須川岳 パトロール 登山者:森、阿部
お花畑 |
久々に農作業の合間をぬって森さんと須川パトロールに出かけた。10日は朝晩雨との予報だが、薄曇りのまあまあの空模様。少々の雨は覚悟の上、7時少し前に森さん宅を出発する。
ゼッタ沢上部徒渉点 |
8時頃、須川温泉に予定通り到着。山頂部はガスに覆われているが、しばらくは降りそうにもない。身支度を整えて温泉に声をかけて8:15出発する。温泉周辺も3.11以降の震災の大きな影響はない様子。最短コースをお花畑に向かう。ウメバチソウやシラタマの実がちらほら見える中、順調に進む。台風12号接近時の雨が降った割には、道が荒れていると言うことはなく何時も通りの登山道だ。
お花畑を過ぎると軽い登りにはいるが、運動不足がたたり少し辛い。ひざのウオームアップが進むと少々慣れて来ていつもの感が戻ってくる。自然観察路分岐付近から水場付近の道は、いつものように少しぬかるんでいる。ズボンの裾を汚さないよう注意して進む。周りにはウメバチソウやイワショウブが小さな群落を作っている。再び灌木の中の登り。丸太の階段の段差が不規則で息が乱れる。間もなくゼッタ沢徒渉点となる。沢側にロープが張られているが、細い金棒で支えているので弱く掴まることは出来ない。ロープに頼らず慎重に沢に下ろう。
沢を渡ると程なく、硫黄の臭いのする見通しの良い道となる。ロープが通された丸太が不規則に並んでいるが、倒れた物やロープのない物もあり注意して登る。左側の谷筋からは、硫化水素が吹き出しているので時間をかけずに進もう。道が平坦になると程なく昭和湖に着く。この日は登山者も少なく閑散としていたが、ステッキが置いてあり忘れ物かと思っていたらトイレに行ったお客さんの物だった。自分の物なら、しっかりと管理しよう。昭和湖のトイレは今のところ利用可能のようだ。
昭和湖 |
小休止後、コース最大傾斜の登りに取り付く。道側に迫り出したエゾオヤマリンドウには目もくれず、黙々と高度を稼ぐ。丸太の階段で整備されているが、相変わらず不規則な段差に息が乱れる。背の低い灌木帯を抜けると傾斜も緩くなり少々視界も開ける。ガスは更に濃くなり山頂方面も見えない。道はいつもの所は少々腐っているが、比較的乾燥して歩きやすい。漆の仲間やミネザクラの紅葉が始っているが、全体としてまだ夏色。半袖シャツに心地よい風を受けながら黙々と分岐に向かう。
天狗岩−山頂中間付近の工事現場 |
途中の休み時間が長かったが、ほぼ予定通り天馬尾根分岐に着く。周辺のドウダンの紅葉はまだ早く、ミネザクラが色づいているだけ。ガスは少し粒が大きくなったのか、霧雨っぽくなったきた。10分ほど休んで山頂に向かう。風は少し強くなっているが、寒気はなく心地よい。
視界が全く聞かない中、天狗岩を過ぎ、少し進むと登山道整備の業者さんが黙々と作業していた。歩きやすくすると言うより、道が崩れるのを防止することの工事だ。軽く挨拶をして通り過ぎる。数人とすれ違いながら、10:13山頂に到着する。10名程が休憩中だ。我らも写真を撮ったりして休んでいると、阿部氏がパトロールでやって来た。談笑していると、今年は須側界隈も熊が多いという。見通しの効かない時や単独での灌木帯歩きでは、熊除けのスズなどを付けた方が良いようだ。
山頂にて |
阿部氏と分かれ、東栗駒コース側へ下る。東斜面の広い草付きは少し茶色に変わり始めているが、草紅葉と言えるのはまだ先のことだろう。道は砂利等で危なっかしい整備方法だが、沢になった場合を考えてか格段平面・両側に逆八の字型に丸木が添えられている。あまり効果は無いように見える。やはり小砂利は、下の方に流されている。いっそうのこと、アスハルトで固定した方がよいかも知れないと思えるほど、ずさんな工法だある。そうこうしていると、宮城側から登ったパトロール員さんと出会い、しばし談笑する。話によると、東栗駒コースに中央コースは勿論湯浜コースは健在のようだ。裏掛けコースはNGで御沢コースも危ないようだ。
宮城側下り |
間もなく遭難碑のある分岐に着く。調査のため磐井川源流方面に向かう。道は草木が迫り出し、足下が良く見えない。しかし誰が付けたか、要所要所にピンクのテープが付けられて迷うことはない。黙々進むと源流部のガレバが現れる。しばらく整備の手が着けられていないので、大きめの石も転がり不安定な道となっている。浮き石や大きな段差に注意しながら、旧道に沿って慎重に下る。花々は既に終わっていたが、一部のチョウジギクが咲き残っていた。源流の沢を渡り灌木帯にはいる。道は残っているが、木の枝が覆い被さり足下が見えない。両手足をフルに使い慎重に進む。再び源流沢を渡ってブッシュ帯をトラバース気味に進む。やがて沢状の草付きが現れ、季節はずれのお花畑見物となる。
東栗駒方面 |
残雪が遅くまで覆っていた所だろう。エゾシオガマ、アオノツガザクラ、イワカガミなどがが花盛り。圧巻は、キンコウカの群落だ。しばし写真取りに忙しい。
ガスが又濃くなり霧雨状になってきた。撮影を切り上げて源流部水場へと進む。少し喉を潤してから、笊森山荘へと向かう。一部刈り払いされているが、殆どは手つかず状態。ガス(霧)で迫り出した木の葉などが濡れているが、さほど気にならずそのまま藪こぎ状態。足下も良く見えず、細った道に転がった石に躓き、時々よろけながら進む。
咲いていた花々 |
12:05笊森山荘に到着。先の客と入れ替わるように中に入り、昼食タイムとする。日記を見ると、全員小屋の綺麗さに感激していった様子。訪れた回数の多い吉家さんに思わず電話。以外とすんなり繋がり、一関側のロケーションの良いことを実感する。しばし休憩後、引き戸周りの掃除をしていると、霧は雨粒となりカッパを着込んで小屋を後にする。
ウメバチソウとキンコウカ |
源流部に近づくと、ずぶぬれの数名の登山者とすれ違う。小屋までの間で更に濡れるだろうと心配だが、まだ暖かいのでやり過ごす。水場を過ぎると灌木帯に入り、所々の腐れ場に注意しながら黙々と進む。このコースも殆どが道端の小枝や草が覆い被さり、雨の日はカッパが必要だ。しばらくして自然観察路分岐と合流する。相変わらずの霧雨で、周りを見渡すことなく黙々と下る。時々、ミネザクラの赤い紅葉やノリウツギの白い花や黒く熟したムシカリの実が現れ目を奪う。三途の川上部で8名ほどのパーティを追い越すが、膝でも悪くしたのか少し難儀をしている様子。
三途の川(沢)でカッパの上を脱ぎ、小休止する。先ほどのパーティが通り過ぎていく。見渡せば、ナナカマドの実が鮮やかな赤に変わっている。腰を上げて赤い実を写真に収めて、黙々と温泉へ急ぐ。ゼッタ沢に到着すると先ほどのパーティと出会い、分岐点まで登ったところで道を譲って貰う。全体的に異常なし。14:33、温泉に無事到着する。いつものように温泉を貰って汗を流し、帰途につく。 阿部 記
紅葉しはじめたミネザクラ |
観察路−小屋分岐付近の池 |
コース時刻:須川温泉8:15−9:00昭和湖9:10−9:45天馬尾根分岐9:56−10:13須川岳山頂10:33−11:52磐井川源流水場11:54−12:05笊森山荘12:55−13:52三途の川13:57−14:33須川温泉 |