那須・三本槍岳(1916.94m:栃木県那須塩原市大字板室)
H21.8.16
久しぶりの山歩きとなったが、家内にとっては何と5月の恵那山以来の山だと言う。この時期は花の少ない那須の山が次の花・リンドウへ準備期間中であり、目に付くのはウラジロタデとシラネニンジン程度と寂しい限りだ。花が期待できないとあっては、つい早足になってしまうが、家内の足が対応できないので出来るだけゆっくりのペースを心がける。鳥居を潜って対になった狛犬の赤い毛糸の帽子をいつもの儀式のように両方とも撫でて、木道の階段を登る。すると山側(左側)にいつの間にか小さな祠が祀られるようになっていた。そう言えば拡幅された峠ノ茶屋駐車場を利用するのは、今回が初めてかもしれないなど、4年ぶりに正面ルートを歩くことになる。
汗を沈めて峰ノ茶屋へ向かう。リンドウが咲いてないか、いつもの場所をチェックするがまだ蕾が固い。しかも花数が少ないように思える。「那須=リンドウ」だったのが、過去形に近づきつつあるようで気がかりなことだ。また茶臼岳の斜面を輝かす秋の風物詩、カリヤスモドキの穂が随分伸びてきた。写真撮影適地は植生保護の名目で、いつの間にかロープが張られている。 峰ノ茶屋でもゆっくり休憩して、西側に広がる三倉山・大倉山の山容を眺める。山の展望に英気を養って、朝日岳の肩に向かう。歩き出して直ぐに水平道に入るが、ここでも期待のリンドウには出会えない。水平道から裏側に回って整備された鎖付き階段道に入ると、所々でクロマメがポツリ、ポツリと実を付けている。鎖場を過ぎて正念場の急斜面を登りきると朝日岳の肩に到着だ。 これから涼しい稜線漫歩を楽しもうと思っていたら、家内が「膝が心配だから自分はここで引き返す」とのこと。折角だからもう少し登ろうという誘いも空しく、この先は自分一人で歩くことにする。家内はそれでも朝日岳に登ってきたようで、一応天晴れと褒めてやろう。さて自分の方は稜線漫歩を楽しみながら涼風に吹かれて汗をかかない程度の歩調で朝日岳の肩から熊見曾根へと向かう。その最初の登りで、期待したオヤマリンドウが咲き出していた。花株は少なくて心配ではあるが、やっと那須に咲くリンドウを見ることが出来た。隠居倉分岐(熊見曾根)から清水平へ下るまでの僅かな距離は、標高の高い地点を歩き快適だ。また三倉山・大倉山が大きく根を張って雄大な景色を展開している。目の前には、これから登ろうとする那須連山最高峰の三本槍岳が台形状の塊りを清水平から持ち上げている。 一旦清水平に下りると、湿地には木道が設置されている。そこはシラネニンジンが群生して白い花を咲かせていた。その先、北温泉分岐辺りまでオヤマリンドウが沢山の花を咲かせていた。リンドウに元気を貰いながら一気に三本槍岳の山頂へ駆け上がる。 三本槍岳山頂には10人ほど憩っていたが、山頂到着の儀式としていつものように一等三角点(点名:三倉山、標高:1916.94m)にタッチして、山の安全、健康、商売繁盛など沢山の願い事を祈願する。そして山頂の写真を記録して、少し大峠方向に下がった地点まで足を延ばして、一人静かに会津地方に広がる展望を満喫しながら昼食を採る。 三本槍岳から眺める三倉山・大倉山は立派だ。また旭岳の鋭角に聳える三角形が、形がよく惚れ惚れしながら眺める。今日は霞が強くて大倉山の左に位置する七ヶ岳さえ漠然としていて会津駒ケ岳や旭岳の左右に位置する飯豊山や磐梯山を見ることが出来なかったが、爽やかな涼風に吹かれて美味しい空気と共にコンビニお握りが至福の時間を提供してくれた。 せっかくの山頂だったが家内が先行しているので、ゆっくりも出来ずに早々に下山を開始する。下りはやっぱり早い。写真撮影で道草をしても、結構早く歩いていて一時間半ほどで峰ノ茶屋に到着。爽やかな山の空気を満喫してストレスも発散できた。 沖 記 コースタイム:西那須野7:15==(約40Km)==8:15峠ノ茶屋駐車場8:30---9:20峰ノ茶屋避難小屋9:25---9:50朝日岳の肩10:00---10:15熊見曾根---10:41清水平---11:13三本槍岳(1916.94m:昼食)11:30---12:00清水平---12:15熊見曾根---12:26朝日岳の肩---12:55峰ノ茶屋避難小屋13:00---13:25峠ノ茶屋駐車場13:35==(約40Km)==西那須野へ |