2577.6m
2004.6.27  2004.5.15  2003.6.8  2001.6.9  
2006.8.27
  2007.7.1  2009.8.22  

H21.8.22
      日光・白根山 (2577.6m:片品村・日光市  栃木さよなら山行:同行・佐藤)


頂上駅にて
 2001年5月16日、異国の地・栃木に赴任する。その約1年前から栃木通いが続き、周辺の山々にかなりの期待を抱いていた。やや暑い日が続く週末、暑さをしのぐため、水を得た魚のように山へ向かったのは当然のこと。記念すべき第一登、2001年6月9日は、何故か北関東・最高峰の「日光・白根山」となった。


お花群
 それから8年と3ヶ月、栃木最後の登山は白根山にしようと後任の佐藤君を誘って、何かを引き継ぎするような気持ちで出かけた。22日、おりしも前線が通過中と有って小雨がぱらつく中、6時我がAPを出発する。「前線の通過は遅れているが、大丈夫晴れるだろう・・」等と言いながら、第二いろは坂のトンネルを抜けると白根山の頭がクッキリ見えて一安心。

 約1時間半で、丸沼高原に到着。特段に混んでいる様子はなく、肌寒いくらいの高曇りの中を快適な気分でロープウエーに乗り込む。ゴンドラから上州・武尊山や至仏山を眺めながら、約10分で頂上駅。雲は高く、青空も少し覗いている。勿論、これから進む白根山は、クッキリとすぐそこのように見えている。涼しいそよ風になでられながら8時45分、山頂に向けて出発する。


山頂にて
 コメツガの林をヒトンチットを浴びながら快適に進むと、やがて雑木が混じりだし足下には見頃の花を多数付けたカニコウモリの群落。二つ目の散策路分岐からは、少しきつい登りが5分ほど続く。視界は全く効かないが、上り詰めると山頂の頭が見えて気がはやる。佐藤君の新調した登山靴は、問題ない様子で少しピッチが早く、我としては少し息が荒くなる。

 出発から約40分で小休止、少し前が混んできているが5分程で腰を上げ森林限界まで進むことにする。6月のイワカガミの群落の花を思い出しながら周りを見渡すが、相変わらずカニコウモリしか見あたらない。食べても美味しくなさそうな茸類も少しはあるが「松茸でも有れば最高だろう・・」等と話しながらドンドン高度を稼ぐ。


男体山と中禅寺湖
 疲れ切った頃、森林限界を抜け出し涼しい風が全身を撫でる。道の脇にはシロバナヘビイチゴか真っ赤な小粒の実が無数に膨らんでいる。背丈の低いフウロのピンクも時折目にはいる。それらを横目に見ながら、休むよりも進んだ方がよい事になり、ザレ場をゆっくり高度を稼ぐ。高曇りの空は、青空へと変化して陽がまぶしくなってきた。冷たい風も、火照った体に心地よく感じる。

 やがて草付きとなり、傾斜もゆるんで岩場が現れると第二ピークにたどり着く。少々登山者は多めではあるが、夏場の最盛期ほどではない。一旦ハンゴンソウの群落を眺めながら下り、本ピークへと息を上げる。トウヤクリンドウの脇で順番待ちをして山頂にタッチ、次の人に譲り東側の小さい広場?で大休止をとる。佐藤君に360度の山並みを案内し、カメラに納める。東から南方向は前線の影響か雲で良く見えないが、西から北にかけてはやや見通しも良く、飯豊連峰あたりまで見えていた。


人なつっこい鹿
 時計を見ると、まだ10時50分で五色沼に降りて鹿さんに会うことにする。いつもの斜面を下り、コマクサのドライ花を見てハンゴンソウやマルバダケフキの群落の中を進む。すると、鈴を付けたご夫婦が花々を観察中で、カラン・チリンと、まくし立てている。あんなにうるさいと、鹿も出てこないだろうとしばらく、先に下っていくのを待つ。150m程ご夫婦から離れたところで、再び静かに下る。


ハンゴンソウの群落
 いつもの遭遇ポイントに差し掛かると、先を行く叔父さんの脇に現れた。いつもの鹿かは解らないが、毛並みの良い雌鹿のようだ。7−8m離れてこちらを見ている。佐藤君も、ご満悦の角様子。しばし、声を掛けながら鹿と戯れる。更に下るとハンゴンソウの群れる鞍部。この辺から避難小屋付近にも鹿が出るが、どうも散歩中のようでピーピーと雄叫びは時折聞こえるが姿は見えない。更に五色沼まで進むが、この付近でも鹿を見つけることは出来なかった。湖畔に腰掛け、昼食タイムとして大休止を取る。


弥陀ヶ池
 おにぎりが無くなる頃、外人さんが犬を連れてやって来た。・・えぇぇ犬・・鹿は出てくるわけはないと、鹿との再会を諦めて腰を上げる。沼の辺は、ガンコウランやコケモモの実が散らばっている。程なく五色山への分岐だ。この辺りから外輪への登り、歩幅を狭くしてややきつい登りに取り付く。間もなく傾斜がゆるんで、弥陀ヶ池への緩い下り。佐藤君の昨年11月に歩いたコースと繋がった。


池の珍虫
 弥陀ヶ池で小休止。池の縁でご婦人方が、何かを見つけた様子。我も浅い水面を覗いてみると、体長1−1.5cmの砂粒を塗したような甲羅を持った異様な姿の虫を見つける。平べったく目玉も触角も見えない。草の茎でひっくり返してみるが、老眼気味の我には足も見えない。海老の仲間かカブトガニの仲間だろうか?。ちょっと見ただけでも、数十匹は居るようだ。一ノ関に帰ったら、千田さんに聞いてみよう。

 池から少々の登り、最後の登りと有って心地よく汗をかく。山頂や座禅山方面の十字路を過ぎると、灌木帯の下りとなる。膝を庇いながら慎重に降りる。さすがに登山者は少なくなり、やや静かな道は涼しく快適だ。黙々と進めば、散策路の分岐が2つ3つ。林の中の展望台経由で、ロープウエー駅を目差す。


抹茶ソフトで乾杯?
 今回は6月下旬に歩いたコースとほぼ同じ。佐藤君にとっては、少し辛かったかも知れない。栃木最後のお別れ山行としては大満足の一日。抹茶ソフトで乾杯して引き継ぎ?を終わる。しきりに気にしていた佐藤君、何キロの減量になったことか・・。・・栃木・・えがったねぇぇぇ・・今度は、県外遠征としてまたくっぺぇぇ・・。 阿部 記

コース時刻:ロープウエー頂上駅8:45−10:30山頂10:51−12:00五色沼12:25−12:54弥陀ヶ池13:05−14:00展望台14:10−14:25ロープウエー頂上駅


H21.6.27

    奥(日光)白根山 (2577.6m 日光市・片品村)


ロープウェー頂上駅にて
 今期最高の気温予想から逃げ出すように、そろそろ高山の花も咲きそろい始めただろうと白根山へ登ることにする。7時少し過ぎ、遅い出発だが自宅を出る。少し霞が強いが天候は上々、途中で昼食を調達して滝ヶ原峠経由で日光・清滝に出る。中禅寺湖界隈はさすがに車も多く、休憩無しで一気に菅沼登山口に到着する。


庭園に咲く白いコマクサ
 しかし、予想通り駐車スペースは全くない。道を挟んだ反対側に釣り客用の駐車場があるが、おばさんに断られて丸沼高原口に移動する。結局、某釣り客専用駐車場代2000円より少し安い、往復1800円のロープウェーを利用することになった(駐車場は無料)。頂上駅到着は10時少し過ぎとなり空いていると思われたが、以外にも福島方面からの集団でまだ混雑していた。


鬱そうとした林
 頂上駅の庭園では、白いコマクサ等花盛りで更に上部のお花を期待しながら静かになった鹿除けゲートをくぐる。鬱そうとしたコメツガ林は、時折陽が射してもかなり涼しい。汗ばむことなく快適に進むと、例の集団に追いついてしまった。追い越してもしょうがないと、七色平分岐まで後ろに付いていく。約30分後、休憩を取り始めた集団を追い越して黙々と進む。


林の中に咲くコイワカガミ
 周りは、雑木林に変わり傾斜も少しきつくなるが、カタバミやコイワカガミが目立ち始め撮影しながら進むと疲れを感じない。森林限界の少し手前で、小休止を取る。三歳と言う男児が下り、同じぐらいの女児が登っていく。感心しながら一服立てる。

 灌木の背が低くなると、山頂方面が一気に開けて登山者も多くなる。キンバイやタカネスミレが黄色の絨毯のように広がっている。少し登り、ザレ場の取り付きで展望を楽しむ。霞んではいるが、武尊山に至仏山や燧ヶ岳が素晴らしい展望で迫る。下る人も多くなり、ザレ場に足下を掬われながら更に高度を稼ぐ。いつものツガザクラは咲き出したばかり、まだつぼみの物が多く、イワカガミもいまいちだ。


頂上少ししたに咲くツガザクラ
 第3ピークを乗り越えて第2ピークの本峰に進むが、かなり混雑している。数分カメラを回し、少し移動して東側肩で展望を楽しみながら軽く昼食を取る。山頂付近は、まだ草も茶色で緑の絨毯になるには後1週間程かかる様子だ。例のコマクサが気になり東斜面を下り、五色沼へ足を伸ばすことにする。


白根山頂にて(左奥・燧ヶ岳)
 登山者が疎らになった斜面を少し下ると、コマクサの群落地。花芽は出ているが少し早い様子。やっと一輪のまともな花を見つけて感激する。来週あたりが最盛期となりそうだ。更に下るとツガザクラとイワカガミの群落地があるが、やはり少し早かったようで来週あたりが見頃になりそうだ。やがてカンバ林に入り見通しは効かなくなるが、鹿が顔を出す頃と思いながら静かに下る。


咲き出したコマクサ
 ガサガサッ!鹿が突然現れた。昨年遭遇した場所と殆ど同じだ。4−5m近づいても逃げようとはしない。声をかけながら撮影するが、全く無視している様子。しばし戯れて避難小屋へ進む。すると再び三頭の鹿の親子が現れた。各、縄張りはどの群も同じのようだ。続き、五色沼側でも少し長い角を付けた立派な牡鹿に出会う。結局、合計六頭の鹿と遭遇して動物園にいる気持ち。五色沼で、鹿とイワカガミの群落を眺めながら小休止を取る。


昨年出会った鹿か?
 立ち上がると先週に続き、右足コブラ上部がかなり疼き出した。靴に型枠をはめて癖を直そうとしたが、殆ど変化無く擦っているようだ。左側はかなり慣れてきているが、やはり違和感はある。何とか外輪を登り終え、弥陀ヶ池で紐を調整するが効果はない。ビッコを引きながら、ロープウェー駅を目差してゆっくり下る。


五色沼
 コメツガ林には散策コースが整備されているが、ヒカリゴケ生育地や展望台には行かず七色平の咲き出したばかりのハクサンチドリ?を眺めて山頂駅に直行する。最後に庭園のシラネアオイを目に焼き付け、涼風を受けながら抹茶ソフトに舌鼓。来た道をたどり自宅に戻ると、まだ二五度以上もある。汗を流しながら、昔の靴の手入れ。駄目だ・・GTホーキンスは、じぇってぇぇ俺に足にはなじまない。・・・でも、捨てるにはまだ早いか・・なんとかせにゃいけん。  阿部 記

コース時刻:ロープウエー山頂駅10:18−12:05山頂12:24−13:27五色沼13:35−14:03弥陀ヶ池14:16−14:55七色平15:05−15:35山頂駅  自宅・丸沼スキー場:2:25(帰り)

H19.7.1

    日光・白根山 イラネアオイを探しに、また行ってしまいました。


弥陀ヶ池脇に咲くシラネアオイ

弥陀ヶ池にて奥さんと記念撮影

イワカガミの群落

奥・燧ヶ岳をバックに・・
 土曜日5時半に起床までは良かったが、ネットのレーダー画面を見ると奥日光は雨の様だった。この日は諦めて翌日の1日、終日曇りの予報だが5時半意を決して白根に向けて出発する。先週の山行ではついに本家シラネアオイに会えず、今回は菅沼からの入山とする。天気が良かったら、沖氏も登るとのメールに期待しながら先を急ぐ。

 小一時間で日光を通過するが、小雨がぱらついている。ん・・大丈夫だ、こんな日は中禅寺湖から先は晴れ決まっていると、言い聞かせ雲のたなびくいろは坂を駆け上がる。案の定、高度が上がるにつれて視界が開けてくる。さすがに白根方面は雲が懸かっていてよく見えないが、金精トンネルを抜けると山頂の頭がチラッと見えカンカン照りとなっていた。


山頂の沖さん

山頂から五色沼を望む

つぼみのコマクサ 標高2450m付近にて
 7時半ころ菅沼の登山口に到着、先に着いていた登山者に「やっぱり、岩手からきたんですか?」と不思議そうに声をかけられ、「いやいや、栃木からですよ・・」と言うと安心した様子。「岩手山に登ったことがある」と懐かしそうだった。そんな談笑も早々に切り上げ、出発すると、車4代ほど上に岩手ナンバーを発見。いた!!間違いなく沖さんが来ていると確信して先を急ぐ。それにしても先ほどの登山者、岩手ナンバーを二台も見つけ不思議だったろう。

 日差しはまぶしく、新緑の香りを感じながらいつもの道を坦々と進む。カンバ林を過ぎると傾斜が増し、コメツガ林に変わる。金精峠からの登りより遙かに楽だが、結構息が上がる。焦らず、じっくりと高度を稼ぐと、いつもの休憩ポイントの広場が現れる。少し道を反れて展望を楽しみ、殆ど休まず更に進む。出発から小一時間経っただろうか、道標の脇に二人連れが休んでいる。ん!?あの声は、沖さんだ。と一気に近づくとやはり沖さんご夫婦だった。カクカク・シカジカ、久しぶりの再会に話も弾む。しばし休憩を取り、ここから下山までご一緒させて貰う。


ツガザクラ

避難小屋への下り

人間慣れ?した雌鹿
 温暖化の影響か今年は雪の付き方がおかしい・・等と談笑しながら進むと、程なく弥陀ヶ池が現れシラネアオイの最初のポイントに着く。電気柵に囲まれた中に、10個ほど疎らに咲いていて早速カメラを回す。これでも今年は花が多いようだ。東北の山なら、かなり群生しいてるが本家本元は食害で寂しい限りだ。木道を進み池のはじの広場で山頂方面を眺めながら小休止を取る。


山頂にて
 いよいよ、早池峰山のような急登に入る。高度を増すと至仏や燧ヶ岳も現れ、足下には濃いピンクのイワカガミの群落も現れて感激。なかにはツガザクラも混じりカメラも休む暇がない。今年は異常なくらいにイワカガミが咲いている。もう、気分はプロの写真家、ジックリ楽しみながら高度を稼ぐ。山頂はまだあまり混んでいないとのんびりしていたら、登山者の列がどんどんやってきた。絶景を堪能する間もなく、山頂で記念撮影をして逃げるように東側肩へ進み大休止を取る。

 おにぎりを口にしながら、沖さんにコマクサやシラネアオイのポイントを教わり、東斜面を五色沼へ進む。いつもは通り過ぎていた斜面だったが、よく見るとコマクサが結構多く群落を作っていた。残念ながらまだつぼみで、ピンク色がやっと解る程度。何とかカメラに収め次のポイントをめざし更に下る。花芽はまだ付いていないがマルバダケフキやイワカガミの群落を眺めながらどんどん下る。上を振り返ると、団体さんの列が続く。追われるように避難小屋へ着くと、20m程先の林の中で雌鹿が逃げる様子もなくのんびりと草をついばんでいる。声をかけても全く無視している。めんこい顔をしていても、あれがシラネアオイの点滴と思うと、腹が立つ。


背丈2cm位のど根性イワカガミ
 小さな沢沿いの道を下ると、少し雪が残っている。今年最後と思われる残雪を楽しく踏み込んでいると、程なく五色沼に到着する。小さく点在するイワカガミの群落を眺めていると、岩盤の割れ目に二輪のど根性イワカガミを沖さんが発見する。背丈は2cmほど、それでも頑張って花を咲かしている。たいしたもんだ!。再びおにぎりを食べていると、先ほどの鹿がまた現れる。全く人間様を恐れていないようだ。


シラネアオイの群落地より白根山を望む
 小休止後奥様と別れ、シラネアオイの群落のある五色山に続く外輪を目指す。これが結構急登続きだが、景色はなかなか良い。約30分の登りでアオイの第二ポイントに着く。花はよく見えないがザックを置いて下ると、点在して咲いているのを発見。ここも電気柵で囲まれている。撮影していると、股がピリピリする。大きなショックではないが、確かに電流が流れているようだ。果たしてこの程度で鹿が恐れるのだろうか、少し疑問に思いながら群落を後にする。

 白根外輪を一度下って更に登り、少しヘトヘトになりながら待ち合わせ場所の弥陀ヶ池に着く。奥様はいない、少し待ってみるが現れないので菅沼へ向けて下山開始する。約30分ほど下って無事奥様と合流。久しぶりの複数登山、やっぱり楽しい。普段はおにぎりと水だけの装備、メロンや漬け物のお裾分けに感謝しながら、ご夫婦の面白い会話も楽しむ。

 14時55分、無事菅沼登山口に到着。全ての花のポイントを回りきれなかったが、まだ花芽のないカニコウモリやハンゴンソウ等々この山域は花の種類は多い。9月下旬頃までいろんな花を楽しめるだろう。沖さんは奥様が用事があると言うことで、早々に帰路に就く。 写真・順序バラバラです。(16:9写真以外は沖氏提供です。) 阿部 記

コース時刻:菅沼登山口7:38−9:10弥陀ヶ池9:19−10:30白根山頂11:11−12:15五色沼12:30−12:57外輪分岐(シラネアオイ群落)13:10−13:30弥陀ヶ池13:37−14:55菅沼登山口


H19.6.23

    五色山・前白根山 日光白根山外輪山、2379m・2379m


峠の十字路 中央奥は金精山

湯元温泉郷と日光連山

五色山山頂 奥前白根山
 奥日光を通る通称金精道路(国道120号)、群馬県と栃木県県境の金精トンネルは標高約1750mもある。ここから白根山方面に登ったら、少しは楽だろうと始めてのコースに期待をかけて歩んでみた。6時15分、近くのコンビニを出る。戦場ヶ原の赤沼で貯まっていた用を足し、金精トンネル入り口の駐車場に車を止める。用足しに15分も費やして8時5分着、ほぼ満杯状態だった。

 8時15分、初老のご夫婦の後を追うように出発する。快晴の空、トンネル上部からはいきなりの急登が続き、丸太の階段が壊れかけて段差も大きく歩幅が間に合わない。両手・両足、全身を使ってグラグラ揺れながら高度を稼ぐ。相変わらずの悪路、紫ヤシオやシャクナゲが咲いているが、のんびり鑑賞する余裕は無い。格闘する事約25分、何とか峠の分岐に到着。

 眼下には湯の湖や男体山が広がり、心地よい風になでられながら大休止を取る。しばらくすると、先ほどのご夫婦と単独行の若い男性が登ってきた。ここは十字路となって、尾根伝いに北方へ行くと根名草山・奥鬼怒方面で、南方へ進むと白根山方面となる。南方に高々と構える金精山に向けて、既に重くなった腰を上げる。


左下 ピンクのカタバミ
 やせ尾根では有るが、大きな灌木に囲まれて危険は感じない。ムシカリやシャクナゲが丁度見頃で、なだらかな快適な道がしばらくつづく。カタバミの小粒な花が多くなると、間もなく金精山の急登が始まる。岩場に変わり梯子やロープに助けられながら、息を切らして高度を稼ぐ。やがて傾斜が緩くなり、金精山(2244m)に着く。森林限界は超えていないが、東面が開けて日光連山や湯元温泉郷が素晴らしい景色となって迎える。

 山頂からコメツガ林に変わり、高低差80m程の下りとなる。傾斜はやや緩いが、段差が大きいところもあり結構膝にこたえる。古い道標が現れると一時的に道は水平に変わり、ピンクのカタバミやミツバオーレン、コイワカガミも現れる。再び登りが始まり、少し息が上がり足すと平坦部が現れ足を休めるように歩をゆっくり進める。安心したのもつかのま、軽く登りがつづき国境平に着く。ここは湯元温泉への分岐でもあり、平坦部には大量の残雪が有った。


中禅寺湖遠望

左奥白根山と右前白根山(天狗平付近より)

ミネザクラ
 数回登り下りを繰り返してきたが、もう最後の登りだろうとギアを切り替えて残雪の詰まる道を登り出す。残雪が無くなると灌木も背が低くなり、東側の見通しも時々良くなる。白根の外輪が見え出すと五色山も近くなり、道は背の低い笹に覆われて良く見えず歩きづらい。やがて平坦部が現れ、五色山(2379m)に到着する。眼下の火口湖、グリーンに輝く五色沼の淵には登山者が散らばる。正面には、こことの標高差約200mの日光白根山がドッシリと構えている。白根の斜面に、アリのようにつづく登山者を眺めながら大休止を取る。

 昼飯にはまだ早いが、初老のご夫婦が食事を取っていた。菅沼から入り、本白根・この外輪を回って戻るようだ。岩手の山の話等、雑談して前白根山へ進む。360度開けた尾根を2回程凹凸を繰り返し、だだっ広い前白根山に着く。会津駒ヶ岳や尾瀬方面の絶景がよく見える。中禅寺湖が一部しか見えず、東側の尾根をたどってみることにする。ケイソウ・コイワカガミの群落やミネザクラも咲いている。10分ほど進むと残雪が広がる広場に出る。天狗平と言うらしい広場を、見通しの良さそうな方向に進む。出た、中禅寺湖の全貌と社山・黒檜山、遠く袈裟丸の峰峰の絶景だ。しばし堪能して、前白根山に戻る。


至仏山(左)、平ヶ岳(中)、燧ヶ岳(右)遠望 (五色山より)
 前白根で昼食を取り、五色山に戻って西側の絶景をのんびり楽しむ。霞が強くなり上越国境の山々も霞んできたが、苗場山らしい山や越後駒ヶ岳も見えて感動する。外輪を巡る登山者も多く、結構にぎやかだ。12時50分五色山を後にする。ザックニ刺していた省吾さんの形見?のストックを握り、膝を庇うようにきつい下りを乗り越える。

 標高の高い位置から登りだした割には、きつい山歩きだった。菅沼口から五色山を目指したときより、かなり疲れを覚えた。しかし、尾根伝いのため風の通りや見晴らしもまあまあで、おもしろいコースだった。シラネアオイの開花はもう少し先のよう。今、草花は標高2300m付近が丁度良いようだ。 阿部 記

コース時刻:金精峠登山口8:15−8:40峠十字路8:50−9:28金精山9:38−9:58国境平10:04−10:32五色山10:52−11:12前白根山−11:32天狗平11:35−11:46前白根山12:03−12:27五色山12:50−13:09国境平13:12−13:28金精山13:45−14:13峠十字路14:25−14:50金精峠登山口


2006.8.27

   日光白根山 沖さんより、白根のマルバダケフキの群落がいい頃だ・・との知らせに、飛んでいきました。


山頂駅(ロックガーデン)

森林限界上部にて

山頂

マルバダケブキ
 休日は二日目も曇り空。登山口で雨が降っていたら、ロープウエー山頂駅で引き返すそうと覚悟を決めて6時自宅を出る。今市に入ると霧も濃くなりワイパーをかけるが、日光からいろは坂は更に霧雨も強くなる。少しアクセルを踏むと急カーブでは尻振り加減、慎重に第二いろは坂を登り切る。しかし、中禅寺湖を通過の頃から薄日も見えて心は弾む。戦場ヶ原でトイレ休憩。

 8時20分頃菅沼高原に到着、ロープウエー招待券を乗車券に換えて楽チン・・一気に2000mまで高度を稼ぐ。8時55分、山頂を経由するか山頂をパスして弥蛇ヶ池経由にするか決めかねたまま出発。20分程進むが雨は降りそうにないので、七色平分岐を直進して山頂に進むことにする。30名ほどの団体山を何とか交わし、黙々と高度を稼ぐ。

 森林限界を過ぎてもガスで見通しは無いが、やや乾いたそよ風が半袖シャツでも心地よい。ザレ場下で小休止を取り、時折見かけるハクサンフウロに気をよくしてジックリと高度を稼ぐ。10時43分、三つある山頂ピークの一番手前に立つ。中央の本ピークは相変わらずガスっているが、夏場最盛期を思わせる人出だ。足下にトウヤクリンドウを見つけ、カメラに納めて五色沼へ向けて下る。


ダケフキの群落と奥・五色沼

避難小屋
 火口縁の平坦部を進むと、登山者も少なくなりのんびりと進む。約30度のザレ場の様な斜面を下っていくと、ハンゴンソウが目立ちはじめる。更に下ると噂のマルバダケブキの群落が現れて感激するが、花は半分以上しどっている。左下に時折覗く五色沼を見ながら更に下る。やがて足下は岩片が多くなり石を落とさないように慎重に降りていると、再び右斜面に新鮮なダケフキの群落が現れる。ここが最後のみせばとばかり、ビデオをしばしまわす。

 道はカンパ林に入りるが鞍部に出ると空が開け、やがて避難小屋を過ぎるとまた林に入る。時々現れるハンゴンソウの群落を眺めながら、小屋から10分程で広い五色沼に出る。昼食を取っていると、鹿が現れ若者のパーテーが声をかけるが全く無視している様子。人慣れしているのか全く動じない。ガスが薄くなり山頂が見え隠れするが、反対側の五色山や前白根方面を眺めながらゆっくり休む。


五色沼
 ここまでは、やや調子も良いが沼から外輪の登りは以外にきつい。後から来た若者達が追い越すのを待って、登りに取り付く。ヒッチを落としゆっくり進んでいると、やっぱり若者も疲れた様子で休んでいる。見栄を張って追い越してしまった。やがて弥陀ヶ池、一服立てて最後の5分程の登りに取り付く。山頂への分岐を直進して、ハンゴンソウの群落の中を七色平に向けて下る。コメツガ林にはいると、カニコウモリの群落が結構多い。細長くこまい白い花が無数に付き、薄暗い林に明るくアクセントを添える。

 七色平分岐付近で一服立てていると、父と娘らしい二人連れが楽しそうに下っていった。今回は、こんな親子を結構多く見かけ、中高年の多い中にも若い登山者も多く喜ばしく思えた。ヒザの調子も以外に良く、若者も戻ってきている。何だか楽しい気持ちで下山できた。山頂駅近くに無料の足湯が出来ていたが、中高年の登山者がいっぱい集まっていたので何だか・・・で敬遠してロープウエーに乗り込む。  阿部 記

コース時刻:上部駅8:55−9:34地獄ナギ9:38−10:43山頂10:50−10:56山頂外輪肩11:13−11:40避難小屋−11:51五色沼12:03−12:35弥陀ヶ池12:43−13:17七色平・本道側分岐13:22−13:46上部駅


  日光白根山(丸沼高原より) 2004.6.27


森林限界のお花畑

山頂下のザレ場

ガスに煙る山頂、円内山頂

前白根(右奥)と五色沼

自然散策路の展望台より奥白根

ガスに霞む鹿

山頂駅より奥白根山
 27日、前線の活動が弱まるとの予想に気を良くして、雨に撃たれるのを覚悟で奥白根に向かう。鹿沼を通過していると小雨が降り出すが、日光に出るとやんでいた。この日は戦場ヶ原付近でマラソンがあり、8:10から一時通行止めがあるとのことで、急いで通過する。いつもの菅沼口を通過して、丸沼高原の白根山ロープウェー駅に到着する。今日は贅沢に、某製紙メーカーから頂いた特別招待券を利用して、一気に標高2000mまで約16分間空中散歩を楽しんだ。

 9時、山頂駅を出発する。駅の広場から奥白根はガスで全く見えないが、間もなくコメツガ林に入り、どおせ見通しは無いとあきらめ広くなだらかな登山道を黙々と進む。時折乾いたガスが横切り涼しくて快適だ。道は白根の南斜面を巻くようにゆっくり高度を稼ぎ、丸太の階段が現れるとややきつく感じるが、程なく平坦になったりややきつくなったりと繰り返す。コメツガにカンバが混じり出すと岩混じりの不安定な狭い道になるが、ひどく疲れるような所はない。シラビソが多くなると間もなく視界が開ける。

 約1時間20分で森林限界は終わり、お花畑に出る。イワカガモ、シャクナゲ、コケモモなどが群落になっている。ガスが薄くなると山頂方面の視界が良くなり、傾斜も増してザレ場が続く。心地よい風に吹かれながらグングン高度を稼ぐ。少しは辛いが、思ったほど疲労感はない。やがてデカイ溶岩の固まりが現れ、白根の荒々しい山容が現れる。ツガザクラやハクサンチドリ、イワカガミも再び現れ山頂が近い。

 10時50分、登山者でにぎわう山頂に到着。さすがに2000mからのスタートは疲労が少ない。薄日も差し始め、数分すると五色沼や中禅寺湖が見えて他の登山者も感激していた。山頂が混みだしたため、少し下って早い昼食を取る。約1時間ガスの切れるのを待ったが、体が冷えだして下山に移る。ザレ場を降りていると、のんびり草をむしっている鹿に今回も出会う。登山者のざわめきにも反応せずに、無視したように堂々とした姿。あれではシラネアオイ等も、少なくなるのは当然かも知れない。やがて道は、再び林に入り黙々と下る。

 ロープウェー山頂駅が見えだし、少し下った分岐から、七色平にコースを取る。途中から自然散策コースに移り、展望台へ立ち寄る。5−6人の先客がいたが、白根の頭はガスの中。煙を立てながらしばし待つと、ついに白根の全容が出てきた。慌ててカメラを回し、いつもとは違った角度にしばし見とれる。結局、倍以上の時間をかけて山頂駅に戻った。

 ロックガーデンにはコマクサやシラネアオイが栽培されており、人が食べているのを見てつい釣られてソフトクリームをなめながら久々の花を観賞する。汗が乾くのを待ってロープウェー(正確にはゴンドラリフト)に乗車する。 森林限界まで終始背の高い林の中を通が、一番楽なコースのようだ。花も種類が豊富で、なかなか楽しいコースだった。山麓駅脇の乗車券売場(レストハウス)には温泉もある。時間があれば着替えがてらに入浴も良いだろう。 

コースタイム:山頂駅−1:50−奥白根山頂、奥白根山頂−1:10−七色平分岐−0:55(ガス切れ待ち時間込み)−自然散策コースの展望台−0:15−山頂駅(休憩時間込み、昼食時間含まず)



   五色山(日光白根山塊) 2004.5.15

 週末は崩れるとの予報が出ていたが、土曜日だけは保ちそうだと予報が変わった。当日、にわかに山支度をして白根

残雪の道
(登山口より約30分)

座禅山西側の平原より白根山
山へ向かう。高く薄い雲間からは陽も射し気温は丁度良く、快適な登山日よりとなった。以外に見通しも良さそうで、流行る気持ちを抑えつつ現地に向かう。いろは坂あたりの新緑は今始まったばかり、紫色や白色のヤシオツツジが色を添えるなか軽やかに進む。中禅寺湖畔から上部の新緑はまだのようだが、あと1週間もすれば萌葱色に染まるだろう。

 10時菅沼の登山口に到着、身支度を整え早速弥陀ケ池に向けて登山開始する。カンバ林に入ると残雪が現れ、腐った道に苦労しながら高度を稼ぐ。急登となだらかを2回ほど繰り返し多所で小休止を取り、次第に残雪の増したコメツガの森を進む。1時間半を少し過ぎた頃踏み後を間違えたようで、背後に会津駒ヶ岳の絶景が見えだした。まあ、いいかあぁぁと、そのまま進むと平坦な地形が現れ座禅山の西側を歩いていることに気が付く。やがて弥陀ケ池上部の白根山との分岐が現れ、一旦下って五色沼方面へ進路を取る。

 白根山の上部斜面には全く残雪が無く、登りやすそうで絶景を楽しむのには最高の日のようだが、今回は外輪の淵を歩くつもり出来た。たまには白根を少し離れて見ようと、予定を曲げずに五色山へ進むことにした。弥陀ケ池から5分ほど進んだ平坦部に分岐があり、左側の斜面を登る。ほどなくやや広い湿原が現れ、残雪を進むと枝道が現れ五色沼の絶景ボイントに着く。五色沼を中心にそびえる、前白根や白根隠しなどの外輪山の雄大な景色が堪能できる。


左至仏山、

中央燧ヶ岳、右会津駒ヶ岳
 再び本道に戻りこの平原の端から下りコースとなった道を進む。高度差約50mを下ると再び登となるが、ゆっくり進むとそれほどのアルバイトではない。沼への分岐に出ると視界もやや開けて、風の通りも良くなりジッとしていると少し寒く感じる。更に緩い登がつづき灌木が低くなると五色山頂が近い。振り返ると武尊山や至仏山、燧ヶ岳に会津駒ヶ岳が意外に近く見えている。前方には男体山などの日光連山も姿を現し、すぐ脇の白根山や前白根と共に雄大な景観を作っている。

五色沼、奥は白根隠山方面

右男体山、中央山麓に湯元温泉・湯ノ湖が見える


 広い五色山山頂は2379mもあるが、所々に背の低い灌木があり少し見通しを遮るが、動き回ると結構大展望を満喫できる。ここから前白根山までは約1時間で往復できるが、遅い出発だったのでしばし展望を楽しみ寄らずに引き返す。白根山頂とは、一味違う展望に満足して帰路に就く。

コースタイム:菅沼登山口−1:50−弥陀ケ池−0:50−五色山−0;45−弥陀ケ池−1:20−菅沼登山口(休憩時間込み、昼食時間含まず)


 2003年6月8日 日光 白根山(2577.6m)


菅沼登山口

弥陀ガ池と山頂

頂上直下の岩場 浮き石が多い

山頂 狭すぎて絵が欠けた

菅沼と弥陀ガ池

 8日、風邪に感染したようで気管支あたりが痛いが、天候が回復したので久々に白根山に向かう。車で菅沼の駐車場まで約2時間強、もう少しで満車状態だった。茶屋の駐車場には大型バスが2台止まっていた。なんだか嫌な予感がした。

 8時半、身支度を整え出発する。雪解けが遅かったのか、新緑が始まったばかりの中をゼイゼイと呼吸困難のまま進む。しかし、針葉樹林帯に入り高度を稼いでくると息苦しさにも慣れて、快調に登る。30分ほど登ると残雪が現れ、登山道は泥るみ出した。スパッツが必要なくらいではないが、例の?がに股歩きが有効となる。すれ違った登山者に「残雪は弥陀ガ池までてすょ、上は乾いています。」と言われ、気をよくして泥だらけの残雪を慎重に登る。

 この分なら予定より早く弥陀ガ池に着けると先を急いでいたら、予感が的中する。何と150名の女子高校生の団体がいた。追い越そうにも、人数が多すぎて追い越されない。気を利かした先生は、「山側によけなさい」と指示を出すが、残雪に足を取られそれどころではない様子。結局、数人の登山者と共に、こちらが強引に道を逸れながら追い越しをかける。

 弥陀ガ池付近は雪が融けたばかりで、やっとコバイケイソウ、サンカヨウの新芽が出たばかり。この日、シラネアオイの食害防止の柵を張っていた。弥陀ガ池上部の分岐付近で、ショウジョバカマの花を見つけた。分岐で小休止を取り、高校生の集団に追いつかれないようにガレ場の続く山頂へ向かう。

 天気はよく、菅沼や五色沼も眼下に見える。ミネザクラのつぼみも膨らみ、天気に誘われて数輪咲き出していた。少し霞んでいたが、残雪をタップリと抱いた燧ヶ岳や至仏山も見えている。岩場が大きくせりだす様子は、早池峰山を思わせる。登山者も列になって急騰と格闘している。落石を起こさないよう慎重に高度を稼ぎ、1時間弱ほどで山頂に出る。ピークは狭いので、お互いに譲り合って記念撮影をし、要所要所に散らばり食事や談らんをしているが、高校生を除けば以前登ったときより少なく感じられた。早い食事を取り、1時間ほど景色を眺めて下山する。 
コースタイム:菅沼駐車場−1:45−弥陀ガ池上部分岐−0:55−山頂−0:30−弥陀ガ池上部分岐−1:15−菅沼駐車場(休憩時間含まず)


 菅沼(すげぬま)駐車場−弥陀ガ池(みだがいけ)−白根山山頂−五色沼避難小屋−弥陀ガ池−菅沼駐車場 コース

  2001.6.9


菅沼駐車場

弥陀ガ池から望む白根山

弥陀ガ池

山頂

 栃木市から国道293号を北上、30分ほどで鹿沼市を通過し国道121号に入る。鹿沼の郊外から杉並木の道が今市市まで続き、まもなく日光市に入った。東照宮の入り口付近からは、早朝とはいえ観光客でにぎわいはじめ道も混み始める。いろは坂、中禅寺湖、戦場ヶ原、金精峠と進むが、素晴らしい景観に見とれる暇はない。約2時間15分で群馬県側の菅沼茶屋に着く。

 茶屋の駐車場は営業用なので、手前の未舗装の道を少し入り奥の駐車場に車を止める(乗用車30台程度)。身支度を整え、出発する。整備されていない車道を5分ほど進むと大きな案内板があり、じっくり地図を頭に入れ右手の方に進む。やがてカンバ林に入り傾斜もきつくなる。コメツガが現れると登りもさらにきつくなり、心臓も高鳴りし出すと菅沼の一部がチラリと見えて小休止をとる。

 まわりがほとんどコメツガ林になると、やや傾斜もゆるみ残雪が現れ足下に注意しながら進む。やがて林がきれ弥陀ガ池に着と、白根山がドッシリと腰を据え向かえてくれた。登山者の列が米粒のように見える。おもわず「アソゴ、ノボンノガヤャャ」と口走る。この日は雪が融けて間もないのかコバイケイソウの新芽ばかりが目立ち、シラネアオイは見つけられなかった。ここのシラネアオイは食害にあっているのか、至る所で植裁が行われていた。標高2300弱のようだが、南の山とはいえ高山植物の咲き出すのはまだ早いようだ。

 10分ほど休憩をとり、池の南端から右側にコースをとり急傾斜を進む。一歩でもグンと高度を稼ぎ


証拠写真

五色沼避難小屋

五色沼

、30分ほど登ると弥陀ガ池や五色沼が遙か下に見えだした。なかなかの絶景である。道はガレバとなり、登る人も下る人も苦労している。早池峰山の河原の坊コース上部よりもある辛い。軍手を持ってこなかったが、手袋が必要だった。ガレ場が赤く見えてくると、山頂が現れたがピークらしいのは4つほどあり、本当の山頂は狭く5−6人が昼飯を取っていたため記念撮影をしてもらい前白根側に進む。

 この日は午後になると雷がやってくると言う予想だったが、時折日が射すやや快適な登山日和だったが、ガスの動きが遅く、期待していた男体山、武尊山、燧ヶ岳は見えず残念だった。昼食を取っている足下には、ミヤマキンバイだろうか背丈の低くい小さい黄色の花を付けて咲いていた。風も弱く残雪で冷やしたビールもうまい。隣の女性パーテイも楽しそう。

 昼食後、時折ガスの切れる前白根山を眺めながら水戸からのご一行の後につづき下る。先ほどの登りよりは足下もしっかりしているが、落石をしないように慎重に下る。付近には、キンバイや小さなリンドウが群落を作っている。五色沼や外輪のおはちを眺めながら下ると、まもなくカンバ林が現れやがて草原に着くと五色沼避難小屋も近い。小屋は築年数がたっていると思われたが利用者も多いようで、ざっと数えて35名ほど利用可能のようだ。水場は近くには無い。

 小屋付近からは残雪も多く、一部登山道が隠れ踏み後を注意しながらたどり五色沼に着く。広い火口壁に囲まれ、水を満々と蓄えている。この水は飲めないことはないだろうが、水場も5分ほど行くとある。ここから望む白根山の風景もなかなか良い。付近ではイワカカミやミネサ゛クラが満開の時期を迎え色を添えていた。もう少しすると、その他の高山植物のお花畑となるだろう。小休止後、弥陀ガ池にむけ進むが、思ったよりきつい登りだ。心臓の鼓動がはっきり分かる。15分ほどでピークに出ると、3名のパーテイに合い登りのきつかったことを慰められる。

 ピークから5分ほどで弥陀ガ池に着くと、完全にガスってなにも見えず早々に元の道を菅沼に向け下る。登るときはあまり気にならなかった段差が高く感じられ、膝をいたわりながら慎重におりる。カンバ林が現れ草原に着くと菅沼駐車場はすぐそこだ。

 茶屋で自動販売機のお茶を買い車で帰途についたが、いろは坂や日光の町で渋滞に遭い再び今市の町中で渋滞した。帰りは温泉にでも浸かり、暗くなってから移動した方が良いかもしれない。エガッタ、エガッタいい一日だった。

コースタイム:菅沼1:15弥陀ガ池1:00山頂0:30五色避難小屋0:10五色沼0:25ピーク1:30菅沼(昼食時間含まず、他休憩時間込み)