燧ヶ岳 御池−山頂コース他 | 2346m |
H19.8.4−5
燧ヶ岳 温泉付き小屋で楽しんできました。 8月4日
御池の駐車場に車を入れると、まだ8:15だった。この時間ならいける!と急遽、一気に燧ヶ岳に登ることにする。明日の予報が雨に変わっても大丈夫、天気の良いうちに行っちゃえぇぇ・・と、身支度もそこそこに8:30御池を出発する。今回は久々の一泊行程。とは言っても、下着と水分が1リッター多いだけ。それほどのアルバイト量にはならず、道の様子もある程度の予測も付く。きつい傾斜の力配分も順調にこなせ、以外に余力も続く。
再び森の中に続く急登を進む。先を行く初老のご夫婦に道を譲られて、やせ我慢をして更に登る。道は、数年前より木道が整備されて、段差は気になるが歩調が一定に保て歩きやすい。傾斜が緩くなると再びキンコウカの群落が歓迎してくれる。ピークを越て少し下ると標高約1960mの熊沢田代に着く。帝釈山方面の見通しは良いが、西側の平ヶ岳はよく見えない。燧山頂方面はガスも途切れ途切れだが、進むコースも含めよく見える。汗を乾かしながら大休止を取る。 先ほどのご夫婦がやって来たので、席を譲り出発する。木道の階段がしばらく続くが、下から見上げた時の予想よりきつくはない。確かに息は上がるが、どんどん高度を稼ぐ。やがて斜面をトラバスー気味の登りに変わり、更に進むとガレ場の直登に変わる。また、次のご夫婦に道を譲られ、見栄を張って息を切らしながら最上部まで一気に登る。ここから左側にコースはおれて、再び斜面をトラバース気味の緩い傾斜を登る。やがて地肌むき出しのザレ場が現れ、遠景を眺めながら小休止を取る。 数人が降りてくるのを眺めていると、火箸とビニール袋を持ち長靴を履いた女子が2名降りてきた。肩のマークを見ると尾瀬保護財団の関係者のようだ。ゴミを集めながら、パトロールをしているのだろう。頭の下がる思いがした。山頂はもうすぐだ、と重くなった腰を上げる。森林限界は超したが最後の登りに差し掛かり、低い灌木をくぐり抜けると岩場に変わって山頂が現れる。山頂(マナイタグラ)には20名ほどが、ガスの切れるのを待っていた。同じようにしばし大休止を取りながら待っていると、ガスが切れて尾瀬沼の全貌が現れる。相変わらずいい眺めである。 25分ほど展望を楽しみ、ここより10m程高いシバヤスクラへ向かう。一旦下り再び登りになるが、この登りが結構疲れた体に応える。今日最後の登りと言い聞かせ何とか登り切る。こちらにも約20名の登山者が集っていた。手前にガスが棚引く中、尾瀬ヶ原の全貌が薄日の中に浮き上がっている。至仏山は、両側の稜線が解る程度に頭を隠している。全てが見えなくても、さすがの絶景。しばし見とれて岩蔭に席を取る。おにぎりを食べながら、尾瀬沼の一角や、尾瀬ヶ原の絶景を更に堪能する。
首から下げたカメラをザックにしまい、軍手をはめて鈴を取り付け気持ちを新たに真剣に下る。笹竹で道が解りにくい場所もあり、大きな岩がゴロゴロ滑りそうに光って散らばる。歩幅は狂い、両手は小枝や笹竹を掴んでいないと転けそうだ。林に入ると、殆どが沢状態。小一時間下ると、やっと人の声がして6名ほどのパーティに出会う。「この道は獣道のようだ」と互いに労をねぎらう?。結局、初めから最後まで沢歩き状態。後で小屋の人に聞いたら、整備が間に合わず、今年の9月には閉鎖の予定とのこと。新しい道を記憶に残そうとしたが、意味が無くなってしまった。 15:00温泉小屋に無事到着。どんな人と相部屋になるか、不安を感じながらチェックイン。入り口の下駄箱を見ると、既に50名ほどが入っている様子。結構混んでいる様子。通された部屋は9名も入るが、この日は私を入れて5名で大の字になって寝られる。挨拶を交わし、雑談が始まる。全部単独行者で、単身赴任者もいてみんな山好きの固まりのようだ。お風呂(鉱泉)の時間に早いので、たばことビールを飲みに外のベンチで再び雑談。楽しい時間が、アッという間に過ぎていく。 コース時刻:御池駐車場8:30−9:12広沢田代9:18−9:58熊沢田代10:05−10:53ザレ場11:05−11:20マナイタグラ11:33−11:51シバヤスクラ12:15−12:35見晴・温泉小屋分岐12:38−15:00温泉小屋 8月5日
年代物?のブナ林が続く中、ブナハリタケ?か美味そうな茸類も出始めて目を楽しましてくれる。ムシカリの白い花があったと思うと、青みかかった種類も多く見られ、勝手に山アジサイとつぶやきながらのんびり下る。平滑の滝から約30分で轟音の響く三条の滝上部の見晴らし台に着く。以前は下部の見晴らし台が冬期のため閉鎖され、滝の全貌は見る事が出来なかったが今日は大丈夫だ。ザックを置き、はやる気持ちを抑えて木の階段を降りる。
やがて灌木帯を抜け、キンコウカやコバギボウシの咲く西田代、横田白、上田代と風景は変わる。上田代に出るとガスっていた燧ヶ岳山頂も顔を出し、久しぶりの光景に満足する。時間を見ると、まだ11時少し前。昼飯には早いのでベンチで大休止と思っていたが、いっぱいのハイカーで隙間がない。やむなく、御池田代まで下りて空いているベンチで大休止を取る。クルマユリが満開、サワギキョウは咲き出したばかり、目の前に揺れる花々を眺めながら、のんびり甲羅干しをする。
久々の燧ヶ岳、予定を変更して正解だった。相部屋の一人は5日に燧へ向かったようで、終始ガスに巻かれたようだった。また、当初予定していた温泉小屋道は、廃道同然だったので更に苦労していたかもしれない。9月には上・下の入り口に進入禁止の看板が現れるかもしれないが、利用を考えている人は温泉小屋等に通れるか確認すると良いだろう。 阿部 記 コース時刻:温泉小屋7:05−平滑の滝7:31−8:02三条の滝8:30−9:05渋沢温泉分岐(下)9:10−9:51ひうち橋10:05−11:27御池田代11:43−11:49御池駐車場 |
2003.8.24 2346m
尾瀬沼ー尾瀬ヶ原の絶景ポイント
24日、5:30バンガローを出て御池(ミイケ)に向かう。身支度を整えて、駐車場(1000円自動改札、出る時支払う)奥から6:10入山。100m程下り気味に進むと燧裏林道と別れ、燧ヶ岳直登コースへと入る。ブナの大木の中に続く道は、比較的大きい石がゴロゴロ点在して黒土が泥るんで歩きづらい。10分ほど緩い傾斜が続いた後、いよいよ岩や石が転がるややきつい登りが40分ほど続く。安定した石や岩を踏み分け、グングン高度を稼ぐ。もう限界かと思う頃、周囲が明るくなり広沢田代に着く。しっかりした木道が、点在する池塘とマッチしてなかなか良い景観を作っている。会津駒ヶ岳がすぐそこに見える。キンコウカ、モウセンゴケ、タテヤマリンドウ、ヒメシャクナゲ、ギボウシ、エゾリンドウなどが景観に色を添えていた。
更に続く木道をゆっくり登ると道は左向きに巻き、灌木帯に入って泥るんだ道を進む。やがてゴロー地帯が現れる。浮き石の多い標高差100m位の真っ直ぐな急傾斜で、風通しも悪く息が上がりそうだ。石を落とさないように慎重に登るが、登り切ると更に左側へトラバース気味に道が変わり視界が開ける。熊沢田代や檜枝岐方面の展望が良く、遠く那須連山も見える。風にあたりながら、小休止を取る。 灌木も背丈が低くなり石や岩の少ない、やや緩くなった傾斜を登り出すと「頂上はもうすぐですよ」と声をかけられる。焦る気持ちを抑えながら進むと、シャクナゲの葉に顔や腕をなでられ、一時的に平坦な道に変わる。上の方から登山者の声が聞こえ、最後の標高差15m程の急傾斜の岩場を越すと山頂に出た。 30人ほどが、360度の大景観を思い思いに楽しんでいる。口々に「こんないい天気は初めてだ・・」などと満足している様子。遠く霞んで富士山も見え、尾瀬沼や尾瀬ヶ原の展望も最高だ。山頂の全員に景観の説明をしたい気持ちを抑えながら、数ケ月前に歩いた軌跡を確かめつつ、じっくりと景色を堪能する。 山頂が混みだしてきたので、シバヤスクラには行かず約40分ほど楽しんで山頂をあとにする。時間はまだ9時をまわったところ。ゆっくり高原の涼を味わいながら、登ったコースを下りる。広沢田代からは、団体さんの後をゆっくり追う。 東北一の標高はさすがに展望も良いが、結構きついコースだった。登りも下りも両手を使い、慎重に歩きたい。杖は下りで利用(登りには邪魔、途中置いていった人もあった。)すれば助かるかも知れない。初めて登る人には長英新道コースを進めたい。
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