2000.7.20-23 | 鳳凰三山方面、中央に富士山が見える |
参加者、森×2・菅原×2・三浦・佐藤・阿部
7月20日 |
7月20−23日の飛び石連休に、仙丈・駒ヶ岳に遠征する。当初の予定では電車をオール指定とし、三日間の小屋泊だったが、行動が少し遅れ指定席や小屋が満員のため急きょ予定を変更し、大量の食料とテントを担いでの山行となった。
教訓として、指定席は一ヶ月前から発売するので予定日の30日前には予約すること。小屋も予定日が決定したら、即座に予約すること。ちなみに、連休前の小屋は一ヶ月も前から満杯となっていた。(中高年を対象とした登山ツアーの団体予約で満杯になったものらしい。)
20日甲府で12:00の広河原行のバスを待つが、登山者が多くバス3−4台待ちとなった。ただし、広河原から北沢峠行14:10のバスには2台目のバスまでしか間に合わないと言うことで、タクシーに乗る。乗車時間は、バスの半分の1時間程で料金もバス代プラス500円程度。早めに広河原に着くため、北沢峠行きバス停に早めに並べて便利だった。北沢峠行バスは、29人乗りのマイクロバスで客数に応じ5−6台は運行する。乗りはぐれは無いもよう。
北沢峠、長衛荘前でバスをおり長衛小屋に前にあるキャンプ場へ向かう。(7分程)キャンプ場は長衛小屋で管理しており、一人一泊400円で150張り程設営できる。水場は十分満足できるが、トイレが一ヶ所しか無く長蛇の列ができる。行列が出きる時間帯は、上部の長衛荘バス停のトイレを利用すると良い。(テント場から10分くらいかかる)
7月21日 仙丈岳登山 3033m |
小仙丈より仙丈岳 |
仙丈岳山頂 |
馬の背ヒュッテ |
オヤマエンドウ |
藪沢カール |
ミヤマキンバイ |
6:10長衛小屋前を出発する。かなり遅い出発だったが、テント場に夕方までに着けば良いと楽観的にみていた。車道から巻き道にに入り、小仙丈尾根にとりつく。二合目まで快適に森林浴気分で登るが、ここより上部は足場が不安定となり歩きづらくなる。
四合目になると木立の合間から、甲斐駒ヶ岳や北岳が見えだし一同歓声を上げる。五合目、藪沢分岐で甲斐駒ヶ岳を眺めながら大休止をとりる。幾分楽になった体にムチを撃ちながら頑張ると森林限界を抜け、大展望と高山植物の花々が迎えてくれた。素晴らしい展望であり、北沢のテント場も見えた。ここから息をはずませながらガレ場を進み小仙丈にたどり着く。更に素晴らしい大展望が望め、北岳・甲斐駒ヶ岳がすぐ目の前にある。
小仙丈カールを左手に見ながら、イワカガミ・チングルマ・オヤマエンドウなどの花々を楽しみながら尾根道を進む。道は、藪沢カール側に入り仙丈岳がすぐ目の前に見えるが、息が上がりなかなか進まない。一緒に来たはずの我がメンバーもバラバラになり、なかなか来ない。10:50山頂に着く。甲斐駒ヶ岳・北岳方面にはガスがかかり、夏山独特の風景となっていた。全員がそろい昼食を取っていると懐かしい言葉が聞こえ、東北の山に登っているような錯覚を覚えた。いるいるあの人達だ、十数名の中高年の団体が登ってきた。後で聞くと、秋田県の鹿角市のみなさんだった。
12:00藪沢に向け下山開始する。カールには大きな残雪があり、その下には新しくなった仙丈山荘が見える。山荘付近では、ほとんど咲き終わっていたキバナシャクナゲの花が今が盛りと咲いている。山荘は、ソーラーパネルや風車式発電機が取り付けられ、自家発電設備の整った綺麗な小屋で浄化層式のトイレも備えられていた。利用する場合は、小銭の心遣いが必要。
馬の背に入るとお花畑が点在し、クロユリの群落があった。灌木帯には入り、馬の背から別れ更に下ると林の中から馬の背ヒュッテが現れる。なかなか良い小屋だが宿泊者以外は、中に入れない。小休止後、更に少し下ると藪沢に出会う。ここで道は二つに分かれるが、我らは小仙丈尾根の五合目に向かう。しばらく進むと、無人の作業小屋みたいな小屋が現れた。藪沢小屋だった。中から、イメージと違う綺麗なお姉ーさんが出てきてビックリ。「コーヒーでもいかがですか」と言われ、あぁぁっと言葉に詰まる。
とりあえずコヒーは断り、近くの美味しい湧き水で喉をうるおす。
順調に下り、二合目から長衛荘側に進み、15:30ビールで乾杯する。
7月22日 甲斐駒ヶ岳登山 2966m |
六方石付近 |
山頂 |
ガスが切れだした |
双児山付近から仙丈岳 |
駒津峰から甲斐駒ヶ岳 |
直登コースの岩場 |
テント生活も二日目となり、今日は午後になるとガスがかかりやすいと考え朝食抜きで5:30に出発する。本当は、4:30の予定だったが、トイレ待ちで等で出発が遅くなった。北沢峠バス停横を右手に入り、早速樹林帯の登りにはいる。安定した道を二合目付近まで登ると突然視界が開け、中央アルプスや北アルプス方面が見えた。しかし、北アルプス方面には、こちらが晴天にも関わらず残念ながら雲の帯に隠れている。ここで朝食代わりにパンをほうばる。
更に樹林帯を進むと、木の間から北岳や仙丈岳が間近に迫り見える。気持ちがはやるが息がはずみなかなか進まない。やがてダケカンバが現れ、灌木から頭が出るようになると双児山に着く。鳳凰三山や北岳方面が一望でき素晴らしい景観を堪能する。付近には、最近熊が出没した旨の看板があったので注意したい。せっかくここまで登ったのに、ここからはしばらく下りが続き駒津峰の高さがきつく感じられる。
再び灌木帯に入り視界は効かなくなるが、登りにかかり数分すると再び見通しが開け富士山が見えだした。前日は富士が見えず、どこに富士があるか話題になっていたが、やっと本当の位置が確認でき一同感激する。シャクナゲの咲く道を登り切ると駒津峰に出る。まだ天候も良く、目の前に迫る甲斐駒ヶ岳を目に焼き付ける。よく見るとコースが二つに別れ、登山者の列も分かるほど近く見えた。後続の仲間を待っていると突然、戸台側からガスが上がり視界が悪くなった。ここからはガスの中を歩くことになる。
比較的乾ききったガスの中を、やせ尾根の続く岩場に向け慎重に下る。ガスの中にドデカイ岩が現れ、六方石に着く。ここから直登コースと魔利支天側を通るコースの二つに別れるが、直登コースを行く。このコースは大きな岩場がつづき、フリークライミング気分を味わえられる楽しいコースで、少し強い風を受けながら快適に進む。視界がよければ高度感も抜群だったかもしれない。しばらく登ると岩場もまばらになり、ザレ場となって歩きづらくなる。ふと気がつくと後続部隊が見えなくなり、しばらく待つが少し体が冷えてきたので山頂に進む。
山頂は奇岩が林立し、かなり広く大勢の登山者が集っている。山頂標識の前では、記念撮影待ちの状態だ。ドサクサ混じりに小生もシャッターを押してもらい大満足する。岩陰に陣取ると後続部隊もそろい、バンで昼食を取るが視界は開けずじまいだった。かなりの大展望を期待していたが、早出したにも関わらずガスの巻くのが早かった。午後になると風向きが東から西に変わるはずで、その瞬間を待ちたかったが待ちきれず11:15山頂に別れを告げる。
駒津峰から仙水峠に向け下山するが、13:00頃になると再び甲斐駒ヶ岳のガスが切れだし残念がる。仙水峠で大休止を取り、最後の駒ヶ岳を撮影し北沢長衛小屋に向かう。途中の北沢登山小屋は、水力発電機を設置してありBS放送やアマチュア無線も備わっていて小屋の主人の人柄が忍ばれた。更に下ると、このコースを多数の人が登っていくのに出会う。たぶんその小屋の常連さん達だろう。
15:45長衛小屋に着く。今日もかなり遊びながら歩いてしまった。朝からろくなものを食べていなかったので、ラーメンを作り腹の虫を慰める。晩飯は、食料を余さないよう腹の中に処分使用としたが、ビールが効いたのかはかどらず翌朝に持ち越す。
7月23日 旅行日 |
トウヤクリンドウ |
我らのテント場 |
朝食後、テントを撤収し各自パッキング。あと2−3日あれば北岳や間の岳・・・等もう少しと思いつつ、村営バスに乗り広河原に着く。甲府行きのバスを待っていると、登山者を乗せてきたタクシーから声がかかり、来たときと同様に比較的安い料金で載せてくれた。この日の甲府の最高気温予想では38度と言うことでかなり暑かった。予定では近所の温泉に浸かり汗を流すはずだったが、暑くてかなわない。全員、冷房の効いている電車に早く乗りたくて、キップを調達し帰途についた。
参考:各主な小屋には衛星を利用した公衆電話あり。携帯電話は、主な山頂でも使用不可の機種あり。
テント場利用料一人一日400円。各小屋の予約は計画段階でした方がよさそう。
各コースタイムは地図等に記載のとおり。体力や休憩時間を考え調整のこと。