2060m
赤くなったモウセンゴケ
女峰山・男体山遠望

2002年


 9月1日、栃木・福島・群馬との県境を走る帝釈山脈(山地)の主峰帝釈山に登る。7/31日予定を変更してかねてより気になっていた帝釈山に向かうが、栗山村からの林道は通行止めとなっているため会津の国道352号から湯ノ花経由で入山、猿倉登山口で一夜を明かす。ここを走る田代山林道(ジャリ道)は、工事のため土・日・祭日以外は午前・午後各2回の時間帯通行止めがあるため、平日に入る場合いにはH14.12.27まで注意が必要だ。(問い合わせ、舘岩村役場)


猿倉登山口

小田代湿原

弘法沼と(奥)会津駒ヶ岳

帝釈山山頂から会津駒ヶ岳

山頂から至仏山・燧ヶ岳

田代山湿原より飯豊・吾妻連峰方面遠望

 登山口からすぐに沢を渡るとまもなく大岩が現れ、雑木林に続く急登となる。40分ほど我慢して登れば、周りにコメツガ・ダケカンバが現れやや緩い傾斜になる。コメツガの林は風の通りもやや良いが、登山道には木の根が張りだし足もしには十分注意したい。やがて平坦な道に変わり、木道に入ると小田代湿原が現れる。

 小田代湿原は約10a位と小さいが、多数の湿原植物がある。木道は二つに分かれるが、右手先の方は廃道になっている。左側の木道を進むと再び急傾斜が現れるが、灌木の間からは那須連山や吾妻・飯豊などが見渡せ、開けた所で展望を楽しむのも良い。約30分で広い田代山湿原が現れる。

 田代山湿原は鬼怒沼湿原の数倍ほどの広さを持つ高層湿原だが、池糖が数個しかなく殆どが草原になっている。しかし、広大な草原と長く続く木道と遠くにそびえる会津駒ヶ岳とのコントラストは、なかなかの絶景である。湿原の植物の花は終わっていたが、キンコウカ・コバイケイソウ・ニッコウキスゲ・ミズバショウは枯れてもはっきり分かる。この日はエゾリンドウが青紫の花を付け点在していた。初夏の花の季節には是非また来たいものだが、草紅葉も素晴らしいかもしれない。

 木道が現れた所からは、日光連山が見えて以外に近いのに驚く。さらに木道を進むと右手に弘法沼が現れ、前方には会津駒ヶ岳がドッシリと現れる。ここも絶景ポイントである。木道は二つに分かれ、右に進めば木賊温泉へと通じるが、左側に進み帝釈山へと向かう。背の低い灌木帯を少々登り気味に進むと再び広大な湿原が現れる。田代山湿原は二段式の高層湿原になっているようだ。ここからは飯豊連峰から那須連峰方面の展望が開け、また違った風景を楽しませてくれる。

 さらに木道を進むと再びコメツガ林に入り、田代山避難小屋に着く。この小屋は別名弘法大師堂とされており、内部の壁いっぱいにお堂が付いていて泊まるには気が引けそうだ。詰めれば20名は泊まれそう。少し離れたところに、トイレ小屋もあった。避難小屋の左側を進み、林に入って帝釈山へ進む。コメツガの林を約70m程、緩く下ると木の間から帝釈山が見え隠れする。やや平坦な道が続き、木の根に足をかばいながら進むとやがてゴツゴツした岩が現れ登りが始まる。見通しも良くなり、登りぎみに最後の灌木をくぐると一気に視界が開け帝釈山山頂に出る。

 この日は天候も良く、一部北東側がシラビソの林に隠れるが、日光連山、日光白根山、至仏山、会津駒ヶ岳、飯豊連峰、吾妻連峰などの大展望が開けた。単独行の千葉の方と仙台の方とで喜びを味わい、しばし展望を楽しむ。程なく、秋田からのパーティ(26名)もやってきて狭い山頂がいっぱいとなり、一足先に下山する。登山口に戻ると上部駐車場は満車になっていた。某新聞社発行の”続・・百名山”の影響か、人気の高さに驚く。

コースタイム:猿倉登山口−1:10−小田代−0:30−避難小屋−1:00−山頂(休憩含まず)