岩手の低山
ちょっと低い山を集めてみました。
三ツ石山、八幡平・七滝、室根山、種山ヶ原(物見山)、矢越山、東根山、愛染山、片羽山・雄岳、祭畤山、鯨山、七時雨山、氷上山、石上山、六角牛山、羽山(北上市)、駒頭山(花巻市)、高倉山・三角山、八方山(花巻市)、仙人山(北上市・和賀)、東根山・春、青松葉山、兜明神岳・岩神山、女神山、東根山・冬、櫃取湿原、安家森、峠の神山、白見山、砥森山、和賀・駒ヶ岳
H27.6.24
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H25.10.21
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和賀・駒ヶ岳 (標高1129.8m) 参加者:森、吉家、阿部
背が高いミズナラやブナの林は、葉が散っても美しい。そんな中に、なだらかな安定した道が続き、木々の間から白く輝く経塚山も望まれる。その少し右手に駒ヶ岳を見つけ気持ちがはやる。快晴の空、陽射しが強く体温が上がって暑い。両側には雪が少々積もっていて気温は低いはずだが、約30分で我慢が切れて上着を脱ぐ。腕まくりをして涼を取りながら黙々と高度を稼ぐ。
賽の河原出発時に、雪が深くなりそうなのでストックを出して進む。周りの灌木帯は、まだまだ背が高く、夏場なら見通しは悪そうだ。しかし、木の葉が落ちて風通しは良く、火照った体を心地よく撫でる。10分程で上の賽の河原を通過、少し下り気味に尾根を進み、一気に急登に挑む。スパイク付きの長靴は、威力を発揮。 熊笹や灌木の枝が顔を撫で、「邪魔スンナ・・」と文句を言いながら黙々と登ると、以外に早く山頂に着く。2名程が下り、先に登った1名が休んでいた。早速、雪景色を入れて記念撮影。数年前に立て替えられた奥宮は、まだドッシリと威厳を持って建っている。建設に携わったボランテアの皆さんのご苦労を思いながら、心ゆくまで景色を堪能し、のんびりと休憩を取る。 昼食には早すぎるのでコーヒーを飲んでいると、次々と登山者がやってきた。更に休んでいると、次々と下っていく。・・勿体ない・・と思いながら更に山頂を堪能する。 誰かが古い石碑の周りに、登ったと思われる山名を書いた丸く平べったい小石を数十個も置いてある。自然保護の観点から見ると、植物や石ころを持ち帰っても駄目、持ってきても駄目である。明らかに、違法行為である。こうした行為は何の意味も無い。持ち帰って貰いたいものだ。 45分程楽しんで、汗が引いたところで下山開始。雪道は腐ってグシャグシャで、転ばないよう慎重に下る。登る人、数名とすれ違いながら一気に下り、中間あたりで小休止。雪が無くなると落ち葉が道を隠し、小石などを踏んで足裏が痛い。次は厚手の下敷きを入れようと思いながら慎重に下ると、程なく傾斜も緩くなって景色は素晴らしい大木の森に変わり、穴の空いたブナ等を見つけては楽しながら進む。 そんな素晴らしい森を堪能していると、関東圏の山々を思い出した。上州・武尊・・高原山・・等、似たような風景があったぁぁ・・と思っていると、登山口に着いてしまった。うがい清水は、流れる音はするが落ち葉か邪魔をして飲むことが出来なかった。冬を迎えるため、掃除を諦めて駐車場に移り昼食を取る。 登山口からの標高差は約500mだが、結構良い運動になった。お勧めは、新緑の頃かなぁ。真夏は、暑さに負けそうなので避けた方が良いと思う。熊出没注意の山。茸類は見あたらなかった。 阿部 記 コース時刻:うがい清水8:05−9:18下賽の河原9:30−10:05山頂10:50−11:40約750m地点11:50−12:10うがい清水 |
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氷上山 玉ノ湯からピストン 参加者:森、吉家、浅沼、沖、阿部
全員、素早く身支度を整えて、積んでいったワカンやスノーシューは持たずに氷上山頂を目差して9時10分出発する。10cm程の積雪の林道を、快適にしばらく進むと登山口の道標が出てくる。いよいよ本格的な登りの始まりだ。杉林の中は積雪も少なく、いつも難儀する凍結もない。しばらす進むと、雑木林に変わって積雪も多くなる。気温が高いせいで、雪はザクザクと腐っている。幸い新しい踏み跡があり、それを頼りに黙々と高度を稼ぐ。9:46一本杉に到着して小休止を取る。
下りは早く、登奈孝志荘に入ると先ほどの2名がストーブを焚き暖めてくれていた。談笑をしながら昼食を取る。震災の応援に来てくれていた、岡山と山梨の方々だった。千厩町在住で、職務の合間を利用して昨年から近場の山歩きを始めたと言う。本当に、有り難い方々でした。3月には戻るとのことで、残念。
コース時刻:玉ノ湯登山口9:10−9:46一本杉9:55−11:15祈祷ヶ原−11:50山頂12:01−12:22山荘13:00−14:02一本杉14:10−14:36玉ノ湯登山口 |
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砥森山 (670m:岩手県遠野市、花巻市境界) 登山者:沖
コースタイム:大東町摺沢9:10==(約57Km)==10:10大平登山口10:15---10:55砥森山山頂(標高:670m)11:08---11:39大平登山口11:45===大岳温泉(奥州市大岳高齢者生きがいセンター)===大東町摺沢
砥森山への登山コースは大きく2通りあり、北東面から大平登山口、南西側から向田瀬登山口がある。久しぶりの山でもあり簡単に登れる大平登山口から取り付いた。山名の由来は砥石を産出したことによるとのことだ。また山ろくにある宮守町の由来になった山だそうである。登山口までは砥森山登山口と書かれた標識が要所要所にあり、迷わずスムーズに3台ほど駐車スペースのある登山口に到着。この日は一台の車もなく駐車スペースは貸し切り状態だった。
登山口から真っ直ぐ延びた牧草地を登っていくと、樹林帯に入り、そこにも登山口の看板。作業道との分岐にも登山口の看板がしっかり取り付けられており、迷うことはない。傾斜がきつくなる直前に種子のいっぱい混ざったやや大きめの黒いウンチが登山道に発見。感覚的には熊っぽいが、今更気にしても仕方がないので鼻歌を少し大きめに口ずさみながら耳をそばだてて登っていく。
早速いつもの儀式で両手を合わせて神様に沢山の願い事をして、それから樹間から見える景色を楽しむ。田瀬湖とそれに懸かる朱色の田瀬大橋を確認する。北の方向に見える町並みは宮守町か? その奥にガスの切れ間に見える高い山は何だろう? 前日の雨で視界は期待できなかったけれど、やっぱり地図とコンパスはいかなるときでも必要だったと後悔するも時すでに遅い。
三角点のあるピークのほうに行きたかったが登山道はなく、かなり降りてから登り返さなければならないようだったので、単独行では手抜き優先になってしまい向田瀬の方向へ少し降りかけて即撤退と相成った。 |
H23.7.2−3
女神山 登山者:吉家 翌日県内の国立病院退職者組合と現職中高年部との交流会が午後からあるので山にでも登ってから合流しようと思い7月2日午後出発する 2日14時20分一関を出発し途中、湯本温泉「スーパーおせん」で食料調達し沢内消防署で登山口までの道路情報を収集し悪路ながら崖崩れヶ所も通行可と聞きまずは覚悟を決めて登山口に向かう。途中で対向車とのすれ違いに苦労するが16時40分登山口到着。 熊に注意の標識も気にせず、ウイスキーの晩酌と何時もながらの粗食で夕食を済ませ就寝する。
コースタイム 2日 一関14:20→(湯田インター経由)女神山登山口16:40到着 3日 登山口4:40→白糸の滝4:52→661m地点6:00→ブナ見平分岐6:07→山頂(6:23〜35)→ブナ見平分岐6:45→女神霊泉7:41→登山口着8:00 |
H22.10.23
白見山 (1172.05m、 岩手県遠野市、下閉伊郡川井村、上閉伊郡大槌町境界) 山行者・文:沖
そんな景色に見とれながら慎重に路面を拾いながら登っていくと、沢が二股になるがそのまま真っ直ぐに走り抜けると、開けた谷間の向こうの尾根筋から風力発電のプロペラ群が見えてくる。立派なトンネルを潜ってループを描いて少し走ると樺坂峠に到着だ。ここから真っ直ぐに進むと新山牧場、琴畑牧場の方向へ向かうが、自分は「金糞平の山桜」と書かれた標識に沿って進んでいく。するとネットで調べたヘアピンカーブを通過し、すぐに白見牧場の入口を通過する。ほぼ水平な狭い林道をそのまま進んでいくと、やがてT字路になり多分そこが白見山への分岐だろうと察しがつく。そのT字路の先に車を停めて山の支度をし、四周を見渡す。ブナやミズナラの混交林で、紅葉が始まったばかりで美しい。少し先に看板らしきものがあったので確認に行くと、そこには「熊に注意」の案内がありガッカリさせられる。
紅葉の美しさに感動しながらも熊の恐怖にも神経を使いながら、藪と化した登山道を脱出すると徐々に笹の背丈も低くなり密度も薄くなって登山道がはっきりしてきた。紅葉を愛でながら登っていくが、今度は徐々に傾斜が増してきて呼吸が苦しくなってくる。ここまで休憩なしに早足で一気に登って来たため、息切れでへばってしまった。
登り出して一時間ほどで待望の白見山山頂に到着した。山頂部一帯は樹木も笹も切り払われているが、平たい山頂のため笹原から先の目の前に広がる樹林が邪魔をして期待した展望は得られない。楽しみにしていた早池峰とその周辺の山並みも見えないし、周辺に広がっているはずの放牧場なども望めなかった。期待が大きかった分だけ失望も大きくガッカリだったが、気を取り直して山頂部でセルフによる記念撮影をし、一等三角点(点名:白見山、標高:1172.05m)をカメラに収めた。またいつものように三角点の頭にタッチして、沢山の願い事を呪文のごとく唱えて山の安全などを祈願した。
後日、金糞平の山桜を調べてみたが、樹齢300年のオオヤマザクラだそうで車を停めたT字路からさらに1Kmほど先に行ったところにあるようだ。一見の価値がある桜だそうで、5月中旬が見頃のようである。 コースタイム:大東町摺沢7:00==(約90Km)==一ノ渡バス停==(12.0Km)==樺坂峠==(1.4Km)==9:20T字路(駐車地)9:30---9:35白見山登山口9:36---10:22白見山山頂(標高:1172.1m)10:38---11:15白見山登山口11:18---11:23T字路(駐車地)11:33===大東町摺沢 |
H22.8.17
峠ノ神山 (1229.68m:岩手県下閉伊郡岩泉町) 登山者:沖夫妻 コースタイム:旧新里村・刈屋トンネル出口===10:45新里牧場登山口11:00---11:30峠ノ神山(1229.68m)11:50---12:15新里牧場登山口12:30===亀ヶ森放牧場==宮古市==大東町摺沢
2010年の夏は酷暑を通り越して、とにかく暑くてどうしようもない。口だけで暑い暑いと言っていても仕方がないので、対処方法として手軽に登れる標高の高い山を探してみる。北上山地に希望を叶えてくれそうな山が幾つかありそうで、家内と三陸海岸を旅したついでに登山口から25分で登れる峠ノ神山を目指すことにした。
ナビの示すルートはもっと国道を奥まで走った和井内を過ぎてから林道に入るようになっており、帰路にその路面状況などの確認を含めてナビルートで戻ろうと考え、往路はガイドブックのルートに従うことにした。
目の前が一気に開けて開放的な放牧場が広がり、二つの穏やかなピークが行く手に聳えている。どうやらこの地点が25000図による源兵衛平高原で、ガイドブックの表記と若干の乖離がある。些細なことは無視して、目の前に広がる開放感は例えようもなく雄大だ。正面に見える二つのピークは、右が亀ヶ森、左が目的の山である峠ノ神山だと察しがつく。
登山口にはそれと示す「峠ノ神山」の標識があり、ロボット雨量計と思われる建造物があった。登山口の少し先に待避所があり、そこを駐車場代わりにして山の支度をする。なにせ登り25分の山であることから、荷物は簡単に山頂で食べる嗜好品と水分補給のお茶を持つ程度だ。
登山口から眺める景色も絶景だ。来し方を振り返れば緑の波が遠くまで延びて、いかにも岩手県の牧歌的な山の風情を満喫さしてくれる。目指す山も観光地化されてない静かな山で、登山口に山名を示す小さな標識があるだけで、草の生い茂った中に僅かな踏み跡を拾いながら少しずつ登って行く。足元にはゲンノショウコが多く咲いている。少し早ければウツボグサが一面に咲いていたようだ。
赤く塗られた一等三角点の頭をポンポンと叩いて挨拶代わりにし、いつものようにたくさんの呪文を無料でお願いする。残念ながら山頂からの視界は霞が強くて期待した遠望は得られず、早池峰や害高森など楽しみにしていた山を確認することはできなかった。また足元の踏み跡を注意深く確認しなかったため、下山途中でルートを見失うというおまけまで引き起こした。どんな山でも、やはり山は慎重でなければと痛感する。 |
H22.6.12
安家森 (標高:1239.07m、岩手県下閉伊郡岩泉町安家) 登山者:沖 コースタイム:大東町摺沢5:15==(約180Km)==8:25安家森登山口(袖山高原)8:40-8:53安家平-9:17平庭岳分岐-9:35遠別岳(1235m)9:45-10:00平庭岳分岐-10:28安家平10:30-10:48安家森(1239.07m:軽食)11:10-11:35安家森登山口11:50==(平庭山荘・白樺の湯@400円)==17:00大東町摺沢
登山としての魅力よりも高原を逍遥すると言うのが特徴的で、丁度深田百名山の美ヶ原や霧ケ峰が選定されたのと似た雰囲気を持つ。登山口には大きな駐車場とトイレが建てられており、その標高はすでに1159mである。道路の北側に安家森、遠別岳への指導標があり、出端で迷うことはない。広い登山道を少し下り気味に北北西に進むが、足元にはアヅマギク、スミレ、ニリンソウ、ズダヤクシュ、キジムシロが咲いている。ニリンソウに紛れてサンカヨウも咲いていた。
そこに一人、木陰で休んでいたのでてっきり山菜採りの人かと思ったが、聞くと放牧した牛を監視しているのだとのこと、示された方向に牛が20頭はいたろうか。遠別岳に向かうため安家平で再び柵を通り抜けるが、大きなダケカンバが快い日陰を作っていた。 遠別岳、平庭岳の表示が掛かる湿っぽい登山道をほぼ水平に進んでいくと、小さいせせらぎにクリンソウが一株咲いている。その先のせせらぎにも一株、またつぎのせせらぎにも数株と、気づいただけで4箇所の沢沿いにクリンソウが咲いているのを見つけた。水気の多い森には大きなカツラがある。ガイドブックにはブナ、ダケカンバ、イチイなどの林と書かれているが、カエデも多く見られ紅葉時も綺麗に変身するだろうと勝手に想像する。また幾つもあるせせらぎが安家川源流の水源に相当する。
山頂で汗ばんだ体を冷やし、安家平へ引き返す。途中の山中でガサゴソと異様な音が聞こえる。立ち止まって耳を澄ますと、やはり間違いなく何かが居る気配だ。一瞬凍りついてしまったが、冷静に考えてタケノコ採りだろうと思い至ると少し気楽になった。そうしているうちに不意に登山道に出てきたのは、案の定タケノコ採りの人だった。冗談抜きで山菜採りの人はラジオで存在を示してほしいものだ。ホント心臓が破裂しそうだった。 そんなにタケノコが採れるものかと登山道から藪を注意してみると、太くて赤みの残った食べ頃のタケノコが一箇所で簡単に10本ほどゲットできた。今夜の肴に丁度良い収穫量になったので、ザックにしまって安家平に戻る。安家平には誰も居なかったが、放牧された牛が安家森に向かう自分をしっかり見つめていた。牛との距離が近づくと、襲ってこないかと気を揉んで目を合わすことに躊躇する。緊張の瞬間を過ぎて後方に離れて牛が休んでいるのを確認すると、もう安心と胸を撫で下ろして安家森へ向かう。
安家森山頂はさすがに一等三角点だけあって展望が素晴らしい。360度の展望が得られるが、残念ながら遠目が利かないので近場の山だけ確認する。眼下の芝生の「かぬか」の先に登山口が見え、その左に霞んで望めるのは遠島山か。それ以外で気になりそうな山は見出せなかったが、北上高地の凹凸の少ないたおやかな山容を十分楽しませてもらった。
帰路に平庭山荘で入浴することにし、昼食は登山口駐車場の少し手前にあるレストハウス袖山高原にて名物のカルビ定食を食べる。安価で美味しかったが、私には少し量が多すぎた。また平庭高原ではツツジ祭りが催されていて、入浴代も100円引きで利用できたほか、シラカバ林を走り抜けた先にある白樺荘周辺で見頃のレンゲツツジ、ベニバナイチヤクソウに出会うことができた。色とりどりに花が咲く白樺林を散策してから帰路に就いた。 |
氷上山(874.7m、陸前高田市・大船渡市) 山行者:吉家、森、阿部
31日早朝、車の屋根にうっすらと粗目雪。どんより曇った空の下、吉家宅出発が7時半となった。県道19号から国道343号の今泉街道をひたすら東へ進む。殆ど白い物は見られなかったが、大原あたりからは雪景色に変わり笹ノ田峠は少々緊張しながら通過する。ん十年ぶりのループ橋に感激しながら下ると再びの春模様に安堵感を覚えるが、向かう氷上山上部は白く冬模様。テンションが上がったり下がったり、竹駒神社から玉乃湯へと急ぐ。
杉林の中に続く林道を5分ほど進むと右側に登山道が現れ、車道から離れて小さな沢に向かって少し下る。沢を渡ると本格的な登りが杉林の中に続き息も上がる。やがて雑木林が混じり出すころ、ゆきが氷を隠して滑りやすい傾斜へと変わる。先を行ったと思われる人の足跡をたどりながら、尻餅をつかないよう慎重に高度を稼ぐ。出発から約20分、最後の杉の木である一本杉に着き、上着を一枚脱いで火照った体を乾かす。
鹿やウサギの足跡が、至る所で雪上を横切っている。ガスがなければ広田湾等が木の間から見え隠れはずだが、冷たい風と粗目雪が顔をなで、目立ってきたツツジの小枝が耳を叩く。膝を庇いながら平坦部を黙々と進むと少し登り西の祠が建つピークに出る。景色の良い場所ではあるが、少し立ち止まり風景を思い出して我慢をする。ここからすぐに下り道となり、避難小屋の建つ広場に出る。
下りは速い、13分ほどで小屋に着く。気仙沼から来たと言う3人組が、ストーブを暖めていた。早いが昼食を取りながら皆さんと談笑・・。吉家さんが、6月には開通するから是非栗駒へと宣伝すると「数年前の栗駒山山開きで、某新聞にインタビューされ写真が載った事がある」と言うグループだった。小屋には何でも揃っているが、地元の方の了解がなければ使えない様子。良識ある利用を心がけたいものだ。
再び氷の隠れた急傾斜。下り道なだけに、全員更に慎重に足を運ぶ。太い桂の木を過ぎると、程なく車道に出る。靴を履き替えること無く、玉乃湯に直行するが駐車場は満杯状態。少し離れた所に車を止めてのんびりと温泉に浸かり汗を流す。山の魅力に取り付かれたと言う叔父さんや、地元の温泉好きの叔父さんに須川温泉を宣伝しながら暖かい話で談笑・・。久しぶりの雪山散策は、なかなかのものでしたねぇぇぇ・・。摺沢のラーメンも、うんめぇがったちゃねぇぇぇ・・。 阿部 記 コース時刻:一ノ関7:25(車)8:45玉乃湯上部登山口8:55−9:15一本杉9:25−10:45山頂10:55−11:08避難小屋12:10−12:47一本杉−13:08登山口 |
H21.8.8
女神山 (956m 西和賀町)
登山口からすぐ沢へ急な階段の下り、一本橋(工事用の鉄板)を二つわたると間もなく「白糸の滝」入り口である。急な坂を下りると滝の真下に出る。爽やかな音としぶきは夏の暑さには最適な休憩場所である。 引きかえし、来た道を進むと右に女神山直登の登山道、左へなだらかに下ると女神霊泉、岩清水と小さな瀧が続き、沢を渡って左を沢沿いに進むと、「降る瀧」落差50Mが現れる。見ごたえ充分。 戻ってブナ林の登山道にをひたすら登る。風もなく汗が滝のように流れる。動きを止めるとアブが寄ってくる。勾配がきつくなったところを登りきると尾根に出る。左側からの風が気持ちよい。緩やかな尾根を進むと、直登コースとの分岐に出会う。急な登りを20分ほどで頂上である。
帰りは、温泉で汗を流し、着替えて帰路に着いた。 久しぶりに、体の中に溜まった悪汁を噴出した一日でした。 (森 記) コース・タイム:一関6:40 水沢7:15 7:40発 登山口9:15 9:30発 白糸の滝入り口9:40 白糸の滝 9:45 白糸の滝入り口10:00 降る瀧入り口10:20 これより200m 約5分降る瀧登山口10:30 尾根11:30 分岐12:00 頂上12:20 13:00下山 登山口駐車場14:20 |
H21.5.16
櫃取湿原(約940〜1,000m:岩手県下閉伊郡岩泉町釜津田) 標高1000m近い湿原では周辺のダケカンバやミズナラといった木々はまだ新芽が出ていない。ここに来る県道は眩いばかりの新緑で感動しながら運転してきたが、松草峠を越えると驚くほど緑が少なくまだ冬の眠りから目覚めてないように感じる。でも放牧場は緑が萌えだして、牛が気持ち良さそうにミズバショウを踏みつけながらせっせと草を食んでいた。 櫃取湿原の起点に着くと湿原への入山に当たっての注意事項や湿原の特徴などが書かれた看板が設置されているが、案内図はなく湿原に設置された番号標識に沿って勝手に湿原に入り込まないようにとの注意書きがある。番号標識はこれでもかと思うほど狭い間隔で取り付けられており、湿原を守り観光地化を嫌う地元の意思なのだろうか。指定された標識と踏み跡に従ってゆっくり湿原を散策しながら、ノロメキ沢の上流部へ入っていく。 期待の花は少し遅めのミズバショウのほかは、ネコノメソウが咲いている程度で、アズマイチゲやヒメイチゲは終わりに近い。代わってギョウジャニンニク、ハンゴンソウが新芽を伸ばしだしている。小鳥が多く枝々をつないで視界から隠れた位置に飛び移っていく。双眼鏡を出して観察してみようと思っても、枝に止まるときは木の幹に隠れた死角になった場所に止まるためさっぱり要領を得ない。 帰路は往路をそのまま引き返すが、ミズバショウの花を何度か被写体にしてカメラに収めた。天候にも恵まれ駐車場に戻る道すがら、牧場から谷の開けた方角に青松葉山がたおやかな山頂を見せてくれた。また帰路は若葉越しに早池峰の大きな山容を見ながら県道を下り、爽快なハイキングの締めくくりに色を添えた。 沖 記 コースタイム:大東町6:30==(約140Km、水沢・盛岡南IC@800円)==9:00櫃取湿原入口9:15---9:30櫃取湿原起点---10:30湿原終点---11:30櫃取湿原起点---11:45櫃取湿原入口11:55===害鷹森へ |
H21.3.1
東根山(928.38m:岩手県紫波郡紫波町大字南伝法寺)
目指す東根山は随分白く、手前の田圃もまだ雪に覆われている。ラフランス温泉館の北端にある東根山登山専用の駐車場に駐車したが、駐車場は一面雪に覆われて轍の跡がない。先行の車は5台と少なく、適当に空スペースに駐車する。
出発当日朝の大東町の有線放送では熊が冬眠から覚めて、摺沢地区で目撃情報があったと報じられていたが、東根山登山口の看板にも熊の絵があって一瞬ドキッとさせられる。この東根山は入山者が多いから熊の心配は無用と思われるが、足元の登山道はカリカリに凍っていて滑りやすく熊より転倒に注意しながら登っていく。
これでやっと元気が出てきて二の平を目指す。水場分岐では水場に進路を採った人は居ないようで足跡は近道と書かれた右側にしか残っていない。二の平(山頂まで1800mの標記)で右に折れて踏み跡に沿って登っていくと、一本杉が雑木の中に目立って道しるべになっている。昨年登ったときは蛇石展望台に立ち寄ったが、今回は雪が岩を覆っていて誰も寄り道しておらず、分岐の少し先で一本立てて山頂広場に向けて呼吸を整える。
早々に山頂を辞して雪庇の写真を撮りながら展望の良い山頂広場に戻り、岩手山を正面に見ながら簡単に昼食のおにぎりとトン汁を食べる。山頂広場には誰も居ない。この雄大な景色を独り占めしていると申し訳ない気持ちになってくる。食事を早目に切り上げ、再度、名残を惜しむかのように360度の展望を楽しんで、下山。
山の仕度を解いて、目の前にあるラフランス温泉館のヌメッとしたお湯で身体を伸ばす。手足の指の先まで血が通いだすのが分かる。やっぱり山の後の温泉は最高。 沖 記 コースタイム:大東町7:40==(約85Km:650円)==9:00東根山登山口駐車場9:15---10:00一の平10:13---10:23水場分岐---10:29二の平---10:43一本杉---10:55蛇石展望台11:05---11:25山頂広場11:38---11:43東根山山頂(928.38m)11:48---11:55山頂広場(昼食)12:15---12:45一の平---13:15東根山登山口駐車場(入浴@ラフランス温泉館:700円)14:15==(約85Km:650円)===大東町 |
H21.4.11
花巻・八方山(716.62m:岩手県花巻市大字大田)
この先はもう夏道は見えずブナの林の中の急斜面を一直線に山頂を目指す。息があがるところだが山頂も近いことが分かっているので、ここは我慢と亀足で一歩一歩を確実に標高を高めていく。傾斜が緩んで根開きのブナが目に付きだすと、もう山頂の祠が近い。
祠に戻って記念写真をセルフで撮り、花巻方面を見下ろす根開きしたブナの幹に寄り添って昼食をする。今日はかすみが強くて北上平野すらぼんやりしている状況で、山の展望は全く駄目だった。 コースタイム:大東町8:10==(約65Km)==9:25尻平川コース登山口駐車場9:40---10:50長根崎(大田)コース分岐---11:10八方山山頂(716.6m:昼食)11:50---12:00長根崎(大田)コース分岐---12:45尻平川コース駐車場12:50===大東町 |
H21.1.17
種山(物見山)(870.59m:岩手県気仙郡住田町世田米)
今日はのんびりと残丘(モナドノックス)の写真などを撮ろうと思って登って来たが、霧氷の付着した小枝が風に震えて定まらずシャッターを押すチャンスが無い。結局納得するような写真も撮れず、ガスでぼんやりした山頂の一角をカメラに収めて、早々に山頂部を辞して往路を引き返した。 沖 記 コースタイム:摺沢9:40==(32Km)==10:35種山登山口(遊林ランド)10:50---12:25種山山頂12:35---13:40遊林ランド(入浴@500円)14:20===15:10摺沢 |
H20.5.24
女神山 955.80m(岩手県和賀郡西和賀町) 腰の調子が少し改善してきたことや、翌日の日曜日は雨との予報で、霞の強い白っぽい青空ではあったが久しぶりに山に向かった。高い山はまだ花の時期には早いだろうと、ブナの新緑を楽しめ滝見物も出来る女神山に登ることにした。
車を停めて入口にある案内板より白糸ノ滝まで、まだ5Kmもあることが分った。また良く考えると通行止めをする場合は、警察の許可とか工事期間とかが明示されているが、そんな表示も無く、これは地元の山菜採り保護のための部外者締め出しだと判断し、勝手にゲートを動かして車を進入さす。フジ、タニウツギの咲く5.3Kmの林道を慎重に走行して、終点の女神山登山口駐車場に到着すると、すでに3台が駐車されていた。
傾斜の緩やかなブナ林を癒されながら登っていくと、所々に面白い格好のブナが目に付く。巨木と言われるブナは少ないが、立ち枯れてぽっかり空いた空間には、これから太陽を求めて熾烈な戦いが行われようとしている。新緑のブナ林は多彩な表情を見せてくれて、見飽きることは無い。 しかし標高が上がるにつれて増えてきたのは羽虫だ。汗の匂いを感知してか、油断をすると一面に顔や腕に纏わり付いてくる。団扇でパタパタと扇いで追いやっても追いやっても付いて来る。これには閉口してしまう。県境尾根分岐の手前から山頂まで羽虫の大群に襲われ、ゆっくり休むゆとりも無い。
団扇を最大限に活用して羽虫と戦いながら下山開始。県境尾根分岐から往路と離れて県境へ向う。足元はミヤマカタバミの白い花が多い。相変わらず羽虫に攻められるが、急ぎ足で歩くと羽虫の攻勢も弱まってくる。県境ルートは歩く人が少ないのか、刈り払いされてないのかちょっと笹が登山道を隠し気味になっているところもある。 誰も居ない静かなブナの森に一人で居ると、美しい森に癒されながらもフッと不安がよぎってくる。ゆっくり景色を堪能しながら歩こうと思っていても、自然と足早になってきて早く西南方向から南に方向を転換するところまで来ないかなと、逃避する気持ちが増大してくる。 期待した曲がり角に至ってルートの約半分を歩いたことに安心をし、再び心にゆとりが生まれてくる。南に方向を変えて直ぐにコシアブラの若芽が目に付くようになってきた。何本かの枝を手繰り寄せて美味しそうな若芽を採取し、一人分の夕食用ビールの肴にさせてもらった。心にゆとりがあると何でも出来るものだと、我ながら呆れてしまう。
思いがけない花に気分良くジグザグ道を下っていくと、沢の音が聞こえだし、前方が開けて直ぐに沢に降り立つ。そこには「岩清水」が二条の流れを岩に沿って白い筋を見せている。頭上の岩壁には新緑にヤマツツジの赤い色が映えて、際立って美しい。沢の上流部には「降る滝」が中々見応えある姿で出迎えてくれた。カメラのアングルを変え、シャッター速度を変えて何度かトライするが、乱れた呼吸では腕が震え身体もふらついていて納得の写真は撮れない。
「白糸ノ滝」は全国何処にでもあるが、この滝もまた白い布を広げたような水流で美しい。女神山を代表する滝だと納得する。「白糸ノ滝」と対峙する様にキバナイカリソウが数輪、名前と同じ形の花を白っぽく咲かせていて清楚だった。 帰路、沢内バーデンに立ち寄って、上着まで汗で濡れた身体をさっぱりして、雲が増えてきた北上路をエコ走行で大東に戻った。 沖 記 コースタイム:大東町6:50==(約100Km)==9:00女神山白糸ノ滝駐車場9:15---9:25女神山登り口(分岐)---10:25県境コース分岐---10:40女神山山頂(955.80m)10:55---11:05県境コース分岐---11:26県境から南下11:30?(コシアブラ採取)?11:48ブナ見平11:52---(滝見物:降る滝、岩清水、女神霊泉)---12:42女神山登り口(分岐)---(滝見物:白糸ノ滝)---13:15女神山白糸ノ滝駐車場13:25===13:55沢内バーデン(入浴@300円)14:45===16:30大東町 |
H20.4.28
兜明神岳(1005m) 岩手県下閉伊郡川井村)、岩神山(1103.03m) メンバー:沖 章夫、昌枝(計2名)
見晴山の鞍部に出てそのまま往路を引き返すのも芸が無いので、見晴山に登ってみる。すると天気も晴れて来て太陽が出て急に暖かくなってくる。区界高原の広大な景色を眼下に眺める絶好のポイントで、兜岩も良く見えるようになってきた。早池峰も裾野だけだが見えるようになってきた。そんな風景をカメラに収めてここで再び軽食を摂ってから駐車場へ別ルートで下る。
コースタイム:大東町8:00==(約120Km、水沢・盛岡南@800円)==10:00区界高原ウォーキングセンター駐車場10:30---11:15兜明神岳(1005m)11:25---12:05岩神山(1103.03m)12:20---13:15見晴山(昼食)13:40?(自然少年の家経由)?14:05区界ウォーキングセンター14:15===兜神社===貞任高原===大東町 |
H20.4.20
青松葉山 (1365.63m:岩手県下閉伊郡岩泉町)
時間節約のため高速道を利用して盛岡南ICまで北上し、区界峠を越えて川井村に入る。JR山田線に沿って満開になった桜を見ながらのドライブは快適だ。ほどなく岩泉町への分岐標識があり、この標識に沿って右折し、県道171号線に入る。舗装された県道の路肩には雪はほとんどなく、山肌にも雪は無い。雪不足を心配しながら予想より早く峠に到着、ゲートから約8Kmの距離だった。特に定めた駐車場は無いが、路肩に駐車スペースがあり、早く山を降りた人の空スペースに辛うじて駐車する事ができた。数えるとマイクロバス2台を含めて、合計で13台駐車していた。
管理棟跡から林道を少し歩き、東に真っ直ぐ赤いリボンに入口を教えられて藪に分け入る。車の数の割りにトレース跡が分かり辛く、所々で立ち止まって確認するところもある。また雪の締まりも悪く、踏み抜いた跡が随分多い。所々で雪が消えてネマガリダケを踏み越して行かなければならず、前途が思いやられるが見渡すとダケカンバの林が見事だ。 踏み跡や赤テープを頼りに緩やかな傾斜を東方向に登っていくと、進路が左になり小さなピークに至る。ここには三等三角点(点名:湯の沢、標高:1185.00m)が設置されているようだ。このピークから北東に青松葉山が良く見える。また目の前に広がるだだっ広い雪尾根には所々に青々としたネマガリダケが露出している。ダケカンバの林が見事に赤味を帯びて尾根一面を覆っている。
踏み跡がネマガリダケの藪の中へ消えているところも多くあり、特にこの辺りのネマガリダケは太く立派で、これが立ち出したら手に負えないと感じる。今日はまだ藪漕ぎといえるほどひどい藪にはなってないが、あと一週間もすればかなり厳しい登山を強いられそうな気がする。
雪庇の上から早池峰の写真を撮って山頂に向かう。山頂には団体が丁度引き上げるところだった。二人組みが残ったので、その人に頼んで山頂での記念写真を撮ってもらった。山頂はアオモリトドマツに山頂を示す標識が掲げられているだけで、二等三角点(点名:青松葉山、標高:1365.63m)も雪下に沈んでその所在は分からない。写真を写してもらった二人組みも立ち去り、一人樹林の中の山頂に残り四周を歩き回ったが、視界は得られず薄暗い山頂から早池峰の見える明るい雪庇に戻る。
無事に登山口駐車場に戻り一つ未知の山を登ったことに安堵し、峠の少し下にある櫃取湿原を目指して車を走らせる。ほんの数分で何の表示も無い橋手前の駐車スペースに車を止め、カメラだけ提げて長靴に履き替えて舗装路を放牧場に向かう。勝手にゲートを開けて放牧場に入るが、牛はまだ放牧されていない。2Kmほど歩いてやっと櫃取湿原に到着、看板には指定コースから外れないようにとの注意書きが書かれている。一番から順に表示が狭い間隔で立てられてあり、その指示に従って湿原を散策する。
県道171号を下っていると正面に早池峰が山で見たよりクッキリ見えてきた。山を見る標高が下がり仰角が増したこともあるが、雪を纏った早池峰が途方も無く大きく立派に見えた。 沖 記 コースタイム:大東町7:00==(約135Km、水沢・盛岡南@800円)==9:30青松葉山登山口(立臼峠)9:45---10:00管理棟跡---10:20小ピーク(1185.0m地点)---10:45鞍部---11:30青松葉山山頂(1365.63m:昼食)12:10---12:40鞍部---13:10小ピーク13:15---13:30管理棟---13:45青松葉山登山口13:50==(約2.5Km)==13:55櫃取湿原入口14:00--(櫃取湿原散策)?15:25櫃取湿原入口15:30===15:35青松葉山登山口==(約135Km、盛岡南・水沢@800円)==18:00大東町 |
H20.3.23
東根山 (928.38m:岩手県紫波郡紫波町大字南伝法寺)
今朝は普段どおりに起床してそそくさと準備し、逃げるように大東町を出発し山に向かった。ところが急ぎすぎて肝心のカメラを忘れてしまった。しかしつい先日携帯電話をムーバからフォーマに切り替えたばかりで、遅ればせながらカメラつき携帯になっていて、それを頼りに山に登ることにする。展望を期待する山に登るのに、こんなことでよいのだろうかと思いながら、いまさら引き返すこともしたくないのでそのまま車を走らす。
高速道路は通勤割引を利用して水沢・紫波間を半額の650円で下車。目指す東根山は台形状に北上平野の西端に盛り上がっているが、予想より雪は少ないように見える。ラフランス温泉館の北の端に東根山登山専用の駐車場があり、大きな看板で初めてでも簡単にその場所に導かれる。そこには8台の車が駐車してあった。 念のためにカンジキを持参してきたが登山道入口の印象から長靴だけで十分だと判断し、カンジキは車に残し長靴にダブルストックで出発する。暖かい気温にシャツ一枚だけでセーターはザックに入れたままだ。ザックに取り付けている簡易の寒暖計は15℃を越えているように見える。 駐車場先の登山口には登山カード入れがあり、東根山まで5Kmあることや紫波三山ルートなどの表示板が掲示されている。それを横目で見て林道の登山道を汗をかかないように意識してスローペースで歩くようにするが、どうしても一人だと早足になってしまう。登山口から続いた杉の植林された人工林は、一ノ平まで続いた。一ノ平には山頂まで2500mの表示、つまり距離的に半分歩いたことになる。
この一ノ平で一本立ててお茶を飲み、飴で糖分を補給する。一ノ平を過ぎると進行方向左の山側は自然林、右の谷側は杉林になっている。それもまもなくでいつの間にか杉林は無くなり、水場への分岐を近道と書かれた右側に進路をとって登って行く。 そこから5分ほどで水場からの道と合流し、さらに1分ほどで二ノ平(山頂まで1800mの標記)に到る。この先、一本杉が雑木の中に目立って道しるべになっている。雪が山肌一面に覆われるようになり、南に開けたところに蛇石展望台がルートを外れた所にあり、高度感のある足場から紫波の町並みと早池峰が望める。丁度真東に早池峰が見えるため、右に谷を隔てて薬師岳が見慣れない形で存在感を示している。 先行パーティーにやっと追いついたと思ったら、もうそこは山頂の一角にあたる展望広場だった。余りの展望に思わず歓声を上げ、正面に鎮座する岩手山に見入ってしまう。一呼吸置いて我に返って落ち着いて足元を眺めてみると三角点と書かれた標識が右方向を示している。この展望広場には展望盤も設置されていると言うが、一面雪に覆われていてどこにそれがあるのか分らない。
山岳展望は簡単に一通り見回して、まず最初に北北西に雪庇になった春山ルートで三角点のある山頂に向かう。約10分弱でブナに囲まれて視界の無い東根山の山頂に到着。東根山と書かれた標柱と三角点(点名:東根山、標高:928.38m)だけ陽だまりに露出しており、一回り大きい一等三角点の頭をタッチし山頂の記念写真を撮る。この先に南昌山に向かうルートが北に延びている。
早々に山頂を辞して展望の良い広場に戻り、岩手山を正面に見ながら無風快晴の雪面にマットを敷いて昼食用のおにぎりを食べる。展望を肴にしての食事はたとえようもなく贅沢なひと時だ。それにしても岩手山が周辺の山々で一番高く、横綱の貫禄で白く威風堂々と鎮座している。その左側は秋田駒ケ岳に至るまで幾つか白い起伏が屏風のごとく大きな高みを保ったまま左(北西方向)に延びている。真西には和賀山塊がこれまた長々と白い峰を連ねている。左(南)側にあるピークが和賀岳のようだ。
見飽きることの無い岩手山の片富士の裾野の先に低いが七時雨山が見える。さらに先ほどの東根山山頂稜線に少し隠されて姫神山が美しい裾野を広げている。南には山王海ダムがあり、花巻方面の低山がボコボコと沢山の凹凸を見せている。ナメトコ山はどれかなと探してみるも、さっぱり要領を得ない。 こんな豪勢な展望を見せてくれるのに肝心のカメラは携帯電話に付属しているヘナチョコカメラとは情けない。それでも一応望遠機能もついているようで、色々と構図を考えてカシャカシャとセットされたシャッター音を響かせて記録する。
足元が冷えてきたことや数名の団体が入れ替わったのを潮時にして、展望の山を十分に堪能して東根山の山頂展望台を辞することにする。下りは高温で雪が腐りだしていたため、何度か雪を踏み抜いたが長靴の中に入り込むようなことも無く、快調に一気に下っていく。下山時は二ノ平の先から水場のほうに降りるルートを歩いた。 陽射しの良いところには春を教えるフキノトウが沢山芽を出していた。美味しそうだったが単身の身では後始末が大変と、そのままそっとしておいた。駐車場に戻り目の前にあるラフランス温泉館に立ち寄り、そこで入浴をし、休憩室で食べ残した昼食の残りを片付けてから帰路に就いた。帰路は高速を利用せず県道13号を南下し、北上市和賀町藤根にあるザゼンソウ群生地に道草をして丁度見頃になったザゼンソウを見物した。 沖 記 |
H19.11.4
仙人山 (882.16m:岩手県北上市和賀町仙人)
R107を西に和賀仙人駅を過ぎ、工場地帯を抜けて和賀川の橋を渡る直前を左に、工場へ入る道と勘違いするような道を入る。少し走ると、舗装が切れてその僅か先に姥杉専用駐車場がある。ここに車を停めて山の支度をするが、時間が早いためか登山者は居ない。これでは熊に心配しなければならないかなとちょっと不安になるが、余り神経質にならないで支度を整える。 駐車場から林道を少し進むと鳥居があり、仙人山登山入口の標識も設置されている。大きなケヤキだろうか、その横を通ってJR北上線のガード下の沢を越えると気持ちの良い山道になる。落ち葉で黄色く染まった広い山道は秀衡街道と呼ばれ、昔から金を運んだ道だったとか。所々でその名残のような苔むした石積みが見られる。
標高480m付近に仙人峠があり、ここに姥杉の巨木と少し先の尾根上に久那斗神社奥宮が祀られている。もっと低いところに峠を造れなかったのかと疑問も湧くが、理屈抜きで姥杉の巨木は立派で一見の価値がある。案内板によると「樹齢約900年、幹周り11.5m、樹高約30m」とかで、林野庁の「森の巨人たち100選」にも指定されているとのこと。現在この姥杉保護のため根っこを守るべく迂回路を設けているが、下山時に出会ったパーティーは気にせず大杉に近づいて見上げていた。
登り出してまもなく巨大な鉄塔に至る。綺麗に刈り払われた鉄塔の足元から和賀川と登山口の工場を眼下に眺めると、丁度和賀川の両岸が紅葉の見頃になっている。石羽根ダムの左上方向には早池峰が霞んで見える。 鉄塔を過ぎると稜線は傾斜を増してくる。ブナの木が多いが若木なのか全般的に幹が細い。斜面東側つまり左側は潅木で囲われているが断崖になっている。稜線に沿った登山道は急傾斜が続くが、そんなところはトラロープが取り付けてくれており、ありがたい。足元にはまばらにイワウチワの葉が見える。 やがて見晴らしの良い706m地点の第一展望台に到着。ここには四等三角点と思しき石柱と壊れたベンチがあり、錦秋湖やその奥に続く山並みが良く見える。毒ヶ森山域も一望できるが、山座同定できるだけの知識は持ち合わせていない。気になった三角点を後で国土地理院のネット地図で調べたが、そこには三角点はなくどうも別の石柱のようだ。
セルフで記念撮影を行い簡単に昼食を済まして、あまり長居することなく引き上げることにした。山頂から見えた北西方向の「山」文字型の頂はどうやら真昼岳のようだ。また下山途中、南の方角に山頂直下に大きな屋根が見えたが、多分夏油温泉スキー場の施設のようで高い山は兎森山であろう。その奥には牛形山も見える。
コースタイム:大東町6:30==(約70Km)==8:00姥杉専用駐車場8:20--9:15姥杉(久那斗神社)9:25--9:55第一展望地(706m地点)10:00--10:20第二展望地--10:30仙人山山頂(882.16m:昼食)10:55--11:25第一展望地(706m地点)--11:45姥杉(久那斗神社)11:50--12:20姥杉専用駐車場12:35==(入浴:つなとり温泉@500円、約70Km)==15:00大東町 |
H19.10.28
花巻・八方山 (716.62m:岩手県花巻市大字大田) 毎週登山でバテ気味な身体に鞭打って岩手の里山に紅葉を求めて出かけました。
何とか車を置いて山の支度を済まし、明るい日差しの下、林道を西に八方山を目指して登りを開始する。今日は気温も暖かく風も穏やかで絶好の登山日和である。期待した紅葉も登山口から色付いており、カエデ、ナラと松が多い混交林の中を緩やかに標高を上げていく。
コースタイム:大東町8:30==(約70Km)==10:05長根崎コース登山口駐車場10:15---11:00四等三角点11:05---11:35尻平川コース分岐---11:55八方山山頂(716.6m:昼食)12:30---12:45尻平川コース分岐---13:08四等三角点---13:40長根崎コース駐車場13:50==(入浴:千貫石温泉@300円、約70Km)==16:00大東町 |
H19.10.14
高倉山・三角山 ゴンドラに乗って・・千沼ヶ原を展望
風の当たらないところは暖かく昼寝でもしたい気分であるが、夜の楽しみもあるので腹いっぱいになったところで下山開始。帰りは下りも登りも楽に感じた。ゴンドラ山頂駅付近には家族ずれでにぎわっていたが、日が陰ると急に寒く感じる。冬が足早に駆けてきていることが感じられるようでした。 森 記 コース・タイム:ゴンドラ9:30−−山頂駅9:50・・高倉山10:10・・しゃくなげ平10:30・・休みの木10:55・・三角山11:50 (昼食)12:40発・・休みの木13:10・・高倉山14:05・・ゴンドラ山頂駅14:30(ゴンドラ往復1500円) |
H19.6.10
駒頭山 (939.98m:岩手県花巻市下沢) 岩手県花巻地方に毒ヶ森山塊と言う気になる山域がある。標高は1000mを越えず登山としての魅力が薄いが、ブナの宝庫で自然が豊かな賢治ワールドの森が広がっているという。今回はそんな山域でもっともポピュラーと思われる駒頭山を出羽沢林道を利用して登ることにした。しかし熊に注意が必要とのことで一人で登ることに躊躇したが、日曜日なら誰か登っているだろうと信じて出かけた。
「これは大変なところに来たぞ」と言うのが第一印象だが、もう引き返せないので林道終点まで突き進む。蕗と雑草で覆われた林道終点の登山口に到着してほっと一息だが、期待した登山者は居ない。不安を感じながらも山の支度をしていると、天候も回復基調で太陽が眩しく輝きだした。 不安を覚えつつ一人で熊が居ると思われる深山に入り込むことにする。ホイッスルを出してピュルルー、ピュルルーと頻繁に鳴らしながら歩き出す。登山道はよく踏まれていて快適だし、ブナが生い茂って緑が濃く申し分ない山の環境だ。しかし一人で登っていること、熊と遭遇したらどうしようかと思うと心細くてたまらない。
歩き出して35分、尾根筋に出て暫く登ったところでまず吐きたてのペレットを発見、その先にはホカホカ状態の糞を発見。未消化のネマガリダケも混ざっている。とにかく今しがたこの辺に熊がいたことは確実だ。不安が的中して、もう山登りの気分は完全に消え失せてしまった。そのまま引き返そうかと迷ったが、とにかく山の雰囲気が見えるところまで行こうと気を取り直して慎重に進む。 痩せ尾根まで登ると展望が良くなりもう少しで出羽沢分岐という所まで来て、これから進むべき山の姿をカメラに収める。その時、下のほうで「グルルーン」という低い喉を鳴らすような音が聞こえた。空耳だったかもしれないが恐怖が先に来て、もうこれ以上前に進むことはできなくなった。ホイッスルを夢中で鳴らすがハルゼミに消されて、遠くまで届かない。
登山口近くになって夫婦連れに出会ってホッとしたが、再び登り返す気力も無く、二人に気をつけて登るよう話をして別れた。帰路、ナメトコ山を湖畔の淡島神社からダム湖越しに眺めた。痩せ尾根から見た駒頭山周辺の山も含め、目立ったピークはないが深い森が幾重にも連なっている毒ヶ森山塊は豊かな自然の残る山域だと感じるが、私には少し毒が強すぎたようだ。次回登るチャンスはあっても一人で登るのはやめようと思う。心身ともに疲れた山になってしまった。 沖 記 コースタイム:摺沢6:45==(84Km)==8:20出羽沢林道入口(野外活動センター)==(1.7Km)==白沢林道分==(2.6Km)==大変成沢林道分岐==(3.7Km)==9:00駒頭山登山口9:10---9:46熊の糞---10:15痩せ尾根10:20---11:05駒頭山登山口11:25==(8.0Km)==12:00野外活動センター==(84Km)==14:00摺沢 |
H19.5.3
羽山 (599.89m:岩手県北上市)
私たちは水道施設手前から尾根に取り付くルートで山に取り付いたが、その斜面で早速カタクリとスミレ、キクザキイチゲに迎えられた。イワウチワの花を期待して登山開始したが出迎えてくれたのは思いもよらぬシラネアオイの花だった。登り始めて5分としないうちに、高山植物のイメージが強いシラネアオイが次々と出迎えてくれてはもう嬉しくてたまらない。しかもブナの芽吹きが頭上で始まりだして快い環境が整い、これだから山はやめられないと言う印象だ。標高350m付近で山頂が見える尾根上に出る。ここで一本立ててコブシが咲き、谷間に残雪が残る羽山の姿を眺める。足元にはこの辺りからイワウチワが咲き残っており、カタクリの花も目立ってくる。マイズルソウが若葉を出してイワウチワと勢力を入れ替わろうとしている。
山頂には湯殿山と書かれた石碑と祠があり、三等三角点が設置されている。もうひとつ隣り合わせに三角点標石があるが、その意味は分らない。不可解な思いをしながら写真だけ撮って遅い昼食をする。 羽黒山に向かう尾根ルートの踏み跡は東方向に直ぐ分ったが、どこまで踏み跡があるのやら。下山は登りと同じルートを辿ったが、山頂から少し下がったところで踏み跡が真っ直ぐ谷に向かうルートを見つけた。多分このルートが旧道にあたるのだろう。谷にまだ残雪があり傾斜も急だったことから、安全第一で新道を戻ることにする。 下山時に少しだけコシアブラの新芽を頂戴し、山の味も堪能させてもらった。登山口に戻り旧道を少し歩いてみたが、祠の裏にはシラネアオイが沢山咲いていた。この地域は関東では簡単に見ることの出来ない花々がごく自然に見られて、これからも精力的に歩き回りたいと思う。 沖 記 コースタイム:摺沢10:45==(約80Km)==12:15羽山登山口(岩沢)12:35---13:10標高350m地点13:20---13:45羽山山頂(599.9m:昼食)14:15---15:00羽山登山口15:30===17:15摺沢 |
室根山 折壁ルート
天候は晴れからガスに変わり展望はなく残念。積雪は50〜80cm程度でした。
H18.2.12
通常はもっと下にある蟻塚公園駐車場を起点としてそこから車道を2回横切るような形で直登するように登山道(参道)が付けられている。今回駐車した三叉路は最短ルートになり、そこから直登する登山道に合流するところまで雪深い車道を歩くことになる。 歩き始めてまもなく車道に子供のカモシカとはち合わせになった。暫く見つめ合ったが、向こうの方から先に移動したため、私はそのまま車道を進んでいく。ほどなく登山道とクロスするところに到着。ここが2番目に車道を横切るポイントにあたり、そこから鳥居を潜って沢山の踏み跡が残った参道を真っ直ぐ登っていく。
本宮と新宮の2社ある右側(本宮)の横から登山道があるようで、踏み跡はそこから山頂に向かっていた。車道を横切り東屋の脇を通って山頂へと続く踏み跡に沿って無人の山頂に到着。登り始めは青空が広がっていたが、山頂に着く頃にはガスって来て視界もおぼつかなくなってくる。一等三角点をカメラにおさめ、セルフで自分自身を写してみる。樹氷は珊瑚のように綺麗だが、光がないので発色が冴えない。スノーシューは浮力十分で山頂部の積雪に踏み抜くことはなく、楽しく散策できる。もっと晴れて視界が有ればあちこち動き回りたかったが、ガスって来たため早々に山頂を辞して東屋付近で昼食をとる。 下山時はスノーシューを外したが、山頂の散策以外は登りでも坪足で十分だった。下山時も室根神社からちょっと下がったところで、往路で遭遇したと思われる子供のカモシカとまたご対面をしてしまった。折壁駅付近の踏切から鳥居越しに見る室根山は一幅の絵になり、そこからほぼ真っ直ぐに山頂に向かって参道が付けられている。その途中にある蟻塚公園から登るのが一般ルートと言える。室根山はツツジとヤマユリの時期だけでなく、この時期は手頃な冬山入門の山としてこれからもお世話になりたいと思う。 沖 記 コースタイム:摺沢9:30====10:00室根山荘10:10===10:15三叉路(駐車)10:25---10:45鳥居---11:30室根神社11:35---11:55室根山山頂(895.4m:昼食)12:40---13:25駐車場13:35==(21Km)==14:00摺沢 |
H19.1.8
種山ヶ原(物見山)(870.6m:岩手県気仙郡住田町)
下山に差し掛かると今まで閉ざされていた視界に変化が生じ、ガスが晴れてきて太陽が顔を出すまでに回復してきた。でもまだ雲の動きが早くて黒雲が低く上空を支配していたので、下りながら晴れた時点でカメラを出すことにした。光が射すと白銀の世界がいっそう際立つが、そんな景色を時々垣間見ることができてラッキーであった。今日は誰とも会わず一人だけの登山だったが、心地よい山歩きを満喫できた。下山後、遊林ランド檜風呂で山の汗を流しすっきりした気分で帰宅する。 沖 記 コースタイム:摺沢10:00=(32Km)=10:50種山登山口(遊林ランド)11:00-12:00種山(870.6m)山頂12:10-12:55遊林ランド(入浴@400円)14:10==15:00摺沢 |
H18.12.24
矢越山 (519.55m:岩手県一関市室根町矢越)
県道18号線の千厩への分岐に案内板があり、登山ルートの概要が理解しやすく描かれている。その案内板から僅かに戻ったところの分岐から入ると、石の鳥居と矢越神社、羽山神社の2つの石碑が建つ登山口に到着。ここにも矢越山登山口の標識がある。駐車場はその先にあるように標識で示されているが、見当たらないので手前の広くなった路肩に駐車し、登山を開始する。 登り始めると直ぐに民家の人から「ご苦労様」と声をかけられ気分が良い。要所要所に標識があり昔から歩かれた参詣道である事が広い道と所々石畳になっていることより理解できる。心配された雪も登山道をうっすら染める程度で、長靴で歩くには丁度良い。
石の鳥居は登山口、最初の林道手前、矢越神社手前、それから矢越神社上部の尾根上に出たところの4箇所に建てられており、信仰が厚かったことを感じさせられる。最後の鳥居を潜ってからはツツジが登山道の両側を覆うようになり、雪が付着して珊瑚のような美しさを見せてくれる。
下山は早く、矢越神社手前で「八人ばらし」という大きな岩を寄り道して見てきた。ここも案内板があり「むかし数人が雨宿りしてその名が付いた」とある。久しぶりの山を満喫し、帰路ローカル色の濃い「たまご湯」のヌメッとした柔らかいお湯に浸った。沸かし湯であるが地元の熱意が伝わる結構なお湯であった。 沖 記 コースタイム:摺沢10:15==(千厩奥玉経由:約20Km)==10:50室根沼田登山口10:55---11:17矢越神社11:18---11:33矢越山山頂(519.6m)11:40---12:15室根沼田登山口12:20===(たまご湯@500円)===13:30摺沢 |
H18.10.29
東根山(紫波町)
午前6時30分川崎町を市営バスで霧のなか一路北上。ラ・フランス温泉館の裏手が登山口。表示板の脇には熊に注意の表示有。先ずは杉林の杉の落ち葉のじゅうたん道を進む。50分ほどで一ノ平この辺から片側杉林、その反対が雑木林紅葉が見ごろ、でも林の中で展望は悪いが廻りの木々は紅葉していて観頃。二ノ平辺りよりぶなまじりの紅葉。
コースタイム:登山口〜一ノ平〜二ノ平〜蛇石展望台〜頂上展望台〜頂上〜袖滝の清水〜登山口 8:14 9:05 9:23 10:00 10:20 10:37 12:40 13:45 写真1と2枚目 中腹の紅葉 3枚目 木々に熊の爪あとを観察する参加者 4枚目東根山頂 |
H18.10.28
愛染山(1,228.47m:岩手県気仙郡住田町)
出発が遅れたので滝観洞の見学もできなかったが、住田町上有住は五葉山へのアスナロ荘を基点とした昔からの登山道が通じるところでもある。そして現在は釜石自動車道のトンネルの谷間にあたり、現在その工事で谷間も大きく変貌しているところである。紅葉が見頃になった箱根峠を越えると直ぐに谷側に狭い駐車スペースに導くように細いわき道がある。そこに数台駐車できるようになっていて、後続車が来ても駐車できるように少し奥の方に停めて身支度を整える。箱根峠には愛染山入口と書かれた標柱があるが、目立たないので見逃してしまいそうだ。 1100mを越えた辺りから踏み跡は獣道と化して分りづらくなってくるが、ピンクの道しるべがあちこちにあるので適当に上を目指して進む。積雪期に取り付けているようで、踏み跡と一致しないマークも多々見受けられたが、気にすることなく上を目指していく。日光の中禅寺湖南の黒檜山から社山あたりの獣道のほうがもっと入り組んでいて大変だが、ここは上に向かえばよいので気が楽だ。ここまで登れば動物に怯えることはないと信じ、山頂へ向けてスパートをかける。
北側の透けた所から遠野地方の山々を眺めたが、六角牛山はガスに山頂を閉ざされていた。片羽山は雄岳・雌岳が重なって見える。雲が低く遠望は利かないので山岳展望は諦めて五葉山を見ながら食事とする。日向ぼっこをしながら食事をして、熊に神経を払いながら下山に取り掛かる。紅葉は700〜800m辺りが見頃であり、雑木林の登山道は相変わらず綺麗だった。何度も立ち止まって見栄えしそうなアングルでカメラに収めた。 無事下山して箱根峠から釜石市方向へ向かったが、狭いヘアピンカーブの続く県道は紅葉の真っ盛りで見事であった。先週も同じようなことを書いたが、今回はさらに美しい紅葉ドライブを楽しめた。紅葉越しに見る愛染山は見栄えのする山だった。箱根峠から国道まで丁度10Kmのドライブだが、対向車は僅か5台だけだった。 沖 記 コースタイム:摺沢8:25==(上有住経由:約75Km)==9:50箱根峠登山口10:00---11:20愛染山山頂(1,228.5m)11:50---13:00箱根峠登山口13:15==(釜石鉱山・遠野経由:約115Km)==15:45摺沢 |
H18.10.21
片羽山・雄岳
林道の路肩に数台駐車できるスペースがあり、宮城ナンバーの車が一台駐車してあった。木洩れ日が射す林道脇で身支度を整え、いよいよ登山を開始する。登山者カードを見ると先行者は少し前に出かけたようだ。 [片葉山]と書かれた立派な鳥居を潜り、落ち葉をガサゴソ踏みしめながら林道のような緩やかな作業道を登りだす。
高度が増すにつれて紅葉も徐々に綺麗になっていく。所々で立ち止まって紅葉の写真を撮るが、写真には表現できない微妙なグラデーションが、多彩な色彩を放っている。またブナの巨木に沢山の葉が黄土色に染めて天空を覆っている様は、オーラが降り注いでいるような荘厳な気持ちになる。日射しが余計に華やかさを増幅させてくれる。上空を仰ぎながら何度もカメラを構える。 ダケカンバはほとんどの木で葉を落としていたが、わずかに葉を残した木々は黄色く染めて青空とマッチしている。4合目辺りまで目線の高さにカエデ類の色彩が綺麗だったが、7合目辺りまではブナやダケカンバの大きな木が頭上で秋を演出していた。そんな紅葉風景を愛でながら徐々に高度を稼いでいくが、段々と傾斜も増してきて頭上よりも足元を見ながら歩く度合いが増えてくる。ダケカンバ帯を抜け出して森林限界になると急に視界が開け、冷たい風を受けるようになると頂上は近い。 先行した人が降りてくるのと出会い少し会話をしたが、山頂は風が強く長居出来ず早々に下山してきたとのことであった。アカミノイヌツゲとおぼしき木が増えて、その背丈が低くなったころ足元にコケモモが敷き詰められるようになるともう山頂が目の前だ。雄岳山頂直下に鳥居が見え奥宮が祀られている。まず最初に祠にお参りして、それから二等三角点をタッチして無事山頂に至ったことの儀式とする。 山頂は先行者の話の通り冷たい風が吹きっさらしだが、360度の展望が得られ小さな羅針盤が山の方向を示していた。西正面に六角牛山が近くで大きい。その足元に笛吹峠の放牧場が目立つ。早池峰は山頂部がガスっていたがやはり大きい。手前に無粋な電力風車が林立して景観を損ねている。東に釜石湾方向を見るとやや左手の海に近いところでピラミッド型に抜き出た山が見える。羅針盤と照らし合わせて鯨山だと判明、既知の山であることに安心感を覚える。
また遠野と釜石境界の高原地帯には「釜石広域風力発電事業」として平成16年12月より事業を開始した43基の風力発電機が稼動している。資料を見ると釜石市の和山牧場などに17基、遠野市琴畑牧場などに12基、大槌町新山牧場などに14基、合計43基とのことである。 車所有者にとって気になることで、地域事情によるのだろうが遠野市内はガソリン代が随分安くセルフだったが126円(銀行カード支払い)であり、142円の一ノ関地区と随分値差がある。盛岡でも遠野並みの価格であることから、一ノ関地区が割高であると感じる。早期に改善して欲しいものだ。 沖 記 コースタイム:摺沢5:50==(約100Km)==8:05片羽山登山口8:15---9:10四合目9:15---10:20片羽山山頂(1313.2m)10:30---11:18四合目11:20---11:50片羽山登山口12:00===笛吹峠放牧場(昼食)==(たかむろ水光園:入浴@520円)==摺沢 (注意:登山口には片葉山とあるが、山頂には片羽山とある。本文は双方とも使用しましたが、ゼンリン地図では片羽山とあります。) |
祭畤山(989.6m)
H18.4.29
4月29日 晴れ 一関ライオンズクラブの事業計画(今後の希望らしいが)で祭畤山に登山道と山頂に、東屋などを造り市民の憩いの場所を提供できないかとの企画の予備調査として現地踏査・ガイドを引き受けての山行ですが余りデーターがないので参考にして下さい。 一関の伊藤神経内科宅に8時に集合し山行参加者を伊藤ドクターより紹介を受ける。少々年齢が高いことに不安を感じながらも予定の山の高さからしたら楽勝かとたかをくくり出発する。 途中で食料調達し9時に祭畤スキー場健康の森リフト前に付く、パッキング準備していると健康の森職員が予定コース・到着時刻などを聞きに来たので、今日のルートを健康の森から見て3本ある稜線の中央よりの雪渓を直登する予定と下山予定時刻を13時30分ぐらいと話し、最近の祭畤山の情報を聞く。 9時10分頃出発リフト終点まで15分、標識がないが登山道らしい道から登り始める。約15分行くと祭畤温泉との分岐らしい所に出る、その後は獣道らしい所を10分ほど行き沢を越えて残雪を直登開始する。やや斜面が急になり始めたところで、小規模の雪崩の跡(デブリ)があり左前方に小規模の雪庇が残っているため万が一のことも考え、右手稜線よりの雪渓にルートを取り直登して行く。 予定ルートの中間ほどに来ると、傾斜がキツクなり始め同行者から雪渓登行に対しスリップの不安から稜線のブッシュ登行を提案される。その後は10分行き5分休みの状態となり予定時間を大幅に遅れ13時に山頂稜線に到着したのが、下山予定時間になるため携帯で連絡しようとするが出来ず。稜線で昼食を食べて山頂を三角点とGPSで確認にする。山頂より5mのブナの木に「祭畤山」のプレートあり、縄文時代の催事場が有るらしいと聞いていたので探すが残雪で確認できず。14時下山開始稜線からグリセードで行くと快適な下山コースだがスリップの不安からを感じ安全策を取り稜線のブッシュを下る。 健康の森着15時30分「あと30分遅くなったら探しに行く予定だった」と話される。* 感想として残雪期以外は登りたくない山だ!! タケノコ取りは最高と思う! 吉家 記 タイム:健康の森(9:10)→リフト終点(9:25)→山頂稜線(13:10)→山頂(13:30)→健康の森(15:30) |
鯨山 大槌町−山田町
2005.5.4
(610m)
オオバキスミレ |
オオバクロモジ |
鯨山山頂 |
岩手県リアス海岸からピラミッドに頂点を持ち上げた標高610mの鯨山に家内と登ってきました。釜石から北に向かうと吉里吉里海岸と吉里吉里駅がありその先が目指す浪板海岸と浪板駅、その南側の小さな道路を山側に向かいアンテナ建設道路を利用して鯨山を目指す。
途中不動の滝を車道下に垣間見て、鯨峠との分岐へ向かう。ここに数台駐車してあり、遅い出発組と早い登山者と入れ替わるように駐車スペースが出来たので、ためらい無くそこに駐車する。
久しぶりに雪のない山に登り、足元にスミレのムラサキ、山吹の黄色、木苺の白、山ツツジの赤いつぼみとご機嫌だが、思いの外だらだらと車道歩きが長く、おまけに羽虫がまとわりついて閉口。またタラノメが気の毒なほど新芽を欠かれている。車道建設で日当たりが良くなった斜面にはタラノメがいつの間にか育っているが、ここも同様で、それを採取する人もまた多く芽が延びた木は一本もなかった。キケマン、ムラサキケマンを道路脇に見出してから暫くするとやっと車道歩きから解放されて雑木の中の登山道に入る。
登山道脇にオオバキスミレ、オオバクロモジなどを見ながら高度を上げていくと8合目と称するビューポイントに到着。ここから浪板海岸、船越半島、ヒョッコリひょうたん島のモデルとされたタブの大島が眼下に見える。8合目から私鉄駅のような間隔に9合目があり、あっという間に610mの山頂に到着。細長く小さな山頂
鯨山からの展望 |
には二等三角点と一坪ほどのブロック小屋が建ち、その先に鳥居と鯨山神社がある。神社奥は断崖になっていて太いロープが下げられ、青年の家ルートからの最後の登りとなっている。この断崖からリアス海岸の展望が美しい。
山頂で恒例のビールと遅い昼食をすまして、アンテナのある尾根沿いのルートを採る。ここにはヘリポートがあり、車道はここまで延びている。下山はこの車道を忠実に辿り、途中から分岐した山道ルートと合流して駐車スペースまで黙々と歩く。 沖 記
コースタイム:摺沢==3:00(120Km)==鯨山峠分岐(駐車)--0:45--車道分岐--0:30--鯨山山頂----0:15--アンテナ--0:45--鯨山峠分岐==3:00==摺沢
七時雨山
H18.4.29
西根町から国道を離れて北上すると白い双耳峰がランドマークのように目だった裾野を広げた姿で行く先を案内してくれる。路面に雪はなくバッケが柔らかい黄緑色をして沿道を彩っている。広く開けたところが田代平で、そこに赤い屋根の七時雨山荘がルートからちょっと入ったところにある。
小さな谷を越えて林道からいよいよ雪の残る牧場に入り、細く延びた夏道も途中途中で雪に消されている。広大な牧場をゆっくり少しずつ高度を上げていくと、牧場の終わりになりミズナラの林に入る。ここで一本立てて背後を振り返ると、パラグライダーで遊ぶ姿が道路を挟んだ向こう側にあった。 林の中に入るともう完全に雪の中で、踏み跡を見失わないようにしながら尾根筋らしい方向を目指して登る。急勾配を過ぎて尾根に出ると六合目の標識があり、ここでやっと夏道が露出していた。尾根筋に沿った夏道とその東側(左側)に延びた雪のプロムナードが平行して、ほぼ八合目まで続いている。ただ夏道は所々でしか見えず、大半は雪上歩行を強いられる。 八合目のピークから少し下がって登りきると九合目になり、ここで10名程度の団体が食事を楽しんでいた。山頂を目指す稜線上の所々に南側が開けて岩手山が秀麗な姿を見せる。一気に元気が出て山頂への足取りも軽くなる。岩手山は西に連綿と山並みが続くが、東は北上平野に裾野を大きく広げながら標高を下げ、南部片富士の名の通りの姿を確認できる。しかし悲しいかな山肌に無数の傷跡が痛々しい。 一等三角点のある山頂は無雪期だと視界は良くないとのことだが、今の時期は南峰に行かなくても十分展望を楽しめる。南峰へは一投足だったが急斜面を下らなければならず、無理をせず3m低い北峰でお仕舞いにする。
山頂部で風を避けて遅い昼食をする。最近はポットにお湯を入れて持参するだけで、コンロは持ち上げないで楽をしている。スープと食後のコーヒーができるので、昼食には十分役に立つ。今回はアルコール抜きのため、簡素な昼食になってしまった。 昼食を終えて下山に取り掛かる。下山は往路を戻るが、残雪期の下山は早い。足の遅い家内でも一時間で降りてしまった。 沖 記 コースタイム:摺沢8:00==(約140km)==10:40七時雨山荘登山口10:55---11:35牧場終点(三合目)11:40---12:30八合目12:35---13:00七時雨山頂(北峰1060m:昼食)13:40---14:40七時雨山荘登山口15:00===青荷温泉へ |
陸前の霊峰 | |
H11.12.19 参加者 森、阿部
コース |
玉の湯荘脇 登山口 |
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小屋と山頂 |
広田湾 |
一関−陸前高田の大船渡線、竹駒駅まで大東町経由、車で約1:30。
大船渡線竹駒駅近所の竹駒神社入り口の看板のところから入り、大きな鳥居をくぐり舗装道路を玉の湯荘まで進む 車で約20分。
登山コースは、大船渡側と陸前高田側に2つあり、高田の玉山高原側のコースをとる。
玉の湯荘下駐車場ー氷上山山頂 約1:30。
登山案内 |
山頂 |
五葉山 |
大船渡湾 |
玉の湯荘下の登山者用駐車場に車をおき、舗装された道を玉の湯に向かうとカーブの所に登山口の案内版があり、まっすぐ雑木林に向かって進む。間もなく唐松林に入り、道は2つに分かれるが迷わず右手に進む。10分ほどで車道が現れ、ここまで車でくれば良かったと後悔しながら更に登りを進む。
やがて唐松林から背の高い雑木林に変わると、最初の水場が現れて、小休止を取る。このあたりから足首ほどの残雪があり、やや急斜面に道は続くが、雑木の灌木の小枝の合間から稜線が見えだし、気も楽になる。
尾根の第一ピークを過ぎると、右手に高田方面が見え隠れして平坦な道となり、快適に進む。更に小さなピークを通りツツジ林のなかを第三ピークへと進む。霊峰らしく小さな祠があり、視界が急に開け第三ピークに立つ。
素晴らしい展望で、高田の町や広田湾が眼下に広がり、夢中にカメラをまわす。遥か南方には、金華山までも見渡せ絶景であった。ここから10分ほど下ると小屋やテントサイトが現れ、道は平坦になり山頂も左手奥の方に見える。水場も少し北側に下るとあるらしい。
緩やかな登りを5分ほど行くと、右側に灌木の合間から広田半島や大船渡側が見えだし、心も弾む。そこから約5分で山頂の大きな祠に着き、裏に回ると狭い山頂が現れる。
少し灌木が視界を妨げるが、360度の大パノラマが我々を魅了する。残念ながら、急に西の空に雪雲が現れ栗駒山までは見えなかったが、早池峰山や岩手山らしき山も霞んで見えた。この季節には、太平洋からのぼるご来光が間違いなく良いと思う。
大船渡側から昇った女性登山者と談笑や写真を撮りあい、山頂をあとにする。先ほどの展望の利く岩場で昼食をとり、帰途につく。
参考 |
氷上山: 875m 低山ながら、天候がよいと岩手山、栗駒山、宮城の金華山も見える。
携帯電話: 稜線に出るとすべての携帯通話可。
注意: 冬季間鹿狩りが行われている。
石上山 遠野市
2006.9.16
当日、大東町の朝方の気温は12℃と低く曇り空が広がり、低い山に登るには涼しくて丁度良い天気に恵まれた。摺沢のコンビニで食料を調達して、人首を経て遠野に至る。目指す石上山は遠野市街に入る手前、砂子沢川の谷あいから北北西に認められた。国道との分岐には登山口を示す標識があるが、ミラーでその所在が分かりにくい。地形からここを曲がると判断して、後で標識を見つけた。谷あいを北上すると、道路左に鳥居があり向かいには数台駐車可能な登山者専用の駐車場がある。里山登山では登山口入口が分かれば、ほぼ7割方登山成功といえる。登山口の標高は約450m、山頂部は1038m、標高差約600m弱であり、所要時間は2時間前後の数字上は誰でも登れる里山だ。また国道から見ても際立ったピークは無く、遠野の町並みから東に鎮座している六角牛山にくらべ目立たないなど、遠野三山に選ばれた理由が分からないような山だが、山岳信仰の山として岩場を巡るコースを歩くことでこの山の価値が分る。 前置きはこれくらいにして鳥居を潜って真っ直ぐ伸びた農作業の緩やかな道を、朝露で靴やズボンの裾を濡らしながら登っていく。しばらく進むと「婆石」が出てくる。そこを過ぎて再び朽ちかけた鳥居を潜ると真っ直ぐな杉林の登山道に変わる。林床にはツリフネソウが可憐だ。少し汗ばむほど歩くと小沢があり苔むした丸太橋を渡ること数回、周辺の樹相が自然林に変わりサワグルミが沢に沿って育っているところで「水のみ場」が出てくる。その少し先に「馬止め」と書かれた標識と籠堂の朽ちかけたトタン屋根の小屋がある。なだらかな斜面はここまでで、この先はブナ林になり傾斜は一気に急になる。足元には小さなキノコも目に付くが頭上のブナはまだ緑が濃い。急傾斜で立ち止まる回数も増えてくる。
この先にも鎖場はあり「兜岩」を過ぎると、ほどなく大きな岩があり、その岩を回り込むと石上山の山頂だった。「アンドロメダ」と名付けられた岩に標柱があり、陶器製の小さな社が設置されていた。一等三角点はここから南へ10分ほど稜線上の踏み跡を辿るそうだが、藪っぽく三角点だけを求める趣味も無いのでこの山頂で満足する。ここからの眺望は曇っているせいか期待の山岳展望は得られなかった。また樹木が茂っているため東側だけ透けているにすぎない。小型三脚でセルフ写真を撮り、早々に下山に向かう。やはりあの鎖場や梯子が気になり、山頂でゆっくりするという気分になれない。 下山は慎重に足場を確認してゆっくりと確実に降りる。奥宮に到着すると、登山者一人が休憩しているのと出会った。今日最初に出会った登山者だ。いつものことだが栃木ナンバーの車にあれこれと質問が飛ぶ。ここから先にもう危険箇所はなくなり急坂で膝を痛めないよう下り、途中「不動岩」を経由するルートで「馬止め」に合流し、石上山登山を無事に終えて駐車場に戻る。その後、岩手県で2番目の高成分とかの天然ラドン温泉「踊鹿温泉天ノ湯」という隠れ名湯にて山の汗を流し、遠野祭りを駅周辺で見物してから帰ってきた。民話のふるさとらしく遠野祭りは観客より市民の参加者のほうが多いような結構な祭りであった。 沖 記 コースタイム:摺沢6:50==(約80km)==8:30石上山登山口8:40---9:20水飲み場9:25---10:03中之堂10:05---10:15石上山山頂(1038m)10:25---10:35中之堂10:45---11:45石上山登山口11:55==(踊鹿温泉:525円、遠野まつり見物)==摺沢 |
六角牛山 遠野郊外
H18.4.23
六角牛山
登山口にある案内板は壊れていたが、尾根筋に付けられた林道が登山道になっていて雨量観測施設まで延びている。そこから登山道らしくなり緩やかな登りにピッチも早い。4合目に休石という大きな石のある場所に到着。ここから急傾斜が8合目の先まで続く。また雪は標高1100m辺りから登山道を覆うようになる。ダケカンバが目立ってくると山頂は近く、視界も開ける。廃小屋を過ぎると小さなピークになり、そこから5分で2等三角点のある山頂に着く。 この山頂からは360度の大展望が得られる。まず目に付くのは五葉山の鯨の背のような大きな姿と、東に片羽山が指呼の間にあり登行欲をそそられる。北北西に早池峰山が群を抜いて大きく高く白い。また今日は視界がよくて岩手山が随分近くに見える。秋田駒ケ岳も真っ白く高い。そこから左に少し標高を下げて和賀山塊が連なり、焼石連峰が高く白い。焼石岳の高さが始まりだした奥にひときわ高く白い山が双眼鏡で確認できた。なんと鳥海山が見えているのだ。とにかく展望の山旅を満喫して大満足だ。これだから山はやめられない。 山頂直下に六神石神社を祭る避難小屋風の赤い屋根の小屋があり、その陰で風を避けるようにして昼食をとる。久々にビールを飲んだが、展望を肴にすると格別にうまい。栗駒山がガスで見えなくなったのを潮時に、展望の山頂を辞して往路をそのまま下る。しかし気温が上がったために融雪が進んで、見え出した夏道に雪解け水が流れ出し、時々雪を踏み抜いて長靴を越えて雪が足の中に入り込む。それも僅かな区間だけで、あとは急斜面をゆっくり下り、登山口に50分かけて到着。 沖 記 コースタイム:摺沢8:30==(80km)==10:05六角牛山糠ノ前登山口10:15---11:35六角牛山山頂(1294.3m:昼食)12:30---13:20登山口13:30===摺沢 |