尾瀬ヶ原 

夏が来なくても思い出す・・・♪♪



H21.5.30

     尾瀬ヶ原(約1400m:群馬県・福島県・新潟県 尾瀬国立公園)


鳩待峠より至仏山
 前日の予報によれば、どちらも雨が混じる空模様。どちらかと言えば、土曜の30日が晴れる確率が高そうだ。カッパと笠を用意して、尾瀬ヶ原へ出かけることにする。当日、4時半起床、曇天の空の下5時少し過ぎに出発。コンビニで朝飯と、昼飯のおにぎりを調達して国道120号にのる。日光は霧雨、金精峠を抜ける頃には薄日が射してきた。


山の鼻(ビジターセンター前)
 7時半過ぎ尾瀬戸倉に着き、いつもの戸倉スキー場の駐車場を目差すが、この駐車場は戸倉地内に新しい駐車場(第一駐車場)が出来たため閉鎖されていた。仕方無しに戻り、第二駐車場(以前から有る駐車場:一日1000円)へ車を止める。すったもんだで、約15分の時間ロス。折角早く着いたのに、鳩待峠着は8時20分になってしまった。(シャトルバス・タクシー:片道900円)


ザゼンソウ
 相乗りタクシーのドア縁に頭をぶつけ、車を降りる。イデェ!!。身支度は、揃っているため山の鼻に向けてすぐに出発。靴底を擦って人間カウンター・ゲートを通過。日が射して至仏山の残雪が心地よく輝いているが、数珠繋ぎのハイカーでなかなか進まない。タクシーの運転手さんは、雨模様の予報でこれでも人出は少ないと言っていた。何とか数団体を追い越し、ノンストップで9時少し過ぎに山の鼻に到着する。


山の鼻より少し進んで振り返る
 今期最終のミズバショウ目当てだろう。休憩所は人・人・人・・で満員御礼状態。ベンチの片隅で一服して尾瀬ヶ原へ乗り出す。再びの人間カウンター、少し手前にザゼンソウが小さな二輪が鎮座するのを見つけ、さい先良いスタート。カウンターを過ぎるとすぐに見通しが開け、夏がこなくても思い出すミズバシヨウの大群落が目に飛び込んでくる。長く続く木道の先には、燧ヶ岳がドッシリと構える。振り返れば残雪を抱く至仏山が迫る。感動の光景は、やっぱり尾瀬ヶ原だ。


上田代より燧ヶ岳
 川上川の橋近くで、リュウキンカの緑と黄色が鮮やかに彩りを添える。全体にミズバショウの純白以外はまだ茶褐色だが、良く見るとヒメシャクナゲの先にピンクのつぼみが付き、濃いピンクのショウジョウバカマが点々と咲いている。タテヤマリンドウやヒメイチゲも咲き出した。上田代付近は大きな池塘の中を歩く感じで、撮影をする人で時々列の流れが止まる。休憩ポイントは常に満席状態。人々の流れに乗って上の大堀川を渡り、程なく牛首分岐に到着する。しかし、ここも満席のため、下の大堀川方面へ進む。


中田代より竜宮小屋方面
 木道脇にはミズバショウに混じり、ニッコウキスゲの新芽も結構多い。ワタスゲの花も咲き出している。7月になるのが待ち遠しい感じだ。木道もあちらこちらで修復されて、頑丈そうで歩きやすい。橋を数本渡ると程なく下の大堀川が現れ、絶景ポイントとなる。撮影順番待ちをしながら、360度の絶景を堪能する。いくらシャッターを押しても取りきれない光景に、何処で辞めるか踏ん切りがつかないままに次の人に譲る。何度も振り返りながら、竜宮方面へ足を向ける。


下の大堀川にて
 竜宮側の中田代には、小川が地面に吸い込まれ100m程離れたところで沸き出すという所がある。長い年月を経た不思議は、ツンドラ地層には良くあることかも知れない。尾瀬ヶ原の魅力の一つだ。と、突然、自然が呼び出し、力を入れて急ぎ足で竜宮小屋裏に駆け込む。もう・・撮影どころではない。何とか堪えて中に入ると、2名待ち状態。100円をチャリンと入れて断腸の思い。


大堀川のミズバショウ
 すっきりして、表に飛び出す。ヨッピへ行こうか、見晴らしへ行こうかと思いながらギョウジャニンニクの群落を眺めていると、ハイカーに押されるように沼尻川を渡っていた。ここからは、福島県だ。時間はたっぷりある、よし、行っちゃえぇぇ・・と、見晴らし十字路を目差す。次の拠水林を横断すると、見晴らしの小屋が見えてくる。燧ヶ岳と小屋群が何とも郷愁を感じるというか・・いい風景だ。茶色の草原に、新緑の山肌が何とも言い難い光景で迫る。次こそは、あの小屋の前で大休止だ・・と、重くなってきた足取りを急がす。


下田代より見晴小屋群
 木道には、人影が少なくなったきた。しばらく進むと、小さな池塘に道が阻まれて木道が左右に膨らむ。ここも、撮影ポイント。カメラを回すと草原に黄色を発見、近づくとリュウキンカの群落で更にカメラを回す。人々の賑やかな声も聞こえてくる。程なく見晴らしに到着するが、休憩ベンチは又しても満席状態。尾瀬沼方面からの団体さんだ。


新しくなった東電橋
 休憩を諦め、赤田代への分岐を目差す。振り返るとアヤメ平方目が時雨模様。5分ほどして小雨が落ちたきた。途中で笠を取り出すが数分で雨が上がり、東電小屋と赤田代分岐に到着する。やっとベンチに空きがあり、早めの昼食を取りながらしばしの休憩とする。温泉小屋泊の人や三条の滝目当ての団体さんが、ぞろぞろ通っていく。・・あっちも良いだろうなぁぁ・・と思いながら羨ましく見送る。


東電橋近くのバショウの群落
 見晴らし・東電橋への木道は、朽ち始めている。要所要所には材木が積み上げられているので、改修工事が始まるのだろう。ミネザクラの花見をしながら、只見川へ降りる。東電橋は、昨年架け替えられたばかり。今度は流されるこことはないだろう。橋を渡ると、新潟県。ミズバショウとリュウキンカの群落が迫る。熊の出没の多くなる地域だが、やっぱり群落鑑賞の方が良い。久々にミズバショウの良い香りが漂う。見事な群落に大感激。目と鼻で大自然を満喫する。


東電小屋近くのリュウキンカの群落
 林の中は木道に変わり、歩きやすく程なく東電小屋に着く。ここも、昼飯時で満席。素通りしてヨシッ掘り田代へ出る。今度は、リュウキンカの群落が迫る。カメラを回しなが少し進むと、新潟県から元の群馬県に入る。ヨッピ吊り橋が近い。再び小雨が降りだし、笠を被る。雨に煙る吊り橋を渡る頃には、ハイカーも多くなり混みだした。立ったまま一服して、直接牛首分岐を目差す。

 かなり重くなった足に気合いを入れながら黙々と進む。拠水林の中の大堀川に架かる橋を渡ると、雨も小降りとなって笠を閉じる。遠くの竜宮方面に続く木道には、切れ目無く続くハイカーの列が見える。後発組が、かなり多くなっているようだ。ニッコウキスゲの群落はこの周辺にもあるはずだが、新芽はまだ少ないようだ。7月に期待しながら牛首分岐へ急ぐ。


ヨッピ吊り橋
 牛首のベンチも満席だが、少し空きを見つけ腰を下ろす。たばこを取り出したが、風向きが悪い。3分ほど休んでたばこを戻し、休憩を諦め山の鼻を目差す。先ほど見えていたとおり、木道は終始数珠繋ぎ。カメラを殆ど回さずに山の鼻に着くが、ここも一杯でキャンプ場の炊事場で大休止をとる。足がこわばり、鳩待峠までまともに歩けるか心配だ。


ヨッピから牛首間より下の大堀川方面を望む
 10分ほど休んで小雨が降ったり止んだりの中を出発。相変わらずの数珠繋ぎ、足の調子が悪いので、のんびり続いていく。ミヤマカタバミやエンレイソウ、サンカヨウやオオバキスミレも咲いている。・・しかしのろい、意を決して木道の左側が空くとスパート。大部追い越したが、更に追い越す人もいる。年並みには勝てないのか・・と思いながら何とか数人を追い越すと、以外に足の付け根の痛みも和らぎ調子が出てきた。とは言っても最後は、やはり集団の後に続く。14時40分過ぎ、鳩待峠に到着。いつもより早すぎた。あと一時間は楽しめたはず。でも、ミズバショウに大満足の一日でした。つぎは、7月のニッコウキスゲを楽しみたいものだ。 阿部 記

コース時刻:鳩待峠8:25−9:14山の鼻−10:30竜宮十字路−11:15見晴らし十字路−11:30東電分岐11:45−12:08東電小屋−12:25ヨッピ吊り橋−13:10牛首分岐−13:46山の鼻13:54−14:43鳩待峠  


H18.10.14

   尾瀬 先週のリベンジ、紅葉の見頃に間に合うか・・心配しながら走りました。


横田代上部

富士見田代より燧ヶ岳

長沢新道上部より尾瀬ヶ原
 例により5時出発、コンビニで朝食と昼食を調達して国道120号にのる。中禅寺湖から竜頭の滝あたりは紅葉の見頃で、早朝から観光客でにぎわっていた。金精峠はもう冬枯れの様子、アヤメ平の状態を気使いながら戸倉に入る。


アヤメ平
 尾瀬戸倉はまだ緑が濃いが、バスに乗り換え高度を上げると、にわかに色めき立つ。鳩待峠は丁度紅葉の見頃だが、先週の強風の影響か葉が揉まれ発色は今一。少しガスっぽいが、まあまあの天気で早速降りたハイカーとは反対にアヤメ平を目指す。


林の出口が近い
 かろうじて付いているブナの葉は、もう枯れ葉色。登る登山者も少なく静かに15分程高度を稼ぐと、時折現れるハンノ木が色づいている以外は冬枯れの様子。それでも風陰のドウダンの真っ赤な紅葉を期待しながら、なだらかになった林の中を黙々す進む。遠くににぎやかな話し声。出すか出さないか迷っていた熊除けの鈴、冬枯れと大きな話し声にもう必要はない。

 一時間ほどで林を抜けて、黄金に輝く横田代に着く。大声の主を追い越し、最初の草原を楽しむ。約20名の登山者が木道に点々と列を作っている。紅葉のアクセントはなく、この人々を入れて写真を撮りまくる。草の中を覗くとヒメシャクナゲだけが、緑と白い葉裏を輝かしている。花を付ける間だけは目立つと思っていたが、草紅葉の季節も目立ち、かなりの範囲に見つけだすことができる。

 たばこを一本立てて、さらに進む。至仏山方面は薄雲が掛かり、裾野が時折顔を出す程度だが薄日が体を温める。登山口ではおったフリースが更に体温を上げる。脱げば半袖下着と夏用のシャツだけ、腕をまくり冷たい秋風で涼をとる。このコースピークの中原山が近づく。ドウダンの群落があるはずと足を早めるが、残念、赤い葉が根元に散らばっている。やっぱり風の通りがよい場所だったとガッカリ。中原山のピークをすぎると、燧ヶ岳の稜線が見えだした。一旦下りとなりアヤメ平へ急ぐ。

 程なくアヤメ平に着く。少し過ぎた草紅葉だが、多数点在する池塘と頭に雲を被った燧ヶ岳とのコントラストが良い。雲上の大草原を満喫するが、至仏山は相変わらずガスの中。こんな時もあるのだぁぁ・・といい聞かせ、燧ヶ岳が隠れないうちに富士見田代へ進む。小さな草原を過ぎると右下方面に、戸倉に続く林道の一部が見える。冬路沢の両側の山肌は紅葉が見頃のようだ。昨年の紅葉を思い出しながら、霞んで見える斜面の紅葉をを堪能する。

 富士見田代で燧ヶ岳を撮影、一服して1500m付近の紅葉に望みを託して長沢新道へ進む。少しにぎやかだった道を後にすると、鬱蒼とした森に包まれ鈴が必要と思うが、この時期は居ないだろうと静かに緩い下りを進む。紅葉を探して上を見ながら歩いていると、いきなりガサガサとしてビックリ。息を切らして登る単独行者でホッと胸をなで下ろす。

 標高1500m位まで下ると、紅葉が真っ盛り。赤・黄・緑等々枯れ葉色は殆どない。登山道の階段からは、竜宮十字路付近や東電小屋方面が紅葉の合間から覗く。先日の大風の影響も少なかったようで、色づきも良く登山道と言うよりは林その物の中を歩いているようだ。久々の紅葉の樹林を歩きながらビデオに納め、立体感の素晴らしい風景を満喫する。


竜宮十字路より燧ヶ岳

ヨッピ橋

ヨッピ川の木橋付近にて
 短く刻まれたブナの倒木を過ぎると、いよいよ尾瀬ヶ原にでる。丁度良さそうな草紅葉が、だだっ広く広がる。一直線に伸びる木道と点々と並ぶハイカーがいっそう尾瀬ヶ原を魅了する。至仏山は見えないが、まだ燧ヶ岳は隠れていない。写真を取りまくりながら、少し強い風の中をヨッピ橋へ進む。きょ水林はシラカンバの白が目立つが、黄緑の葉は少なく色彩に乏しい。思っていたほどの色づきは少なく、ヨッピ橋たもとで昼食を取って牛首分岐へ進路を取る。

 ヨッピ分岐を過ぎると間もなくキンコウカがドライフラワー状になり群落を作っているのを見つける。夏場だったらと思いながら写真に収める。次の紅葉ポイントのヨッピ川に架かる橋を目指すが、遠く見える付近の林も期待できないようだ。途中の池塘で秋を探す。ヒツジグサの色づきはあまり良くないが、何とか発色の良いものを探してカメラに収める。

 13時を過ぎると上田代方面や周りの山々もガスに覆われ、風も冷たくなってきた。草紅葉の大草原を山の鼻へ向けて先を急ぐ。13時半過ぎ、山の鼻に着く。いつもの小川を覗くと、小さいイワナしかいない。大きいものは上流に産卵で行ってしまったのか、食べられたものか?。大きな姿が見えず、少しガッカリしながら小休止し。さすがに山の鼻はハイカーが多く、夏場のように混雑している。翌日の15日あたりが紅葉シーズンのピークらしい。

 山の鼻から鳩待ち峠までは紅葉も見頃だったが、長沢新道下部程の迫力はない。列を作るハイカーの流れに沿って、行く尾瀬の秋を惜しみながらのんびりと進む。16日からは鳩待ち峠の交通規制も解除されるが、間もなく尾瀬ヶ原の各山小屋は店じまいするようだ。「尾瀬保護財団」等のホームページを参考に注意して出かけたいものだ。

 帰りのいろは坂はさほどの渋滞ではなかったが、日光・神橋付近で渋滞があり清滝からエスケープルートで鹿沼にでる。秋祭りの鹿沼は交通規制で、迂回ルートを走らせられて6時半自宅に戻る。  阿部 記

コース時刻:鳩待ち峠8:10−9:05横田代9:12−9:38アヤメ平−9:55富士見田代10:00−11:30見晴らし十字路−11:56ヨッピ橋12:08−12:43牛首分岐12:50−13:28山の鼻13:37−14:37鳩待ち峠 (自宅−尾瀬戸倉スキー場:車、行き帰りとも約3時間)  


H17.7.14

   尾瀬ヶ原 


燧の頭は雲の中

昨年の分まで咲いた?
一面のニッコウキスゲ畑

見晴らし手前の森氏

ヨッピ橋で大満足の奥様

牛首分岐付近より至仏山を望む

燧ヶ岳を振り返る。
 13日、戸倉温泉に宿泊して、14日の始発バス(4時40分)に乗り込む。鳩待峠についたときは、霧も薄らぎ雨具無しで登れる。(ここから尾瀬ヶ原に下るが正しい。)

 ブナ林に造られた木道は昨夜来の雨と霧で濡れていて滑らないようにゆっくりと進。山の鼻で、軽く朝食を摂り出発。雨の心配はないようだ。山の鼻の木立を出れば一面の湿地帯。

 早速ニッコーキスゲ黄色い歓迎に、早朝のこともあって登山客は少なくカメラマンがあちこちで撮影中。正面の燧ケ岳は霧に包まれている。一面のキスゲの輝きに「エエデ、エエデ」と言ってすれ違う数人のグループは、夕べは見晴らし泊まりとか。龍宮小屋につくころは、日差しも強くそよ風が止むとガリガリと暑ささえ感じる。

 見晴らし十字路でコーヒーを沸かしパンで空腹を埋め東電小屋へ向かう。こちらは登山客がグゥと少ない。ヨッピ橋を渡り牛首付近には、登山客の列がずうっと続いている。分岐点からの帰路は、小学生の団体・ツアー客がどんどん流れてくる。対面通行なため難なく山の鼻に到着。味噌汁を沸かして昼食。

 ここから標高差約200mの登りである。朝は足元にばかり気を取られて気がつかなかったが、アズマ石楠花が大きな花を咲かせていた。また、ショウキランも咲いていました。鳩待ちに着いてまもなくバスが出発するということでさっさと乗り込む。戸倉の宿の温泉で汗を流し帰路に着きました。  森 記

コースタイム*鳩待ち峠5:15〜6:15山の鼻6:40〜8:00龍宮十字路〜8:40見晴らし十字路9:20〜9:55東電小屋〜10:20よっぴ橋〜牛首分岐11:00〜12:00山の鼻12:30〜13:35鳩待ち13:45バスで戸倉へ(鳩待ち・戸倉間は、A日程とB日程があるので注意すること)


H17.7.9

富士見峠−尾瀬ヶ原

     


横田代

植生復元田

富士見小屋
 前日の天気予報によると9日は晴れ間が指すから終始曇りに変わったが、雨が降らなければ吉として半夜勤を押して尾瀬方面へ出かける。近くのコンビニを6:15出発、日光清滝まで高速を使い清滝から1:30で戸倉スキー場に着く。尾瀬方面は濃いガスに煙りるが、雨にはなっていない。バスを降りるとすぐに鳩待通りを富士見峠に向かって登り出す。


鳩待通りの様子
 うっそうとした樹林帯に続くやや傾斜のきつい湿った道が15分ほど続き、木道が現れると傾斜も緩くなりコメツガやブナの大木からの滴が体を打つ。しばらく木道とドロンコ道が交互に現れゆっくり高度を稼ぐ。道ばたには、マイヅルソウやゴゼンタチバナが並び、真っ白いユウレシソウが点在している。ムシカリも盛りを過ぎて新緑を除いては全体に華やかな色彩はない。

 小一時間進むと森林帯も終わり、周りが明るくなって横田代の湿原に出る。イワカガミのピンクが目を引き、コバイケイソウ、タテヤマリンドウ、ヒメシャクナゲ等が時期を迎え、咲き残りのチングルマも草原に色を添えている。日当たりの良さそうなところには、ニッコウキスゲも数輪の花を広げている。細長い湿原をしばらく進むと背の低い灌木帯に入り、真っ赤なドウダンに励まされ中原山を過ぎると間もなくアヤメ平に着く。


アヤメ平 湿原がかなり復元されている
 結構広い湿原で、ガスがなければ大展望が楽しめる所のようだ。横田代に咲く花々と同じ種類の他にムシトリスミレも数輪咲いている。あちらこちらに広がる、植生復元の田代が痛々しい。元の姿を取り戻すのは、あと何十年かかるのだろう。ガスに煙る痛々しい湿原を早々に後にして、富士見峠に進む。道は再び樹林帯に入り、長沢新道分岐から富士見湿原を通り、少し下って富士見小屋へ続く。大きな小屋だが訪れる人は少ないようだ。小休止を取り、時間が有るので、長沢新道経由でキスゲの様子を探りに尾瀬ヶ原に下ることにする。


ヒツジグサ

トキソウ

ツルコケモモ

上田代
 小屋から高低差約20mを登ると、富士見湿原の池塘がある。縁にはミズバショウの花が残りしばし眺める。ここから長沢新道が緩やかに続き、所々湿ったも木道が足下を不安定にする。全長4.2kmと書いて有るが、約半分を過ぎるときつく不安定な急傾斜が現れる。濡れた石に足を取られないように慎重に下る。木の間から尾瀬ヶ原が見え隠れすると、やがて傾斜も緩くなり長沢に架かる橋を渡ると尾瀬ヶ原が近い。


竜宮小屋前

小屋前より至仏山側

中田代付近

牛首分岐、5分ほど進んだ所より至仏山遠望

上記ポイントより燧ヶ岳遠望
 樹林からスッポリ抜けると広い尾瀬ヶ原に出る。竜宮十字路には沢山のハイカーが集い、ふと小屋側に目を移すとオレンジ色の帯が見える。えぇぇ・・まだ早いのではと思いながら近づくと、やっぱりニッコウキスケの群落が咲きだしているのだった。昨年は花芽が遅霜にやられキスゲは殆ど咲かなかった。今年はすごい、キスゲの当たり年のようだ。遙か彼方にも黄色い帯が見え、えぇぇどえぇぇぇどぉぉぉ・・と気持は焦る。竜宮小屋付近で写真を撮りまくり、一旦残っていたおにぎりをほうばって大休止をする。

 おもむろに腰を上げ、中田代へ進む。すごい、一面にニッコウキスゲの群落が花を付けている。ある集団のガイドさん「もこんな年は初めてだ」と絶賛していた。まさに見頃、昔の尾瀬ポスターにもないような華々しい光景だ。欲を言うと、燧ヶ岳や至仏山がもう少しはっきり見通せたら尚良い。少し遠くに目を転じると、更に奥の道付近にも群落がある様子。更にその場所を求めて、急ぎ足で進む。

 牛首分岐からヨッピ橋方向に5分ほど進むと、その群落は有った。ここは燧ヶ岳や至仏山をバックにした撮影ポイントのようで、群落の広がり状況も良い。「ええどぉぉ・・さいこうだぁぁぁ・・」とビデオをまわし写真も撮りまくる。キスゲの感動の余韻が無くならないうちに山の鼻へ進み、一人でビールで乾杯。今、尾瀬ヶ原は、咲き残りのミツガシワ、レンゲツツジも見られ、サワラン、トキソウ、ヒオウギアヤメ、タテヤマリンドウ、ヒツジグサ、ヒメシャクナゲ、ツルコケモモ等がが最盛期。ニッコウキスゲは最高のタイミングだった。あと一週間ぐらいは大丈夫だろう。  阿部 記

コース時間:鳩待峠9:20−10:14横田代10:20−10:50アヤメ平10:55−11:09富士見小屋11:15−11:38
1.8/2.4休憩所11:45−12:38竜宮十字路12:50−13:40牛首分岐13:50−14:20山の鼻14:35−15:34鳩待



2004.10.17

   尾瀬ヶ原


中田代にて
 紅葉の最盛期は終わったかなと思いつつ、会社の仲間と尾瀬ヶ原に向かう。鳩町峠の一般車乗り入れ禁止は、この日が最終日。バスに揺られ峠に近づくと、至仏山は白化粧して好天気に光っていた。8:30至仏山の雪が解けないよう祈りながら、尾瀬ヶ原に向けて歩き出す。

 白く輝く至仏山を左手に見ながら木道を進むが、霜が付いて滑りやすい所が多数ある。ピッチを落とし、慎重に下る。遠目に見る紅葉は最盛期のようだが、木々をよく見ると枯れ葉色。台風に揉まれた葉は、どうも色がさえないようだ。風が少ないと思われた川辺の一部には発色の良いものもあり、何とか紅葉にありつけたという満足感で部分的な感激をする。

 山の鼻の小屋は殆どが冬支度の最中、広葉樹林は葉を落とし冬枯れ色。唐松こそ葉は残っているものの、まだ金色には輝かない。何だか中途半端な気持ちで上田代に進む。視界が開けると枯れ葉色ではあるが、一面の草紅葉の紅葉と満天の青空がよく似合う素晴らしい光景が待っていた。初冠雪の至仏山、池塘群に色鮮やかに浮かぶヒツジグサ、白く蛇行する木道等々尾瀬ヶ原独特の光景が広がる。

 これだから尾瀬通いはやめられない。あまりにも天気が良かったので至仏山に登りたかったが、仲間がいたので断念。この日は、牛首−竜宮−見晴−東電小屋−ヨッピ橋−牛首−山の鼻コ−スをのんびり散策する。以下、省略。  阿部 記


鳩待峠

山の鼻

燧ケ岳遠望

上田代にて

上田代にて

竜宮十字路付近

見晴付近より至仏山遠望

東電尾瀬橋

下の大堀川付近

コースタイム:鳩待峠−0:50−山の鼻−2:15(竜宮小屋・ビールで乾杯)−見晴十字路(昼食)−1:00−東電小屋−1:05−牛首分岐−0:40−山の鼻−1:00−鳩待峠  昼食・休憩時間含む


2004.7.25

   尾瀬ヶ原   鳩町峠ー山の鼻ーヨッピ橋ー竜宮小屋ー山の鼻ー鳩町峠


霞む至仏山

やっと見つけたキスゲの群落

水芭蕉の面影はもう無い
 ニッコウキスゲの最盛期はもう過ぎたと思いつつ、会社の仲間と尾瀬ヶ原に出かける。例によって戸倉スキー場に車を置き、鳩町峠より入山する。先週の連休あたりに人出がピークだったのか、割にお客さんは少ないように思い、入口の関係者に「花はどうですか」とたずねると今年は良くないとのこと。少しガッカリするが、多少は咲いているだろうと思い直し出発する。

 約1時間後に山の鼻休憩所に着き、小休止後いよいよ尾瀬ヶ原に進む。すぐに草原の向こうに燧ヶ岳が見えるはずだが、ガスが強く真っ白だ。この辺にニッコウキスゲがあったはず、と探すとやっと一輪だけ見つけ少し安心するが、いつもと何かが違う。コバギボウシの花だけが異常に目立つ。何で、何でと不思議に思いながら、先へ進む。


ナガバノモウセンゴケ

サワギキョウ

クルマユリ
 最初の拠水林を越すとオレンジの花、キスゲかと思うとクルマユリだった。木道脇には相変わらずギボウシが目立ち、ナガバノモウセンゴケ以外は小さい花も見えない。そのうちにヒツジグサに覆われた池塘群が現れ、尾瀬ヶ原らしさを堪能する。ヒツジクサの花を見つけ早速カメラに納めるが、殆ど咲いてしない。ミツガシワも多く見られたが、花芽の跡もない。5月30日には咲き出す寸前のものも見かけたが、咲いた跡もないのは不思議だった。

 坦々と進み、牛首からヨッピ橋に向かう。至仏山方向では雷鳴が聞こえ始まった。そろそろキスゲが歓迎してくれるはずと見渡すが、ギボウシ以外は先の赤茶けた草原しか見渡せない。先日流石山で聞いた霜の話を思い出し、尾瀬も霜にやられたと確信する。ガッカリしながら、少しは期待を込めてさらに進む。

 下ノ大堀川拠水林付近には、熊よけのコヒーカップ大の釣り鐘と金槌が吊されてありカーンカーンと叩きつける。キスゲも、霜を林に遮られたのか多少の群落を作っていたが、非常に少ない。おまけに先日の台風の増水の跡が生々しく、背の低い草木はなぎ倒された跡が広がっている。今年の尾瀬ヶ原は散々な目にあったようだ。

 さらに進み、拠水林の先で先ほどよりは少し広いキスゲの群落に出会う。もう此処しかないだろうと思い、小さな群落を撮りまくる。雷鳴は、燧ヶ岳方面にも響きヨッピ橋たもとで早めの昼食を取る。どんどん雲が厚くなり、花はあきらめ一目散に竜宮小屋へ先を急ぐ。竜宮十字路付近では、朽ち果てた木道の交換作業が始まっていた。小雨が降りだし、一部新調された木道を急ぐ。

 竜宮の木立の下で、カッパを着込んでいると益々雷鳴が近くなり雨粒も大きくなってきた。あわてて小屋に避難するとまもなく、ガンガン鳴りだしヒョウも降ってきた。久しぶりに雷の洗礼を受け、近くに落ちる光景を多数目撃する。まだ危険な状態が続く中、バス時間を気にしたパーティが雷の中に出ていった。何もこんな中歩かなくても良いのに・・と思っていたら、進んでいった先の方にイナズマが光りものすごい雷鳴が数回あった。前日も、この日も各地で雷に打たれた事故があったが、やむまで1時間もあったら十分。じっと我慢すべきだ。

 約1時間後、至仏山、燧ヶ岳が雨にかすみ見えだしたので、山の鼻に向けて出発する。遠いが雷鳴はまだ響き、小雨も残る。殆ど休憩を取らずに雨の尾瀬ヶ原を突っ切る。「雨の尾瀬もいいですねエェェ・・」と山の鼻方面からやって来たハイカーさん、こっちはそれどころでは無かった。山の鼻でしばらくビール休憩をしてから、鳩町に急ぐ。帰りのバスの中では、子供さんが「二度と尾瀬には来たくない!」とぼやいていた。そんなこと言っていても、大きくなったら、きっとまた尾瀬に来たくなるはず。と苦笑いする。 花は、サワギギョウ、キンコウカがそろそろ見頃を迎える。その他霜にやられない時期の種は夏から秋にかけて順調に咲き出すだろう。  阿部 記

コスータイム:殆ど同じのため省略。


2004.5.30

    尾瀬ヶ原  尾瀬はミズバショウの季節


リュウキンカ・ショウジョバカマ・タテヤマリンドウ
 前線通過が予想される30日、雨装備も万全に会社の仲間と大勢(2名)で尾瀬ヶ原に向かう。午前5時集合、コンビニで朝食・昼食を調達して出発(5時半)。思っていたより天気は悪くなく、道も空いていて戸倉発8時のバスに間に合う。

 鳩待峠で出す物は出し、身支度を整えて8時45分山の鼻に向け出発。残雪の至仏山を新緑の林から眺めながら、快適に下る。コシアブラが食べ頃、チョイとつまんでかじりたい衝動に駆られながら快晴の空の元ルンルン気分。山の鼻まで3分の2ほど進むと小さな湿原が現れ、最盛期を迎えたミズバショウの群落が現れて久々の花の香りをあじわう。

 約45分で山の鼻に到着し、はやる気持ちを抑えながら小休止を取る。以下は、写真で雪が融けたばかりの尾瀬ヶ原を感じて下さい。 コースは鳩待峠−山の鼻−牛首−中田代・竜宮十字路−ヨッピ橋−牛首−山の鼻−鳩待峠です。

山の鼻手前15分に現れた湿原、早く行こうとかき立てられる。

山の鼻休憩所を出ると視界が開ける。至仏山とミズバショウ

雪が融けたばかり、緑はまだ少ない

下田代から燧ヶ岳

中田代、尾瀬の代表、ミズバショウが最盛期

中田代、リュウキンカも混じり素晴らしい

この風景が見たかった、水量はまだ多い

竜宮十字路付近のリュウキンカの群落

竜宮小屋、7月にはいるとレンゲツツジやキスゲが周りを飾る

ヨッピ橋をバックにS木さん
 ミズバショウの群落を見ると言う目的は達成された。全体として湿原は雪が融けたばかりで、水量も多く荒涼としてはいるが数種類の花も点々と咲き出している。小川の周りにはミズバショウ・リュウキンカが多く、群落を見渡せるポイントとなっている。

 木道は熱を集めやすいのか、終始木道脇・間にはニッコウキスゲやミツガシワ・ヒオウギアヤメ等の新芽が目立ち、ミツガシワは咲きだしているものもあった。チョイと残念だったのは、竜宮小屋裏の拠水林などに行者ニンニクの群落が多く、食べたくてよだれが出そうだった。ボンナ・コシアブラ・行者ニンニクが採取できず残念だった。まだ地味だが、ワタスゲも開花期を迎えている。6月中旬から7月にかけた綿帽子の群落も見事だろう。ヨッピ橋−丑首付近分岐間で、ニッコウキスゲの新芽の群落を確認して帰途につく。次回は、7月下旬か?  阿部 記

2003.7.6


  

山の鼻を過ぎると、すぐにこの景観が飛び込んでくる
6日、どうせ雨に打たれるなら○○山をあきらめ尾瀬に行こう・・とバス時間に間に合うように朝4時に自宅を出る。西に向かうに連れて、雲も薄くなり霧雨も上がってきた。絶好の尾瀬散策日和になりそうで、コンビニで食料を調達して気持ちもはやる。

 7時少し前に戸倉スキー場に着き、バスの出発時間には十分に間に合った。しかし、たまたま乗り合いタクシーが乗車する人を待っていて、運良く助手席に乗り込め予定より1時間ほど早く鳩待峠に到着する。早速、身なりを整え山の鼻に向かう。

 すれ違う人々はみんな登りできついはずだが、ニコニコしていて尾瀬ヶ原を満喫していた様子。再びはやる気持ちを抑えつつも、自然と歩幅が広がり急ぎ足となる。山の鼻には早朝と言うのに、ものすごい混みようで隙間をかき分け(少しオオバー)木道に進む。

 良い・エェェェ・・最高の景観が広がってきた。濃いオレンジ色のレンゲツツジ、咲き出したニッコウキスゲ、白い綿帽子を着けたワタスゲ・・そして延々と続く木道、その上を歩く人々の列・・モオォォォたまらない風景が続く。書き表せないので、写真で尾瀬を堪能して下さい。


上田代より牛首・燧ヶ岳方面を望む

中田代より牛首と至仏山

中田代付近にて

中田代付近の下の大堀川と至仏山

中田代付近のワタスゲの群落

尾瀬の花々、ほかにも5−6種類見かけました

竜宮十字路とヨッピ橋間の湿原から至仏山

下田代から下田代十字路・燧ヶ岳を望む

 東西6km、南北1kmもの広大な高層湿原(標高1400m+α)はさすがに広く、周遊するとかなり疲れるが、全て歩いて見たいものだ。後ろ髪を引かれるように帰路に就くが「また来いよ・・」と言われているよう気がして名残惜しい。ん?・・マタコーヨォォ・・?・・・次は紅葉の時期に来るかアァァと峠に急ぐ。

参考:各小屋付近にはトイレあり・利用協力金のBOXがあります。協力しましよう。携帯電話はアンテナ基地が景観を損ねると言うことで無く、つながりません。
コースタイム:鳩待峠−0:40−山の鼻−1:35−竜宮十字路−0:35−下田代十字路−0:35−東電小屋−0:45−(ヨッピ橋経由)竜宮十字路−1:40−山の鼻−1:00−鳩待峠(休憩時間・昼食時間を含む)