庚申山 1892m 日光市・旧足尾町 同行者:佐藤
コウシンソウ ムシトリスミレの仲間 |
そろそろコウシンソウが咲き出す季節・・と、先週あたりから狙っていたが山は雨模様。今週になり少しづつ予報がづれこみ、20日は何とか雨は避けられそうになった。「よし、明日はいぐどぉぉ・・」と、職場の仲間に声をかけ庚申山へ繰り出すことにする。
一の鳥居 |
同行者の佐藤君に少し遠慮して、7時の出発。朝食兼昼食を地元のコンビニで調達して、一路粕尾峠を越えて足尾に降りる。庚申川沿いに銀山平のかじか荘まで進む。いつもの駐車場は満車状態だが、何とか空きスペースを見つけて車を止める。長い道のりに少し不安はあるが、新調した靴に履き替えて8:50出発する。
車止めゲートから一の鳥居までは、約一時間の行程だ。霧がかかり少し肌寒いくらいだが、雨になることはないと信じて新緑の中を黙々と進む。30分ほど経つと、くるぶしの上の方に違和感を感じ始める。両足共に靴上部のクッション分が触り、ほのかな痛みを感じる。まあ・・何とかなるだろうと楽観的に一の鳥居へ急ぐ。
幻想的な森 |
佐藤君は比較的元気に歩いている。片道3時間と話していたが4時間は掛かると訂正、このコースを歩ければ他の山は容易いと変な激励をしながら快調に進む。一の鳥居では先ほど追い越していった若者のグループ等、多くの登山者が休憩を取っていた。同じように事を思っていたのだろう・・つかの間の晴れ間を利用して一気に多くの登山者が繰り出したようだ。
庚申山荘 |
鳥居からは、水面ノ沢沿いになだらかな登山道が続く。深い雑木林は日光を遮り、下草が少なく何処かの外国の森を歩いているような気になる。相変わらず、霧が立ちこめて幻想的な感じもする。湿度が高いせいか、春ゼミの声はしない。少し物足りない気にもなる。約30分で、でかい岩の立ちはだかる鏡岩に着く。一服立てて、夫婦蛙岩へ進む。
水の無い沢に掛かる木橋を数回渡ると、傾斜もややきつくなり蛙岩が現ると少し傾斜がきつくなる。更に巨岩が現れ、それぞれ名前が表示されている。ガスは薄れて薄日が差し出すと、春ゼミの合唱が始まった。新緑の山はこれでないと・・と、五官に大自然を感じながら庚申山荘へ急ぐ。
クリンソウ |
ほぼ予定通り庚申山荘に到着。数人が集う中、トイレ前でぶつぶつ叔父さんが何かを話している。良く聞くと、バイオトイレに更新されたものの、故障して内部が汚くなっていると言っている。各地の山小屋にバイオトイレを設置している設備屋さんのようだ。ここのバイオはエンジン発電器式で、油を持ってきたがバッテリーが上がりセルモーターが回らなくなったらしい。折角の設備が、だいなしだ。山荘には、管理人は時折訪れるだけのよう。故障して当たり前かも知れない。一泊2000円も取っているのだから・・太陽光発電や風車発電の気の利いた方式にすれば良かったのに・・。
急傾斜の連続 |
チョット臭い話を聞きながら、いよいよ核心部へ出発。クリンソウの群落を眺めて、気持ちを入れ替える。ここからは、難所の続く急傾斜だ。少し混雑してきたため、若者の後に続くと結構息が上がる。一の門辺りで空腹のため、バテ気味。早い昼食でエネルギー補充を取る。ユキワリソウ、ミヤマオダマキ等花の真っ最中だが、コウシンソウは更に上の方だ。若い佐藤君も疲れが出てきている様子。昼食後は、中高年のお嬢様の後ろに付いてゆっくり高度を稼ぐ。
庚申山 山頂にて |
やがて、コウシンソウの核心部。例により撮影待ちの大混雑だ。帰りに立ち寄ることにして、庚申山山頂へ進む。傾斜は緩み、山頂で記念撮影。それから2分ほどで展望台に到着するが、ここも大混雑。青空が少し見えるが、ガスが切れず展望は利かない。佐藤君に展望の様子を説明しながら大休止をして、来た道を戻る。
岩場に横に咲くユキワリソウ |
コウシンソウの生育地は、人々も少なくなっていた。じっくりカメラを回し、天然記念物に感動する。今年は花々の開花が早かったが、以外に丁度見頃で株も多いようだ。あと来られないかも知れない・・と言う気持ちでじっくり観察する。名残惜しいが、約20分程楽しんで下山開始する。
道は以前より更に荒れている様子。下りとは言え、かなりきつい道だ。膝を庇いながら慎重に下る。再び山荘前で大休止を取っていると、ヒョイと若い鹿が現れた。大船渡出身の佐藤君、久しぶりに鹿を眺めて感激の様子。気をよくして、森林浴気分で一の鳥居に向かう。例のくるぶしの上がかなり疼いてきた。足の裏も、靴下の編み目が食い込んでいる感じ。・・やっぱ、安物はそれなりに厳しいのかも知れない。
一の鳥居で更に大休止を取り、長い車道をゆっくり・のんびり下る。休憩時間も入れて全行程約8時間、佐藤君にとっては少しきつかったかも知れない。くるぶしの上が少し腫れあがっていた。温泉に浸かると更に疲れそう・・と、入浴は断念して帰途に就く。足尾の町にはいると、佐藤君にメールの着信。ホヤとホタテ?・・食事もしないでまっしぐらに佐藤亭へ進む。今回で、コウシンソウの見納めになるかも知れない。仲間も一緒で楽しい・美味しい山行となった。 阿部 記
コース時刻:かじか荘8:50−9:50一の鳥居10:00−10:26鏡岩10:30−11:05庚申山荘11:18−12:50山頂13:16−14:30庚申山荘14:45−15:40一の鳥居15:55−16:51かじか荘 |