岩木山・八甲田山 (参加者:渡邊+阿部×3名 いつもの楽しい仲間達)

H21(2009).9.5−6

 9月5日 岩木山


八合目よりのリフト
 7月下旬の予定が低気圧に伴う悪天候の予想で、この日に延期となっていた。再び予報はあまり良くなかったが、雨が降っても温泉で楽しくやろう・・と言うことで5日の決行となった。会社の仲間・計4名、予定通り7時に一ノ関を出発する。


鳳鳴ヒュッテ
 予定通り高速に入り、途中で朝食を取って大鰐・弘前ICで降りる。アップルラインを順調に走行、直売のリンゴを仕入れて百沢から嶽方面へ。初日、まずは足慣らしと言う意味で、岩木スカイラインを一気に車で駆け上がり登山リフトにて更に高度を稼ぐ。文明の利器って良いですねぇぇ、歩くところは殆どない。

 11:26リフト頂上駅を出発。一旦、旧噴火口に向けて下り溶岩の固まりの中を少し登ると、程なく鳳鳴ヒュッテが見えてくる。この辺は夏場なら高山植物も花盛りだが、チングルマが少々赤く変わり目立つ程度。少し下ってヒュッテから、本日のメインイベントである山頂までの登りに取り付く。


アキノキリンソウ

岩木山・山頂にて
 既に下山者もいる中、ゴロゴロした岩混じりの歩きづらい道を慎重に進む。不規則に出てくる岩は歩幅を狂わし、結構膝に応える。口数も少なくなり約15分、第一関門の登りが終わり平坦部少し手前の小ピークで小休止となる。所々にアキノキリンソウの黄色い花。薄日は射しているが、ガスが斜面を駆け上がり八合目の駐車場が望める程度。今日は、こんな天気と諦めながら息を整える。

 平坦部を少し進むと、最後の登りとなる。少し冷たいそよ風が、心地よく体を撫でる。相変わらずの岩混じりの道を慎重に進むと、上部の登山者の声が近くなり、程なく岩木山・山頂(1625m)に出る。大きな祠に全員頭を下げ、大岩が散らばる最高ポイントを探す。360度、ガス・ガス・・全く展望は利かないが、数分待つと弘前市街地がパッと顔を出して感激。何となく、岩木山・山頂に立った実感を味わい、各自満足した様子。


鳳鳴ヒュッテへの下り
 記念撮影後、直売リンゴで乾杯?昼食代わり・行動食代わりとして、エネルギーの補充をする。元々足慣らし目的のため、昼食は麓に戻ってから・・と、行動食と水のみ山行。登山者は結構多く、ツアーの団体さんも次々と登ってきている。約20分程ガスの切れるのを待つが、諦めて下山開始する。

 計30分程、慎重に下るとリフト駅に到着。リフト、約10分で八合目駐車場に到着して、本日の足慣らしを無事終了する。山麓に戻り、名物の嶽キミをご馳走になり百沢近くで昼食タイム。某系列会社を訪問して酸ヶ湯温泉で宿泊となる。

コース時刻:リフト駅11:26−11:49中間点11:55−12:07山頂12:40−13:13リフト駅

 9月6日 八甲田山


ロープウェイ山頂駅前広場
 久々の硫黄温泉を満喫し、8時30分温泉の送迎車に乗り込み八甲田ロープウェイ(101人乗り)駅を目差す。本日も、文明の利器を最大利用。天気は前日より良い模様だが、大岳はスッポリと雲の中。ともあれ、青森市方面は見通しも良くビル群が手に取れるように見える。頂上駅で登山者カードに記入して、9時5分八甲田大岳を目差して登山開始する。頂上駅から田茂萢湿原付近は8の字に散策路が整備され、湿原を通るコースを選ぶ。


田茂萢湿原と赤倉岳を望む
 オオシラビソの林や背を隠す様な灌木帯を進むと、見通しの良い小湿原(田茂萢湿原)が現れる。この辺までは、木道が整備されて快適に進む。東方には赤倉岳が背を伸ばし、少々きつい登りに思える。「あれを登れば、その後は、まずは楽だから・・」と励まし、再び見通しの利かない灌木帯の登りに取り付く。


赤倉岳付近より毛無岱を見下ろす
 さすがに気温は低く、息を切らしても大粒の汗とはならない。快適と言えば快適だが、全員口数が少なくなり黙々と高度を稼ぐ。数カ所に灌木の切れ間があり、絶景を楽しみながら更に高度を稼ぐ。数組のパーティを追い越させてゆっくり進むと、何時しか灌木帯を抜け出し赤倉岳山頂標識(1521m)が現れる。実際の山頂は更に奥にあるが、小休止して息を整える。タイミング悪く、ガスが舞い上がり展望は利かない。この辺りからイワギキョウが目立ち始める。


井戸岳手前鞍部にて
 北斜面からガスが沸く中、なだらかな尾根上の外輪を快適に進む。色づき始めたミネザクラやガンコウランの黒い実が点在して目を楽しませる。南西側、遙か下には草モミジが広がる毛無岱の絶景。程なく緩い下りに代わり、鞍部を少し登ると立ち止まるスペースも無い赤倉岳(1548m)の本ピークに着く。記念撮影をして再び緩い下りを進む。進行方向先には井戸岳の外輪縁が見え、全体的に広々とした高原状の地形だ。この辺りは、ガンコウランの密集地のようだ。


色づくチングルマや遅咲きのイワブクロ
 背の低いナナカマドやミネザクラの灌木帯を少し登り返すと、井戸岳の外輪の縁に立ち大きな噴火口跡が広がる。正に絶景であり、足下にはイワブクロの群落が広がる。花は殆ど枯れているが、咲き遅れの花芽もあり数年ぶりのイワブクロの花をまじまじと観賞する。のんびり10分程かけて外輪を進むと、道は大岳鞍部への大下りとなる。植生保護のロープが両側に張られ、丸太の階段が鞍部まで続く。仰々しい風景に変わっていて違和感を覚えるが、植生保護や登山道荒廃を防ぐには仕方のないことか。


八甲田・大岳山頂にて
 昔、大岳ヒュッテと言っていた避難小屋は、立派なログハウス風の小屋に変わっていた。小屋前では、ボランテアの方々が、何かの調査に散らばろうとしている。本当に、ご苦労さまなことです。小屋前で大休止を取り、大岳への登りに備える。

 10分程休み、大岳へ進む。両側から笹が被さる中を少し行くと、シラビソ等の灌木帯。ほどなく傾斜もきつくなり、岩の混じる歩きづらい道に変わる。下る人や後ろから来る人を交わしながら地道に高度を稼ぐと、灌木帯を抜け出し見通しも良くなる。遅くまで残雪でもあったのか、チングルマやウサギギクの小さな群落がある。この時期にもうけものをした気分。


大岳よりの下り・向こうは井戸岳

上毛無岱・休憩所 右上は大岳
 大岳斜面中間付近までは見通しも良いが、山頂付近は相変わらずガスに覆われている。展望はあきらめ、山頂に立つことに重点を切り替え黙々と登る。小屋から約25分で、意気揚々と全員大岳山頂(1584m)に立つ。風は弱いが、結構ヒンヤリしている。広い山頂は、植生保護ロープに丸く囲まれ少々狭く感じる。確かにロープの外側には、高山植物の群落が点在しているが人工物が増えて再び違和感も増える。観光客が増えてモラルの低下が、こうさせているのだろう。


長い階段を降りると上毛無岱
 ガスが切れるのをしばらく待つが、高田大岳がうっすらと見えただけ。5分ほど下り陽が射す中で、青森港方面の展望を楽しみながら昼食を取る。青森湾には白い船が浮かび交差する様子も見えているが、北海道は確認できない。ともあれ、井戸岳から田茂萢岳の峰峰や毛無岱の湿原方面を心ゆくまで堪能する。

 昼食時間を入れないで約20分で小屋に戻り、毛無岱へと進む。比較的背の高い灌木帯に変わり、風もなくなり蒸し暑い。道はやや安定しているが、時折泥るみが現れ慎重に下る。やがて長い木のの階段が現れ、灌木帯の合間から上毛無岱が見えて気がはやる。最後の一歩を降りると、ミズバショウの大きな葉が湿原の到着を告げる。周辺は黄金色、草紅葉が見頃を迎えている。それに混じったキンコウカの群落も黄色に輝き見事なグラデーションである。大岳のガスも無くなり、八甲田連峰の全容も心地よい。池塘近くの大きな休憩所で、足を伸ばし小休止を取る。


酸ヶ湯温泉全望
 毛無岱は、更に二段の高度差で続く。更に広い中毛無岱や最後の下毛無岱から見る、下界の風景とのコントラストも見事である。高山・高原に立っていると言う満足感が味わえる風景だ。先を行く阿さんご夫婦に「この後は景色も見えなくなるょ・・」と声を掛け、程なく背の高い灌木帯にはいる。ムシカリの真っ赤な実や山漆の真っ赤な葉を眺め、これからの紅葉を思いながら黙々と下る。尾根を斜めに横断するような、、緩く小さな凹凸が続く。そろそろ膝も疼きだし、中間のブナ林で小休止。最後の酸ヶ湯温泉への下りで膝の痛みもピークを迎え、慎重にゆっくり降りる。

 休憩を入れて約5時間の縦走、全員大満足しての万歳三唱。酸ヶ湯温泉宿泊者の特権。タオルに特別風呂が解放されて混雑無しで汗を流す。膝の痛みも吹き飛んだ感じ。全員、大満足の二日間でした。 阿部 記

コース時刻:ロープウェイ頂上駅9:05−10:01赤倉岳10:05−10:43避難小屋10:51−11:14大岳11:26−11:35大岳中間11:56−避難小屋−12:46上毛無岱12:56−14:02酸ヶ湯温泉  

岩木山


御倉石付近からリフト駅をのぞむ
1997.6.28 参加者 菅原、佐藤、千葉、阿部
 一関から4時間半、岩木スカイラインに到着。 例により、手抜きをして楽に登る予定で八合目から登山リフトを利用する。 二十数年前には、百沢から登り鳳鳴ヒユッテに着いたら、リフトがカラカラ音を立てていた。こんど来るときは、絶対乗ってやると思っていたがやっと実現した。
 山頂までは標準コースタイムが、20分で、あまりにも短すぎ、少し罪悪感を感じながら一同登り始める。 八合目登山口の分岐まで少し下ると、右て下に旧噴火口が大きく口を開けており、注意する。 正面には御倉石が大きくかぶさり、登りか゛始まる。
 道は安定しているが、灌木が地面にへばりついている。強風地帯らしい。 御倉石の左側を少し下ると、もう鳳鳴ヒユッテで、百沢口の分岐だ。
 ここからは、ゴツゴツした石が多く、足下に注意して登る。 売店小屋のある平坦部に着くが、息を整え一気に山頂まで頑張る。 
 山頂は岩だらけだが、かなり広い。 この日は、ガスで視界が悪かったが、北海道の大島らしいのが見えた。 天候が良ければ、鳥海山、北海道など360度の大パノラマが望める。 一同、山頂の案内パネルを見回し、慰め合う。


       

               八合目駐車場より

鳳鳴ヒユッテ

第二おみ坂