袈裟丸山
H22.5.16
袈裟丸山・小丸 (標高:1676m、群馬県みどり市大字小中) 登山者:沖夫妻
ところが登り始めるとどうも様子が違っていて、期待の花がほとんど見えない。例年なら遠目から山肌がピンクに染まって見えるのに、今年は茶色い芽吹き前の山肌ばかりが目に付く。不安を覚えながらゆっくりペースで最初の休憩ポイントである水場を目指す。
賽の河原の手前にある展望台に登って全体を俯瞰してみると、袈裟丸山に続く稜線上に見えるはずのピンクがない。この現実に愕然としながらとにかく小丸まで計画通り歩くことにするが、どうも気力が喪失して元気が出ない。でも今日は空気が冷たくて赤城山もクッキリ見える。小丸からの山の展望を楽しみに元気を出して頑張る事にする。 賽の河原を過ぎ、カラマツの林を過ぎてもアカヤシオの花はポツリポツリとしか見ることが出来ない。それでも他の山ならば歓声を上げるような花が咲いているのだが、袈裟丸山でこんな状態では誰もが納得しない。 小丸までピンクに染まった空気を吸いながらの山歩きの夢は駄目だったけれど、期待にたがわぬ展望が待っていてくれた。小さな岩場の展望台に登って不安定な足場に立って袈裟丸山の峰々を左から右奥へと目をやる。幾つかのピークの先に皇海山、鋸山そして庚申山と続く山並みが良く見える。その奥に錫ヶ岳、日光白根山が山肌に残雪残して一際立派に望める。太郎山が微かに山頂部だけを覗かせ、その右に男体山が大きい。重なるように手前に社山が見え、半月山が個性を強調している。前日光の山並みが一段低くなって半月山から連なり、その最高峰に夕日ヶ岳がその存在感を示す。さらに右に横根山が重量感たっぷりにデンと居座って望める。
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H19.5.20
前袈裟丸山 栃木・群馬県境1878m
1607mピークを過ぎる頃、更に多くのアカヤシオが群落を作っている。今年は全体に花芽が少ないようだが、ピンクに染まる灌木帯は結構見事である。感激しながら、小丸山の下を巻いてヤシオのトンネルを進む。袈裟丸山もガスが切れてよく見えるようになった。3分咲きの大きな山桜を過ぎると、程なく避難小屋の立つ広場に出る。少し混んでいるので、休まず次のピークを目指す。 2つほど小さなピークを過ぎると、後ろに筑波山や日が射す関東平野の一部が見え出す。前方には前袈裟丸や後袈裟丸が直ぐそこに見える。登りもだんだんと傾斜が付いてきつくなってくる。右手奥には、袈裟丸の峰が続き鋸山や庚申山が見えるが、男体山は雲で霞みよく見えない。少し立ち止まり、息を整えてきつい最後の登りに取り付く。 山中の天候はかなり回復に向かっているが、前日の雨で林の中の登山道は腐っている。急傾斜の岩や木の根がペースを乱し、下山する登者とのすれ違いも結構くたびれる。息を上げながら黙々と踏ん張ると、やがて傾斜がゆるみ前袈裟丸山頂に出る。混んでいるので、そのまま進み後袈裟丸を目指すが、灌木の切れ間からいきなりの強風にあおられて寒いので辞めることにする。山頂を少し下り南西側に陣取って、赤城山や関東平野を眺めながら昼食を取る。 今回は、2005年の5月21日より新緑が一週間ほど遅れているようだった。次週たりが、山ツツジやシロヤシオも咲きそろい丁度良いようだ。それでも、アカヤシオの群落は見事で結構楽しい山行となった。 阿部 記 コース時刻:折場登山口8:30−9:28賽の河原9:30−11:15前袈裟丸山頂11:50−13:08賽の河原13:16−13:56折場登山口 |
H17.5.21
前袈裟丸山 1878m
しばらく左側が切れ込んだ見通しの良い登りが続き、運動不足を感じながら黙々と進む。ピンクに見えたのはアカヤシオで、所々に現れると程なく休憩所に着く。どうも体調が優れず、再び小休止を取る。群馬から来たと言うおじさんに「シロヤシオ」は今年は6月上旬が良い」と聞き、今回はアカヤシオで我慢することにする。 貰ったあめ玉を舐めながら先を急ぎ、賽の河原を通過する。少し過ぎたアカヤシオが次から次と現れる。さすがに登山者は多く、もう戻ってくる集団もいる。すれ違いにも少々時間が掛かるが、先を行く登山者の追い越しも大変だ。小丸山分岐付近に来ると、アカヤシオの群落がトンネルのように登山道を囲んでいる。すごい、これほど多いとは、素晴らしい山と感激しながらビデオを回し続ける。トンネルを抜けると大きな山桜が現れ、やがて避難小屋のある鞍部に着き大休止を取る。 鞍部から上はアカヤシオも少なくなり、背の高い笹に囲まれた道に変わる。更に風景も変わってシャクナゲもがボツリボツリ現れるが、花芽が少し赤くなっている程度。しかし、展望が利きだして男体山や奥白根が見えだす。細い尾根道に変わると、いよいよきつい登りに変わり疲れ切った頃になると前袈裟丸山山頂に着く。時計を見ると12時を過ぎ、後袈裟丸方面も混んでいる様子で、それ以上登るのをあきらめる。展望の利く場所をまで少し進み、谷川岳や至仏山方面の展望を楽しんで昼食を取る。 帰りは元のコースを戻るが、花粉症?のように鼻の奥がむずがゆくなりクシャミが連続、テッシュで鼻と格闘しながら下山する。後、2週間もすれば山肌は、ピンクから白に変わると言う。シロヤシオの咲く季節にまた挑戦したいものだ。 阿部 記 コースタイム:折場登山口−1:00−賽の河原−0:45−避難小屋−0:55−前袈裟丸山−0:35−避難小屋−0:55−賽の河原−0:50−折場口(休憩時間込み) |
2004.6.19
袈裟丸山(1908m) 群馬県東村 6月19日、栃木県と群馬県の県境を貫く2000m級の一大山塊の南端にそびえる袈裟丸山(けさまるやま)に登る。朝
身支度後、小さい駐車場とは道を挟んで向かい側にある、弓の手コースに取り付く。背の高い雑木林の中、丸太の階段を5分ほど登ると道は二つに分かれるが、程なく合流する。安定したやや緩い登は全く視界はない。20分ほどで視界が開けたが、霞が強く見通しはあまり利かない。一面、笹に覆われ左側の開けた道を進むと、林側に水場が現れるが坦々と登る。再び雑木林に入るとハルゼミの大合唱がつづき、やや緩くなった傾斜を黙々と進む。やがてドウダンの大きな木やシラカンバの林に変わり、高山の様子を呈してきた。ジュウタンのような低い笹原に、シラカンバやコメツガの大きな木の自然な配置が素晴らしく感動的だ。やがて平坦部に入り、間もなく賽の河原に到着する。
おにぎりを1つほおばり後袈裟丸山へ進む。途中の鞍部のザレ場は、キレット状になり危険なので注意しながら進む。左側の岸壁にはユキワリソウが、一面の群落で色を添えていた。ここから、ややきつい不安定な登になり、ペースを落としてじっくり進む。やがて視界が少し開けて後袈裟丸山(1908m)に到着する。ガスが強くて視界は全く利かないが、この山の尾根に続く皇海山、少し離れた赤城山や谷川岳も見えるかも知れない。とりあえず、咲き残りのシャクナゲの花を眺め満足する。食い残した昼食を取り下山開始する。 途中には、固有種で食虫植物のコウシンソウがないか探しながら下るが見つからなかった。そのうちに、登山道を横切る日本鹿と遭遇する。かなり人を警戒しているのか30m程の距離を取りキョンーとおたけびをあげて藪に消えていった。合計4頭と出合い、あちらも驚いたと思うが、こちらも驚いた。 前袈裟丸山では、7K2ODM局ほか3名とグランドQSOをする。JCCサービスか、折場駐車場でこの日の晩は過ごすとのこと。下山すると仲間も集まり、HFや50MHzのANTがセットされていた。 全体としてはなだらかな山並みだが、歩く工程が長く足腰を鍛えてから登った方がよいようだ。シロヤシオなどのツツジの季節か、木々の葉の落ちた空気の澄んだ季節が最適かも知れない。 コースタイム:折場口−0:50−賽の河原−0:50−避難小屋−1:00−前袈裟丸山−0:35−後袈裟丸山、下り:後袈裟丸山−0:30−前袈裟丸山−0:40−避難小屋−0:50−賽の河原−0:40−折場口(休憩時間込み、昼食時間含まず) |