真昼岳   岩手・秋田の県境、真昼山地の第二峰
1060m

H20.7.13

      真昼岳


吊り橋

 久しぶりの山行、朝目を覚ますと東の空に真っ赤な太陽。天気の心配なく朝食、今日は走友4人での予定が、2人所要があり不参加また2人だけの登山となる。


ブナの原生林

 6時市役所裏出発。前沢より基幹農道を突っ走り北上、川尻より主要地方道1号を北上、ここは錦秋湖マラソンコースであり、レース時に真昼温泉標識を確認していたので、今回は見落とすことなく左折したが、途端に道が狭くなり、不安を感じながら進むと、真昼温泉の暖簾を見つけ安心する。程なく舗装も切れ砂利道となり山の深さを感じる。

 745分登山口兎平に到着、すでに車が5台、4人のパーテーが登山者名簿を記入し登山開始した。私達もそそくさと支度し登山者名簿に記入し出発。間もなく本内川に架かる工事用鉄板を並べたつり橋に差し掛かる。乗ったらぐらぐらゆれるので慎重に渡る。

 うばゆりが大きなつぼみをつけ群生、また山菜のミズがふんだんに生えている。間もなくぶなの林の中に入る、足元は木の葉をしけ詰めたじゅうたんの上を歩いているみたい、またぶなの根元は苔むしり、まるで墨絵を見ているような登山道であるが迷いそうなのか所々に手書きの案内があり助けられる。

 出発は遅い方であったが、3パーテーほど追い抜き急勾配のブナ林を行くと県境稜線に出る。眼下に仙北平野が広がり展望良好。秋田側の善知鳥コースと合流ブナ林を抜けると尾根に出る。ハクサンフウロウのピンクやイブキトラノオが咲いている斜面を進んで平らな山頂に到着360度の展望。山頂では秋田県千畑町の山の愛好者が、山頂小屋に毎年クレヲソートを塗って保全に勤めているとのこと。ご苦労様です。


小屋整備作業を覗く

 山頂には3パーテー10人ほどが梅雨の晴れ間の下弁当ひろげていた。未だ10時半だが朝飯が早かったので僕たちも昼食とする。心地よい風を受け40分ほど休み下山開始、28人の盛岡から来たツアー登山者と会う。奥が深い山といいながら登ってみると、その奥深さを感じる人気の山なのかも知れない。帰りは沢内マラソンスタート地点の沢内バーデンで汗を流し、帰着。 浅沼 記

コースタイム一関6:00−8:00兎平登山口7:45−9:15分岐点−10:26頂上11:06−12:15分岐点−13:18登山口−16:30一関   


    真昼岳2005.6

 和賀山塊で気になっていた山がいくつかありますが、そんな中で標高が低い割りに多様な植物相を見せるといわれ

峰越登山口

コバイケイソウ

タニウツギ
る真昼山に登ってきました。ネットで検索すると岩手側からのルートは通行止めとなっており、秋田側から峰越林道を約11Kmを走り、峠に至る。予想以上に整備されており、林道入り口には通行止めの看板が大きく一瞬ドキッとさせられたが、通り抜け出来ないことと分かり一安心する。


イブキトラノオ

山頂

真昼岳遠景(左・小屋が見える)
 横手盆地から見上げると、この真昼岳(1060m)は衝立のように一気に1000mを突き上げており、予想以上の仰角で山頂を眺め、これなら複雑な気象に沢山の花が見られると勝手に想像してしまう。峠の少し手前に「峰越の水」という清水があり、そこで水筒を満たす。峠では3台の車が駐車してあり、内一台は軽トラックでネマガリダケが目的、他府県ナンバーは登山目的だと雰囲気で分かる。初めての山は緊張するが、峠から目指す山並みが見通せる。

 コースタイムでは北真昼岳まで50分、そこから真昼岳までまた50分となっているが、そんなに簡単に行けそうも無いような遠い距離とアップダウンに感じられ、尚一層緊張が走る。林道からザレた急斜面を登りきると緩やかな稜線と草原が広がっている。真新しいベンチもいくつか設置されており、タニウツギとウラジロヨウラクが一帯を占拠している。足元の黄色い花はニガナだ。早々に最初の急斜面に取り付くが、ここには咲き終ったシラネアオイが赤紫の萼を落としている。登山道脇にはイワカガミ、マイズルソウが目立つようになるが、大きな群落ではない。そのうちにギョウジャニンニクがネギ坊主になっていたり、サンカヨウやエイレンソウがすでに種子を宿していたりと、季節の移り変わりが速い。ヤグルマソウが徐々に目立ってくる。

 いくつか小さな峰を越えて北真昼岳の登りに掛かると山の様子が変わってくる。オサバグサが盛りを過ぎて終わりかけていたが、ゴゼンタチバナが白い花を見せている。北真昼岳(音動岳)に到着するとイブキトラノオがこれから勢いを見せるところで、その向こうに本峰がまだ遠くにある。ここは絶好の休憩場所で草地にゆっくりと腰を下ろして、しばし涼風に吹かれて火照った体を冷やす。この先もまた一旦下って改めて登り直す事になるが、まあ根気の要るルートで往路も復路も所要時間に変わりは無いなと実感する。

 気を取り直して下っていくとハクサンフウロがピンクの花を咲かせている。登山道は良く刈り込んでおり、刈り込まれた部分にだけ多様な花が育っており、チシマザサに覆われた一帯は多分何も育たないだろうと見当がつく。稜線も西面の痩せた所は急峻な壁になって、いろんな植物が見られそうだ。東側は吹き溜まった雪が広大なぶなの森を育てており、見事な景観を見せてくれる。北真昼岳から真昼岳までは以外と近く、所要時間もコースタイムよりかなり短縮できる。小さなピークを越えて鞍部を過ぎると赤倉コースの分岐と合流する。ここまで来ると残りはわずか、山頂手前のピーク(赤倉山)にはコバイケイソウがきれいに咲いており、そこから来た道を振り返る。

 山頂には真新しい避難小屋があり、中には三輪神社奥宮が奉られている。小屋の中には小さな板敷が二枚有り、休憩など多目的に使えそうだ。山頂で三角点を探したけれど、見いだせなかった。山頂から南に続く稜線(南峰)を見ると白い花が目立つので、ちょっと足を延ばしてみたが、カラマツソウが群生して咲いていた。真昼岳山頂部の避難小屋がこの南峰からよく分かる。再び山頂に戻り、そこで昼食。風が心地よい。復路は往路を戻る。  沖 記

コースタイム:峰越登山口9:40---10:20北真昼岳10:30---11:00真昼岳(昼食)11:45---12:40登山口



鳥海山遠望

山頂の吉家氏

2003.9.2

 一関を午後2時オンボロ軽ワゴンで出発、今にでも降り出しそうな天候で先が思いやられながら一路沢内村を目指す。錦秋湖を過ぎた辺りから、所々に青空が見え出し気持ちも晴れてきた。

 登山道入口の前郷バス停を確認し、村役場まで峰越え林道の道路状況確認のため行き情報を確認、役場職員の「先日も悪路のために乗用車に傷を付けた等、かなりの悪路なのでお奨めできない」と脅かされる。

 今晩の食料調達のためスーパーらしき所を紹介されて買い物に行くが、商品らしい物が無く缶詰とおでんパックを買ったが、賞味期限が10日も過ぎてタダにして頂く。(食って食えないことはないはず、徳をした。)

 前郷バス停まで戻り、悪路情報に不安を抱きながら一路峰越え登山道を目指す。情報とは違い砂利道ながら林道としては良い方である。17時に峰越え登山口到、着早速期限切れのおでんとコレモ期限切れ(3年前)の赤飯の缶詰を等で夕食し、消毒の意味で食後は水割りで夜を過ごす。

 9月2日6時、峰越え登山口出発。トリカブト、ハクサンフロウの咲く、峰ズタイをアップダウンを繰り返しながら北真昼山頂に6時48分到着。また下り六郷登山口分岐点(上川原)7時5分通過、そこから一気に真昼山頂に7時20分到着。

追記
 峰越えコースは登山口地点で標高885mで、良く刈払いされた登山道を15分ほどで第1ピークにでる。そこから痩せ尾根を下り、20分で最低鞍部を通過して北真昼のピークまで小さいアップダウンが2度ほどある。

 高山植物はトモエシオガマ・ホソバトリカブト・アキノキリンソウ・ハクサンフウロウなどが咲き楽しませてくれる。また前方に目的の真昼のピークが、常に217度の方位に見ながら進む。真昼のピークまで48分、また標高で約50m下り18分で下川原分岐点を通過し約15分で真昼山頂に着く。

 このコースの特徴は、登った位を下りまた登という繰り返しをしながら標高を稼いでいく所だ。山頂には約5〜6人ほどが泊まれる社務所がある。コース中には水場は期待できない。 吉家 記 

コースタイム:峰越え登山口6:00→最低鞍部6:20→北真昼6:48→真昼山頂7:20 ◇峰越え登山口9:21←最低鞍部←北真昼8:37←真昼山頂8:10