残雪期の新緑が美しい

焼石岳


銀明水の上部の雪渓

中沼



H26.8.4

     焼石岳 中沼コース 山行者:浅沼、阿部一仁、佐々木誠一、菊池博志,森  報告:森


上沼より

ツブ沼−中沼分岐 付近

焼石岳 本峰

姥石平にて

山頂にて

大荒沢の折れた橋

ショウキラン

ミヤマリンドウ

ミネウスユキソウ

ハタシロ沢の残雪
 8月4日、6時に釣り山公園駐車場に集合・出発。今日も暑くなりそうな天気模様を一路中沼登山口へ走る。新道路から旧道に入ると道幅も狭く、小枝や雑草が車を掠めるところを慎重に運転し、中沼駐車場につく。時間も早いためか10台ほど駐車していた。

 身支度を整え出発。登山者名簿は用紙が無く記入できない。登山道は、乾いていて歩きやすい。中沼で一息入れて出発。木道もずいぶん腐食していて、所々かけ落ちている。いつもは残雪期にばかり登ってきたため、久しぶりの夏道をゆっくり歩を進める。いつの間にか先頭を見失うほど開けられるが直ぐに追いつく。

 中沼から上沼へ登る途中ショウキラン2本が咲いていた。初めての出会いである。づぶ沼コースとの分岐点付近の湿原は、リュウキンカ、ミツカシワ、シナノキンバイ、トウゲブキ、ヒオウギアヤメが咲き乱れている。大荒沢の橋は真ん中から折れ通行不能。上流側の飛び石を渡る。

 銀名水で小休止。水を補給し、コップでいっきに飲み干すと、かき氷を食べたくらい頭にキーッとくる。ビールより美味しく感じる。銀名水の上部20m位雪渓を直登し、いよいよ登りもきつくなる。じぇじぇ! 木道に熊さんの置物。みんなで大声を出しながら進む。

 ゴロ石もむき出しとなり随分荒れているように感じた。(今までは雪渓の上ばかり歩いてきたため)皆さんは快調に進むが、加齢のためか、暑くて家の中でゴロゴロしていたためが、なかなか追いつかなくなる。ついに姥石平で、「写真を撮る」ことを理由にして、みんなが登ってくるまで待つことにする。

 浅沼さんと他2人は、頂上へ向う。昼食後、付近の写真撮りをしながら200M程東焼石方面には行って見ると、ハクサンフロウ、ミヤマリンドウ、タチキボウシ、ハクサンシャジン、トウゲブキが所狭しと咲き乱れていた。

 戻って一休みしていると、釜石からきたという女性は、「姥石平から右に入るとお花がすばらしい」と言われて来たという。「長さんからですか」とたずねると「そうです。長一郎さんご存知ですか」と尋ねてきたので、会話が弾む。いろいろ話をしているうちに、女性の夫?、浅沼さん一行も頂上から降りてきた。入道雲も湧き出し、雨にならないうちにと下山を急ぐ。銀名水で水を補充しほぼ予定通り、下山できた。

コース・タイム:一関釣り山下駐車場6:00~中沼駐車場7:10   7:25発~中沼8:00~上沼8:10~つぶ沼コース分岐9:05~銀名水9:25~~姥石平11:00~泉水沼  昼食11:25~頂上11:55~~姥石平12:10~銀名水13:10~づぶ沼分岐13:45~中沼14:30~登山口15:10



H25.8.13

      焼石岳  報告:浅沼

 花の100名山で知られる焼石岳花の時期に合わせて計画するも、7月の長雨により延びに延びだったが、この13日天気も良さそうなので、初心者登山教室受講生H氏と行ってきました。


倒されたミズバショウ
 夏休みお盆休暇等で駐車場が一杯ではないかと一関6時出発。胆沢ダムの完成により立派になった397号・ダム堰堤の大きさに驚く。胆沢トンネルを過ぎ石淵トンネル手前右側に中沼コース入り口の案内板有、ここからは舗装が切れ、でこぼこ砂利道を20分中沼登山口着、駐車場の混雑を予想したが県外NO車2台と、県内車2台のみ、今日は登山者を気にせずのんびりの山行出来そうだ。連日真夏日続きでしたが、車を降りると空気はひんやり寒い感じさえする。

 登山口には「熊」に注意の立て看板あるも気にせず、登山者カードに予定を記し出発。雨続きの天気のためか樹林の下は濡れた泥道。また木道もあちこち大分くたびれていた。

 中沼には終わりを告げるトウゲブキの黄色、タチギボウシ・花の終わったミズバショウ・コバイケイソウも終わっていたがその中に何者かが入った跡がある。登って行くに従い木道沿いのミズバショウがなぎ倒されて実がちぎられていて不気味な予感を抱く。

 銀名水まではニイニイゼミ・ツクツクゼミに鶯の鳴き声。ここでやっと登山客に会う。我々も小休止、名水とおやつ美味しい。10分ほど休憩出発間もなく、小沢は雪が消えたばかりでミズバショウの白い花にリュウキンカの黄色を眺めながら草地へ、雪解けにより崩落跡とまだじめじめして滑りやすい斜面を進みお花畑へ、ヒナザクラ、ミヤマリンドウ、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロが咲き誇る。


ハクサンシャジンの群落

雪渓の中・黒点が熊
 森林限界を過ぎ低木帯から泉水沼までの登山道は何時も沢になっているが、今は夏枯れの為か水はほとんど無く快適に進む。泉水沼付近にはハクサンフウロにハクサンイチゲ、時期的に遅いためか花はあまり見られないが涼風が吹きつけ爽快。小休止後横岳分岐より最後の登りへ、シロバナトウチソウ、ウメバチソウ、ハクサンシャジン、ミネウスユキソウが目を楽しませてくれる。


キンコウカ
 やがて頂上へガスが架かったり切れたりで東焼石、泉水沼が見え隠れする。登頂者は誰も見当たらず。証拠写真をパチリ、風の当らないところに腰掛け待望の豪華おにぎりにインスタントラーメンの昼食。子供の声がするので頂きを見ると若いカップルでした。

 正午過ぎ下山開始カップルに追い越される。泉水沼下方でシニアの2人組みに会う、ここで引き返すとの事。お先に失礼する。

 下山はトントン拍子に、銀名水上方に来るとH氏が「何かいるぞ」と横岳東面の雪渓を指す、見るや黒い物体が動き出す。「クマだ」その距離1キロ位あったのでじっくりカメラを向けると悠悠と北から南へ歩き出しブッシュの中へ姿を消す。やっぱりあのミズバショウのなぎ倒しは熊の仕業だったことが判明納得する。山菜取り・キノコ採り・山登りで始めての熊の生態を見せつけられた一時でした。

 中沼ベンチで休憩していると、シニアの2人が到着、帰省を兼ね神奈川・川崎市から来たとの事でした。登山口着15時23分。



山頂の浅沼氏
 帰りはダムサイトに降り胆沢ダムの奥まで行き見学し「おあご」温泉で汗を流し帰宅。

 今回の山行は登山客も少なくのんびりと自然を観察できました。おまけに熊まで!!

コースタイム一関発6:00→7:10中沼登山口7:30→中沼8:02→9:25銀名水9:37→10:40泉水沼10;51→11:21頂上12:00→銀名水13:34→中沼14:53→15:23登山口→おあご?→一関着18:00



H24.6.23

焼石岳  参加者:吉家、浅沼、石川、阿部


中沼にて
 来月の富士登山足慣らしに、焼石岳に行くとの情報を聞きご一緒させて貰う。23日は早朝から霧雨が降っていたが、嵐のような天気にはならないだろうと楽観的に集合場所へ急ぐ。6時、市役所裏を出発。案の定、西方の山並みはどんよりした雲の中。東方からは薄日が射しているのか、向かう先に大きな虹が見える。

 中沼コースへの林道は、台風の影響も少なく昨年秋と同様の状況だ。狭い林道をタクシーが二台ほど下ってきた。すれ違いに苦労する。何だか、駐車場も登山道も混みそうな予感がする。4名と荷物の重量で車高が下がっている為に、車の腹を擦らないよう慎重に進む。それでも4〜5回地面と喧嘩しながら7時30分頃、中沼登山口に到着する。県外ナンバーの車も多く、駐車場は満車状態だ。

 7時43分、ガスと霧雨の中、雨具を羽織らず出発する。中沼までは、いつもの泥濘はあるものの深い水たまりは無く、先行者に道を譲られながら無難に進む。沼からは、ガスで横岳方面は殆ど見えない。その分、足下が良く見えて、リュウキンカやハクサンチドリの花々に気を奪われる。カメラをあまり濡らさないように気を使いながらシャッターを押す。


上沼手前
 中沼から上沼間の道は、相変わらず沢登り状態。ガスの隙間から時々薄日が射す。長靴の吉家さんはスイスイと進む。キャッパリに注意しながら、点在して咲くシラネアオイやリュウキンカに気をよくして黙々と進む。雪解けが少々遅れているせいか、水芭蕉の咲具合も良い。まもなく、上沼が現れる。絶景ポイントであるが、相変わらずガスで展望は利かない。気まぐれな霧雨と風のため、ビデオを少し回して早々に進む。沼尻に行くとミツガシワの群落が花盛りで、しまい込んだカメラを取り出し再び撮影開始。湿気でカメラが壊れそう・・。

 上沼からつぶ沼コース分岐間の道も泥濘が続くが、ムラサキヤシオにムシカリやミズバショウが花盛り。時折漂う心地好いミズバショウの香りを楽しみながら、木道で滑らないよう慎重に進む。分岐付近は先導者で込み合い、互いに譲り合いながらの行進だ。シラネアオイも咲いているが、例の白いシラネアオイは探さずに分岐上部の道標付近で小休止を取る。

 気温は約10度、少し休んだだけで寒く感じる。早々に歩き出す。ブナ林には残雪が豊富にある様子で、道が再び沢状になっている所もある。ごみの下に石があると思い足をつけると、ついにドボンと入り込んでしまった。水が染み込み床下浸水状態だ。霧雨も小雨状態となり、黙々と銀名水へと進む。


山頂の風下にて
 銀名水では沢山の登山者がくつろいでいるが、戻る登山者も多く通過する。風も強く、一同、雨具を羽織って風の様子を見ながら進む事にする。歩き出すと直ぐに大量の残雪が表れる。雨で雪が腐っている為、滑りやすく歩きづらい。慎重に高度を稼ぐが、ハタシロ沢上部の雪渓は傾斜がきつく更に滑りやすくなっている。慎重に高度を稼ぐが、傾斜の緩んだ所でバランスを崩してスッテンコロリ。久々の山行で足回りの動きが鈍くなっているようだ。

 更に姥石平への登りが続く。雪渓に足元が見えないほどのブッシュ帯が交互にあらわれ、おまけに道の水量が増えている。反対側の靴の中にも水が染み出してきた。長靴が良かった・・・と後悔しながら黙々と進む。

 天気が良ければ焼石山頂が見えるはずだが、視界は利かず風にあおられるばかり。木道に入り一安心すると、ハクサンイチゲが目に入る。気持ちをかき立てられるが、沢上の道に行く手を阻まれて、なかなか進まない。しばらく行き交う登山者の中を進むと、姥石平に到着する。ハクサンイチゲの群落が一斉に花をつけている。天気が良ければ良い写真が撮れたのに・・と思いながら少し休んで山頂へ進む。

 泉水沼付近には、ヒナザクラにミヤマシオガマやチングルマも咲き出している。写真を撮りたい気持ちを抑えながら、とりあえず山頂へと進む。横岳方面分岐から風も強くなって、身体を傾けながら慎重に高度を稼ぐ。イチゲにダイコンソウを横目に、先導者の列を交わす。

 11時12分、山頂に到着。三角点にタッチして風下に移動するが、混雑して腰を下ろす隙間を探すのが大変だ。昼飯には少々早いので、水分と糖分を補給して早々に下る事にする。


銀名水にて

ナベクラザゼンソウ
 下りは、花々の写真を撮りながらゆっくりと進む。山頂での気温は約7度、冷え切った膝がガクガク言っている。ゆっくり下ると言う割には、早い歩調だ。普段から走りこんでいる浅沼さんと石川さんは余裕の歩調だ。膝が疼き、脂汗を感じながら銀名水まで黙々と下る。

 昼食は銀名水小屋でとる。小屋に入ると多数の登山者で賑わい、熱気でムンムンとしている。隙間を見つけて入り込み、遅い昼食をとる。

 約1時間後、重くなった腰を上げて小屋を出ると、吉家さんが何かを探している。・・あれねぇぇ・・と捜索を手伝うと、程なくナベクラザゼンソウを見つけて写真に納める。途中の泥水を被った木道に特に気をつけながら、淡々と登山口まで無事下山する。全員、満足の焼石登山でした。帰りは、スパ・オアゴで汗を流し帰途に着いた。 阿部 記

コース時刻:登山口7:43−8:12中沼8:18−上沼−9:05分岐−9:28銀名水9:43−10:43姥石平10:50−11:12山頂11:23−12:45銀名水小屋13:47−14:48中沼15:00−15:28登山口 



H23.10.9
     焼石岳  中沼コース    参加者:森、吉家、阿部


中沼の休憩所
 9月28日、焼石岳中沼コース登山口への林道が約2年半ぶりに開通した。「紅葉が良い頃だべっちゃゃゃねぇぇぇ・・」と、数日前に焼石登山を決めた。参加者を募ったが、急な話に各員の予定は変更できず3名のみの山行となる。

 9日、6時少し前、吉家宅を出発。開通後初めての林道を通るため、車道の様子が分からず車高のある森氏の車に便乗する。途中、前沢のコンビニで昼飯を調達して農免道経由で国道397号に入る。新胆沢ダムの北岸に取り付けられた新道を進み、尿前渓谷の橋を渡るとすぐ右側に中沼への案内板がある。少し下ると工事車両用の巾広い道に入るが、更なる案内板を頼りにZ字に曲がり昔からの道に入る。あとは、今まで通りの道を進むと約20分ほどで登山口駐車場となる。

 林道は相変わらずの悪路であるが、凹凸に少し手を加えたのか軽乗用車でも入れる状態だった。ただし、数日前からの雨でトロトロぬかるんでいたため、車は泥だらけとなった。駐車場は震災前と同じ状況のようだ。周りの灌木は少し色づいている。


中沼
 7時5分、登山口に到着。駐車中の車は、広場全体の約3割。県外ナンバーも多く見られた。トイレ休憩後、身支度を整え入山届けに記入して出発する。しかし、雨の影響か登山道が沢状になっており、通り抜けるのに四苦八苦する。少し進むと更なる試練、ドロドロの泥濘がしばらく続く。さすがに吉家氏、長靴が心地よく合っている。・・失敗した、焼石は長靴が一番合うと言うことを忘れていた。


上沼(帰りに撮影・少し波立っている)
 久しぶりの中沼コース(私阿部は十数年ぶり)だが、要所要所に丸木の階段となっているのと灌木が生長した以外は変化が見られず、刻々と記憶がよみがえってくる。息は上がるが、思い出す道の様子からペースを狂わすことなく快適に高度を稼ぐ。約30分で中沼に到着。

 天気快晴、登山口より紅葉は進んでいるがまだ五分ぐらいだ。新潟から来たという単独行の方と談笑しながら小休止。10分程して、横岳方面の輝く紅葉に誘われるように腰を上げて先を急ぐ。相変わらず日蔭は道が腐って歩きづらい。沼の尻から少し登ると木道に変わるが、今度は湿った板がとても滑りやすく慎重に進む。泥濘、苔むした木道、ぬかるみ・・・と繰り返すこと約20分、上沼に到着。

 素晴らしい紅葉が待っていた。鏡のような沼と辺の木々の色合いが、何とも言い難いコントラストを見せる。遠く横岳方面の山肌も湖面に映り、更なる絶景を見せる。・・これだから山歩きを辞められない・・全員紅葉を満喫し、カメラやビデオに収める。下って来る登山者も増えてきたが、後から来る賑やかな集団に追われるように先へ進む。


銀名水
 上沼から約20分、つぶ沼コースとの分岐に着き、少し上部の指導標前で小休止とする。ブナの色づきは今一だが、カエデの仲間はこれでもかと真っ黄色。ナナカマドも色づき、真っ赤な実も例年より少し多めに見える。自然の色って、本当に素晴らしい。数人をやり過ごして腰を上げる。


銀名水上部の草付き(画の上部が崩壊している)
 道は少し乾いてきたが、相変わらず歩きにくい。傾斜地に付けられた木道も油断できない。景色もジックリ味わいたいが、目の前の足先に視線が固定気味。頭上を横切る太い枝にも気が付かないほど、下向きに黙々進む。V字状の道に変わると程なく銀名水に到着する。

 広場のベンチは登る人、下る人でいっぱいだ。何とか空きを見つけて荷物を降ろし、名水で喉を潤し、煙で肺を燻す。・・ちょっと不健康。三連休の紅葉季、さすがに登山者が多く、こちらも楽しさが益々沸いてくる。10分ほど休んで山頂へと向かう。

 避難小屋前の沢をまたぐと、焼石本来の登りが始まる。10分ほど高度を稼ぎやや平坦になると木道に変わり、歩きながら足を休ませ再び登りに入る。ハダシロ沢の滝が見える頃、視界が開けて登った実感がわいてくる。春先は残雪が多く、道は何時も腐っている所だ。近年、木道が付けられ歩きやすいはずだが残雪に押されたのか、不安定に傾き、土から浮き上がったりでシーソーのようにガタガタする物も多い。慎重に進むと、滝近くで道が崩壊している。迂回ルートは非常に滑りやすく不安定なので更に慎重に進む。


泉水沼と焼石岳
 ブッシュ帯に入ると傾斜はやや緩むが、ゴツゴツした岩場の道となり難儀して登る。両側にはドウダンやカエデの仲間が赤や黄色に色づき歓迎するが、笹が道をふさぎ足下を隠す。浮き石にも注意しながら慎重に進む。草紅葉の小さな湿原を2つほど過ぎるとやがて東焼石や本峰が見えて姥石平となる。ここまであまり風は感じられなかったが、少し冷たい風が体を撫でる。腕まくりでも寒さは感じない。


山頂にて
 姥石平も縦走の人や下る人、上る人で混み合っている。道標と一緒に記念撮影して、山頂へ進む。泉水沼を過ぎ、いよいよ最後の登りに取り付く。尾根筋に出ると結構強い風にあおられるが、今までの汗が乾きそうで心地良い。夏期ならお花が美しいだろうなぁぁ・・等と思いながら焦らずゆっくり高度を稼ぐ。10時半少し過ぎ、全員無事に山頂到着。一通り山頂儀式を終えて風下で一服。快晴の青空であったが、鳥海山方面や和賀岳方面に岩手山は濃いガスで見えなかった。30分位、登山客や仲間と談笑し、昼食に早いのでひとまず姥石平まで下る。

 泉水沼のベンチは集団登山者でいっぱい。少し進んで11時半、姥石平道標近くで昼食タイムとする。少しすると数十人の登山者が下りていく。通り過ぎる山ガールをチラッと見ると「みろく山の・・」と書かれた帽子のプレートが見えた。「みろく山の会・・・聞いたことある・・どこだっけぇぇ・・」と言うと、男の方が「横浜・・」と答えた。あれぇぇ・・関東圏からわざわざ・・と、何だか嬉しくなった。この皆さんとは抜きつ抜かれつ銀名水で離れてしまったが、前日に栗駒山を登り、本日焼石に来たようだった。「みろく」さんご苦労様でした。


オヤマリンドウ
 銀明水を出ると、またまた滑りやすい木道と泥濘が続く。慎重に慎重に下っていたが、ついに両足を取られて大きな尻餅。本日、二度目の転倒だ。ん十年ぶりの大転倒、歳のせいか足腰・バランスが悪くなっているんですねぇぇ・・。やはり、長靴の方が滑りにくかったかも知れない。痛い思いはしたが、下りはラクチン。紅葉を満喫しながら、中沼まで楽しく下る。

 中沼のベンチで名残惜しく談笑していると、短パン姿で元気の良いお嬢様が現れた。今流行の山ガールとは訳が違う。カモシカのような足、女性ながらも力強い体型でハキハキし、夏油側から縦走してきたと言う。「何処から来たの・・」と聞くと「長野です・・」と言う。「本場から来たんだっちゃ」と感心する。向こうは向こうで良いが、東北の山は趣が違いやっぱり感激すると言う。しきりに「良い山ですねぇぇぇ・・」と言って、まじまじと横岳方面を振り返る。昔、何処かで会った事がある様な、本当の山屋・山女と言う感じだった。

 登山口に戻ると、例の女氏がいた。何でも、仲間が夏油方面に行き、逆に夏油から女氏が中沼口に下りる、交差縦走をしたとのこと。しかし、県外から沢山の人が登山に来てくれて嬉しいですね。

 10月9日現在、焼石の紅葉は山頂部は葉がちり始めましたが上沼付近まで下りてきました。中沼は2〜3日で見頃を迎えそうです。あと二週間ぐらいは楽しめそうです。帰りは「すぱおあご」で汗を流してきました。(入浴・大人500円)  阿部 記

コース時刻:中沼登山口7:20−7:50中沼8:00−8:20上沼−8:40つぶ沼分岐8:48−9:05銀名水9:18−10:14姥石平10:20−10:37山頂11:05−11:25姥石平12:05−12:49銀名水13:10−13:23分岐−14:05中沼14:15−14:38中沼登山口   


H22.5.30
      焼石岳 (つぶ沼コース)   登山者:森、阿部


ブナの新緑に囲まれて
 29日に予定していたが、天候の関係で30日の山行となった。その為に吉家しの予定と合わず、参加者は森氏と私の2名となった。悪いねぇぇ・・と思いつつ、朝霧の中、6時少し前に森氏宅を出発。一路、胆沢のツブ沼を目差す。

 前沢の農免道入口のコンビニで飲み物と少々の行動食を調達、1時間10分ほどでツブ沼に着く。登山靴と長靴のどちらにしようか迷って、残雪で道が腐っているだろうと長靴を履く。森氏は登山靴にロングスパッツ。本当は、靴底のしっかりした登山靴の方が疲れないはず。しかし、我が靴はいまだに足になじんでおらず、諦めての長靴歩きでもあった。


金山沢
 7時12分、久々の焼石・残雪季に花々や食べられそうな山菜を期待しながら出発する。直ぐに新緑のブナ林、木の間からは青空もチラリチラリと見えている。最高の青空になるだろうと期待も膨らむが、結構きつい道が続き息も上がりだし汗ばんでくる。30分ほどすると何とかペースを取り戻し、焦らずジックリと歩けるようになる。

 雪椿の群落を過ぎる頃、ブナ林に残雪が見え出して終盤を迎えたミズバショウも現れる。上部のミズバショウは咲いているだろうか・・と案じながら黙々と進む。やがて先に行った3人パーテーと出会う。どうやら、水場でのどを潤している様子。二言三言、言葉を交わし先に行かさせて貰う。ツブ沼から約1時間、何とか金山沢に到着。小休止を取る。


石沼と焼石の連山
 新緑は気持ちを高揚させてなかなかのものであるが、残雪の混じる道はやはり腐っていて沢状だったり、ぬた場状で長靴の効果は絶大。道は更に腐れ場が多くなっていく。金山沢を過ぎると、足下にはカタバミ、ヤマツツジやムシカリの花も目立ち始める。やがて残雪も広く広がるようになり進路に不安が出るが、要所要所に赤いリボンの目印があり不安を消す。金山沢から50分ほどで石沼上部に出る。


白いシラネアオイ
 満々と緑色の水をたたえた石沼が、新緑の中で誇らしそう・・遠く残雪を抱いた横岳や天竺山に経塚山等の峰峰が共演して素晴らしい景色となっている。2年前の震災を受けた道を少し移動して、更に絶景ポイントを見つけて小休止を取る。春ゼミの声はまだ聞こえないが、遠くカッコウやホトトギスの声が時折聞こえていた。


銀名水近くのミズバショウの群落
 重くなった腰を上げ、しばしの登りに取り付く。コシアブラの新芽やタムシバをやり過ごして進むと、程なく下り道となり、シラネアオイの小さな群落に出会う。カメラに収め、緩くなった長い斜面を黙々と進む。残雪も多くなり、ほぼ一直線に歩ける。夏道からは大きく離れているが、ミズバショウの群落を見つけてカメラを構える。更に進むと沼のような水たまりが行く手を阻む。中沼との分岐で白いシラネアオイを観察、ツバメオモトも見つける。分岐を過ぎるころ、新緑は淡い緑色となり、やがて緑が見えなくなる。程なく銀名水へ到着して小休止を取る。


銀名水上部の大雪田にて
 名水で喉を潤し周りの景色を楽しんでいると、小屋から4名ほどの登山者が大雪田を登っていく。誘われるように腰を上げて後を追う。しばらくして追いつき話を聞けば、6日に山開きの行事があるという。地元の山岳会の皆さんで、雪面に目印を付ける作業に励んでいたのだった。森氏も赤い布きれを取り出し、手伝うように少々の目印を付ける。大雪田を抜けると傾斜も緩み、石だらけの道に変わる。靴底の薄い長靴は、凹凸をモロに足裏に伝える。疲労も加わり足がかなり痛い。更に、小さな雪田を二つ程越えると木道が現れ姥石平となる。独立したような焼石岳本山がドッシリと構え、山頂部に2名ほどの人影が見えている。


ヒメイチゲ
 山頂まで行く自信が無くなるほどバテていたが、後30分程我慢して進むことにして小休止を切り上げる。周りにはヒメイチゲが咲き出しているが、ハクサンイチゲはまだ新芽が吹き出したばかり。キンバイも黄色い花びらの一部が見えるものもあるが、まだ時期早々の様子。泉水沼脇の雪田を渡るともう雪はない。疼く足の裏と格闘しながら、きつい傾斜に取り付く。


姥石平にて
 ガンコウランは咲いたか・・等と花を探し、コメバツガザクラの花を見つけては感動しながら、何とか山頂にたどり着く。足下ばかりを見ていたが、少々多くなった雲と共に鳥海山や須川岳も良く見えていて感動。北方はガスっているが岩手山の斜面も確認できる。下界は陽が射して天気も上々の様子。少し冷たい風はあるが、山頂の片隅で昼食を取りながら二人で大展望を楽しむ。


山頂の森氏
 先に登っていた2名は既に下り、後からの2名も下っていく。重い腰を上げ、麓まで降りられるか案じながら下山開始。下りとは言え、少し早いピッチに戸惑いながら坦々と進む。チョイと摘んだギョウジャさんを齧り勢いを付ける。一気に銀名水まで下り、ミズバショウの群落を観察。名水で小休止していると先ほどの2名と再開。抜きつ抜かれつ、坦々と下る。

 金山沢に着く頃には、足が棒のようだ。若々しい新緑のブナ林をに再び感動している余裕もなくなり、意気揚々と何とかツブ沼登山口にたどり着く。昨年秋の山行より少し急ぎすぎたようだが、残雪と新緑の焼石岳を心ゆくまで楽しんだ。ちなみに、根曲がりはまだ早い様で、季節は平年より全体的に2週間程遅れている様子だ。残雪が無くなるまで、厚い下敷きを入れた長靴が良いと思われる。

コース時刻:ツブ沼駐車場7:12−8:07金山沢8:12−9:00石沼9:10−9:45中沼分岐9:55−10:18銀名水10:30−11:28姥石平11:35−12:04山頂12:31−13:43銀名水13:55−14:44石沼14:55−15:26金山沢15:32−16:15つぶ沼駐車場   

2009.10.24

 

猿岩とツブ沼駐車場
 約9年ぶりに、気になっていた焼石岳へ行くことになった。当初3名の予定が、吉家氏と2名になっても心はルンルン気分。吉家宅を6時50分に出発、前沢のコンビニで食料を調達して石淵を目差す。懐かしい風景を眺めながら快調に進むが、新石淵ダム付近の変わり様に驚くばかり。取り付け道路が完成すれば、つぶ沼まで10分は短縮できそうである。

 小一時間で、ツブ沼登山口に到着。震災の影響で中沼登山口に行けない事を残念がりながら、体重を軽くして身支度を整える。8時チョイ過ぎ、ツブ沼駐車場を出発する。登山口は新道との交差点に移動し、立派な登山届け用BOXが備え付けられている。本日の登山予定を簡単に記入して、手摺りの付いた階段を登り始める。


紅葉も終を迎えている
 紅葉が始まったばかりで、ナラの大木の繁る道を心地よく進む。灌木にブナが混じり出すと傾斜もややきつくなり、程良く色づくカエデなども目にはいる。汗ばんでくる頃には、見頃となった紅葉のが辺り一面に広がり思わず歓声を上げる。道は平坦になったり少し傾斜が出たりの繰り返しだが、全体的にはなだらかな登りだ。雨が間欠的に続いたせいか、結構腐っているところが多い。ぬた場では、泥に足を取られないよう慎重に歩く。

 最近体調の衰えを感じてきたもの同志、ゆっくりマイペースで行きましょうと急がず黙々と高度を稼ぐ。休みを取らず50分程進むと金山沢に到着。小屋泊まりの下山者と談笑しながら少休止とする。


金山沢
 岳山を巻き石沼上部付近からは、すっかり葉を落とした冬枯れの林に変わる。程なく震災の地滑り跡の生々しい、石沼上部の尾根に着く。これも地震の影響か、沼の水位がかなり減っているようにも見える。木の間からは経塚山から天竺山の懐かしい風景が覗いている。記憶に有った風景とを重ね合わせ、確認するように景色を堪能しながら進む。

 少し進むと一旦下りとなり、やがてやや平坦な道がしばらく続く。下界は晴れているようだが、頭上は高曇り状態。気温もやや高く10度を越している模様。結構暑く、め一杯腕まくりをして先を急ぐ。再び金明水小屋泊まりと言う単独行者、数名とすれ違う。後発の登山者数名とも道を譲り、倒木に生えると思われる茸を探しながらのんびりと高度を稼ぐ。


石沼付近
 それにしても、ダラダラと長いコースだ。金山沢から約1時間15分、やっと中沼コース分岐に到着。銀名水までもう少しだが、足腰にもそろそろ効きだしている。行動食を取りながら、少休止とする。風は強くなく、そよ風程度だが汗ばんだ体に冷たくまとわりつく。10分程やすむと、体が固くなったように感じる。ゆっくり立ち上がり、もう一踏ん張りだ。


石沼上部より横岳方面
 やっと膝が暖まりだした頃、銀名水に到着。記憶通りの風景と、コンコンと湧き出る泉に感激しながらのどを潤す。休んでいると、単独行のお姉さまがサッソウと降りてきた。6時半にツブ沼を出て、3時間弱で焼石山頂に着けたとのこと。素晴らしいと言うか、とんでもないスピードである。ほぼ毎週来ているらしく、焼石のコースも詳しい様子である。50代か・・元気がよい。何処か・・若い頃の田部井さんに似ているような風貌だ。


銀名水にて
 時計を見るとまだ11時、あと一時間半ぐらい頑張ろう・・と、山頂に向けて出発する。ここから上部の風景は、ほぼ記憶通り。黙々と高度を稼ぐ。下界は相変わらす天気も良さそうだが、高曇りの姥石平は寒々としている。山頂には数人が下山するのか、動き回っているのが見える。やがて東焼石岳方面への分岐。オコジョは居ないか探すが、見あたらなかった。


山頂の吉家氏
 泉水沼を過ぎ、最後の登りに気合いを入れる。腹がグーグー言っているが、我慢をしてきつい登りと格闘・・。12時20分頃、少し遅くなったが山頂到着。胆沢山岳会の数名が、山頂ポールの建て替え作業中。少し離れて、景色を堪能しながら昼食を取る。雲の帽子を被った須川岳や鳥海山、胆沢平野に花巻の町並み。大曲や横手の町並みか?良く見えている。地図を思い出しながら、方向感覚を修正して景色を脳裏に詰めこむ。

 名残惜しいが、40分ほど景色を堪能して下山に移る。東焼石方面から2名が下ってくる様子。銀名水上部の草付き付近で道を譲ると、20代と思われる元気の良い若者だった。話を聞くと、この日のうちに夏油から縦走してきたとのこと。銀名水で出会った女性の方も素晴らしいが、この若者達も素晴らしい足をしている。程なく銀名水で休んでいる若者に再会、しばし談笑して急ぎ足で去っていった。


山頂より泉水沼と横岳
 二人で、たばこの吸い貯めをして下山を急ぐ。一気に金山沢まで下り、少休止後、再び紅葉と戯れながらツブ沼へ急ぐ。陽は傾き、雲の隙間から射した光が色づく木の葉を照らし、黄金色に輝いている。膝が疼きだして限界を感じる頃、何とか登山口にたどり着きホッと胸をなで下ろす。少し期待していた茸は皆無だったが、久しぶりの長ぁぃぃぃコースに満足してツブ沼をあとにする。互いに若い若いと、つい最近まで思っていた・・。歳は確実に取っている・・自分を過信しないで行動できるようにしないとねぇぇ・・と車中で慰め合う。

コース時刻:ツブ沼登山口8:08−9:01金山沢9:10−10:56銀名水11:03−12:21山頂13:02−14:05銀名水14:32−15:54金山沢16:05−16:48登山口

H21.7.20

       焼石岳 (ツブ沼コース)


石沼

7月20日朝目を覚ますと部屋に朝日が差込み、久しぶりに天候回復、幸先の良さを告げているようだ。今日は焼石岳へ今回のコースの地図を読むと金山沢の渡渉とのこと、もしかしたら昨日の雨で増水の懸念と、昨年6月の宮城北部・岩手内陸地震により中沼コースからの入山禁止で、つぶ沼コースから入山なので登山者が少なく熊との遭遇も考えられ、ストック(渡渉時)・熊よけ鈴を準備する。


銀名水

 今回はつぶ沼コースより焼石登山を企画、参加者を募るも、問い合わせなく「みちのく一人山旅」3日前の大雪山系の大量遭難事故の後だけに気が引き締まる中、装備に不足無い様準備出発。

 尿前中沼登山口は閉鎖。石淵ダム湖畔を通ると、ダムの水は茶褐色に濁り大雨の後をうかがわせる。道路にはあちこちで山からの水が流れていた。ますます金山沢の渡渉が心配しながらつぶ沼到着。予想に反し車が14〜15台駐車、登山準備をしているグループが3パーティー程。最近夏山にはスパッツを着けず入るが今日だけは雨上がりの後につき濡れていることを予想し着用。登山口には登山者名簿用ボックスがあったが、扉が開かず下の隙間から用意した登山計画書を差し入れて出発。結局最後の出発となる。

 先ずは深緑の樹林帯の中腹を巻くように進むと緩やかな傾斜から段々きつくなる。平らなところは田んぼのヘドロ状態、深みに嵌らないように石の上とか木の枝の上を右に左に進む。50分程すると沢の音が聞こえ出す。いよいよ金山沢に辿り着く。以外にも水量少なく石の上を渡り水漕ぎせず済んだ。ここからまた緩やかな登りと泥んことの戦い。途中昨年の地震で登山道が崩落しているから注意の看板有り、脇にロープを張り地震の凄さを物語っていた。ここからは紺碧の石沼が木々の間から望むことが出来た。

 出発してから1時間半も経つがこれといった花にも合えず樹林帯、しいて言えばぶなの大木。小休止水分補給と行動食つまむ。宮城からの3人と犬を連れたパーティーに会う。最近山に犬と登る人がいるが俗化が心配だ。なだらかな山腹と泥んこの水溜りを繰り返し中沼コース分岐点へ未だミズバショウガ咲いてました。ここから銀名水にはあっという間に着く。早速天然ビールでのどを潤す。ここの天然ビールは何時飲んでも冷たく美味しい。先着9人ほどがいたがさすがに登山者は少ない。



山頂にて

 銀名水からの登山道はいつも沢になって水の中を進むのだが、今回は特に昨日の雨で水量が多い。いつもはチシマフウロウ、石楠花が咲いているが余りぱっとしない。鶯の声を聴きながら涼風をうけ疲れを癒され泉水沼へ。ここのハクサンイチゲを期待したが出会うことが出来ませんでした。小休止後最後の登り、そして一気に頂上。なんと4時間の行程、なにはさて置き腹ペコにコンビニおにぎりで満腹。ガスも上がり展望よろしく、経塚、牛形がくっきり。証拠写真を撮ってもらい下山へと。 浅沼 記

行程7月20日 一関 6:30 〜 つぶ沼 7:30 7:45 〜 金山沢 8:35 〜 石沼上部 9:20 9:30 〜 中沼分岐点 9:58 〜 銀名水 10:15 10:30〜泉水沼 11:22 11:30 〜 頂上 11:46 12:20 〜 銀名水 13:23 〜石沼上部 14:12 14:22 〜つぶ沼 15:36 〜 一関 17:00 

2009.6.12 震災直前

       焼石岳  (森、佐藤)


改修された中沼の道

横岳方面を望む

ミズバショウの群落

咲き誇るハクサンイチゲ

ユキワリコザクラ

シラネアオイ
 霧の濃い中、いつもより早めに出発。中沼登山口に着く頃には霧も晴れ、強い陽射しが刺してきた。駐車場も既に10台以上あり、木陰に駐車して、登山名簿に記載して出発。はるゼミの大合唱、鶯等小鳥のさえずりに励まされ、新緑の最初の急登をゆっくり進。道は思っていたより濡れてはいないが滑る。沢の音が高くなると中沼である。

 ここはいつきてもほっとする場所である。沼のヘリの登山道は少し改修されていたが少し歩きづらい。白根アオイ、リュウキンカ、水芭蕉に導かれ上沼へ着く。コバイケイソウが咲き始めている。週末には咲きそろいそうである。大きな雪渓をよじ登れはづぶ沼からとの分岐。新緑と残雪の織り成すまだら模様、ムラサキヤシオの赤、目の底から洗われそう。銀名水でのどを潤し、ゆっくり休もうとしたが、ブヨがうるさく早々に発つ。

 このコースで最も大きい雪渓をほぼ斜め一直線に進。日差しはますます強く、照り返しもまぶしい。尿前沢を過ぎた頃から春の花が目を楽しませてくれる。ハクサンイチゲ、チングルマ、ミヤマキンバイ、ヒナザクラ。去年と比べると、花数が少ないように感じる。

 姥石平に荷物を置いてしばし写真撮影。時間があるので東焼石方面にコースを取りハクサンイチゲの群落を写真に撮る。ユキワリコザクラは少し色あせてきている。途中から左にコースを変えて、9合目と向かう。ミネザクラが所々満開、昨年は一面サクラが満開であった。今年は少し遅れているようだ。

 9合目から大きな岩場を慎重に超えると頂上が眼前に迫る。ゆっくり登りきって頂上である。数グループ・ペア登山者が昼食を楽しんでいる。展望はガスでよくない。我々もビールで乾杯。

 昼食を済ませて、泉水沼へ下山。頂上付近には、イワウメ、コメバツガザクラが少し咲いていた。横岳方面へ入った鞍部にはユキワリコザクラが一面に今盛と咲いている。体力に自信があればこのまま横岳へ向かい、銀名水へ降りたいところであるが、今回は姥石平を経て下山した。駐車場は数台しか残っていない。途中温泉で汗を流し帰路に着いた。 森 記

コース・タイム  一関 5:45 中沼登山口 7:10発 中沼7:45 上沼8:10 分岐8:45 銀名水9:00姥石平10:15 9合目11:05 頂上11:45 12:20発 泉水沼12:50 銀名水13:35 分岐14:00中沼14:40 登山口15:15着


2006.6.11

    焼石岳 焼石岳(1547.91m 奥州市) 参加者は森さんと沖の2人

 2006年冬は積雪が多く、しかしその後の融雪が進んでいたこと。中沼に通じる林道は積雪も無く走行可能であること。6月4日に山開きを実施した地元情報による姥石平の状況などをインプットし、天候と睨めっこしながら出発する日程を模索。森さんと一緒に行くことになり、待ち合わせ場所などを決めて11日に出かけることにした。


中沼

中沼から上沼へ
 前々日は大雨が降り、前日も未明まで雨が残ったものの天候は青空が見えるまでに回復。当日は期待したほど天候は回復しなかったが、時々青空が見え、風が冷たかったがまずまずの登山日和になった。中沼林道は泥んこ道を想定していたが、砂利の散布などでぬかるみも酷くなく7.3Kmの区間は苦痛になるような走りではなかった。しかしながら7時までの時間帯ならいつもは駐車スペースに余裕があるはずが、11日は宮城ナンバーの車がやたら多く9割がた満車で、辛うじて奥の方にスペースを見つけて駐車することができた。

 登山者増の要因として、各自運転参加型のグループ登山が多いこと、最近発行された山の雑誌に取り上げられたことによる人気上昇なども影響しているのかもしれない。そう言う自分たちも各自の車で乗り付けているのだから、偉そうな事を言う分際ではない。団体さんが準備体操を終えて出発しようとしているのを見て、急いでその前に出発することにする。今回は久しぶりに登山靴を履き、スパッツをつけて足元を固める。一応万能防水登山靴も持参していたが、石の沢を歩くときの感触がスパイク付長靴では好くないので、足元も衣替えを行ってみた。


東焼石岳より焼石本峰

山頂にて(左沖氏・右森氏)
 この時期の登山口で最初に目に付くズダヤクシュはまだ見えない。サンカヨウの可憐な花がここで見られたので、まだ花の時期に少し早いかなと気をもみながら登ることになった。いつもの場所にいつもの花が咲いていると安心するのだが、今年は例年になく雪が多く残されており、中沼までの登山道も夏道が埋没しているところが多く、ルートを見失いそうになる。逆に前を行く登山者が間違えると後続も間違えやすく、余程熟知していないと変な方向に入り込むときがある。今日も赤布を頼りに残雪を登っていくが、先に書いたようについうっかりと中沼から流れ出る沢の左岸に出てしまい、右岸に入るルートを見つけて事なきを得た。団体さん一行は左岸を少し上まで登っていたが、後続の人が引き返すように呼び戻す一幕もあった。

 中沼での休憩は手前のベンチではなく上流側の湿地まで行って、そこで写真撮影をしながら呼吸を整える。ここの木道は融雪による増水で冠水していて、パシャパシャ水を気にせず歩く。すぐに残雪が迫っていて、谷を埋め尽くす雪で今までと雰囲気が大きく異なって見える。所々で夏道が露出しているが、大半が残雪の上を歩くことになり、足跡を拾いながら時々赤布でルートを確認する。


シラネアオイ

ユキワリコザクラ
 つぶ沼ルートとの合流地点でシロバナシラネアオイをいつもの場所に見つけて、急斜面を必死で体を支えてカメラに収める。この辺りからビューポイントが色々あって忙しくなる。程なく銀明水の休憩ポイントに到着。ベンチが全てふさがるほど大勢が休憩している。ここでちょっと腹ごしらえをして、これからの急斜面の登りに備える。この先、どこまで続くかと思われるほど巨大な残雪が続き、一歩一歩を慎重に足跡を拾いながら少しずつ高度を稼いでいく。小さな流れを越えると姥石平の一角に出る。ハクサンイチゲが小さい株ながら咲いている。ミヤマキンバイの黄色い花も咲いている。遠くを見ると東焼石岳の斜面が白く見える。ハクサンイチゲの群落がタイミングよく一面に咲き出したようだ。一気に力が沸いてくる。

 姥石平で休憩をして本格的な撮影モードに入り、ここからは時間を気にせず東焼石岳へのルートを採りながらゆっくりと進んでいく。ギョウジャニンニクも人通りに反比例して交差点から遠ざかるほどに増えてくる。今がちょうど食べごろだが、これは我慢して見るだけにとどめる。ハクサンイチゲの花筵を前景にして焼石岳を写したり、横岳を背景にしたり今年も同じような構図で写真を撮る。でも何度来てもこの6月の焼石岳は素晴らしい。丁度東焼石岳周辺が花の見頃で、時間をかけて花々に囲まれた至福の時間を堪能しながら、ゆっくりと山頂へ向かう。東焼石岳周辺はハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、ユキワリコザクラなど白、黄、ピンクが適度に混ざり合って変化に富んでいる。風が凪いでくれたらもっと楽に写真を撮れたのだが、そんなに何もかも旨くいくはずがない。


ヒナザクラ
 焼石神社を経由して山頂を目指すことにし、姥石平分岐に戻らず途中から北西に向かう。ヒナザクラが雪解けした湿地に小さな花を風に揺られている。潅木帯はミネザクラが満開だ。ミツバツツジも咲いている。秋田側の東成瀬ルートの合流点ではシラネオアイが大きな株を張って沢山の花をつけている。ハタザオの白い花も沢山咲いている。ここで昼食をして最後の登りに備える。

 焼石岳北側の岩がゴロゴロした歩きにくいルートをよじ登ったり潜ったりしながら少しずつ高度を上げて、一等三角点のある焼石岳山頂に到着。すっかり人気のいなくなった静かな山頂で森さんが担ぎ上げた三脚を立てて記念写真を撮る。展望を楽しむような空模様ではなく、ガスがかかってきたので早々に下山に取り掛かる。山頂付近のイワウメはまだ蕾で一週間程度早かったようだ。横岳鞍部はミヤマキンバイの黄色が占有し、泉水沼付近はヒナザクラが一面に咲いていた。ガスがいつの間にか濃さを増してきて、雪渓を急いで下る。やっぱり残雪期の下山は時間が短縮できる。スイスイと銀明水まで下り、ここでまた一本立て、上沼、中沼を経て泥んこになりかけた登山道を駐車場へ戻る。 沖 記 (写真:沖・森)

コースタイム:摺沢5:15==(60.0Km、林道7.3Kmを含む)==6:40中沼駐車場7:00---7:35中沼湿地7:40---7:55上沼湿地8:00---8:45銀明水8:55---9:50姥石平10:00---10:40東焼石岳10:50---11:25焼石神社鞍部(昼食)12:10---12:45焼石岳12:55---13:05横岳鞍部13:10---13:25姥石平13:30---14:05銀明水14:15---15:30中沼駐車場15:40==(入浴)==摺沢


2005.8.30−30
    経塚山ー焼石岳ー横岳 縦走   登山者:森、浅沼


出発

尿前渡河点

天竺沢支流の滑床

チョウジギク

経塚山頂

キンコウカ

アオノツガザクラ

六沢を目指して

六沢稜線

9合目からの登り

ハクサンフウロ

焼石岳山頂の森・浅沼両氏

横岳より焼石本峰を望む

銀明水への降り口からの眺望
 8月30日、中沼駐車場の木陰に車を停め、金名水小屋を目指し下刈された登山道を心持下るように尿前沢へ進む。30分ほどで尿前沢へ降りる。ここより30m程上流に渡河点がある。今日は水量も少なく石を渡って行く。浅沼さんはブナの流木を伝って渡る。取り付き点は崩落していて、目印を頼りに慎重に登りきると後は歩きやすく整備されていた。

 空はカンカン照りであるが、ブナ林の下は直射は避けられるものの風も少なく汗を拭き拭き高度を稼ぐ。1時間くらいで突然ガレ場が現れ目印のとおり横切りまもなく左手に湿原があり、(注意しないと小枝で確認しずらい)水場も作られていた。まもなく右手に大きな岩(青岩)が現れその端に向かって一気に登りきると天竺沢の稜線である。稜線を登りきると視界も開かれ金名水小屋の赤い屋根もみえてくる。天竺沢に下り冷たい沢水で体を拭き目印を確認しにがら沢を2、3ヶ所渡り30分ほどで金名水小屋につく。ここに寝具食料等をおいて、行動食等の最小限の荷物を持って経塚へ向かう。

 小屋を出てまもなくの道路は、雨に流され深く削られた細いV字状の悪路、次はブッシュで足元が見えない道路をゆっくり30分ほどで最初のP(金名水から0.6km)。空が少し霞んできてあまり展望はよくないが雨の心配はなさそうである。更に10分ほどで第2のP(経塚まで1.6km)ブッシュとヤブの道をずっこけながら30分ほどで賽の河原に着く。ここから砂礫で回りはお花畑でハクサンフウロウ、ウメバチソウ、リンドウ等か咲いていた。30分ほどで頂上である。

 この頂上は何十年ぶりだろうか、感慨無量である。まずはビールで乾杯。あいにく雲が多くなり展望は利かないが記念写真をとり金名水に引き返す。小屋では、八戸の某山岳会会長さん(72歳)と登山談義。久しぶりの登山に今日は疲れた。早々に就寝。

 31日、焼石岳方面に雲がかかりあまり展望はよくないが雨の心配はなさそうである。経塚への道路と違って下草も刈られ歩きやすい、が、昨日の疲れか、夕べのお酒のせいか体が重い。六沢の登りは汗がにじみ出てくるが、程よい風がふき取ってくれる。このころになってだんだん調子が出てくる。東焼石岳から東成瀬からの登り9合目へ下り焼石岳山頂を目指す。頂上からの展望は依然としてよくない。

 早々に下山、横岳へコースを取る。30分ほどで最初のP。ここから道も細くブッシュも多くなり足元、ルートもわかりずらく慎重に進。更に10分ほどで第2P、横岳である。道路はますますわかりずらくなるが、地図で確認しながら進。横岳から30分ほどで下降道路になる。直下には雪渓があり、雪渓の周りにヒナザクラ、その周りにアオノツガザクラ、イワカガミ、その周りにキンコウカ、と初夏から初秋のはなが真っ盛り。ここから30分ほどで銀名水である。草丈が高く、払おうとすればアザミのとげに刺されたりで、ここの下りも十分注意が必要である。何年来の計画であった縦走ができて満足である。 森 記

コース・タイム*中沼駐車場−30−尿前ー2.00−天竺沢ー40−金名水ー20−最初のP−40−賽の河原−30ー経塚ー1.30ー金名水(泊)金名水ー1.30ー六沢ー30−東焼石ー30−9合目ー30−焼石岳ー40−横岳ー30−降り口ー30−銀名水ー1.30−中沼駐車場


     焼石岳 2005.6.1


新緑の中をゆく吉家氏

ミズバショウの咲く中沼

中沼のハジッコにて

姥石平から焼石本山
 6月1日、今週で一番の好天の情報に、新緑と花を求めて中沼駐車場へ
車を走らせる。途中、コンビニで昼食と、行動食を調達する。駐車場は、ウイークデーとあって数台しか停まっていない。隣接の湿原のミズバショウは大きな葉っぱになっていたが、山すそには残雪が残っている。この辺も今年は積雪が多かったと思われる。

 パッキングをして出発。吉家さんは久しぶりにこのコースを登るとのことである。中沼までは、このコース一番の悪路・難所である。所々に未だ残雪が

山頂の森氏

ヒョッコリ出会った鈴木氏
あり、ルートを確認して登る。程なく汗がにじみ出てきたが、中沼までのワンピッチを登ってから休憩する。ここからの眺望は新緑をとおして湖面の奥には残雪模様が際立つ焼石を眺めると疲れもそよ風と共に流れるようだ。

 中沼を過ぎると、ブナの新緑と残雪のコントラスがまぶしい中を注意深くルートを取り上沼へ出る。シラネアオイ、リュウキンカが咲き始めている。ここから銀名水まで残雪を一気に登る。銀名水は、ベンチの所までは雪も消えて乾いている。冷たい水で咽喉を潤す。麦酒よりもおいしく感じられる。高度を上げるにつれ風が強まってくる。姥石平には未だ花の便りがない。行者にんにくが丁度喰い頃に伸びている。風が冷たく少し強まってきたため、荷物を置いて頂上往復することにする。

 頂上からの展望は近場の山しか確認できない。手が凍えそうになってきたので、写真をとりすぐ下山する。泉水沼まで降りたら、「森さん」と声をかけられ近寄ってみると胆江労山の鈴木さんである。久しぶりに近況を語り、上に下に分かれる。姥石平で昼食を取り下山。途中銀名水の小屋にたちより、下山する。

 駐車場で帰りの準備していると、鈴木さんも降りてきたので、写真をとらせてもらい分かれた。ひめかゆ温泉に入っていたらまたまた鈴木さんとばったり。 (参加者:森・吉家)  森 記

コースタイム:中沼駐車場:8:20〜中沼:8:55〜上沼:9:25〜銀名水:10:10〜姥石平:11:20〜頂上:11:50〜姥石平:12:20昼食 12:40発〜銀名水:13:20〜中沼:14:25〜駐車場:15:00(休憩時間含む行程時間)


1998.7   参加者 渡辺、阿部

 尿前の蜂谷林道から入山する。金山沢をすぎる頃から悪路になり、四輪駆動車でないのを我慢して登山口に進む。駐車場は、もう満車だった。
 ガスが低くたれこみ、雨を覚悟で登山開始する。登山道はかなりぬかるんており、林のなかを注意して登る。大きなブナが見えると中沼に着く。天気が良ければ、横岳から焼石連峰か゛見渡せる場所だが何も見えない。沼の上部のお花畑も、雑草に囲まれてただの野原になっている。残念。
 沢沿いにブナ林を進むと、まだ水芭蕉が咲き残っていて少し安心する。不安定な木道と沢化した道を20分ほど進み、上沼に着く。霞んだ風景もなかなか良いと思っていたら、小雨が落ちてきて、カッパをあわててきる。ヒオウギアヤメがちょうど満開で気持ちが和む。再びブナ林を進み、ツブ沼コースと合流して黙々と雨の中を登る。
 2時間ぐらいで銀明水に着き、小休止を取る。登山者は以外に多く、結構楽しそうに集いあっていた。同行の渡辺さんも雨も良いと言ってくれて安心する。
 銀明水の上部はブッシュも多く歩きづらいが、雪渓が出てきてヒナザクラも群落して咲き、渡辺さんも感激する。再び、足場の悪い道を小枝に注意しながら登り切ると、真新しい木道にでた。
 ここからは、やや平坦になりお花畑がつづくが、花の数かいまいちだ。縦走路の分岐ををすぎるとすぐ、仙水沼で登山者が昼食を取っていた。我らは休まずに進み、幾分強くなった風を気にしながら山頂を目指した。
 20分位で山頂に着くが、この悪天候にも関わらず多くの登山者がいて驚く。360度の展望がきく山頂で、鳥海山もかなり近く見えるが説明で終わる。昼食を取りながら、携帯電話のテストをするが、かなり明瞭に通じた。
 下山は、気温が低い上に道が悪いので、ヒザをかばいながら慎重に進む。登山口に着く頃は、雨も本降りになっていた。

参考
 夏の渇水期には、尿前本沢や天竺沢の遡行も楽しい。
 縦走して、夏油温泉に下るコースは焼石連峰を十分満喫できる。(一泊は必要)
 ツブ沼コースは、少し時間がかかるが中沼コースより歩きやすく変化にとんで面白い。

中沼への登り

上沼

姥石平への木道

山頂