イーハトーブのこころの山
岩手山
コマクサ |
岩手山 (標高:2038.20m、岩手県岩手郡滝沢村) 登山者:沖
東北の山にはシラネアオイは珍しい花ではないが、地元の本家にあたる日光白根山では壊滅状態になっている。そのためかシラネアオイに出会うと何となく心が弾み、直ぐにカメラを出して写真を撮りたくなる。そんなシラネアオイへの思い入れがあり、岩手山のシラネアオイもそろそろ見頃を迎える頃だろうと思って、一番手軽に登れる馬返しルートから登ることにした。平日だというのに駐車場には5台も駐車されていて、驚かされる。
登りはずっと旧道を利用すると決めていたので、0.5合目から一合目に至る分岐も旧道を選ぶ。記憶にあるのはガレた斜面にロープによる柵と階段状の登山道だけというお粗末な記憶だが、ここでは咲き終わったシラネアオイをまばらに見かけるだけ。一合目で休憩、その先には期待の花もボツボツ見出せる。そんな刺激の薄い中でムラサキヤシオが鮮やかな色彩を見せ、辛い登りに女神のような存在だ。登るに連れてムシカリの白い花、ミネザクラの褐色の葉と白い花なども彩を添え、苦しい登りを癒してくれる。
五合目を過ぎるとザレた急斜面になり、三歩登っては二歩下がるような繰り返しで益々苦しい登りになってくる。足元を注意しながらゆっくり確実に登ることを心がけ、暫く花を忘れて無心に登っていく。標高が増して花も小さくなり、留めに急斜面の雪渓を直登していく。潅木の中に夏道を見つけ、それを拾って暫くするとやっと七合目に到着。 ここまで登るともう不動平まで緩やかなハイキングになるので、ここで一本立ててゆっくり休んで小腹を満たす。八合目避難小屋はまだオープン前のため人影も無く、水場の脇の登山道に入るとまだ雪が結構残っている。不動平近くまで来たところでガスが掛かり急にパラパラと水滴も落ちてきたが、大事に至らずそのまま山頂部に取り掛かっていると雨は収まってきた。 お鉢は少しピッチを上げて、時計回りに山頂部に向かう。眼下にガスの切れ間から御苗代湖が残雪を多く纏って望むことが出来た。でも八幡平や裏岩手の縦走コースはガスに閉ざされて、山肌に何本もの白い筋が確認されたに過ぎない。
下りは早い。ザックザックと砂走りを快調に降り、すぐに不動平の分岐に到着。そのまま八合目避難小屋を目指す。避難小屋のテラスに座って風を避けるようにして暖かいコーヒーを飲み、呼吸を整えながら身体を休める。 その後、七合目から再度旧道を経て見残したシラネアオイやチングルマを愛でながら、慎重に急坂を下っていく。途中から再び雨模様となって遂に合羽を羽織る羽目になったが、それも長くは続かず途中から日干しをするような状況に急変。今回の岩手山は色んな表情を見せてくれる山行になった。 |
H20.7.13
岩手山(2038.20m:岩手県岩手郡滝沢村) 昨日は五葉山に登ってシャクナゲの花を堪能した。その疲れが残ったまま、コマクサが見頃の岩手山に登ることにした。結局参加者は誰も居なくなり自分ひとりで一番きついルートから登ることになったが、自分自身の岩手山登山は過去2回経験がある。最初は滝沢から馬返しルートを往復、二度目は網張温泉からリフト利用で鬼ヶ城を経由し、御神坂ルートで下山した。今回は溶岩台地からコマクサの咲く焼走りルートの往復である。 焼走り登山口の標高は約570m、標高差約1470mを登らなければならず、これは北アルプスの山を登るのに匹敵する高度差だ。前日の疲れが加齢とともにボディーブローで効いてくることを最近は痛感しているが、今回も気合だけは健在でコマクサの大群落に魅せられて飴と鞭のルートを採った。溶岩台地の横に登山道入口があり、ミズナラ、ブナの多いコニーデ式火山の裾部分の平坦な登山道を歩き始める。足元にはイチヤクソウが咲いている。左手側には時々溶岩を垣間見ることが出来る。 ひとしきり汗を搾られて第二噴出口跡に到着。ここで登山道をそれて溶岩台地の大展望を上部から楽しむが、ガスが視界を覆って雄大な景色の半分も見えない。身体の火照りを冷ましてベニバナイチヤクソウ、ハクサンチドリ、タカネニガナ、クモマニガナなどの咲く砂礫の道をジグザグに登っていくと、目の前が開け溶岩がむき出しの斜面に出て、その縁を少し登ると第一噴出口跡に到着。
ハイマツ帯に到ると一気に開放的になり北に八幡平の山並みが見えるようになり、岩手山が大きく山頂部を大空に向って聳えて望める。平笠不動避難小屋へ至近距離になると、傾斜も緩くなりホッとする瞬間だ。ここまで来れば山頂まで登ったに等しく、小屋前で休憩して呼吸を整える。
そして空腹を癒すべく簡単なコンビニおにぎりの昼食を、風を避けた山頂の一角に腰を下ろす。するとそこには小鳥(多分イワヒバリ)が一羽小さな岩場から動かない。それが不思議でズームを目一杯引っ張ってカメラに収める。キアゲハもその周辺でちょろちょろ舞っている。聞くと私の腰掛けた直ぐ傍の岩陰に小鳥の巣があるとのことだった。どおりで小鳥が逃げないはずだ。邪魔してはいけないので早々にその場所を退散して、ついでに下山の準備を始める。
樹林帯に入り風がなくなると、標高が下がるほどに蒸し暑くなり、すっかり汗をかいてしまった。そのべとついた身体を隣接する「焼け走りの湯」でさっぱり洗い流して往路と同じルートで帰宅。疲れたけれどコマクサに歓迎されて印象深い山行になった。 沖 記 コースタイム:大東町5:15==(約125Km、水沢・西根IC)==7:15岩手山焼走り国際交流村駐車場7:30---9:05第二噴出口跡9:12---9:25第一噴出口跡---10:20ツルハシ分れ---11:15平笠不動避難小屋11:20---12:00岩手山山頂(2038.2m:昼食)12:20---12:45平笠不動避難小屋12:50---13:28ツルハシ分れ---13:50第一噴出口跡13:55---14:00第二噴出口跡---14:55岩手山焼走り国際交流村駐車場(入浴:焼走りの湯@500円)16:00==(約125Km、西根・水沢IC)==17:55大東町 |
焼け走りのコマクサ |
八つ目湿原のチングルマ |
ムシトリスミレ |
山頂の吉家氏 |
工事中の避難小屋 |
岩手山 鬼ヶ城コース 18日、浅沼さんと網張りルートで岩手山に登ってきました。心配された天候は不安定だったものの、登るには汗
田圃になった登山道には閉口だが姥倉分岐近くまで来ると樹林帯から解放されヨツバシオガマやオオバギボウシが目立つ。今日はガスって展望は期待できない。それと黒倉山は登山道が閉鎖されている。鬼ヶ城分岐でどっちのルートを採るか決めなければならないが、楽なルートを行ったと言われたくないとの思いで、無理して鬼ヶ城コースを迷わず選択。ルート上には沢山の花があって視界の無い分を補完してくれた。エゾツツジとトウゲブキがハイライトか。
コースタイム:網張りリフト−0:30−リフト終点−1:00−姥倉分岐−0:25鬼ヶ城分岐−(鬼ヶ城コース)2:00−不動平避難小屋−0:40−岩手山山頂−0:30−不動平避難小屋−2:00−御神坂登山口 |
柳沢コース
駒鳥清水 |
参加者 森X2、阿部 馬返し駐車場で一夜を明かし、4:00山頂に向けて出発する。御来光を見たくて来たが、ガスのためにあきらめての登山開始だ。薄暗いブナ林は、まだ国体の時の整備が残り、歩きやすい道だ。 駒鳥清水につく頃、ガスも薄くなり日差しも指してきた。遠くで駒鳥の声が聞こえ、気がはずむ。少しここから、道も狭くなり、傾斜もきつくなる。 ブナが灌木に変わる頃、大蔵石に着く。雲海がはるか下の方にあり、約1200mより上は快晴であった。見通しもなかなか良い。 7:00すぎ、不動平入り口で144MHZで一関にいる吉家氏を呼ぶとすぐに応答があった。状況を説明して、うらやましがる。この辺から、高山植物の花も最盛期でカメラのシャツターを押しどうしだ。 観測所小屋では、布団などを干す作業をしていて、朝食を取りながら我らも甲羅干しをする。 のどかに広がる不動平を、のんびり進みおはちの登りにかかると、コマクサが見えだした。御室が全容を出す頃、おはちの縁に立つ。左回りで山頂に向かい、コマクサの群落を見つけ感激する。 山頂にはもう十数名がおり、快晴の空の中の絶景を楽しんでいた。特に青森方面の見通しが良く、岩木山、八甲田も見えた。2038mの展望は、やはり素晴らしい。 山頂を少し降りたところで、携帯ANTを張り144MHZで開局すると、何と礼文島まで飛んでくれた。すごい。福島あたりまでは、常に59だった。 そこで2時間ほど休憩をして、昼食後に下山開始する。 補足 1998.10.6現在、火山活動のため全面的に、入山禁止になっています。登山は、もう少しお待ちください。 | |
不動平 |
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山頂より青森方面を望む |
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早地峰と盛岡方面 |