ウルップソウ
   

2002.8.1-4



白馬大雪渓

白馬のご来光

白馬鑓より白馬岳・杓子岳

天狗の頭より五龍岳(奥)

唐松山荘

唐松山荘前より唐松岳を望む

八方池より白馬鑓ヶ岳を望む

鹿島槍方面遠望、中央右ピークは剣岳

8月1日 白馬エコーランド”白馬の小家”さんに宿泊、近所を散策し白馬三枝美術館で安曇野の絵画を快く鑑賞してはやる気持ちをなだめる。夜行列車で早朝に到着して寝ぼけ眼で登るのも良いが、十分な休養をしてから登るのは少し贅沢だったかもしれない。とにかく、標高約750mの高原のペンション村、快適な一夜を過ごす。

8月2日 猿倉までペンション・オーナーさんに送ってもらう。猿倉からは車道を小一時間進むと白馬尻に


シロウマアサツキ

到着し、いよいよ白馬大雪渓に挑む。7:00白馬尻でアイゼンを履き、延々と続く登山者の列を追う。結構落石が多く、数日前には女性の方が亡くなっていると聞き慎重に高度を稼ぐが、4本爪アイゼンはやや効き目が悪く行列はなかなか進まない。つま先に力を入れず、ベタ足で歩くと滑りにくい。郡山の山岳会一行と前後しながら、東北なまりを聞きながら快適に進む。雪渓その物の規模は、飯豊の石コロビ大雪渓と同じくらいに感じる。雪渓を抜けると雨が降り出し、カッパを着込んで最盛期を迎えたお花畑を登る。種類も豊富でフィルムが、みるみるうちに少なくなり、時間も費やす。お花畑カール上部には、イワオウギの群落が一面に広がっていた。結局、白馬山荘には1:00の到着となった。同山荘は相変わらず宿泊者が多く、白馬岳の人気ぶりには驚く。食事や弁当の内容も良くなったが、一泊二食・弁当込みで9850円になっていた。


天狗の大下り、スラブ帯

U峰方面を望む

U峰北付近のクサリ場

U峰北付近

8月3日 白馬山頂でご来光を楽しみ唐松岳に向かい出発する。天候も良く、花々を鑑賞しながら大絶景に包まれた、心地よい縦走路だ。付近にはクルマユリ、イワギキョウ、コマクサ等々素晴らしいお花畑も広がる。白馬鑓ケ岳からの展望も更に良く、剣岳や槍ヶ岳・穂高等もはっきり脳裏に焼き付ける。白馬鑓ケ岳を下ったコルは鑓温泉の分岐で、ここから登山者が急激に少なくなる。天狗山荘手前を少し下るとウルップソウがちょうど見頃となっている。天狗山荘で水を補充して更に先を急ぐが、ガスが濃くなり見通しも悪くなってきた。10歳と言う子供さんと親父さんに先を譲り、天狗の大下りに向かう。ガスの切れ間から不帰嶮のT峰・U峰と顔を出すが、険しい岩峰に行く先が案じられた。天狗の大下りは標高差約300mもあり、角度も約45度とかなりの難所だ。浮き石やザレ場に注意しながら、一歩一歩慎重に下る。向かいの岩峰には先ほどの親子が、へばりついているのが見える。我らは、あの岩峰を登れるものかと心配になる。コルで昼食を取り、今回のメインイベントである不帰嶮に挑む。唐松岳との標高差 は約290mだが、T峰・U峰・V峰と険しい岩峰が続く。肩に食い込むザックと重い足に手こずりながら、ぐんぐんと高度を稼ぐ。久しぶりのロック・クライミング気分を満喫しながら、苦痛も快感に変わってくる。良い、なかなか良い、切れ込んだ岩峰にはイワギキョウやマツムシソウノ花が鮮やかに咲いて高度感を引き立てている。岩は比較的安定しているが、時々浮き石もありスリル満点だ。雨の日には岩が濡れ危険だろうが、しっかり三点確保をしながら進めば案外楽しいかもしれない。U峰付近でパトロールの方と出会い、大変な仕事に感謝しながらすれ違う。U峰から吊り尾根を少し登るとV峰を分からないまま唐松岳山頂に出た。山頂で30分ほどたわむれ、約10分下ると唐松山荘に着いた。

8月4日 唐松山荘はややこぢんまりしているが、食事も良く縦走者には都合の良い場所にある。ここでは、水は貴重で有料となる。この日は、うまい具合に9名スペースに4名で泊まれた。6:25ガスに煙る唐松山荘を後にする。ここからは殆どが下りで、見通しが良いとカメラポイントに不自由しない快適なコースのようだ。八方池手前からお花畑が広がり、ウツボグサ、ナデシコ、ニッコウキスゲ、マツムシソウ等、数知れない花が咲いている。時間の都合で八方尾根を下るが、麓のリフトやゴンドラで登ってくる人が多く八方池から下は混雑していた。木道や広い登山道は、右側通行とかを徹底して欲しいものだ。ガスの切れかかった白馬鑓ケ岳を目に焼き付け下山を急ぎ、麓の温泉を目指す。しかし、殆どの温泉は12:00を過ぎないと入浴できず、ガッカリする。せめて、10:00頃から入らせて貰いたいものだ。 

 参考:第一ケルンから八方池駅までのリフト・ゴンドラ代は3基通しで大人1400円、ただしザックが10kgを越えると荷物代100円がかかる。

参加者:森、森jr、浅沼、阿部

コースタイム:猿倉−0:50−白馬尻−6:00−白馬山荘−1:50−白馬鑓−1:20−天狗山荘−1:50−不帰キレット−3:20−唐松岳−0:40−唐松山荘(各所での休憩・昼食時間を含む。実際の行程間隔時間は地図記載とほぼ同じ時間で歩けた。)