一切経山


吾妻小富士


H24.9.1−2

9月1日、2日と吾妻小舎に泊まって一切経山、磐梯山を歩きました。とは言ってもコースタイムも無く、家内と散歩がてら山をウロウロしただけです。

今年の吾妻山一帯はクロマメが豊作、これもきれいです。
吾妻小舎ではいつのまにかヤマネが棲みついたようで、夕食時のゴールデンタイムに合わせて15分ほど食堂にてワンマンショーです。カメラのフラッシュにも動じることなく、納得するまで身繕いをして去っていきます。

これでお客の少ない吾妻小舎が元気になればと密かに期待しています。
磐梯山からは中ノ湯跡。建物は、少し朽ち果ててきた様子です。
登山道途中から見た五色沼ほかの湖沼群。相変わらず良い眺めです。
弘法清水です。

磐梯山では弘法清水で雨がひどくなり、家内は下山、当方だけ山頂を目指したのですが、目的は新たに設置された三角点を見るため。
新設なった三等三角点。(2010年10月)

過去の経緯については国土地理院のHPを参照願います。色々と面白い情報があります。
http://www.gsi.go.jp/tohoku/topics.html


レポート:沖さん



H23.6.18

       一切経山  (標高:1948.77m、福島県福島市土湯温泉町)    登山者:沖

コースタイム: 吾妻小舎7:30---8:20酸ヶ平避難小屋8:20---9:00一切経山(1945m)9:12---10:00姥ケ原東吾妻山登山口十字路(昼食)10:25---11:00東吾妻山(1974.7m)11:20---11:30展望台11:35---12:10景場平12:17---12:40鳥子平12:40---13:30吾妻小舎


一切経山より五色沼と家形山(吾妻連峰従走路方面を望む)
 吾妻小舎主人・遠藤守雄さんが4月6日享年61歳で逝去された。雅子夫人および吾妻を愛する沢山の地元スタッフによって、夢の山小舎はしっかり守られている。しかしながら自分自身は何も役に立てないので、とにかくお客として時々は顔を出すのも良いのではと思い、今回イワカガミやチングルマ、ワタスゲが見頃を迎える時期と重ねて出かけてみた。

 浄土平から一切経山に取り付くルートは未だ『一切経山の大穴付近で有害な火山ガスの噴出が見られるため』とのことで入口が閉鎖されていたので、その先の酸ヶ平経由のルートで登ることにした。花の時期には少し早かったのか、イワカガミは登山道脇にちらほら見られるだけだ。その昔、浄土平駐車場がまだレストハウス前に小さかった頃、浄土平から酸ヶ平までイワカガミで一面ピンクに染まったことを思い出しながら登っていく。加齢からか運動不足からか、とにかく足が重くていつものペースで登れない。スローペースを意識し、呼吸を整えつつ残雪を踏みしめて酸ヶ平へ。


ガスを噴出する一切経山
 酸ヶ平避難小屋分岐手前でゆっくり休憩し、呼吸を沈めて一切経山に向けて再び行動を開始。いつものように長靴で登っているので、足裏を刺激しないよう足場に注意しながら慎重に登っていく。山頂手前で下山者から西吾妻方向の視界がよいと教わり、俄かに元気が湧き出してくる。期待の山頂部は穏やかで、最初の儀式として一等三角点(点名:吾妻山、標高:1948.77m)にタッチ。そしてそのまま直線的に下っていくと吾妻の瞳と称される五色沼が藍色の湖面を見せて歓迎してくれている。

 東大填から中吾妻山へのっぺり寝そべった稜線が延び、その奥に西吾妻山がくっきり見える。東大填の左肩のその奥に雪をまだらに融かした白い飯豊山も薄っすらと見える。残念ながら朝日連峰や月山、蔵王の峰々はガスに消されて見えないけれど、五色沼から家形山、東大填へと続く稜線は深緑色が濃い。
振り返ると高山の反射板の上部に安達太良山塊がガスの切れ間にチラッと望める。東吾妻山の右に磐梯山の頂がほんの一時だけ顔を出したが、吾妻の瞳に惑わされているうちに、ガスが上がってきて見えなくなってしまった。これを潮時と諦めて一切経山を辞して鎌沼に向かって往路を引き返す。

 酸ヶ平に戻り、木道を鎌沼に向かう。木道脇には所々にチングルマが咲いている。これは姥ヶ原が楽しみだと少し期待を膨らましながら、沼の周りをなぞりながら姥ケ原に登っていく。チングルマとイワカガミの組み合わせをカメラに収めようと期待しながら木道を東吾妻山への分岐に向けて歩を進める。残念ながら期待に応えるような良い被写体は無く、僅かしか咲いてないチングルマを数枚写してお仕舞いにする。


バイカオウレン
 東吾妻山への登りはアオモリトドマツの樹林帯の中を行くので、陽が射さずいつも湿っていて登山靴よりも長靴が適している。アヅマシャクナゲのピンクの花に迎えられて樹林帯に入り込むと、その先は山頂直下までバイカオウレンに励まされる。喘ぎながらゆっくり登って一気にハイマツ帯まで登りつく。そこはもう山頂の一角で、ハイマツの褥の先に、眼下に谷地平が望める。谷地平を取り囲むように東大填、中吾妻山、烏帽子山などが擂り鉢状に守っている。


山頂にて
 東吾妻山域で一番標高の高い東吾妻山も登山道以外はトラロープで守られ、以前のように気ままに山頂一帯を歩き回ることができなくなっていた。山頂の三等三角点(点名:東吾妻、標高:1974.7m)にタッチし、ハイマツの褥の向こうに見える磐梯山麓の桧原湖、秋元湖、小野川湖などの湖沼群をトラロープ越しに眺める。


ガスに隠れた磐梯山と右から桧原湖、小野川湖
秋元湖、猪苗代湖
 下りは景場平を経て、鳥子平に下りるルートを採る。景場平はアヅマシャクナゲが見頃を迎え、また池塘の周りにはワタスゲが涼しげに揺れていた。昔の泥んこ道は随分改善されていて、長靴でなくても大丈夫になっていた。鳥子平に下り立って車道から再びハイキング道に入り、ネマガリダケを探しながら兎平へ向かう。小雨がぱらつき出したころ、無事に吾妻小舎に到着できた。


H19.5.12

    一切経山 (福島県福島市土湯温泉町:1948.77m)


吾妻小屋の遠藤夫妻
 前夜は吾妻小舎に泊まり、遠藤さんご夫妻と雑談をし、ストーブとランプの灯りに守られて早々に就寝。翌朝は前日の強風の影響が残り、期待したほど天候は回復せず小舎でゆっくりくつろいで、コーヒーを御馳走になってから出発する。

 兎平駐車場で荷物の整理をして山の支度をしたが、低温と強風で防寒対策をどうするか迷ったが、重ね着をした上に合羽を羽織って一切経山を登ることにする。残雪は例年より少なめで、小舎前に少し残る程度で、駐車場から一切経山まで残雪を踏むことはない。

 残雪期に限らず吾妻山は長靴が一番の履物であり、今回も長靴を履いての登山で冠水した木道の上など道を選ばないで気ままに歩けて快適だ。


一切経山より 右奥安達太良山

五色沼
 浄土平から一切経山にいつもの直接登るルートで取り付いたが、最近の不摂生で体調は芳しくなく、普段のペースよりかなり遅い。酸ヶ平分岐まで来ると東吾妻山の右肩に磐梯山が見えるようになり、振り返ると吾妻小富士が大きな火口を開けている。酸ヶ平から鎌沼にかけての景色は、残雪と笹の緑と池の配置が絶妙で、当地に来た雲取小屋の新井さんから「この景色が雲取山にあったら」と言わしめたほどの眺めだ。いつものようにデジカメに絶景を記録して、山頂を目指す。


酸ヶ平から鎌沼

満水の鎌沼

吾妻小富士
 吹きっ晒しの稜線は雪が飛ばされて瓦礫がむき出しであるが、徐々にハイマツが勢力を拡大して山頂付近まで育ってきている。噴火が新しく植物の育つ環境でなかったのだが、頼もしい限りだ。一切経山の頂には一等三角点(点名:吾妻山)が設置されているが、東吾妻山のほうが27mほど高い。

 山頂からの展望はアンテナのある高山の後方に安達太良山が見える。東吾妻山の右に磐梯山。西吾妻山と東大巓の間に飯豊山。五色沼方向に大朝日岳。米沢と福島を分かつ奥羽山脈の連なりに蔵王まで薄っすらと見える。しかし風が強い。カメラを構えてもブレてしまいそうで、標柱にカメラを固定して四周の景色を写す。

 山頂の一等三角点にタッチしてから五色沼の見えるところまで少し下り、そこで風に震えながら瞳が開きかけた湖面の景色を堪能する。でも余り長居は出来ず、早々に退散して山頂を辞して姥ヶ原に向かう。

 先の酸ヶ平分岐を避難小屋のほうへ降りて、登山道を大きく寸断する雪渓を横切ればトイレも新設され綺麗に生まれ変わった酸ヶ平避難小屋に到着する。この小屋は周囲をベンチで囲んで休憩用に造られ宿泊には適さないが、昔の小屋を知るものには隔世の感がある。


融雪進む木道
 酸ヶ平は雪解けしたばかりで緑はまだないが、池塘に前大巓の一部が反射して美しい。鎌沼も雪解けが進み、今一番水位が高くなっている。姥ケ原へは沼のほとりを木道に沿うのではなく、雪渓の上に出て大きくトラバースするこの時期特有のルートで進む。残雪をつないで姥ヶ原に出て、ほとんど雪の消えた姥ケ原を散策。谷地平分岐から東吾妻山分岐にいたる木道はまだ残雪が残り、ルートも分かり辛くなる。おまけに融雪水が木道上を水路のように流れて、長靴でなければ通れない状態になっていた。  沖 記

 東吾妻山へは今回パスして真っ直ぐ浄土平へ降りることにした。蓬莱山南側ルートを降りたが、慣れてないとルート見失うところもあり、安全を考えたら酸ヶ平に戻って蓬莱山北側ルートを降りるのが賢明かと思われる。

コースタイム:吾妻小舎7:00---7:05兎平駐車場7:15---8:20一切経山山頂8:30---9:00酸ヶ平避難小屋9:05---9:40谷地平分岐---10:15兎平駐車場



    吾妻連峰・東吾妻山 H18.4.8−9


吾妻小舎広間でくつろぐご横山夫妻(右2人)
 4月8日に例年より2週間以上も早く吾妻スカイラインが開通すること、また吾妻小舎もそれに併せて開業するので一緒に行きませんかと東京の横山さんから声をかけていただき、喜び勇んで吾妻小舎に出かけた。ところが8日当日は生憎の天候で箕輪スキー場手前から雨が雪に変わり、有料道路ゲート付近はガスで視界がほとんど効かない。ゲートでは足周りをしっかり確認された後、「吾妻山一帯はこの降雪でガスと雪に十分注意して走行してください」とのことでした。

 下山する車はあれど、登っていく車は私だけで寂しい限りだ。横山さんから誘いがなければ、絶対に行かなかったろうと思うひどい天候だった。期待した雪の回廊は早い開通の割に積雪が少なく低い雪の壁が続いていた。浄土平レストハウスで観光客の動向をチェックしたが、観光バスに揺られて来た連中だけで登山を志すような人はいなかった。兎平駐車場に戻り、荷物を背負って吾妻小舎に入る。


桶沼の雪庇(小屋上部)

出発、吾妻小舎前にて

東吾妻山 山頂直下

東吾妻山 山頂付近
 例年やや雪が多めの5月連休と同じ程度しか積雪が無く、今年は非常に少ない積雪とのこと。多分連休前には小舎前からは積雪が消えていることだろう。小舎番の遠藤夫妻に挨拶をし、少し落ち着いてから浄土平周辺を散策する。しかし浄土平は風が強く雪が頬に当たって痛い。酢ヶ平まで行こうとしたが下山するパーティーから風が強くてどうしようもないから降りた方がよいと言われ、それを口実にいそいそと下山する。そのまま戻るのも勿体なくて桶沼を周回する事にして、外輪部を今の時期だけ歩ける雪の回廊を一周する。丁度吾妻小舎の真上辺りに雪庇が出来ており風の当たらない場所に小屋が建てられていることが分かる。昔の人の知恵に感服させられる。

 小舎に戻り、写真家集団の団体の宴会を横に見て、静かに一人で大人しく過ごしていると、横山夫妻が山仲間の女史を連れて到着。小舎食堂に降りて、横山さんを中心に遠藤夫妻を加えたメンバーで雑談。ゆっくりと時間が過ぎてゆく。22時過ぎまで充実した貴重な体験をさせて貰った。翌日はゆっくりと遅い朝食を済まし、美味しいコーヒーをご馳走になってから、夫妻、女史、私の4人で東吾妻山に登るべく小舎を出発。しかし準備不足とかで彼女は登山を断念し、3人だけで兎平駐車場からこの時期だけ歩ける栂平園地から東吾妻山に延びる尾根通しにルートを採って登っていく。

 坪足でも十分だったが前日の降雪がラッセルを強要する処もあり、結構ルート探しに苦労させられた。何しろ登山の大ベテラン夫妻が後ろを着いてくるのですから、緊張してルートミスばかりで随分北寄りに歩いてしまった。「おかげで見慣れない刺激的な景色を見ることが出来た」と心に凍みいるような言葉をかけて貰ってますます恐縮する。何とか予定の時間に山頂に到着。しかし風が強くて記念写真を撮るような余裕が無く、早々に山頂を辞して樹林帯に戻り風の凪いだ場所で休憩をしコーヒーブレークを楽しむ。

 新雪に腰をかけて正面に吾妻小富士を眺めながら軽食を戴き、至福の時間を過ごす。夫妻は70歳代とは思えないしっかりした足取りで、さすがに山で鍛えているだけに今年初めての雪山との事でしたが、流石と感心させられる。また夫婦仲睦まじく、我が家と随分違うなと反省しきり。私は随分緊張しましたが、貴重な体験をさせて貰いました。しかし東吾妻山へのルートも例年の5月連休時と変わらない程度の積雪量に今年の雪不足を今から懸念させられる。 沖 記

コースタイム:4月9日 吾妻小舎8:30---10:45東吾妻山10:50---12:15吾妻小舎

   東吾妻山・一切経山  2005.7.17−18


鎌沼とコバイケイソウ

モミジカラマツ

吾妻小富士とシャクナゲ

マルバシモツケ

家形山と五色沼
 7月17日から18日にかけて、吾妻小舎に一泊して東吾妻山、一切経山に登ってきました。栃木の自宅から片道140Kmで浄土平に到着。今年兎平キャンプ場は老朽化のため再建途中ですが、その隣にある吾妻小舎は遠藤さん夫妻が守って20余年、また今年は吾妻小舎が出来て70周年を迎えている。横山厚夫さん、大森久雄さんら著名人が賞賛しているこの小舎は、何時行っても快く迎えてくれる有り難い小舎だ。しかも車が間近まで入れて便利で、食事も美味しく、静かで申し分ない。

 今年は吾妻山も例外でなく花の当たり年で今はシャクナゲが見頃。特に蓬莱山の斜面が見事であり、吾妻小舎周辺も一面に咲いている。東吾妻山の山頂にガンコウランをかき分けてピンクのシャクナゲが小さい花束のように咲いていて綺麗だった。コバイケイソウはピーク時を過ぎていたけれど、鎌沼周辺に沢山咲いている。花の時期が長く、まだつぼみも沢山あり暫く楽しめる。姥ヶ原のチングルマは種子が風になびいていたが、花芽が多かったことをその数で分かる。東吾妻山の湿った樹林帯にはゴゼンタチバナやモミジカラマツなど薄暗い中で白色が目立つ。

 マルバシモツケは一切経山などガレた山肌に多く咲いており、今の時期は何処を歩いても何らかの花と対面できる。昔はもっといろんなコースを気ままに歩けたが、今はロープで規制されていて前大填の山頂を踏むことなど出来ないが、ここを歩けたらもっと沢山の花に出会えたことだろう。今回、体調はよく荷物も軽かったためコースタイムより大幅に短縮して歩いた。一例では吾妻小舎から一切経山山頂まで所要時間55分で登れたこと。鉄分補給の投薬効果が出てきたか?今回は浄土平周辺の散策コースを周遊したが姥ヶ原を二周するなどいい加減なルート取りだったため、コースタイムは省略します。  沖 記


1997.9.12 登山者 阿部

 福島の庭坂に用事のある息子をおろし、時間もたっぷりあるので浄土平に向かった。料金所から浄土平下までガスに覆われていたが、駐車ばからはガスが切れていた。
早速ザックを取り出し、鎌沼に向かうが20分ほど進み、後ろを振り返ると、どうも車幅灯が点いたままの様で気持ちが落ち着かない。ザックから双眼鏡を取り出して覗くと、やはり点いていた。あわてて下り処置後、気が変わり一切教山を目指し登山開始した。

 ガレ場を登るにつれ、吾妻小富士の鎌の縁もはっきりした角度になり、二十数年前に歩いたコースを思い出す。この日はザックも軽いが、あの時は25kg位背負っていた。
次々に懐かしい風景が現れ、なかなか楽しい。鎌沼分岐からも、かなたに鎌沼が顔お出し、帰りに回ることにする。
 山頂はなだらかに湾曲し、吾妻小富士の眺めも良い。すこし家形山側に行くと、五色沼が迫ってきた。沼は少し緑がかっていたが、当時は青ぽかった。それにしても、いい眺めである。
 縦走路は、霞んで東大テンあたりまでしか見えなくて残念だった。少し戻り、吾妻小富士を眺めながら昼食を取る。

 分岐から、酸カ平を鎌沼に向け歩く。草原に木道が調和して、いい眺めだ。数十分で鎌沼にさしかかるが、沼のはじが見えず三日月状な沼だったことを知る。草刈り鎌からきた名前と、再認識する。けっこう広く、ハンキングには最適のコースだ。
 左手に東吾妻山を眺めながら、のんびり沼に沿って歩くと姥ケ原も見えてきた。なだらかな丘に木道が続き、お花畑になっている。鎌沼も見納めである。

 谷地平に下る分岐をすぎると、下りになり灌木帯へ入るが紅葉も始まりいい色になっていた。やがて灌木の間から、吾妻小富士が見えだし浄土平に戻る。平日とあつて、全コースで5名しか合わず静かでいい山行だった。4:00頃、息子を回収?して帰途につく。

五色沼

鎌沼

鎌沼の木道と東吾妻山

姥ケ原の下部の紅葉