出てくるので、上部を常に意識しながら目の前の花を写すことになる。

 頭垢離まで来ると花の様相が更に変わり、早池峰の名花が出揃うようになる。ミヤマシオガマ、チングルマ、ミヤマアズマギク、ナンブトラノオ、ムシトリスミレ、ミヤマハンショウヅル、キバナノコマノツメ、ハクサンチドリ、ミヤマキンバイなどに混じってハヤチネウスユキソウも咲いている。頭垢離で休もうと思っていたがこれだけの花々に迎えられては、もうゆっくり休んでいられない。とにかくこれらの花たちに挨拶するまではと無理して重い足に鞭打って、一気に増した傾斜に呼吸も乱れながら這い上がっていく。

 頭垢離で一本立てて呼吸を整え急な登りを落石に注意しながら慎重に高度を上げていく予定が、想定外の花々に出会ってペースも乱れてくる。高度が増すにつれて花の様相も変化してきて、ミヤマキンバイに混じってナンブイヌナズナが増えてくる。「御座走り岩」辺りから花株が多く見られるようになり、山頂付近までずっと目を楽しませてくれる。黄色に少し緑がかった浮き出るような色合いのナンブイヌナズナもまた早池峰の名花であり、ガレ場の岩陰の「ド根性×××」と言われるような所に咲いている。「千丈ヶ岩」辺りが一番花株が多く、岩の間にぎっしり花を咲かせている。チシマアマナやヒメコザクラもこの辺りから随所で見られて写真撮りに忙しく、結局休む間を惜しんで撮影に夢中になっていて「打石」でもほとんど休まなかった。

 山頂付近で監視員からコタヌキランという花(?)を教わり、その姿かたちからいかにも狸を連想させてなるほどと納得してしまう。この花も今が盛りで随所に見られた。何度も同じような写真を撮っているが、やはり綺麗な花には毎回新鮮味を感じてしまう。

 息切れしたまま山頂稜線に立ち、一等三角点(標高:1913.61m、点名:早池峯)にタッチし、二つの早池峰神社にお参りしていつものように無料祈願を行なう。神社裏手の最高地点から岩手山方向を望んだが、ガスで北側は閉ざされていた。剣ヶ峰方向もガスっていたが昼食中にガスが流れて、その合間を縫ってシャッターを押した。

 山頂付近のハヤチネウスユキソウはまだ蕾状態だったため、中岳方向への散策は止めて小田越ルートに向かう。避難小屋直下はまだ残雪が多く、その周辺はこれから春を迎えるところだ。雪融けが進んだところでは、ショウジョウバカマが咲き、ミツバオウレン、ミヤマカタバミなどが見られる。チングルマ、イワカガミにはまだ時間がかかりそうだ。


ナンブトラノオ

 剣ヶ峰の分岐を過ぎて小田越ルートに入り、慎重に岩場を足元に注意しながら下る。ミヤマキンバイが多いルートで、竜ヶ馬場付近のイワウメに期待しつつ鉄梯子の架かる鎖場を慎重に下り高度を一気に下げていく。期待したイワウメは一面に咲いていた。ミヤマシオガマも随所に咲いている。もう花は沢山だと思いながらも、綺麗な花に誘われて何度も足を止めてカメラを構える。

 キンロバイはまだ咲いてないのか、気づかないまま樹林帯に入り込んだ。ここでも沢山の花に出会ったが、先を急ぐことにしてカメラは首にかけたまま小田越に向う。バスの時間に間に合えば薬師岳はパスするつもりで急いで降りたが、結局はバスの出発時間より二分遅れで小田越に到着。これで腹をくくって薬師岳へ登ることへの決意を新たにする。

 管理小屋でトイレを借りて心を落ち着けてから、薬師岳に取り付くことにした。大凡一時間強で登れると考えていたが、太ももがジンジンして中々ピッチが上がらない。樹林帯は丁度オサバグサが満開状態で白く林床を染めて、暗いアオモリトドマツの林が明るく清楚な雰囲気に包まれている。ところが現実は景色に関係なく休むと羽虫に攻められるため、団扇で扇ぎながら登ることにする。北斜面の薄暗いじめじめした登山道を一人で登るのは落ち着かないが、登山者が数組入っているようで下山組と出会うようになって不安要素が消えてくる。

 小さい鎖場を過ぎて少し登ると森林限界に至り、ハイマツ、シャクナゲ、イソツツジなどの低木帯に出る。ここからは晴れていれば早池峰の峰が大きく見えるはずだが、生憎今日は山頂部がガスって居て小田越の鞍部や早池峰の山裾が見える程度だ。暗い森から明るい低木帯に出ると空気も軽く感じる。森林限界から上部は花崗岩の岩を縫うように登るため、余計に足が重く感じて中々山頂部の稜線に辿り着かない。でも岩の奥にヒカリゴケが、見る角度によって妖しく光って見えて印象的だった。


薬師岳山頂の沖氏


薬師岳の守り神

 ロボット雨量計があった岩場に到着すると、三角点のある山頂までもう少し我慢するだけだ。緩やかな登りをもう直ぐ山頂という鼓動を抑えるように山頂部に向う。心躍る時がもう直ぐだが、小さな岩場をもう一つ越さなければならない。でもイワウメが一面に咲いていて、それに慰められながら確実に一歩一歩山頂に近づいていく。そして最後の岩稜を登ったところに薬師岳の三等三角点(標高:1644.91m、点名:薬師岳)が風雨にさらされてちょっと侵食されたような風合いで設置されていた。三角点の頭に平手でポンとタッチし、山頂到着の儀式を行なう。三角点のある岩場の東側には薬師岳の守り神が露岩に置かれていた。ここでもいつもの儀式として無料で山の安全などを祈願した。遠野から登ってきたと言う監視員が一人でいたので、彼にお願いして写真を撮ってもらった。

 その人の話では『小田越山荘に向う周遊ルートは登山道が荒れて歩きにくいから、往路を戻るのが賢明』と言われて、大人しくその指示に従って往路を戻ることにした。山頂稜線の岩場にはイワウメ、イワヒゲが沢山の花をつけていた。

 復路は湿った足場で滑らないよう気をつけながら降りたため、ゆっくり歩いて山の余韻を楽しんだ。小田越からシャトルバスで岳駐車場に戻ったが、バスの乗客も往路と同じ10名でこれでは来年のバス運行が継続できるか心配される。 沖 記

コースタイム:大東町6:00==(約90Km)==7:45岳部落駐車場8:00==(シャトルバス@600円)==8:15河原ノ坊8:18---9:17頭垢離9:20---10:00御座走り岩---10:15打石10:17---10:30千丈ヶ岩---10:55早池峰山頂(1917m:昼食)11:25----11:38稜線(剣ヶ峰)分岐---12:00御金蔵(五合目)---12:30御門口(一合目)---12:44小田越12:50---13:55薬師岳(1644.91m)14:05---14:55小田越15:12==(シャトルバス@600円)==15:35岳集落駐車場15:45==(約90Km)==17:30大東町



H19.7.22

    早池峰 (1,917m:岩手県花巻市)


チングルマと山頂小屋
 予定していた計画が雨天予報のため中止でフリーになったこと、直感的に天候が回復すると読んで急遽早池峰に登ることにした。雨の予報でハヤチネウスユキソウのトップシーズン中だが登山者も少ないと見込んで、霧雨の中をフォグランプ点灯で摺沢のアパートを出発。


背の高いのがヨツバシオガマ

ナンブトウウチソウ

ハヤチネウスユキソウ
 ゆっくり走行だったがギリギリで7時丁度のバスに間に合い、急いで支度をして乗客10人にも満たないバスに飛び乗った。トイレ休憩などは河原の坊の自然保護センター休憩所で済まし、携帯トイレを300円で購入してコメガモリ沢から出発する。連日の雨で水量は多めだったが渡渉に困難な状況ではなく、天候も曇り空ながら回復しそうな空模様になってきた。

 オニシモツケ、センジュガンピ、クガイソウ、シシウドなどが沢沿いに咲いていて、目を楽しませてくれるが頭垢離までは絵になるような花はなく淡々と高度を稼いでいく。最初の休憩ポイント手前で元気な女子高生の一行を追い越す。登山者の大半が中高年の中で、若い人達が山に接するのを見るだけでもオジサンとしては嬉しく感じる。

 頭垢離が近づくと花の様相も変わりマルバシモツケ、ミネウスユキソウ、ミヤマヤマブキショウマが多く、傾斜もきつくなってくる。頭垢離で沢と分かれて益々傾斜は強くなり、期待のハヤチネウスユキソウもちらほら顔を出す。


ミヤマオダマキ
 早池峰に初めて登った昭和48年夏、コメガモリ沢から登り山頂避難小屋に一泊し早津戸駅に下ったが、今にも崩れ落ちるのではないかと思うほど巨岩群の覆いかぶさるような迫力と急坂に圧倒された。花ではミヤマアヅマギクが多かったこと、稜線沿いにハヤチネウスユキソウが沢山見られたことなどが当時の印象であった。

 そのミヤマアヅマギクが今年は随分多いと感じたが、今年の早池峰はその他の花も含めて例年より色彩豊かに感じた。元よりミヤマオダマキが多くて、このために山登りの速度が半減させられるが、今年は至る所で紫の素敵な姿が見られる。時期的にやや遅い感もあるが、それでも十分に被写体として耐えられる花株が次々に出迎えてくれる。

 振り返るとガスが流れて薬師岳が見えるようになってきた。遠く焼石岳や五葉山も確認できる。益々山登りの速度がペースダウンしてくる。しかし身体を休めているわけではないので疲労だけは蓄積される。カメラアングルを決め被写体が静止するのを待つまでが結構疲れる。とにかくシャッターを切るまで呼吸を止める習慣だからだが、変な癖がついてしまったことを悔やんでも仕方が無い。また絵になりそうな花を探してキョロキョロし、足場や落石にも注意を払いながら登るので、結構集中力も必要になって余計に疲れる。


山頂の沖氏

岩手山遠望

ミヤマアヅマギクとミネウスユキソウ
 山頂付近には咲き残りのナンブイヌナズナ、咲き出したばかりのハクサンシャジン、蕾が膨らんだミヤマアケボノソウなど目白押しの状態だ。見頃の花が沢山あってなかなか山頂稜線にたどり着けない。


キンロバイ
 やっと到着した山頂はやはり混雑していた。しかし大半はボランティア登山のグループで、し尿を担ぎ下ろしてくれる人達だった。自分もいつか協力しなければと思うが、あのポリタンクを見ると勇気のいる作業だと今はまだ感謝しているだけだ。一等三角点(標高1913.61m、点名:早池峯)をタッチし、若宮に参詣していつものように山の無事、家内安全、商売繁盛などを無料で祈願する。

 少し早いが昼食場所を求めて山頂稜線を西に移動する。すると雲海の上に岩手山が見える。足元にはミヤマアヅマギクが一面に咲いている。ハヤチネウスユキソウも純白のまま大きな花を広げている。ミヤマオダマキ、ナンブトラノオも多い。メモリーも電池も十分の状態で天候もバッチリになった。昼食場所を岩棚に見つけて絶景を肴に春雨スープとおにぎりの食事。至福のひと時を堪能できた。

 名残惜しい山頂を後にして下山に取り掛かる。ボランティアの汲み取り作業を申し訳なく横目で見ながら東へ向かう。まだイワカガミやチングルマが咲き残っている。ヨツバシオガマも背を伸ばして咲いている。お田植え場に来るとシラネニンジン、ヨツバシオガマが乱咲きの状態だ。それを無視するかのように剣ヶ峰分岐に向かい、そこから小田越ルートを真っ直ぐ下りることにする。

 もう花の写真は沢山だと思いながらも、綺麗な花を見るとカメラを構えてしまう。太陽が眩しく花の写真に向かなくなっているのに、それでも懲りないのだから困ったことだ。クサリ場の長い鉄梯子を2段過ぎ、一気に高度を下げて竜ヶ馬場のハイマツ帯に出ると、サマニヨモギやチシマフウロが足を止めるように誘ってくれる。2,3合目付近ではキンロバイも見頃を迎えている。

 満足する量の写真を撮ってコメツガの樹林帯に入る。林の中でもカニコウモリが沢山の蕾をつけていた。ギンリョウソウをワンショットだけ写して小田越に到着したが、道草が祟ってバスが出た直後だった。早い時間帯だったため次のバスは一時間後にしか来ない。仕方なく薬師岳に取り付いたが、途中で早く帰ろうと言う心の叫びが強くなって、森林限界まで行き着かないところで引き返した。

 帰路はいつもの東和温泉ではなく大迫のワイン工場の一画にある日帰り温泉施設「ぶどうの湯」で山の汗を流した。自宅に戻ってパソコンに沢山のデータをカメラから取り込んだが、納得の写真はイチローの打率に遠く及ばなかった。沖 記

コースタイム:大東町5:10==(約90Km)==6:55岳駐車場7:00==(シャトルバス@600円)==7:18河原の坊7:40---8:35頭垢離8:40---9:35打石9:40---10:15早池峰山頂(1913.61m:昼食)11:15---11:30剣が峰分岐---12:00御金蔵(五合目)---12:50小田越13:42 ==(バス@600円)==14:05岳駐車場14:15==(ぶどうの湯@500円、約90Km)==16:50大東町



H18.6.18

    早池峰山  花々は、ほとんど咲きそろいました。


ヒメコザクラ

ミヤマタネツケバナ

イワウメ
 先週山開きが行われ、花の名峰も夏山シーズン到来である。一関を5時30分霧模様の中を出発途中食料を調達し、岳駐車場につく頃には霧も晴れ空も明るくなってきたが山は隠れて見えない。駐車場はまだ半分くらいだが次々入ってくる。7時28分、早速荷物を整理してシャトルバスに急いだが7時30分が出発してしまった。

 8時のバスで、河原の坊へ向かう。ここでは5,6人降りたがほかは小田越に向かった。歩き始めてまもなく、ノビネチドリのお迎えである。心もち水量が大目のコメガモリ沢を右に左に高度を上げると共に額に汗がにじんでくるが頭垢離まで休憩なし。コメガモリザワに別れを告げ稜線に立ったところで一息入れる。

 ガスは薄くなったようだが「夫婦岩」より上部はガスに覆われている。チングルマ、ミヤマキンバイ、ミヤマシオガマ、ミヤマアズマギク等花数も多くなって来る。毎回撮影してきているが、何か新鮮な感動が沸きついカメラを向けてしまう。浅沼さんの姿はもう見えない。ナンブトラノオが道の真ん中で一本咲いている。いまどき珍しい。名花ハヤチネウスユキソウはつぼみである。

 「打ち石」を過ぎる頃になるとヒメコザクラ、ナンブイヌナズナの早池峰固有種がまだ咲き残っていた。「千丈岩」付近からはナンブイヌナズナ、ミヤマキンバイが主役となり、岩の隙間を埋め尽くしている。イワウメも咲き出しているので、小田越えが楽しみである。特に休憩したつもりもなく頂上につく。

 頂上は思ったより空いていて、バスで一緒だった登山者も小田越からほぼ同じくらいに着いたようである。先着の浅沼さんはお湯を沸かし昼食の準備が出来ていた。荷物を降ろしビールで乾杯したところへ、「やぁやぁここにいた」と沖さんが岩陰から現れる。あれぇ、「今日は栃木でなかったかな」「予定変更、やっぱり山がいい」と、われわれが着いて手間もなく発車したバスで登ってきたとのこと。

 避難小屋の入り口付近ではボランティアの皆さんによる尿降ろしの作業中である。帰路は3人、瞬時のガスの切れ間に写真を撮り、ゆっくり下る。梯子を降りハイマツ地帯に入るとイワウメの群生地帯。ハイマツの隙間を埋めるように咲き誇っている。御金蔵をすぎると二人は後も振り向かず一気に下る。御門ででも休まない。私も追いかけ小田越駐車所手前で追いつく。13時42分発のバスに乗るために急いだとのことであるる。 森 記  写真:沖、森 花名は省略しました。


オサバグサ

コース・タイム* 河原の坊8:20・・頭垢離9:10・・打ち石10:07・・千丈ヶ岩10:25・・頂上10:50頂上12:00・・御門13:23・・小田越13:37