1999.11.5 |
7:00某所に集合し、7:20一関を出発する。すぐに東北道にのり、盤越道の会津若松インターで降りる。途中福島の国見SAと磐梯SAで休憩を取る。
会津若松からは国道121号に入り、紅葉を眺めながら田島、南郷村、伊南村を経由し、檜枝岐村にと進む。村はずれに進むと、紅葉の合間から、霧氷の付いた燧ヶ岳が見えだし全員気持ちがはやる。
交通規制の解けた、御池から沼山峠口までも素晴らしい景観が続き、ついアクセルに力が入る。登山口に付いたのは、昼食と休憩を含み7時間後の14:20だった。文字どうり、遙かな尾瀬で遠かった。
身支度を済ませ、14:40長蔵小屋に向け出発し、木道の感触に酔いながら心地よい汗をかく。沼山峠に着くと、眼下には尾瀬沼が見えだし一同歓声を上げる。小休止もそこそこに、下り道を10分ほ
沼山峠より |
ど進むと尾瀬らしい景観が目に飛び込んできた。素晴らしい、人影の少ない湿原の木道がどこまでも続き、シャツターを押しっぱなしだ。
予定時間がまだなので、ゆっくり散策し小屋に着いたのは、15:20だった。長蔵小屋の営業は6日までなので、ほとんど雪囲いが済んでおりこの日は13名ほどしか泊まり客はいなかった。
11.6 |
朝食時間が7:00からのため出発が7:20と遅り、高曇りの中全員元気に燧ヶ岳を目指して小屋を出る。晩秋の霜の降りた木道を軽やかに進む。シラビソ林の木の間からは尾瀬沼が時折顔をだし、つい「夏がくれば思い出す、遙かな尾瀬・・・・」をくちずさむ。浅湖湿原が見える頃、長英新道の分岐に着き道は大きなシラビソ林の中、なだらかに登りが始まる。40分ほど進むと傾斜もややき
つくなるが、まだ視界は利かない。
ダケカンバが目立つころには、登山道も荒れてきて登りもかなりきつくなった。尾瀬だから登山道はかなり整備されていると思っていたが、手を加えてはいないようだ。人の手を加えないのが自然保護なのかもしれない。とにかく燧ヶ岳全体の登山道は、東北一番悪い道に思えた。
灌木の背が低くなるころ、尾瀬沼や燧ヶ岳山頂が見えだし心があせる。ミノブチ岳に出ると素晴らし
ミノブチ岳より尾瀬沼 |
い景観が望め、日光の男体山や白根山等が間近に見えた。灌木には、エビノシッボがたわわに付き厳冬期を感じさせている。しばし全員で景観を楽しみ、20分ほどのマナイタグラまでの登りを一気に進む。
マナイタグラに10:40到着する。すごい景観で、尾瀬沼や尾瀬ヶ原がすぐ目の前に現れた。燧ヶ岳は、双頭峰と思っていたらピークが五つもあった。各峰の日陰部分には、10月下旬に降った雪と霧氷の花がビッシリ着いている。檜枝岐の集落の上部には、会津駒ヶ岳がドッシリとそびえる。まさに絶景である。
しばし景観を楽しみ、向かい側の柴安クラに向かう。15分ほどで11:00山頂に着く。ここが燧ヶ岳の最高峰で、至仏山から手前の尾瀬ヶ原全体が眼下に迫る。武尊山や霞んだ上越方面の山々も以外
至仏山と尾瀬ヶ原 |
に近く見える。町並みがどこにも見あたらず奥深い山並みに囲まれ、深山を実感する。気温も比較的暖かく、早い昼食を取りながら景観を満喫する。
下山は見晴新道をとり、尾瀬ヶ原の下田代十字路へと進む。膝をかばいながら慎重に下り、14:00十字路に到着。ブナ林と、草原に各小屋の景観がマッチしていい風景を作っていた。この季節に来て
良かった。小屋の周りに群衆がいるとしたらあまり感激しないかもしれない。草原が金色に輝き、静かに心におさまる。高山植物の花々が咲く頃も確かに良いだろうが、この季節もなかなか良い。
時間を気にしながら沼尻に向かうが、歩いている時間はコースタイム通りでも休憩時間が長くなり、
燧ヶ岳 |
先を急ぐ。十字路から沼尻までは標高差約300mだが、木道が60%ほど整備されていて距離はあるが、さほどのアルバイトではない。とは言いつつ白砂乗越を過ぎるころ、我が隊列も長くなり、待ち時間が多くなる。
シラビソの林を抜けると尾瀬沼が朝とは変わった風景で迎え、16:20薄暗くなって沼尻に着く。ここで左岸と右岸を行くグループに別れ、長蔵小屋へと急ぐ。17:00無線で連絡を取りながら、互
尾瀬ヶ原 |
いの行動を確認する。長蔵小屋に着いたのは、日もとっぷりと暮れた17:20だった。
小屋は、営業最終日なのに約40名ほどの泊まり客でにぎわっている。食事の後かたずけの心配をしながらも、食事前にまずビールで乾杯し食事後も部屋でおとなしく?宴会をする。たばこを吸う私と佐藤さんは、ひっきりなしに喫煙所通いをする。そのたびに、他のお客さんの話を聞き小屋の情緒を楽しむ。
11.7 |
5:00前日に、撮影ポイントを見つけた森さんがまだ寝ている。外を見るとガスがかかり何も見え
長蔵小屋から燧ヶ岳 |
ない。再び床につき、6:00に外を見るとガスが切れかかっていた。今だ、とばかりに全員起きてカメラを片手に小屋を飛び出す。今回、一番良いシャツターチャンスだった。一生忘れない様な幻想的な風景である。
食事をとり身支度を済ませ、小屋を出ると玄関の雪囲いの作業が始まっていた。この日の午後には小屋の従業員、全員山を下りるらしい。8:00我々も小屋を後にし、霜の降った景色を堪能しながら沼山に向かう。帰るのがもったいない、後ろ髪を引かれる思いであった。
帰りは、檜枝岐の大衆浴場で汗を流し、有名な歌舞伎の舞台等を見学しながら観光気分で一関に向かった。