冬期間のトレーニングや気軽に行ける標高1500m以下の低山を収録


地図・山行記は栃木百名山(下野新聞社)等を参照ください

鳴蟲山、鶏鳴山、谷倉山、横根山、熊鷹山・丸岩岳、石裂山、夕日岳、三枚石・方寒山、赤雪山・仙人ケ岳、鳴虫山深高山・石尊山、雨巻山、大小山、三毳山、古賀志山、三峰山、氷室山・十二山、大平山・晃石山、月山、鞍掛山、那須・中の大倉尾根、岳ノ山・大鳥屋山、若見山、千部ヶ岳、尾出山、宇都宮篠井連峰・本山



H21.3.29

         象の鼻・横根山(1368m:栃木県鹿沼市、旧粟野町)


急登も終わる、明るい雑木林
 前日は藪用で遠出は出来ず、しだれ桜の様子見で終わった。29日も朝から快晴で、8時半をまわってしまったが、近場の鳴蟲山(鹿沼市郊外)で脂肪を燃やそうと出かける。いつものように古峯神社への道をたどるが、鳴蟲山入り口の橋が工事のため無くなっている。あれぇぇ・・仕方ない、古峰原に行こうかと迷いながら古峯神社へ向かう。しかし、また神社前で気が変わり横根山へ進路変更。登山口のある、日瓢鉱山事務所付近に着いたのは10時少し前だった。

 登山口より少し車を進めると広場があり、そこに駐車して身支度を整える。誰もいない。少し下り10時少し過ぎ、山道に取り付く。でかい岩がゴロゴロ転がる沢の右側斜面に道が付いている。安定した土のみちだが、程なく岩だらけの道に変わり慎重に高度を稼ぐ。沢は岩の下となり、時折水の流れが聞こえるだけ。約15分程で黄色い看板が現れ、そこから左側の尾根へと進路が変わる。


凍る五段の滝
 唐松林に続く道は、ジグザグに折れ曲がり結構きつい傾斜が続く。あまり歩いた跡もなく、ふかふかした道は滑りそうだ。途中、数カ所にやや大きい岩が現れ、丸太を組んだ小さな橋も出てくる。約30分ごとに小休止を入れて、ぐんぐん高度を稼ぐ。やがて傾斜が緩くなると、五段の滝が現れる。小さな滝だが、氷が付いて少しは見応えがある。残雪は少なく、木道の雪は、帰りには融けていた。


井戸湿原
 滝からすぐに井戸湿原の一角となる。鹿除けの柵のドアを開けて湿原側にはいる。程なく、横根山や象の鼻への分岐が現れる。少し休んで象の鼻へ進路を取る。なだらかな道の付く背の高い雑木林は、陽射しが通り快適に進む。少々の残雪を踏みながら、緩く高度を稼いで分岐を2カ所ほど通過すると急に視界が開け象の鼻と言われる展望台に着く。

 砂利を敷いた広場の一角には大きな東屋があるが、前日光牧場越しに日光連山や袈裟丸連山が広大に広がる。山岳部は空気が澄んでなかなかの絶景である。赤城山方面から関東平野方面は霞が強く、麓の町並みがわずかに覗いていた。風は弱いが、結構冷たい。短時間で昼食を取って、井戸湿原へ向けて下る。


井戸湿原入口のマンサク

象の鼻より日光連山
 20分弱で湿原に戻り、マンサクの花を確認して来た道を戻る。鹿除けのゲートは計4回通過するが、最後の鹿除けゲート手前で、二人連れの登山者とすれちがう。蝶結びのナイロン紐は解けやすいので、ぎっちり結んでゲートを出る。先ほどの二人連れ、結び目が外側なので開けるのに苦労するかもしれない。

 冬枯れの明るい雑木林を、小鳥の声を聞きながら快適に下る。尾根の側面に続く道は、風も弱まり結構暖かい。フカフカの急傾斜を慎重に下り、やがて大岩の沢に着く。登山道は程なく終わった。優柔不断の気ままな山歩き。もう少し計画性を持ってのぞもうと反省しながら帰路に就く。  阿部 記

コース時刻:登山口10:05−10:18黄色の看板(沢からの分岐)−11:23井戸湿原核心部分岐11:30−11:51象の鼻12:10−12:28井戸湿原核心部分岐12:40−13:13黄色の看板13:18−13:29登山口


H21.3.15

       三峰山(605m 栃木市・一部鹿沼市:旧粟野町


倶利伽羅不動尊
 15日快晴、先週パッキングしたザックを担ぎ、車を西に向けて走らせる。御嶽山神社駐車場には、車が6台ほど止めてある。山登りとしては遅い時間だが、意外に少なく静かな山歩きしなりそうだ。それでも他県ナンバーが殆どで、三峰山の知名度は高いようだ。

 コースは何時も通り、右回りを選び本峰の三峰を目差して歩き出す。杉林に囲まれた古い車道を20分ほど黙々と進み、道が途切れると登山口が現れる。一時的に杉林が途切れて、日が射し込み少し暑い。軽く休んで山道に取り付く。再び杉林に続く、ややきつい傾斜となり歩巾をチェンジしてじっくり高度を稼ぐ。ここまで、春を感じさせるような草木はまだ無い。極小さな沢をまたぐと、程なく梯子場が現れ浅間大神の鍾乳洞に着く。


三峰山 山頂
 数分休んで、更に進む。前日の雨のせいで杉林の道は滑りやすく、靴を汚さないよう慎重に高度を稼ぐ。息も上がりここが正念場、運動不足に耐えてなんとか倶利伽羅不動尊に到着する。大きな岩峰の根本にポッカリと穴があき、小さな祠が祀ってある。山全体が信仰の対象となり、至る所に同じ様な祠がある。軽く手を合わせ小休止。

 一服後、不動尊の左側を巻いて尾根に出る。ここまで登るとさほどきつい登りはなく、T字路を左に進み緩い登りに取り付く。5分ほど登るとやや平坦な道に変わり、程なく三峰山山頂に着く。祠の周りは視界が効かない。少し石灰岩採掘場側に進むと、大展望が開ける。今日は、以外に見通しが良い。富士山から八ヶ岳に浅間山と赤城山・・日光連山は手が届きそうに見える。しばし展望を満喫して、先ほどのT字路へと戻る。


          浅間山                           赤城山
 T字路の鞍部からは、尾根に続くややきつい登りとなり第二峰へと続く。道は杉林から背の高い雑木林に変わり、第二峰の権現山となる。冬枯れの木の間から、男体山や女峰山も見え隠れしている。奥の院方面から来る数人とすれ違いながら、次のピークを目差し下り気味に尾根を進む。石灰岩のゴツゴツした道を慎重に下り、更なる登りと・・結構凹凸があり楽しい道だ。いつものカタクリは、まだ1枚の小さな葉っぱで花芽はない。三っ目のピークを巻いて休もうかと思うが、ベンチ代わりを見逃し、のんびり歩くことにする。


奥の院
 小枝をすり抜けた陽射しは強く、結構汗ばんでくる。やがて雑木林から、檜林に変わり冷たい風が火照った体を心地よく冷やしてくれる。やや平坦になった道を快適にすすむ。やがて檜林から雑木林に変わり、御嶽神社へ続く分岐が現れる。ここから少し下ると奥の院の建つ最後のピークに着く。


三峰山頂を望む
 奥の院では、白装束の老人が4名がお参り中。祠に向かい軽く頭を下げて側の岩に腰掛け、昼食を取る。ご一行様が帰ると、単独行の老人がやって来た。千葉の柏から電車とバスを乗り継ぎ来たとのこと。「毎日1時間半ほど歩いているが、もう足が弱って大変です・・」と言う。もう80歳前後か、元気が良くたいしたものだ。しばし談笑して下りに取り付く。

 少し登って先ほどの分岐から杉林の中をぐんぐん降りる。御嶽大臣岩戸付近まで降りると、白装束のご一行様が居た。道を譲られ不規則に積まれた石段を慎重に下る。何時か転んだ所を過ぎると、清滝不動。わき水を飲んで小さな滝を眺め、少し下ると程なく御嶽山神社となる。境内のニリンソウが咲き出したばかりたが、しだれ桜?か梅か?濃いピンクの花が素晴らしい。木の枝は円弧を描き、しだれ桜のように垂れ下がって満開の花を付けている。しばし眺めて、車に戻る。


しだれ桜の様な木、でも梅か?
 星野のセツブンソウは完全に終わっていたが、梅や紅梅はまだ見られる。付近の桜は、来週には咲き出すだろう。出流(いずる)蕎麦も食べたかったが、混んでいるだろうと諦め、スーパーで買い出しして自宅に戻る。少しは春を感じた、心地よい足慣らしでした。 阿部 記

コース時刻:御嶽神社駐車場9:05−9:24車道末端9:30−10:02倶利伽羅不動尊10:09−10:26三峰山頂10:37−11:01権現山11:07−11:44奥の院12:05−12:36普寛堂12:40−13:03御嶽山神社駐車場


H21.1.25

        大平山・晃石山高台散歩(341m・419m 栃木)


あじさい坂
 ガッチリ冷え込んだ日は、空気が澄んで会社からでも富士山が良く見える。25日も良く冷え込み、車には霜がビッシリと貼り付いている。んじゃあぁぁ・・更に小高いところから富士を眺めてみっかぁぁ・・と言うことで、散歩兼メタボ対策のため大平山方面に車を走らせる。

 9時、大平山・あじさい坂登り口に車を置おく。気温は約7度で少し寒気がするが、快晴の空に誘われたのか駐車場は結構混み合っている。スニーカーを履きVTRカメラを肩に掛けて350mlのお茶を持っただけの軽装備で、大平神社に向けて歩き出す。

 久々に傾斜に取り付くが、以外と足取りは軽い。しかし、心肺機能が老化に向かっているようで程なく息が上がる。何とか休みを取らずに大きな山門のある車道に出る。更に真っ直ぐ石段を登れば大平山神社となるが、見晴らしの良い謙信平へと進路を取る。日蔭からやっと日が射す道に変わり、茶店が現れると程なく謙信平へ着く。春には桜の花見客で賑わうが、自転車のトレーニング中の若者が数人居るだけでひっそりしている。早速、展望やぐらへ駆け上がる。


富士山は何度見てもいいなぁぁぁ
 茨城から東京方面は低く薄雲が沸いているが、富士山はスッキリと見えている。果てしなく続く家並が、始まった土手の草焼きの煙で少し霞んでいる。この日は、大宮の高層ビルがやっと見えていた。しかしながら相変わらずの大絶景である。しばし、景色を満喫して大平山神社に進む。・・・やっぱり、富士は良いなぁぁ・・などと思いながら10分程進むと神社に出る。乳飲み子を抱えた若夫婦や、山歩きの格好をした中高年で賑わっている。我も、厳かに頭を垂れて大平山山頂へ向かう。

 途中に展望の利く所が一カ所あり、栃木の町並みを眺めて浅間神社のある山頂を踏む。冬枯れの木々の合間から、日光連山や赤城山が見えている。スポット的に木を伐採してくれると有り難い・・などと思いながら晃石山へ向けて下る。以外と歩きづらい下りは、程なく平坦となり車道を横切る。マイクロ波の中継所の一つはパラボラが無くなっている。間もなく廃止されるのだろう。


晃石山(てるいしやま)山頂
 マイクロ中継所下の鞍部を過ぎると、再び登りが始まる。休んでいる人、すれ違う人も多くなり、このコースの人気の高さを感じる。殆どが年上の人々のよう・・女性が目立つが、皆さん元気が良いようだ。重装備のパーティーも居て、岩舟方面まで縦走するのだろう。しばらくややきつい登りが続くが、パラグライダーの飛び出し所を過ぎると晃石山はすぐ近くとなる。

 最後の鞍部から、少し登ると立派な祠の建つ晃石山へ出る。富士方面と日光方面が良く見えるよう、灌木が一部刈り払われている。山頂には、数人の小学生も休んでいて賑わっている。山頂から日光連山は勿論、富士山や秩父山塊の奥に八ヶ岳も見えている。木々が少し邪魔になるが、浅間山も赤城山も確認出来た。もう少し枝を払うと、低山ながら大絶景が堪能できる所である。


晃石山頂より、日光・白根山(左奥)と日光連山 手前中央左は三峰山
 山頂で15分程景色を堪能して、来た道を引き返す。相変わらずの好天、少し汗ばんだ体に冷たい風が心地よい。最後に、筑波山や加波山のと関東北西部の平野を堪能して心も軽やかに下る。謙信平までの車道を歩いていると、晃石山上空にパラグライダーが二つ、気持ちよさそうに舞っていた。 心地よい足慣らしに満足して帰途に就く。約2時間半の高台散歩となった。 阿部 記


H22.3.27

       宇都宮篠井連峰・本山 (標高:561.58m、栃木県宇都宮市篠井町本山) 山行者:沖夫妻


公園展望台より榛名山
 前夜は一分咲の桜を肴に快飲して最終の新幹線で東京から戻り、二日酔い気味の状態ですっかり朝寝坊をしてしまった。家内から「こんなに朝寝坊できるとは年の割りに大したもんだ」と妙な褒め方をされる。と同時に「山に行かないの?」と誘われて、今更と思いながら遅い出発をして簡単に登れる山を目指すことにした。篠井富屋連峰という小さな山並みが宇都宮市の北外れにあり、別名を宇都宮アルプスとも呼ばれている山域の一角を登ることにした。

 登山口となるこどものもり公園駐車場に車を停めて、駐車場脇にある食堂で遅い昼食を摂って軽装で出発する。こどものもり公園管理棟を過ぎると左手に「榛名山」への道標があり、杉木立の薄暗い森に入り込む。谷間に付けられた登山道をゆっくりゆっくり登っていく。暫く歩いてないので身体が重くてしっくり来ないので、調子が出てくるまで亀足を心がける。


男山山頂にて
 標高400m付近になると涸れ沢になり、その周辺にはカタクリが沢山の葉っぱを伸ばしている。なかには今にも咲き出しそうな蕾も幾つか見られる。そんな景色に出会うと体調も一気に改善され、苦しかった呼吸も平常に戻る。調子が出てきたと感じると、すぐに男山と榛名山を結ぶ稜線に飛び出した。


日光連山方面の展望
 ここで一本立てて、榛名山は帰路に立ち寄ることにして男山を目指す。ここまで登れば小さな山並みだからルンルンで527mの男山に辿り着く。木の枝になんとかカメラを固定して、セルフモードで記念撮影をする。日光方面の山並みが辛うじて眺められる程度の視界だ。

 ルート上の最高峰の本山へは急斜面を下って、再び急斜面を登ることになる。足の遅い家内を待ちながら登っていると一向に汗をかかないで、おまけに冬のような冷気に包まれた北風を受けると一気に身体が冷えてしまう。痺れを切らして先に本山山頂(に至り、そこで展望を楽しみつつ家内の到着を待つ。

 山頂ではいつもの儀式で三等三角点(点名:本山、標高:561.58)にタッチし、山の安全、家内安全、商売繁盛、健康祈願などを唱え、北側正面に見える高原山の山並みに見入る。そして西北西には日光の山並みが右から左にかけて女峰山、小真名子山、大真名子山、男体山へと続く。霞んで薄っすらとしか見えないが、やっぱり日光の山は大きい。東北東には羽黒山が至近距離にあり、南西に古賀志山が霞んでいる。


本山山頂にて
 本山山頂でも家内の到着を待って三角点を入れてセルフモードで記念撮影をし、榛名山に向けて往路を引き返す。飯盛山を経てこどものもり公園に周遊するルートもあるが、飯盛山は急で家内の足では上り下りが大変だろうと推測して、榛名山経由のルートを採った。


榛名山山頂
 榛名山(524m)は信仰の山で祠があり、ここでも僅かな賽銭で色々と願い事を託す。そして指導標に従ってこどものもり公園に向かって急坂を慎重に下る。岩場の多い急斜面を足場を拾いながらゆっくり下り、植林された檜の森に入っていく。植林地を暫く下ると、山歩きも終わりに近く、公園内施設の一つである展望台に到着する。ここから今しがた下ってきた榛名山が良く見える。

  展望台から尾根筋に沿って下ると冒険広場の一角に出て、そこには「吊り橋」や「勇気の洞窟」という施設がある。それらで少し遊んで、管理棟の裏手から駐車場に戻る。家内からはもっと簡単な山だと思っていたのにとヒンシュクだったが、自分には丁度よい足慣らしだったと密かに喜んで帰路についた。

コースタイム:西那須野==(約50Km)==冒険活動センター(こどものもり公園)駐車場1340---1430男山1435---1500本山(561.58m)1505---1540榛名山1545---1605こどものもり公園展望台---1640こどものもり公園駐車場==(約50Km)==西那須野


H21.5.2

        月山 (1287m:日光市 旧栗山村・藤原町)

 今年は季節の進行が例年より一週間ほど早くなっていたが、まだアカヤシオを拝めるような気がして、何時も連休の初めに行っている月山を目差した。鬼怒川温泉を経由して約2時間、栗山ダムの駐車場へ急ぐ。快晴の中、新緑が心地よく目にしみる。川治ダム測道を登ると、山桜が満開になっている。この分だと、まだアカヤシオが期待できると先を急ぐ。

 10時、ほぼ満車の栗山ダム下の駐車場に着く。身支度を整えて、早速バーベキュー広場を目差しして出発する。女峰山方面は気温が高くなっているせいか少し霞んでいるが、唐松の新芽の緑とのコントラストが心地よい。車道を約15分進むと、登り口のあるバーベキュー広場だ。すぐ上のヤシオは案の定、散りかけているが、まだまだピンクが山肌に散らばっている。期待しながら広場を横切り、南側の尾根を目差して登りに取り付く。

 登山道は、にわかに踏み後が出来た様な不明瞭なものだが、要所要所に目印が付けられ迷うことはない。早速、アカヤシオの大木がピンクの花を目一杯付けて歓迎してくれる。結構傾斜はきついが、立ち止まってビデオを回すと休憩代わりになり疲労は感じない。静かで良いコースと思っていたら早立ち組が次々と降りてきて、すれ違いも大変になってきた。尾根に近づくと見頃の花が増えてジックリとアカヤシオを堪能すが、昨年より花が少ないようで少しガッカリする。


月山 山頂
 急ぐわけでもないし、のんびりと進むとやがて尾根筋に出る。咲き出したばかりか、濃いピンクのヤシオ郡に感激。すれ違うハイカーも益々多くなり撮影も大変になってきた。傾斜は緩くなり、今市ダム湖や下方の新緑を眺めながら心地よい風にあたる。振り返れば、尾根に続くヤシオのピンクと遙か彼方に聳える女峰山とのコントラストが目にしみる。良い・・最高の光景だ。

 尾根の中間部で小休止を取り、更に進むと小さな岩場が現れ岩を巻くように登ると程なく月山山頂に出る。混み合う中、少し撮影をして山頂を後にする。付近のヤシオはつぼみの物も多く、後一週間は見られる様子だ。痩せた尾根を下り気味に進むと、鬼怒川側が見通せる場所に小さな一本松が現れ、ここで小休止を取る。高原山や霞んで那須連山も見えて、一服しながら景色を堪能する。

 遅い出発でも、時間はたっぷりある。のんびり下りに取り付き、のんびりヤシオ郡を堪能する。小さな鞍部で栗山ダムとの分岐となるが、今回はバーベキュー広場への中間コースを下ることにする。先ほど通った尾根の山肌のピンクが、なかなか良く見える。少し下ったところで、腰を下ろして景色を楽しみながら昼食を取る。遠くに見えるダム下の駐車場は車が減っているようだ。昼食中に下っていくハイカーも少なくなったよう。小鳥の声を聞きながら、コンビニおにぎりをじっくり味わう。

 昼食を終えて、ゆっくり下ると針葉樹の大木が目立ち始める。この辺りから少しきつい下りに変わり、足下を確認しながら慎重にくだる。大分前に追い越された5−6人のパーティに追いつき後に続くが、ヤシオ鑑賞でなかなか進まない。しばらく、パーティの話し声を楽しみながら一緒に下る。なかなかUジ・コウジのような栃木弁が出ず、少しガッカリ。

 しばし下ると尾根筋もやや平坦になり、パーティはヤシオをバックに記念撮影をする様子。ごめんね・ごめんねぇぇぇ・・と、追い越し程なくバーベキュー広場に出る。今年は、花の時期が早かったせいで、来るタイミングが悪かったようだ。70点かなぁぁ・・、やや満足して駐車場に戻る。

 帰りは、ドライブ気分。日蔭地区で小猿とにらめっこ、大笹牧場で山羊と戯れる子供達とにらめっこ。渋滞を避けるように、日光から小さな峠を登り小来川、再び小峠を越えて鹿沼の郊外経由で遠回りして戻る。新緑のドライブも、なかなか良かった。・・でも、田植え中のみなさんを目にして、来週の我の姿を思い浮かべ少し気が焦ってくる。 阿部 記

コース時刻:栗山下駐車場10:12−10:27バーベキュー広場−10:52南尾根中間11:00−11:26山頂−11:32小一本松11:38−11:51中尾根中間部12:05−12:33バーベキュー広場12:35−12:48駐車場  

H21.2.8

          尾出山(933.04m:栃木県鹿沼市上永野)


南東尾根稜線を山頂に向けて登る
 尾出山は随想社発行の「栃木の山」に『勝道上人が修行した安蘇の鋭鋒』と紹介されており、案内文のイントロを引用すると『安蘇山塊の中にあって尾出山は高く鋭く三角錐の山を持ち上げており、登行意欲をかきたてる山である。勝道上人が修行を行なった山であり、深山の雑木林の中の静かな心地よい山歩きが楽しめる』とある。

 いつもの星野遺跡を経て蝋梅、紅梅の咲いている花園を左に眺めながら、北西に車道が途切れそうなところまで走る。そろそろ民家も途絶えそうだなと思う辺りに、計算どおり寺沢橋を左手に見出した。ガイドブックに従って寺沢橋を渡り寺沢林道に入ったまでは良かったが、この林道は先日来の強風で杉の葉が路面を敷き詰めるように落ちており、小枝も散らばって決して快適な林道とは言えない状況だ。計3箇所ほど駐車スペースがあると事前調査で分かっていたが、林道入口から800mほど進んだ最初の駐車スペースに車を停めて山の仕度をする。


最初の岩場
 少し進むと目印にと書かれた送電線が頭上を横切っている。この辺まで来ると逆に林道の状況が安定していて、家内からは根性がないと嫌味を言われる。2番目の駐車スペースに2台、一番奥の駐車スペースに2台の車があったが、登山者の車ではないようだ。一番奥の駐車スペースからもまだ林道が続くが、路面は荒れておりこの先の通行は困難だ。

 林道の尽きるところが二俣分岐であり、地図やガイドブックでは左側の沢に入るようになっているが、右というより真っ直ぐ右側の沢沿いにも「尾出山周回コース」と書かれた表示と赤テープがあり、無意識に地形図を確認しないで真っ直ぐ右の沢に入る。


尾出山山頂にて
 この沢沿いルートの踏み跡は細いが、尾出山は急で林道歩きも長くて人気のない山だからだと思って、そのまま沢に沿って踏み跡を拾いながら登る。そして沢から左に派生した尾根をトラバース気味に稜線を目指す。崩れそうな細いトラバース道に緊張しながらゆっくり登っていくと、やっと稜線に出た。稜線に出て山頂方面を正面に見て左側が明るい雑木林、右側が今しがた登ってきた杉・檜の鬱蒼とした植林だ。稜線沿いに下る踏み跡や「周回コース」の表示、赤テープなどもあり、ここが嶽ノ越から登ってくる稜線上の一角だと信じて疑わなかった。


山頂三角点にて
 山頂に向かって少し登ると岩場の道になる。おかしいなと思いながらもその岩を越えていくと、今度はもっと大きい大岩が出てきた。直登するルートもあるが右に巻くルートもある。安全のため右を巻いたが滑りやすくて、一般道らしくなく下りが大変そうだと案じながら登る。さらにその先には細いロープがあり、岩の下を左にトラバースするように取り付けられてある。

 これを登りきり急斜面を更に登ると左からの道と合流し、その直ぐ先に尾出山の山頂があった。山頂直下の風を避けた一角に4人組が賑やかな昼食を楽しんでいる。私たちは山頂で写真を撮り、「勝道上人修行第二宿堂跡」と書かれた石碑、その隣の山の神の石碑、さらにその先にある二等三角点(点名:上永野、標高:933.04m)にタッチして、北側の展望を樹林越しに眺める。

 日光の山並みが途切れがちに見えるが、期待したほどでもなく早々に昼食の仕度をする。4人組の隣の落ち葉の敷き詰めた平坦な場所に座って色々と話を聞くと、彼らは尾出山神社から高原山を経て登ってきたが、藪漕ぎで大変だったと聞かされた。高原山から山頂まではルンルンで来たとのことだったので、自分たちもあのトラバースは嫌だから高原山経由で下ろうということになった。

 来た道を戻って大岩も無事通過して稜線分岐地点に到着。予定より早く着いたので真っ直ぐ下って嶽ノ越を目指す。しかしこの時点でもまだ違うルートを歩いていることを知らない。ガイドブックも『急降下で尾出峠』(嶽ノ越のこと)と書かれているが、嶽ノ越に向かって下るには急すぎて、しかも踏み跡も消えていて見つからない。周辺を見渡しても登山道らしき痕跡もないため、安全のため往路を引き返すことにする。この間の時間ロスは40分。


山頂の様子
 分岐に戻り往路を引き返すべくトラバース道を緊張しながら慎重に歩く。登りより楽に下ることが出来てホッとする。沢まで降りてきてこれで一安心だと胸をなでおろして、そのままゆっくり下る。二俣分岐に出るとあとは長い林道歩きだけ。淡々と下って駐車スペースに戻る。途中の駐車スペースには一台も車は残ってなかった。無事駐車スペースに到着し、山の仕度を解いて帰路は粟野経由で鹿沼に出て、そこから高速を利用して西那須野に戻った。

 後日、インターネットでよくよく調べてみると、今回の自分たちの歩いた道は新しく作られた山頂から南東に延びた派生尾根に付けられたコースとのこと。だから踏み跡も弱々しかったし、トラバース道などはほんの少し斜面を削っているだけで、ちょっと油断すると崩してしまいそうなか細い道だった。また稜線分岐からそのまま無理して急斜面を下っていたら、二俣分岐の急斜面の沢に直接下りることになり、擦り傷程度で済まされなかったかもしれない。もっと慎重に地図を見て歩かねばと反省。 沖 記

コースタイム:西那須野8:00==(約90Km)==10:10駐車スペース10:15---11:00二俣分岐11:05---11:40南東尾根稜線---12:20尾出山(標高:933.0m:昼食)12:55---13:20南東尾根稜線14:00---15:10駐車スペース15:20==(約90Km)==17:00西那須野

H21.1.11

         千部ヶ岳(572m:栃木県栃木市出流町)


ふれあいの道登山口
 世の中、急に不景気になってきた。その打開策として神頼みに願かけて、名前の良い「出流山・満願寺」に満願成就のお願いをし、今年最初の山歩きをして、ついでに有名な出流蕎麦を食べようと欲張った計画をする。

 朝、通勤割引の時間帯を走行して栃木ICで下車。そこから星野遺跡の方に進路を取り、途中で三峰山方向と別れて満願寺に向かう。この辺りは石灰岩の砕石場で、心なしか気管支の病気になりそうな埃っぽさを感じる。砕石場を過ぎて少しで出流そばの店が多く見られ、その奥に目指す満願寺がある。


ルート案内図
 山門を過ぎた駐車場に車を停めて山の仕度に取り掛かる。久しぶりの山でどうも調子が出ず、何から始めてよいのか手順がおぼつかなく、準備にも手間がかかる。家内に至ってはいつになっても山の支度が整わないで、持参するおやつばかりが気になるようだ。

 正月もまだ松の内だというのにひっそり静まり返った境内を、ゆっくり登って本殿前に到着。線香の煙を賢くなるよう頭に燻してから、賽銭を投じて旅の安全、健康祈願、商売繁盛、長女の安産などを祈願。本堂右手から奥の院に向かうため、奥の院改築資金助成を目的とした入山料300円/人を支払い、御沢の渓流に沿って登る。途中に女人堂を見て、標識代わりの御詠歌を読みながら奥の院に近づいていく。

 沢の水は「大悲の滝」から供給されているようだが、滝の上流部の水の流入口は分からない。この滝に打たれる修験者を時々見かけるとガイドブックにあったが、私たちが奥の院に登っている間に女性信者が一人白装束で滝に打たれて般若心経を唱えていた。


奥の院
 奥の院は崖の中腹にあり、高い足場を組んだ上に設置されていた。階段を登り祭壇から下を見ると高度感があり、正面に檜の斜面が黒く迫って見える。奥の院の御神体は奥の洞窟にある鍾乳石で、その形が仏の後姿に似ているからとのことだ。詳細は満願寺のHP(http://www.idurusan.com/)を参照されたい。

 さていよいよハイキング道に入るが、左手上部に洞窟を見ながら緩やかな枯れ沢を登る。今年最初のハイキングであり、11月上旬以降ご無沙汰していたためゆっくり登ることにする。静かな山道を登っていると不意に舗装路に飛び出した。ガッカリしながら前方を確認すると、直ぐ先に案内板が目に付く。その背後に千部ヶ岳の登山道が細く階段状に導かれている。


千部ヶ岳にて
 檜の植林された登山道はあまり歩かれてないようで、トラバース道は雑草が繁茂しだしで踏み跡も明確でなく、植林された若木が成長して枝を伸ばし行く手を塞ぎ、益々登山道が分かり辛くなりそうだ。シャガが多い檜の植林地を横切り雑木との境界を歩き、杉林を登って稜線に達すると、あとはなだらかな稜線漫歩となる。ただ樹林帯を歩くため視界がなくて興ざめだ。


大悲の滝にて
 だらだら歩くうちに何となくここが一番高いかなと思われるところに、千部ヶ岳の小さなプレートが枝に掛けられてあった。三角点もなく、視界もない単なる最高地点だが、到着記念に写真撮影を行う。カメラはケータイを利用して間に合わせた。山頂周辺を見回しても伐採後に育った細い雑木が繁茂しているだけで、何も特徴あるものはなく「ふーん」と頷いてそのまま緩やかな尾根を下っていく。

 暫く下ったところで南側に伐採された場所を見つけて、日向ぼっこをしながら暖かいコーヒーを飲みビスケットを食べる。冷たい風を避けた暖かい斜面に腰を下ろして休憩すると、陽だまりハイキングとはこれだという見本のようなシチュエーションが構築できる。

 下山後に蕎麦を予定しているため、軽く休憩してちょっとだけエネルギーを補給すると気持ちに張り合いが出てきて足取りも確実になっていく。数分下ったところで「護摩壇跡」と書かれた展望台に到着。しかし名前とは裏腹にここも樹木に覆われて展望は無い。僅かに分岐付近に日光の山々を見渡せるところがあり、そこで男体山から女峰山に至る白い山並みを眺める。やっぱり日光の山々は大きくて立派だ。


ロウバイ

日光の山並み
 至近距離の三峰山は樹林に隠されて見えない。仕方が無いので長居もせず、早々に下山開始する。下りは早く「ムラサキシキブ」の残り実を眺めながら山を降りる。途中、朽ち果てた「山ノ神」の祠に立ち寄り、整備されたハイキング道を下る。下山口は「出流ふれあいの森」の直ぐ近くだった。そのまま車道を経て満願寺の駐車場に向かった。

 帰路、名物の出流そばを食して、蝋梅が見頃を迎えた星野遺跡近くのセツブンソウが咲く(2月中旬以降)花園で春を先取りし、蝋梅の花と香りを楽しんできた。  沖 記

コースタイム:西那須野8:10==(約90Km)==9:40出流山満願寺駐車場9:50 ---9:55満願寺本殿10:00---10:08奥の院(大悲の滝)10:22---10:30登山口(案内図)10:32---11:10千部ヶ岳(572m)11:15---11:20伐採地(軽食)11:35---11:40展望台(護摩壇跡)11:45---12:12出流ふれあいの森登山口---12:35駐車場12:45==(出流蕎麦、蝋梅見物)==西那須野

H20.5.4

    月山 1287m、日光市(旧栗山村・今市市・藤原町)


月山遠望 全山アカヤシオが群れる
 4日、前日の霧雨も上がり好天の兆しに、うっぷんを晴らすように急いで自宅を出る。今回も間違いなくアカヤシオが満開だろうと期待して、心も軽やかに例幣使街道を北上する。日光白根山や男体山・女峰山が残雪を抱き輝いているのを見ながら、快適に進む。やがて杉並木に入り見通しは利かなくなるが、杉並木が途切れる二つ目の板橋交差点から、大沢を経由して鬼怒川温泉へと進む。更に川治温泉手前から奥鬼怒方面へ進み、日蔭集落より栗山ダムを目指す。

 急勾配の舗装された車道を10分程登ると、日暮牧場が現れて見通しが良くなる。山肌には点々とピンク色が見えだし期待は益々高鳴る。程なく夫婦トンネルをくぐる。全く照明はなく、真っ暗闇を数分進むと栗山ダム堰堤下の駐車場に出る。すごく広い駐車場だが、約半分ほど車で埋まっていた。今日は最高の人出かもしれない。山道が混雑するのを覚悟で、身支度を整え9時20分頃出発する。

 しばらくは車止めの付いた、新緑に飾られた車道を進む。今朝方クッキリ見えていた女峰山は、分厚い雲に隠れている。上空の雲も少し多くなっている気もする。約20分でビーフピア広場(焼き肉の出来る広場)に着く。目の前の山肌が、一面にピンク色が散らばっていて見事な景観を作っている。今回はこの広場を横切り、鎖場のあるコースへ進む。


下は栗山ダム
 大きな堰を渡ると、すぐに登り口に着く。早速の急登となり、団体さんの後をのんびり高度を稼ぐ。下の方はアカヤシオも咲き終わりを迎えたようで、大きなヤシオの花びらが道を飾っている。しかしながら、見上げ根と一面のピンク、感動せずにはいられない。すごい、今年ももの凄く綺麗だ。首から吊したビデオは、殆ど回しっぱなし。降りる人、登る人が次々と押し寄せる中、邪魔にならないよう気を使いながら登る。

 やがて、小さな鎖場(約3mしかない)となり慎重に登る。程なく最初のピークに到達、ヤシオの色も濃くなり平坦部を見つけて小休止を取る。遙か下には、栗山ダムと連携を取っている今市ダムが望める。更に鬼怒川温泉方面から宇都宮や日光方面の大展望が開けている。ここからは痩せ尾根が月山山頂までつづき、今が見頃のヤシオのトンネルがつづく。生い茂る密度が濃くなり、首を上下・左右に回しっぱなし。昨年、登りに使った中央のコースより見応えがあるようだ。


月山山頂
 しばらく進むと、大きな岩場に出る。狭い岩の上は見通しがよいらしく、写真撮りの人で埋まっている。しばし、順番待ちをして絶景を楽しむ。それにしても、降りてくる人で尾根は大混雑。交通整理の人が欲しいくらいだ。更に進むと又岩場が現れる。岩場を巻き込むように慎重に登ると、程なく山頂へと出る。雲を被っていた女峰山もクッキリ姿を現し、帝釈山方面もクッキリ望める。ピンク、緑、青に残雪の純白・・言いようのないコントラストが最高だ。混雑する山頂は、写真を撮ってすぐに後にする。

 山頂を越えても勿論、アカヤシオの大木がつづく。高原山はまだ雲が懸かっているが、その左奥は那須方面の山だろうか、結構見通しは良い。少し下ると、中央コースとの分岐が現れる。今年は間違わないように数人の後を追うが、素晴らしいヤシオの大木を見つけて花見をしながら大休止を取る。まだ早いが、おにぎりを一個ほうばりのんびりヤシオを堪能する。


女峰山遠望
 こちらの栗山ダムに降りるコースは、少し人影も薄れているようだ。前日の雨のせいで、道は滑りやすい。昨年歩いた(藪こぎ)右奥の尾根を懐かしく眺めながら慎重に下る。やがてヤシオのトンネルを抜け、芽吹いたばかりの唐松林が現れ栗山ダムに着く。ダムの左岸の車道を進むと、駐車場につづく車道へと合流する。まだ12時にはなっていない。途中の広場で、汗ばんだ背中を乾かしながら昼食を取る。・・人の話声を聞くと、数年前はもう少し花が多かったらしい。・・いやそんなことはない、少し散り加減の花が多かっただけ、素晴らしいアカヤシオの楽園はまだまだ続くだろう。我としては、大満足して、帰路に就いた。 阿部 記

コース時刻:ダム下駐車場9:17−9:33ビーフピア広場9:40−9:43鎖場登山口−10:15尾根第一ピーク10:25−10:58月山山頂−11:16分岐下11:25−11:50栗山ダム−(駐車場少し手前で15分程休憩)12:15ダム駐車場 自宅−栗山ダム:車で約2時間 

H20.4.5

      太平山、晃石山419.1m栃木県下都賀郡太平町大字西山田 )


謙信平の桜
 栃木県南地方は桜満開の便り、桜の山で有名な太平山に家内と登ることにし通勤割引を利用して高速道路で栃木ICまで。そこからいつもと逆方向に一般道を走り太平山を目指す。遠くからでも遊覧道路と名付けられた太平神社へ向かう車道は、両側に植えられた桜が満開状態でピンク色の蛇行となって山に向かって延びているのが分かる。桜の時期だけは一方通行になるようで、ゴルフ場脇を通り、山に向かって桜のトンネルをどこまでも走るのは心地が良い。日頃のストレスが発散でき、目の保養にもなってこれだけでも来た甲斐がある。太平神社の真下にある無料駐車場は満車だったため、さらに桜の街道を進んで少し下りだしたところにある謙信平で運よく空スペースを見つけて、そこに駐車代300円を支払って場所を確保する。


大平神社脇の登山口
 謙信平も桜が満開で車から飛び降りて真っ先に展望台に登って、佐野地方のイチゴハウスを桜の枝越しに眺める。今回は桜見物と言うことで山登りの準備はしてきたが、杖は持たず靴や衣類も運転時のまま、食料も花見用のビールとつまみだけ持参して車を離れる。目の前に広がる桜の洪水に翻弄されて、山の準備を疎かにして出発し、結果的に大きなダメージを後で受けることになったが、そのときは知る由もない。謙信平には山本有三の「路傍の石」の石碑がある。その脇を通り太平神社へと向かう。桜の並木が何処までも続き、時折終わりかけの椿が路上を赤黒く染めている。程なく太平神社に到着、境内の中ほどにはアジサイ坂で登って来る正規ルートが山門を経て境内に至る。


晃石山 山頂にて
 なかなか由緒のある神社で縁起等は太平山神社のホームページに譲るとして、境内の右端から奥宮、太平山(浅間神社)に至る登山道に分け入る。少し登ると奥宮が登山ルートから少しそれたところにあり、そこでもいつものお祈りをする。登山道に戻りさらに少し登ると浅間神社があり、その奥に小高い台地がある。ここが太平山の山頂だが三角点はない。


咲き出したやまつつじ
 山頂ベンチで休憩して水分を補給し、晃石山に向かう。最初は急坂を下るがそれも僅かで、アンテナ塔への車道と並行した歩きやすいハイキング道をのんびり進む。車道を横切って暫くすると、ぐみの木峠の鞍部に至る。ここから大中寺へ下るルートがあり、帰路はこれを下ることにして休まず晃石山に向かう。先はまだ長いと今頃になってふんどしを締め直しても時既に遅しで、だらけた体に急坂は応える。時々季節はずれに咲き出したやまつつじが目の保養になる。足元にカタクリ、スミレなどがちらほら見える。パラグライダーの離陸場所の木陰から眼下に広がるハウスや山麓の桜などで気合を入れなおし、真近になった晃石山山頂に向かう。


男体山遠望
 最後の急坂を登りきってやや左に進むと待望の晃石山山頂に到着。山頂には祠と一回り大きな一等三角点(点名:晃石山、標高:419.06m)が鎮座している。ベンチも置かれている。北側に開けたところから日光方面の巨峰群が見渡せる。この日は霞んでクッキリとは見えなかったが、石灰岩採掘で痛々しい三峰山の右後方に男体山が均整の取れた姿で聳えている。その右手に大真名子山、女峰山を同定。三峰山の左手には日光白根山がかすかに白く望める。

 これ以上の山座同定は無理であり、展望の山はこれくらいにしておつまみ用のお菓子を少し食べる。折角の山頂であったが、車に必要な食料などを置いたままでは致し方がない。桜峠へ下るルートを確認して晃石神社に下る。思いのほか山頂に近いところに晃石神社があり、ここでもいつものお祈りをする。桜峠の様子を登山者に聞くと山桜はまだとのこと、神社から数分先にコブシが綺麗だと教わり、それだけ見て再び神社に戻り太平神社へと迂回ルートで戻る。晃石山山頂直下で分かれたところから往路を戻り、ぐみの木峠へ。

 ぐみの木峠から大中寺へ向けて降りていくと、どこまでも果てしなく急坂を下っていく。登り返しが心配だが今更引き返せないので、とにかく先を急いで大中寺へ向かう。傾斜がほとんど無くなった辺りで小さな沢を越える。そうして暫くすると桜で少し明るい景色が視界に飛び込んできて、やっとのことで大中寺に到着。


大山寺付近の春
 このお寺も由緒があり縁起を読むと1154年に開創されたそうで、上杉、北条がこの寺で和を結んだことで有名だとのこと。境内にある七不思議の伝説など、とにかく立派なお寺で参道に至るまで風格があり一見の価値がある。

 しかしゆっくりとはしていられない。食べ物屋もなく、空腹は増すばかり、車道を避けてあぜ道を歩くようにして、道端のホトケノザ、カラスノエンドウ、イヌフグリなどで目を楽しませるが、空腹には勝てない。衣食足りて礼節を知るの例え通りで、腹が減っては戦も出来ぬ。

 謙信平への登りを前にして最後の食料に手をつけ、ゆっくり休憩して若葉の下で体を休める。これが奏功して何とかハイキング道を登りきり、桜並木を愛でながら駐車場へ向かう。想定外の歩行で足指が痛くなったが、赤く染まった程度で済んでやれやれである。


大山寺・いわしだれ桜
 帰路は一方通行をそのまま下り、桜のトンネルを国学院栃木のキャンバス付近まで潜り抜けてアジサイ坂下の駐車場に退避。そこから少し歩いて満開になった太山寺のイワシダレ桜を見物して西那須野に戻った。 沖 記

 コースタイム:西那須野7:30==(約90Km:矢板・栃木間高速利用)==9:00太平山・謙信平駐車場9:20 ---9:35太平神社9:40---9:55浅間神社(太平山:341m)10:00---10:50晃石山(てるいしさん、419.06m)11:15---11:20晃石神社11:35---12:20大中寺12:30---13:50謙信平駐車場14:05===14:10太平山国学院前駐車場(太山寺枝垂桜見物)14:30==(約90Km:高速利用@1400円)==16:00西那須野

H20.4.12

        若見山 (1126m 栃木県那須塩原市大字上塩原)

 朝、近所の医者に立ち寄って診察と薬を処方してもらってから出発したため、随分遅い出発となった。そのため山は近場で比較的簡単に登れて花も楽しめそうな若見山と目標を定めて、軽食を持参して塩原温泉へと向かう。目的の山は塩原温泉を過ぎ尾頭トンネルに向かう手前の防雪トンネルを過ぎたところにある。


若見山 登山口

 遅い出発でもアプローチが短いと随分早く登山口に到着できる。トンネルを抜けたところの駐車スペースにはすでに2台の車が駐車してあり、自分も遅まきながら足元だけ固めて早々に出発の準備をする。

 若見山を初めて知ったのは随想社発行の「栃木の山100」という古いガイドブックで、そこにはイワウチワの褥が素晴らしいと書かれていたように記憶するが、10年ほど前の5月連休の取っ掛かりに足慣らしとして歩いて、イワウチワの多さに感動したことが忘れられないでいる。今回もイワウチワを見たくて少し早いかなと懸念しつつ、暖冬で桜も早く咲きだしたし、この花も例外ではないだろうと期待しつつ登山開始。

 若見山登山口は比較的最近まで入口を示す標識が設置されていたが、今は撤去されたのか見当たらなかった。登山道は鉄塔巡視路を利用して標高を稼いでいくため、初めて登ったときは登山口を示す標識が無くて不安を抱きながら登りについたが、今回は既知の山であり標識は無くても何の不安もなく登り出すことができた。登山開始早々に単独の若者が駆け足で下ってきた。トレーニングウェアを上下に纏っていたため声をかけることも遠慮したが、山岳マラソンの練習でもしている風だった。

 檜の人工林が登り口からずっと続いていたが、それも途切れて林床に日が射すようになってくると、ほどなく落ち葉を掻き分けて名も知らぬ若芽が顔を覗かせるようになる。そんな幼い葉っぱに励まされていると突然イワウチワの小さな葉っぱの群落が出てきた。そろそろと期待していた矢先であったが、肝心の花芽がない。まだ早かったかと失望しつつ登る速度を緩めず、とにかく鉄塔付近までと気を取り直す。


イワウチワの群落

 ほどなく日当たりの良い斜面に期待したイワウチワが咲いていた。しかも沢山咲いている。よく観察してみると群落には沢山蕾がついていて、つい今しがた咲き出したばかりの状態だ。しかも花の色が濃いピンク色の花株が多くて、ことさらに写欲をそそられる。

 花の写真を撮りだしたらもう歩くペースなどあったものではない。だから団体登山は苦手なのだが、自由に花を愛でるだけのゆとりが無いような山登りではつまらない。ルンルン気分でカメラを構える。ここまではプロのカメラマンと同じだが、アマチュアは出来上がった結果は不問にして、とにかくデジカメに心置きなく記録していく。

 いつも感じることだが葉っぱの色が緑色と茶色系とがあり、花の色も葉っぱに合わせて緑色には白っぽいピンクの花が咲き、茶色っぽい葉にはピンクの色が濃い花が咲く。そして鉄塔までの斜面には茶色っぽい葉の花株が大きく勢力を拡大している。自分の好みとしてピンク系の花が艶やかで見栄えが良く、そのため被写体の多くは今回も赤系統に偏っている。

 望みの花をカメラに収めて心地よく鉄塔を目指して登っていると、二組目の登山者である熟女二人組みが降りてきた。聞き覚えのある声だと思いながらすれ違うと、なんと当地での山仲間であった。久しぶりに相互の親交を暖め、情報交換をし、岩手の山での再会を誓って別れた。

 彼女達から聞いた通り鉄塔から先にはイワウチワの群落は、樹林帯一面に葉っぱは広がっていたが花はまだ咲いていなかった。これは若干だが標高が高くなっていることや、日陰になっていることなどで花の見頃は例年通り5月連休過ぎになるのだろうと思われる。

 鉄塔を過ぎると傾斜も緩やかになり、イワウチワの褥をのんびりと山頂を目指して登っていく。ところが驚くほどに西斜面の崩落が進んでいて登山道を寸断するような状況にまで崩れている。そんなところは危険を示す黄色のテープで通行を制限しているが、随所に崩落が見られて山の保護も難しそうだ。

 若見山に咲く花でもう一つカタクリが楽しみであるが、巡視路との分岐付近に群生するカタクリはまだ葉っぱが少し出た状態で、やっと雪解けが終わってこれから成長という状況だった。


若見山 山頂にて

 分岐から山頂まではいつの間にか多くの登山者に踏まれて登山道らしい踏み跡が出来上がり、赤テープなどで導かれて迷うことなく山頂に辿り着ける。急斜面と崩落に注意し呼吸を整えながら登ると、小さな標識が掲げられた樹林の中の若見山山頂に到着だ。山頂周辺には所々に残雪が小さな島になっているが、休憩するような広場も無く樹林に閉ざされて視界も芳しくない。

 この時期だけは北側に樹林越しではあるが、日留賀岳の白く大きな山容が間近に眺められる。ただ若見山山頂には三角点も無く長居するような場所もないことから、セルフで記念写真を撮って早々に下山する。復路は次の鉄塔巡視路との交点に降りる南東ルートもあるが、安全のために往路をそのまま北西ルートで引き返すことにした。

 鉄塔からの展望は樹木も生長して以前ほどでもなく、高原山も樹林越しに望むようになっていて時間軸の変化を感じる。今回は期待のイワウチワにも出会えて、短時間ではあったが満足の山となった。 沖 記

コースタイム:西那須野町10:40==(約25Km)==11:15若見山登山口駐車スペース11:20---12:10鉄塔12:12---12:50若見山(1126m)13:00---13:20鉄塔---13:50若見山登山口駐車スペース14:00===14:35西那須野


H20.3.29

     横根山(象の鼻展望台)  1368m、栃木・鹿沼市粟野町


登山口、発破に注意看板も立つ
 毎年この時期は、古峰ヶ原・三枚石に登っていたが予定を変更して、展望の良さそうな横根山の象の鼻方面に行ってみることにする。桜の開花宣言は有ったが、沿道はまだ梅の花が花盛り。粟野の町並みに入り、すぐに「やしおの湯」方面に進路を変える。粟野川沿いに緩く高度が上がっていく。さすがに山間部、水仙等まだ花は開いていない。「やしおの湯」を過ぎて約5分で日瓢鉱山事務所のある十字路に着く。そこから更に約2分進んで登山口に着く。

 車の待避所らしき所に車を止めて、身支度を整えて9:50出発する。しばらくは、大きな岩石の連なる沢沿いに進む。水音はするが時折沢水が現れるだけで、ゴロゴロ連なる岩だらけの道だ。石の頭を選び、枯れ葉に隠れる穴に注意しながら慎重に登る。約20分ほどでこの岩道から分かれて、唐松林のつづく急傾斜にはいる。


陽の通りの良い唐松林、フカフカの道がつづく
 ジクザグの急傾斜は唐松の落ち葉が積もり、霜柱の融けた柔らかな土がまるでスポンジのようにフカフカして歩きやすい。全く踏み後もなく、フカフカはしばらくつづき快適に高度を稼ぐ。冬枯れの唐松に雑木が混じり出すと傾斜はやや緩くなり、再び大きな岩の道に変わる。尾根の左側をトラバース気味に道は続き、やがて井戸湿原からの沢がすぐ近くに現れる。ここで、小鳥の声を聞きながら大休止をとる。

 道はやや右手に折れて、大木の林立する林へとつづく。傾斜も更に緩くなり、少しの上り下りをすると五段の滝が現れる。残雪が少々残っているが、スパッツは必要ない。程なく湿原の周遊コース分岐となるが、右手にコースを取り横根山方面に向かう。滑り止めの付いた木道を進むと、やがて鹿進入防止策が現れる。簡単に作られたドアを開けて、内側からロープで縛る仕組み。木々の名前を記した小札を見ながら平坦になった道を進むと、程なく湿原方面と横根山分岐が現れる。


五段の滝上部付近の周遊コース
 小休止後、湿原周遊コースへ更に進む。数分進んで道標のない分岐から右手の斜面に入る。背の高い雑木林は陽の通りも良く快適だが、時折残雪が歩調を乱す。前の分岐から約10分ほどで横根山と象の鼻と車道方面の十字分岐が現れる。すかさず、展望の良さそうな象の鼻に進路を取る。最後の登り傾斜となり、残雪に1名分の踏み後を発見。新しいものだが、既に往復した後のようだ。少し息が上がり出す頃、傾斜も緩み牧場側が開け出すと象の鼻展望台が現れる。


前日光牧場と日光連山、象の鼻より
 立派な東屋が建ち、広場は砂利の道に繋がっている。夏場は車でこれるかもしれない(多分下のロッジで進入禁止だろう)。それにしても、思っていたより展望がよい。高原山から日光連山に袈裟丸連山や赤城山、更に前橋方面の町並みも見える。約240度の大展望だ。富士は確認できなかったが、展望図には見えることになっている。昼食を取りながら、この大展望を満喫する。

 陽射しが雲に隠れると、そよ風が冷たくあたる。かじかんだ両手をズボンのポケットに入れて、下山開始とする。再び射し出した陽が、冬枯れの林を通り抜けて気持ちを暖かくする。湿原の東側を回り横断する木道の向こうに黄色く染まった木を発見。湿原の周遊をやめて、そこを横断するとマンサクの花が見頃となっていた。唯一、春を感じる絵となった。


井戸湿原の一部
 ほどなく登ってきたコースに戻って、登りで見た同じ風景を記憶しながらのんびり下る。結局、誰とも会わず静かな山を満喫して自己満足。良い足慣らしとなった。 阿部 記

コース時刻:登山口9:50−10:10岩沢の分かれ10:16−11:12井戸湿原11:20−11:45象の鼻12:10−12:39井戸湿原12:50−13:17岩沢の分かれ13:23−13:40登山口 (自宅−日瓢鉱山事務所付近登山口:車で1時間15分)  

H20.3.9

    栃木・岳ノ山(704m)−大鳥屋山(693.06m:栃木県佐野市大字白岩)


セツブンソウ
 今朝の栃木地方は穏やかに晴れて那須の山々も綺麗に裾野を広げて青空に聳えていた。一人で山に行くのなら昨日のリベンジに那須の山は最高の天気だったが、今日は家内と県南の山を目指すことにする。行きがけの駄賃に星野に立ち寄って、逆光にならない午前中にセツブンソウを写そうと登山前に目の保養を行なった。

 今年は少し開花ガ遅れているのか、今が丁度見頃で一面にセツブンソウが咲いていた。下手な鉄砲も数打ちゃー何とかでメモリーのたっぷり入ったデジカメで心置きなく写しまくる。柵を乗り越えなくても近場に見頃の花が沢山あり、嬉しい悲鳴に同じような構図で何度もシャッターを押す。カメラにはセツブンソウだけだが、林床にはセツブンソウ以外に福寿草も沢山咲いている。花は足元だけでなく見上げると紅梅が満開、さすがに蝋梅はもう結構だが、改良されたと思われるマンサクが枝一面に黄色い花を付けている。

 私たちが花見物を楽しんでいるときに、阿部さんはその横を素通りして少し先の三峰山登山口に向かっていた。報告を読んでニアミスしたことが判明、もしここで出会っていたらきっとこの報告は阿部さんが書いてくれただろうに。


岳ノ山そろばん神社
 さて花見物で気合を入れすぎたため肝心の登山口に着くと、何となく力が入らず支度もままならない。腑抜け状態のまま山の支度をして改めて駐車場を確認すると、広さは車8台置ける大きさで、残一台のスペースが空いていた。トイレも水洗ではないが比較的綺麗に保たれている。


岳の山山頂
 駐車場を出ると直ぐにY字路になり、右に五丈の滝方向に進む。舗装はここまでで、杉・檜の植林された谷間の林道を進む。急斜面に植林された杉や檜だが良く手入れされて枝打ちもしっかり行なわれていて感心する。ほどなく林道終点になり、ここには五丈の滝を案内する看板が設置されている。これによると「高さが五丈(約15m)あることからこの名がついたと言われているが、実際には約40mを超える大きな滝である・・・」とある。

 この先から林道は登山道となり、間伐され放置された杉檜を避けながらゆっくり高度を上げていくが、何だか今日は体調が良くないのか先ほどの写真撮影で力が抜けたか、とにかく体がだるい。血糖値が下がっているようなので、チョコレートを口に含んで気分転換を図る。暫く我慢しながら登っていくと「滝見の松」に到着。松は朽ち果てて見る陰も無いが、危なっかしい所から下を覗き込んでみても滝は見えず、諦めて登りに徹する。滝の上部の小沢を渡るところで休憩して、これからの登りに向けてエネルギーと水分を補給する。


岳ノ山山頂直下の岩場
 気合を入れ直して暫く登ると炭焼き跡の小さな窯があった。入り口が随分小さいことから簡単な炭焼きをしていたのかもしれない。この炭焼き跡から上部は一気に急な登りになって、思い切り汗を搾られる。ジグザグに付けられた植林の森をゆっくりゆっくり登っていく。家内も左程遅れずに付いて来る。血糖値も少しずつ改善されてきたようで、登りながら体は徐々に軽くなっていく。嬉しい。これで視界が良ければ申し分ないのだが、世の中そんなに旨くは運んでくれない。ジグザグ道が終わり斜面を右にトラバースすると、山頂直下の尾根に出てそれを回り込んで緩やかになった傾斜を登っていくと御嶽神社と書かれた祠があり、何故か大きなソロバンが飾られている。山にソロバンとは珍しいから、何か曰くはあるのだろう。

 そこから一投足で岳ノ山山頂だ。家内が登ってくるのを待つ間に、ザックからストーブ、コッフェルを取り出してお湯を沸かす準備を始める。山頂でカップ麺とおにぎりの昼食をしていると、遠くから正午を示すメロディーらしき音楽が風に乗って聞こえてくる。やっとたどり着いた山頂だが、余りゆっくりしていられない。早めに食事を切り上げて記念写真を撮り、北に少し空けた場所から霞んで薄っすらとしか見えない男体山をカメラに収める。手前に見えるのっぺりした山は横根山のようだ。さらに手前に低いが急峻な山が見えるが、あれは未知の尾出山か。


大鳥屋山山頂にて
 これから進む周回の登山道が南に下っている。赤テープが要所に貼り付けられていてルートを迷うようなことは無い。暫く下ると傾斜が益々きつくなり、予期しない岩場にロープが下がっている。右に雑木林、左に急な植林の谷が落ち込んでいる。慎重に下って一息つく間も無く正面に岩場、その右手に岩場を巻くように谷に向けて下る踏み跡がある。とても岩場を正面突破するとは思えず谷に下りる踏み跡を辿るが、これもルートではなく余りに危険。進路を阻まれて引き返そうかと思案しながら、中央突破を試みてみると最初の取り付きだけ立派で、少し体を持ち上げるとすんなり岩場を越せた。良く見ると少し先に赤テープもある。これで引き返すことなく前進するが、またもや下りロープの岩場。これも慎重にクリアするとあとはもう危険な場所は無く、徐々に緊張感を解しながら一等三角点の大鳥屋山に向けて進む。


男体山遠望
 大鳥屋山の手前に624mのピークがあり、これを山頂だと勘違いして家内はガックリ来ていたが、ここは地図で承知のピークであり、植林の中の赤テープに導かれて左折し東に進路を変える。その先の鞍部は左に下山路を見て、この分岐場所を見失わないよう脳裏にインプットして大鳥屋山の登りに取り付く。

 日影の斜面は標高が増すほどに登山道も凍結して滑りやすくなっている。足元を注意しながらゆっくり登っていくと、やがて傾斜がほぼ水平になり檜の一列に並ぶ植林地を真っ直ぐ50mも進むと、その手前に石祠や石碑があり、奥に一等三角点(点名:黒岩、標高:693.06m)が設置された大鳥屋山山頂だった。視界もない薄暗い山頂で二人揃って記念撮影をして、一直線の植林を抜けたところの明るい岩場に戻る。生憎今日は霞で視界が効かず展望はない。

 凍った登山道を慎重に下り、先の分岐を右に下山ルートに入る。岳ノ山の急斜面に比べ、このルートは傾斜も緩やかで歩きやすい。良く整備された人工林を快調に標高を落としていく。程なく林道出合に降り立ち、そこからさらに傾斜の緩やかな林道を整理体操をするような足取りで下っていく。単調な下りで少し飽きてくる頃、待望の駐車場が見えてくる。途中で出会った人が言うには、「この山は苦労の割りに報われない山ですね」とのこと。全くその通りできついアップダウンがあって緊張を強いられるけれど、一等三角点の山にしては展望も植林で遮られて楽しみが少なく、県南の山の割りに登りデがあった。


フユシラズ
 帰路、林道から県道に入りR293に向かう途中の石灰岩の山が、山頂部まで削られたその山容が写真で見るマッタールンに似ていて思わず声を上げて感動。また道端には野生化した「フユシラズ」の橙色の花が可憐であった。 沖 記

コースタイム:西那須野町7:40==(高速利用)==8:55星野(セツブンソウ群生地)9:40==(仙波・鍋山線経由)==10:10五丈の滝駐車場10:25---10:40林道終点---10:55滝見の松11:05---11:30炭焼き跡---11:50岳ノ山(704m:昼食)12:20---13:20分岐点---13:40大鳥屋山(693.06m)13:55---14:15分岐点---14:33林道出合---14:50五丈の滝駐車場15:00==(約100Km)==西那須野

H20.3.8

      那須・中の大倉尾根(栃木県那須郡那須町大島)


ガス掛かる那須岳
 天気予報は栃木県全般に晴れの予報だったが、日光や高原山はクッキリ晴れ、しかし那須岳だけは山頂部に雲が懸かり平地でも風が吹いていた。こんなときは大丸温泉から峰ノ茶屋を目指すと強風にあおられて怪我をするのが関の山で、風の影響を受けにくい中の大倉尾根から清水平方面を目指すのが賢明とMt.ジーンズスキー場を目指すことにする。


スキー場最上部
 出発が遅れたためスキー場も混雑しており駐車場を近場に確保できず、シャトルバスの送迎でゴンドラ乗り場まで運ばれることになった。リフト券は50歳以上がシニアでゴンドラ往復権が通常1300円のところを1000円で購入。最終運転時間をしっかり確認してゴンドラに乗車。標高約960m地点から1410m地点まで所要約8分で一気に運んでくれるので、随分楽をして山に取り付くことが出来る。


ブナ林
 ゴンドラ山頂駅で持参したカンジキを取り付けて白銀の尾根に第一歩を踏み出す。周りを見回してもスキー客ばかりで登山者は居ない。ゴンドラ山頂駅からリフト最高地点までのルートはスキー客に閉鎖された滑降コースを遠慮なくゆっくりと登っていく。ダケカンバが青空に映えて美しい。久しぶりに偏向フィルターを付けて撮影したが、効き過ぎて空が濃くなってしまった。リフト最高地点まで来るとスキーヤーは居なくなり、初夏ならこの辺りからシロヤシオの花園になる一帯だ。そのシロヤシオ周遊の遊歩道が山頂部に付けられているが、今日は部分的に遊歩道を囲った杭の頭が所々で露出しているだけだ。その場所を特定しながらブナの森に入り込み、少し進むと雪山への結界地点である道標が雪の中から飛び出していた。


北湯・清水平・スキー場分岐
 ここでスノーシューを履いた親子3人が休憩していた。今後の予定を聞くと風があるので行けるところまでとのこと。我方も同じ考えだが多分彼らよりかなり上まで登れるだろうとタカをくくって先に登り出す。久しぶりに履くカンジキはスノーシューに比べて軽く、固い雪にしっくり馴染んで快適だ。中の大倉尾根の登り出しは太いブナが多くあり、標高を増すにつれてダケカンバに勢力を移していく。今日はブナ帯まで青空が広がり流れる雲に晴れたり曇ったりの天気で、晴れの瞬間を待ってブナ林の写真を撮る。標高が増してダケカンバ帯に入る頃からガスが濃くなり、太陽は完全にガスに閉ざされてきた。風も強くなりハイマツや小潅木へと変わっていく付近からは風をまともに受けるようになって来た。小潅木帯に出ると遮るものも無くなり視界が良ければ朝日岳の左後方に茶臼岳が見えるが、今日はガスって居て視界は無く乳白色の世界が強風に乗って顔を叩く。


茶臼岳方面
 こんなはずではと思いながら風に逆らって標高をあげていくが、傾斜が増すほどに風も強くガスも濃くなってくる。大凡1800m地点の赤面山への分岐付近まで登ったガ、これ以上進んでも強風に煽られるだけなので清水平を諦めて、急斜面を一気に下ることにする。楽しみにしていた景色はガスに消され赤面山も見えない。とにかくダケカンバ帯まで一気に下る。


中の大倉尾根
 ダケカンバ帯に戻って少し時間稼ぎをしてダケカンバの面白そうな形を見つけてカメラを向けてみるが、色彩が消されて面白くも無い。風もガスも改善するどころかひどくなるような感じなので諦めてブナ帯に入り、そのままゴンドラ山頂駅に向かった。ゴンドラ山頂駅上部にある三角点のある辺りから茶臼岳方面や中の大倉尾根を眺めたが山頂部はガスに閉ざされたままだったので、最終のゴンドラとは全く関係なく早々と下山した。

 那須の山を一望に出来る牧場から山の様子を伺ってみたが、相変わらず山頂部は荒れ模様だった。今日は一日里でも那須おろしの風が舞っていた。 沖 記

コースタイム:西那須野7:50==(約60Km)==9:10Mt.ジーンズスキー場駐車場9:20==(送迎バス)==9:30ゴンドラ山麓駅9:35〜(ゴンドラ:約8分@シニア往復券1000円)〜9:45ゴンドラ山頂駅9:55---11:20赤面山分岐11:25---12:00ゴンドラ山頂駅12:10〜(ゴンドラ)〜12:20ゴンドラ山麓駅==(送迎バス)==Mt.ジーンズスキー場駐車場(土日のみ:1000円)

H20.1.20

     鞍掛山 (492.38m:栃木県日光市字鞍掛)


鞍掛山
  朝のんびりと起床しTVを見ていたら家内が「今日は山に登らないの?」との催促。気乗りしないまま「では行こうか」と言うことで、簡単に登れる山で気がかりだった古賀志山から峰続きの鞍掛山を目指すことにする。

 急ぎ支度を整えて西那須野を出発し、何度も歩いた篠井富屋連峰を右手に見ながらR293を南下する。ロマンチック村を過ぎ古賀志山に向かうルートからゴルフ場に入る手前を右折して道なりに進むと、壱の鳥居と鞍掛山が正面に見える。馬に鞍を掛けた姿に似ていることで鞍掛山と呼ばれるとのことだが、まさにその通りの山容を見せてくれる。広い舗装路から急に狭い車道に変わると不法投棄のごみが散乱している檜林になり、指導標に導かれて鞍掛山の登山口に到着する。しかしここには駐車場が無く林道の僅かなスペースに分散して駐車することになり、先客3台の車で駐車場所を確保するのに一苦労した。


鞍掛山神社
 登山口の案内板を見てから目の前にある弐の鳥居を潜り、檜林の緩やかな作業路を登っていく。10分ほどで沢に出て頭の欠けた双体神に到着。ここから河原の岩を拾いながらルートが付けられているが、他にも踏み跡が二本あり、ちょっと迷いやすい。

 躊躇しながら河原を進んでいくと直ぐに「鞍掛神社」の標識があり、それに導かれて脇道に入ると正面に一筋の小さな滝が流れ落ちている。その左側に小さい梯子があり、その上の岩壁の中間部に洞窟がある。見方によってはちょっと卑猥な洞窟の奥に御神体が祀られている。真っ暗で気持ち悪いが中を覗きカメラの力で窟内に祀られている御神体を映し出した。


古賀志山遠望
 山の無事を祈願して鞍掛山神社と別れ登山道に戻ると、2分ほどで分岐点に至る。右に尾根コース、左に岩コースとなり、迷わず岩コースを選択する。檜林の急坂を登りだすと傾斜は益々急になり、とても支え無しでは登れないと思われるような急坂になってくる。すると寺社の階段によくあるような支柱と支柱をつなぐ鎖が稜線直下まで設置されている。普段は支えにしないクサリも今回はこのクサリ、支柱につかまりながらゆっくりと一歩一歩を確実に登り、一気に高度を稼いで稜線に至る。

 稜線に出ると左直ぐに鞍掛山神社奥の院の小さな石の祠が祀られており、その先の岩場から樹林越しに古賀志山の鋸形の尾根が異様な姿で横たわって見える。岩場で一本立てて呼吸を整え、みかんをほうばる。汗が引いたところで山頂に向かって稜線を進むと、古賀志山からの道を吸収し、直ぐに山頂に到着する。山頂は樹林の中で視界はなく、山頂を示す標柱と三等三角点(点名:鞍掛、標高:492.38m)が綺麗な形で埋設されている。


山頂にて
 ここで二人揃った写真をセルフで撮り、大岩に向かう。馬の背のような平坦な山頂稜線は樹林に覆われて視界はないが、時々樹間から雪を抱いた日光の巨峰群が眺められる。程なく大岩に到着。ここからは古賀志山が遮るものなく間近に大きい。また北のほうに高原山が裾野を大きく伸ばしてゆったりとした姿を見せている。残念ながら日光の山は樹林に邪魔されて見えない。

 この大岩で大休止して遅い昼食をする。比較的風も穏やかで絶好の休憩ポイントだ。眼下に鹿沼や宇都宮の町並み、また遠く筑波山の双耳峰を眺めながらゆったりと流れる時間を楽しむ。


星野に咲くロウバイ
 下山は尾根ルートを採って、大岩から稜線を一気に下り、稜線鞍部から鞍掛山神社上の分岐点を目指してよく刈り込まれた谷間の滑りやすい道を慎重に下る。直ぐに分岐点に到着し、ごく短時間で登山口に戻ることが出来た。

 そのまま帰宅するのはもったいないので、蝋梅を見るためにR293を南下して、三峰山登山口である星野遺跡近くのセツブンソウ自生地に足を延ばし、香りがツンと来る蝋梅が丁度見頃を迎えているところを楽しんだ。セツブンソウはまだ跡形も無かったが、2月中旬以降に咲くとの事。自生地を管理しているご夫妻が言うところでは、花が咲いたかどうかはカメラマンの居る/居ないで分かるとの事、誠にごもっともだと感心する。その後は三峰山の裏に回って出流山・満願寺に参詣し、名物の出流蕎麦を食べて西那須野に戻った。 沖 記

コースタイム:西那須野町10:10==(約45Km)==11:30鞍掛山登山口11:40---11:55鞍掛山神社12:00---12:20奥の院12:25---12:30鞍掛山山頂(492.4m)12:35---12:40大岩(昼食)13:10---13:40登山口13:50==(蝋梅見物、満願寺参拝、出流蕎麦)==18:00西那須野町

H19.5.5

    月山  1287m 旧栗山村 現日光市


焼き肉広場上部に咲くアカヤシオ

山肌がピンクに染まる

中央奥は女峰山

月山 山頂
 5日のAM6時半、以前から気になっていた旧栗山村の月山(がっさん)に向かう。国道121号を北上し、信号機を避けるように大沢経由で鬼怒川温泉に出る。また、温泉街も避けて2つ有る有料道路(250円+150円)を通り、川治温泉手前から県道23号には入って日蔭牧場を目指す。細くうねった道をどんどん高度を稼ぎ、やや長いトンネルを抜けるとロックヒル式の栗山ダムがある。トイレや東屋もある広い駐車場に車を止めて身支度をする。

 駐車場には余裕があるが、すでに100台位が止めてある。ここからは景色も良く、遙か彼方にドッシリと女峰山などが構えている。車止めの付いた林道を奥に向かって歩き出す。標高は1000mを越えているようで、唐松の新緑が始まったばかり。やがてダムとの分岐があり、右奥にはポツポツとピンクに染まった月山からの山肌が見えてくる。更に車道を進むと山肌からアカヤシオがせり出し、見事な光景に感激が始まる。


奥は同じく女峰山

栗山ダム上部にて
 カーブを曲がるとビーフピア広場が現れ、更に向こうの山肌がピンクに染まっている。この辺までは一般客も多いが、直ぐ左側に月山への登山口があり比較的人の少ない急登に取り付く。息は切れ出すが、アカヤシオのトンネルが疲れを癒す。見事だ・・ビデオを回しっぱなし。丁度満開の時期のようで、背の高いヤシオが青空に向かってぐんぐん背伸びをしているようだ。時折下ってくる登山者も、この光景に大感激している様子。

 足下は、根っこと黒土で不安定で結構傾斜もある。ヤシオのトンネルの中を慎重に高度を稼ぐ。高くなるに従って、ヤシオの合間から残雪に覆われた帝釈連峰も見渡せる。ピンクとブルーと青白い山並みのコントラストも最高だ。月山までの標高差はさほど無いが、周りを鑑賞していると結構時間がかかる。

 尾根道の中間部で一服たて、やや緩くなった登りを進むと程なく頂上に出る。狭いが一部見晴らしが良く、混み合う中でビデオをまわし、少し戻って高原山を眺めながら休憩を取る。山頂付近のアカオシオは約三分咲きで、後一週間位で満開となるだろう。まだ咲いていないシロヤシオと併せてあと全山二週間ほど楽しめそうだ。

 9時40分、少し戻ると分岐があり、ダムサイトに出るコースに移る。ヤシオに気を取られ、進んでいくと道が解らなくなる。3名の登山客も迷っていた。この3名は戻ったがブッシュの少ない雑木林をトラバース気味に進み、登山道からは見えないヤシオを撮りながらしばし藪こぎをする。登山者の声を頼りに道に戻り、少し下ると先ほどの3人に出会い軽く挨拶を交わす。

 このコースを上りに選んだ登山客も多くなり、すれ違いに苦労しながらダムサイトに出る。赤薙山からは小さな溜め池に見えるが、結構広く地下にパイプを通して発電所に水を送っているようだ。それにしても周りの山肌面積が少なく、満水になれるだろうか。チョット疑問が残る。ここから約15分で駐車場に戻る。いゃぁぁぁ・・話には聞いていたが、アカヤシオの素晴らしい山だった。

 駐車場で早い昼食を取り、帰りは霧降高原経由で日光市街地に降りて日光IC上部を通って鹿沼に出る。連休で車が多かったが、良いドライブとなった。・・大笹牧場の上りに、岩手ナンバーの白いクラウンが着いてきた。牧場で楽しんだ後、どごさえったんだべねぇぇ・・。  阿部 記

コース時刻:栗山ダム駐車場8:36−8:52ビーフピア広場(焼き肉広場)−9:38月山山頂9:53−11:03栗山ダムサイト車道−11:20栗山ダム駐車場

H19.2.4

    大平山・晃石山(おおひらさん・てるいしさん419m:栃木市、大平町)


アジサイ坂

大平山神社
 栃木市街地の西方に位置する、県立自然公園の大平山・晃石山を散策する。一関で言うと釣り山公園を一回り大きくした様な山塊だが、栃木市と大平町にまたがり足慣らしには最適の山塊である。風は少し冷たいが、好天に誘われザックを持たずに散歩のつもりで身軽な格好で出かける。

 國學院を少し過ぎ、アジサイ坂下部の駐車場に車を止める。ウエストポーチを腰に付けカメラを首から吊し、早速長い階段に取り付く。道の両側にはアジサイが隙間良く並べられ、花の季節には客が絶え間ないとの事。周りは雑木林に囲まれヒンヤリしているが、一直線の長い階段で結構体がほてる。約10分で車道が現れ、大きな随神門をくぐると再び長い階段が続く。高校生が階段でトレーニングをしている脇を黙々と6分ほど登ると、大平山神社に着く。

 この地方では比較的大きな神社、数人がお参りに来ている。小生も帽子を取って厳かな気持ちで頭を垂れる。社務所で山頂方面の登り口を訪ね、展望台近くでお茶のペットポトルを仕入れて更なる登りに取り付く。歩きやすい道は山肌を巻くように続く。大きな雑木林が続くがポカッと口を開けた場所があり、栃木の町並みが一望でき遮る物は何もない。霞が無かったら茨城北部県境の山並みも見えそうだ。再び林に入ると道は二つに分かれ、大平山山頂方面に進路を取る。


栃木の町並み、右下は國學院短大
 分岐から歩くこと数分、ポカッと周りが開け小さな神社が現れた。富士浅間神社と書かれている。この地にもあるんだぁと感心しながら再びお参りをする。確かに雑木林が無ければ富士山もハッキリ見えるはず、浅間神社と言うのが有っても不思議ではない。丁度ここが、大平山の山頂のようだ。ここから晃石山方面へは下りが続く。やや不安定な道を小木につかまりながら降る。

 程なく使われていない車道が現れるが、車道に出ずに雑木林に続く散策路を緩く登る。右手奥には灌木越しに日光連山が白く輝いている。じきそこにマイクロウェーブのバラバラアンテナが見え出すと、再び車道が現れる。車道を斜めに横切り、杉林に入ると晃石山と大平山の最低鞍部(ぐみの木峠)に着く。T字に分岐があるが、真っ直ぐ進むとややきつい登りが始まる。見通しは全く利かない。


中央奥が筑波山、その左が加波山
 数回ややきつい登りを繰り返すと、周りは明るくなり東側の開けた場所が現れる。先ほどの大平山山頂や小山方面の平野が眼下に広がる。女性2名が腰を下ろし談笑しているので、少しビデオを回し先へ進む。約10分雑木林を進むと、杉林の陰にパラグライダーの発進所に着く。ここも展望ポイントで、渡瀬遊水池方面や大宮方面がよく見える。景色を堪能して少し降ると又杉林に入り、やがて最後の登りが始まる。

 杉林で少し息が上がると、雑木林に変わり周りが明るくなる。この尾根を少し登ると晃石山の山頂に出る。南西方面の灌木が一部伐採されている。多少見通しが良くなったが、霞が強く富士山は確認できない。木々の合間からは、真っ白い浅間山の頭やその右側に赤城山が確認できた。雑木林がもう少し刈り払われると最高の展望か楽しめそうだ。風が冷たく、来た道と反対方向に下り山頂を後にする。


中央奥に日光連山が並ぶ(晃石山より)
 3分程降ると、三度、神社が現れる。数人が談笑している。初めてたばこを立てて一服の後、晃石山を回り込むように進むと元来た道に入り、散策客が多くなった道を一気にマイクロ基地まで戻る。そこから、いつもの車道を大平山の茶店の並ぶ展望台へ降る。茶店前からも展望が良く、渡瀬や佐野の三山(みかも)山がすぐそこに見える。昼時なので茶店に入ろうと思ったが客が多くなってきているので、車道を通りアジサイ坂に戻って石段をテクテク降りて帰路に就く。約2時間半の、のんびりとした散策だったが結構カロリーを消費したようで気持ちの良いトレーニングとなった。 阿部 記

コース時間:アジサイ坂下9:30−9:41車道(随神門)−9:47大平神社−10:10浅間神社(大平山山頂)−10:50晃石山山頂−12:05アジサイ坂下   

H18.11.5

   氷室山−十二山(葛生町・田沼町)

 紅葉も里に近づき、標高1000m前後の山を目標に探す。以前より気になっていた佐野市の北西、栃木と群馬の県境に位置する氷室山−十二山へ出かける。7時20分自宅を出発。国道293号を南下、葛生町バイバス中間から田沼町に入り作原地区を目指す。小戸口より右側に進路を取り蓬山ログビレッチ前を通過、旗川沿いにしばらく進み蓬菜トンネルをぬけると程なく西沢口駐車場がある。8時15分到着する。


手前奥へ進むと山コースと川コースに分かれる

山コースピーク、三滝が近い

氷室山山頂
 駐車場から整備された車道を進み、白ハゲ口から分かれ旧林道伝いに白ハゲ口広場まで進む。ここまでは、歩きやすい道で、広場には東屋とトイレが立つ。小休止して山道にはいると、昨晩の雨のせいか滑りやすい状況が続き、崖伝いの道を慎重に進む。間もなく杉林に入り、川コースと山コースに分かれるが、一気に高度を稼ぐ山コースへ進む。

 ジクザクに杉林の中を上ると、程なく雑木林に出る。この先もジグザグの登りが続くが、こまい採石を敷き詰めたような道に落ち葉が詰まり滑らないよう高度を稼ぐ。周りの木々は色づき始めたばかりで、まだ緑が濃いが向かい側の山肌は結構色づいている。登り切ると程なく三滝方面を指す分岐が現れる。川コースはここにあがってくるようだ。

 分岐から数分下ると右側が切れ込んだトラバース状の道となり、一部に網が張られている。慎重にトラバースするとすぐに、十二山からの分岐が現れる。更に落ち葉と岩片の詰まった道を慎重に下ると旗川の源流部に出る。丸太3本の橋を渡ると沢沿いの緩い登りとなる。

 登山者は、山コースピークで追い越した3人パーティー以外居ない。何度か沢をわたり、木に巻かれたテープと大木に塗られた赤丸を頼りに進む。落ち葉の詰まったぬた場のような腐った場所もあり、足をつっこまないよう慎重に登る。何だかコースを間違えたような不安がよぎるが、進むしかないと思っているとやっと道標が現れ安心する。左宝生山、右氷室山と書かれて各沢に沿うようにY字に分かれている。ここで丁度見頃の紅葉を眺めながら小休止する。


尾根にて
 熊除けのスズを取り付け、左側の沢に沿って登ると、程なく沢が消えて尾根が近い。少し急になった道を黙々登ると、ハッキリした道が現れ尾根道に出る。右側は比婆林、左側は雑木林で紅葉もピークを過ぎ居てる様子。やがて小さな祠を過ぎると、周りが明るくなるり傾斜も緩くなる。遠くの山々は雲が懸かり殆ど見えない。平坦部を数分進むと宝生山や群馬側への分岐が現れて、方向感覚を補正しながら小休止する。

 更に平坦部を進むとポッカリと見通しの利く広場が現れ、すぐに薄暗い杉林にはいる。氷室山神社の祠が現れ、山頂は裏へ3分ほど登ったところにある。山頂(1120m)で行動食代わりのおにぎりを食べていると1人の登山者が現れる。熊鷹山経由で来たとのこと。背の高い雑木林の中の山頂からは、殆どなにも見えない。雲が少なかったら、木々の間から何か見えるはずだが近くの尾根しか見えず、残っている紅葉を楽しんで来た道を宝生山分岐まで戻る。


足尾の山並み

十二山山頂

尾根にて
 分岐から尾根道を12分程進むと宝生山(1154m)山頂に出る。ここで昼飯を取り更に十二山への尾根をたどる。右側斜面の紅葉が見事である。アップ・ダウンも少なく快調に尾根(正確には尾根の少し下・肩に続く道)を進むと、3人パーテーとすれ違う。十二山手前の最後の暗部に近づくと右側・足尾側の開けた場所が現れ、袈裟丸山塊や皇海山が顔を出してくれた。ピッチをおろし、少し登ると根本山方面の分岐が現れ、程なく十二山(1143m)に出る。後は下るだけと、少し疼いてきた膝をかばいながら小休止。

 十二山から2分程下ると熊鷹山との分岐があり、左側の三滝方面へ進路を取る。尾根伝いの道だが、結構傾斜はきつい。膝下の筋肉痛に悩ませられながら慎重に下る。だめだ、下まで持ちそうにないと枯れ枝で杖を作り脂汗をかきながら休み休み下る。やがて三滝分岐に到着、来た道を戻る。白ハゲ口の東屋で小休止を取ると気温が上がったせいか、膝付近の痛みも消えて快適に車道を戻る。 

 今回の氷室山までのコースは沢沿いが多く、雨上がりや増水時には入らない方が良いようだ。氷室山から熊鷹方面などの尾根にはアカヤシオが多いようだ。花の咲く季節も面白いかもしれない。氷室山〜十二周遊は山子供さんには向かないコースでしょう。 阿部 記

コース時刻:西沢駐車場8:20−9:00白ハゲ口広場9:06−10:16宝生・氷室分岐10:22−10:57十二方面分岐11:06−11:13氷室山11:33−11:38宝生・氷室分岐−11:48宝生山12:08−12:58十二山13:10−13:55三滝分岐14:10−14:23白ハゲ口広場14:30−15:00西沢駐車場

H18.5.21

    古峰ヶ原−夕日岳  鹿沼北西部


夕日岳より日光連山
 21日、標高が高ければまだアカヤシオは咲いているだろうと、鹿沼北西部の夕日岳に向かう。7時半、自宅を出発。コンビニで昼飯を調達すると、くじで「氷結カンチュウハイ」500cc入りをゲットし気を良くして登山口に向かう。


関東ふれあいの道

古峰ケ原 三石方面

縦走路に咲くミツバツツジ

行者岳
 古峰神社駐車場を少し過ぎたハカダテ方面入り口のある、林道ゲート付近に車を置き8:30出発する。今回は最短コースを取らずに、古峰ケ原−行者岳−大岩山等を経由して夕日岳を目指す。しばらく7時間もの長時間コースを歩いていないのでヒザが持つか心配だが、初めての尾根コースに期待を込めて気持ちワクワクと進む。

 いつもは、車で進む舗装された車道を20分程進むと登山口に着く。休憩を取らずに登山道に取り付き、砂防ダム脇に出ると小猿を連れた約20頭の猿軍団に遭遇。口笛や「おーい猿・猿」と呼びかけるが一定の距離を置いて、無反応。しばし戯れて、更に古峰ケ原に進む。新緑がまぶしく、時折トウゴクミツバツツジのピンクがアクセントを添える。

 9:30少しすぎ、先日登山者連れ去り事件のあった古峰ケ原に到着。下の登山口付近に車止めゲートがあるはずなのに、やけに乗用車が多い。簡単に開けられるゲートなら無いほうがましのようだ。大休止後いよいよ尾根筋を目指すが、新しく車道整備が始まり行き先を見失う。車道と旧林道を行ったり来たりと、約20分のタイムロス。結局、旧林道をモクモクと進むと細尾峠への方向板が現れて縦走路を確信する。

 さすがに人の気配はない。明るい灌木帯に約10−20mの緩いアップ・ダウンが続く快適な道。時折ミツバツツジが花を添え、灌木の合間からは足尾の峰峰が見え隠れする。ロスタイムを挽回するように、自然と足取りが速くなる。11時少し前、行者岳に到着。花を一杯に付けたムシカリや灌木の間から足尾側の山並みを眺めながら一服する。


ミツバツツジ
 再び下り道、今度は20−30m程のアップ・ダウンが続く。大岩山を通過、唐梨子山と続き足がだいぶ参ってきている。腹も減って、ハガタテ平でと思っていたが唐梨子山付近で昼食を取る。しばらくすると単独行の男性が現れ、夕日岳の様子を訪ねると赤い花は未だと言う。ピンクの花は所々に咲いているが、赤は・・と怪訝な様子。どうやら聞き方が悪かったようだが、ミツバツツジは咲いているがアカヤシオはあまり咲いていない様子。

 腰を上げしばらく進むと、次々と縦走者とすれ違いハガタテ平に到着。もう13時に近い。花が駄目ならここから下ろうかと思いながらも、結局夕日岳に向けて登り出す。地蔵岳の腹で大量の下山者とすれ違うが、疲労の限界に近い登りは待ち時間が取れて結構休まる。息が上がりきって、やっと地蔵岳に着く。夕日岳は遙か彼方。コシアブラの新芽をパクリと口に入れ、ほろ苦い春を味わいながら三ツ目分岐に向かう。


アカヤシオ 花が少ない

夕日岳山頂
 アッ!アカヤシオだぁ。なんだ咲いているではないか・・と思いながら足取りも軽くなる。三ツ目の少し手前からヤシオが目立つようになったが、散っている物も多く5−6日早く咲いたと思われる。三ツ目分岐から夕日岳にかけてアカヤシオの群落が続くが、今年は花が少ないようだ。何とか花をカメラに納めながら進むと、一部の視界の開けた夕日岳に到着する。今朝方は、クッキリしていた白根山や男体山の展望も霞んでしまった。残る7−8名の登山者が下るのを待って、ハガタテ平に向かって下山開始する。

 ハガタテ平からは、いつものコースを下る。林道終点で小休止するが、林道歩きは足腰が疼き脂汗も混じる。満開のヤマツツジも疲労で、鑑賞している余裕はない。何とか登山口にたどり着き、車道を少し上って車で大休止する。 冬場の足慣らしのコースと、少し鷹をくくっていた。若い頃と違い、疲労回復が鈍っている。8時間は、チョット無理しすぎたようだ。  阿部 記

コース時刻:古峰神社上部・登山口ゲート8:30−8:51車道分岐・登山口−9:32古峰ケ原9:45−タイムロス20分−10:54行者岳11:02−11:31大岩山11:34−12:07唐梨子山12:25−12:43ハガタテ平12:46−13:19地蔵岳13:25−13:58夕日岳14:11−14:41地蔵岳14:50−15:08ハガタテ平15:15−15:29上部沢15:37−16:01林道終点16:07−16:43古峰神社上部・登山口ゲート 

H18.3.5

    鳴蟲山(なきむしやま・724.6m) 鹿沼市街地北西部


林の間から日光連山

山頂の祠
 鹿沼市郊外より古峰神社に通じる県道14号に入り、高畠地区の片野道バス停へ向かう。バス停から左折して橋を渡り、まもなく右折して大芦川沿いの林道を約1.2km走りると林道分岐が現れて駐車する。身支度を整えて、左側の林道を6分程登ると再び林道分岐が現れる。ここにも車を置けるようだが、更に右側へ進む林道は乗用車では進めないようなので、ここに置いた方がよいだろう。そこから約6分程で広場が現れ、登山口も現れる。

 登山口には東京電力の黄色いポールが立ち、登山道として送電用鉄塔の巡視保安道を利用する。そのため、整備された道が山頂方面に続く。数分登ると檜林に入って見通しは全く利かなくなり、傾斜もややきつくなる。黙々と進むと平坦部が現れ、すすむピッチを変えて更に進む。程なく再びややきつい登りに変わり、再び黙々と高度を稼ぐ。やがて周りが明るくなり、灰色の273号鉄塔が現れて鉄塔の足下で大休止を取る。


北側・鶏鳴山

東側・古賀志山

西側・石裂山と横根山(右)
 鉄塔から少し平坦な道を進むと、また林に入り同じ様なややきつい登りが始まる。ジクザクに高度を稼ぎ、杉の倒木を数回またぐと、うっそうと杉・檜に覆われたピークに差し掛かる。ピークを下り気味に巻き進むと3本の萱の大木が現れ、約高度差30mをジグヅグに下る。やせたコルを過ぎて再び登りに掛かる。グングン高度を稼ぐと尾根が杉林と雑木林に分けて、右側の雑木林の木々の間から男体山などが見え出す。時折、日が射し冷気が漂っているにも関わらず汗ばんでくる。やがて所々に岩が現れ、でかい岩場を左側に巻き込むとジグザグの急登が現れる。最後の汗を流していると、登りも緩くなって杉・檜林を抜け赤・白に塗り分けられた274号鉄塔が現れる。


274号鉄塔・奥山頂
 やや平坦な明るい道を進み、石裂側からの道と合流して鉄塔下を少し登ると、視界が開けて274号鉄塔の足下に着く。2名の先客がいて展望を楽しんでいた。この日は霞が強くあまり遠くは望めないが、北側から南東側の展望が開けている。北側に鶏鳴山、東側に古賀志山、南側に谷倉山等が見えていた。空気が澄めば、高原山や筑波山も見えるらしい。2人と一言、言葉を交わし、山頂に向かう。約2分で小さい祠のある鳴蟲山に出る。見通しは良くないが、雑木林の間なら石裂山(おざくさん)や横根山、夕日岳や日光連山も見えた。

 数分楽しんで274号鉄塔に戻ると、残っていた一人が50MHZのアンテナを組み無線を楽しんでいた。ここで展望を楽しみながら昼食を取ろうと思っていたが、飯には早い時間なのでビデオ撮影をして来た道を下る。昼食は、273号鉄塔下で取る。 鳴蟲山はその季節には虫の音でも聞こえるのだろうか。今回は静かで、耳鳴りしか聞こえなかった。でも、しっかりとした立派な道が付き、足慣らしにも最適の山だった。 阿部 記

コース時間:林道分岐9:30−9:43林道終点登山口−10:01・273号鉄塔10:10−10:47・274号鉄塔10:53−10:55山頂11:03−11:05・274号鉄塔11:10−11:49・273号鉄塔12:05−12:20林道終点登山口−12:31林道分岐

H18.2.25

    鶏鳴山(けいめいざん・961m) 今市市・日光市 今市市・長畑より入山

 予報が変わり晴天、25日今市市南西部に位置する鶏鳴山へ出かける。9時少し過ぎ出発。国道121号を北上、文挟(ふばさみ)より県道70号に入り、長畑交差点から左折してバークレイCC方面に進む。まもなく林道志路手線分岐に差し掛かり、空きスペースに車を置く。


長畑より鶏鳴山を望む
 身支度を整え、林道分岐を右折し登山口に向けて歩き出す。伐採された木を運び出す、大型トラックも走れる立派な林道を進むと、間もなく右手下奥に10m位の滝が現れしばし鑑賞。更に杉林に続く林道を進むと、やがて小さな橋を渡り合計4つ目を過ぎると左側に5つ目の橋が現れ登山口への分岐となる。ここには、樅の木の大木がある。この橋を渡り、5分ほど進むと左手上部にログハウスが現れ、林道分岐に登山口を示す小さな看板がある。矢印に沿って、右手の林道を進む。


本道入り口

祠のある北の肩(好展望地)

山頂(961m)
 更に進み、林道のカーブを3つ程曲がると右手に小さな登山道入り口の看板があったが、無視してそのまま林道を進む。杉と檜の混じる林は延々と続き、まだ車も走れそうな立派な林道を黙々と進むが、けっこう傾斜はきつい。ログハウス付近から小一時間も歩いた頃、やっと雑木林に変わり木々の間からの展望が効き出す。やがて登山道の交差する、開けた所に出て展望を楽しむ。

 本格的な登山道が林道の左側面に現れ、丸太で作られた傾斜のついた橋状の柵を登る。道は尾根伝いとなり、雑木林に続く急傾斜となる。木々の間から今市方面の町並みも見え出すが、結構息が上がり眺める余裕はない。時折、ビニールロープも付けられているが、利用するまでもなく黙々と高度を稼ぐ。やがて周りにゴツゴツした岩が現れ、先を行く黄色い声に追いつくようにピッチを上げると、傾斜は緩くなり祠のある北の肩広場に出る。


奥白根と男体山
 息も整わないままに、五名程の女性グールプに写真撮影を頼まれ「はいチーズ」。広場からは日光連山や横根山など、反対側から古賀志山など展望できて、しばらくビデオ撮影に夢中になる。山頂へは更に南下して、一度下って少し登る。約5分、で山頂。殆ど展望のない山頂の三角点ポールに座り昼食を取る。更に下ると、少し展望も開ける場所があるらしいが、木の間からの展望を楽しみ、祠のある広場へ戻って再び大展望を楽しむ。

 12時43分下山開始。やや急傾斜の斜面は、落ち葉と葉に隠れた霜柱で少し滑る。なるべく露出した土の上を、慎重に下る。小枝の合間からは結構下界の風景が見え、時折立ち止まり景色を確認する。程なく、林道と登山道の交差点に到着、先に下った女性グループに登山道を聞き正規のルートに進路を取る。そこからは、全て杉と檜の生い茂った道となるが、安定した歩きやすい道が続く。山頂までマウンテンバイクで来た客がいたが、その客のタイヤの跡が所々に残り進路を誘導する。

 一度林道を横切り、しばらく下ると登りに無視した小さな標識のある林道に出て、程なくログハウス近くの分岐に出る。ここから更にもと来た道を、坦々と車を止めた分岐に戻る。 この山は殆ど林の中で見通しは利かないが、足慣らしには最適で見晴らしも結構良い。誘導標識は小さく見逃しやすいが、各ポイントにはビニール紐の目印が付いている。ただし、一部の分岐では両側にあって勘違いしやすい所もある。踏み跡をよく見て進路を決めるよう注意したい。  阿部 記

コース時間:ゴルフ場上部林道分岐(林道志路手線分岐)10:11−10:27五つ目橋10:31−11:37林道・登山道交差点−11:58北の肩(祠)12::05−12:09山頂12:26−12:30北の肩12:43−12:58林道・登山道交差点−13:37五つ目橋13:43−13:56ゴルフ場上部林道分岐 

H18.2.19

    谷倉山(やぐらさん)  栃木市・星野遺跡より入山


星野遺跡より谷倉山
 19日朝から曇天、山行きをためらっていたら薄日が射しだしてきた。ヤッパエグヘェ!と放り出していたザックを掴み、星野遺跡に向かう。11:09遺跡の駐車場に車を止めて、三峰山の反対側に位置する谷倉山(599m)に向けて出発する。


急傾斜下の林

谷倉山山頂

粟野の町並み方面
 星野遺跡から地層たんけん館を目指し林道に入り、たんけん館少し手前より右側の林道に進む。杉林に入り5分ほど進むと、左側に林道分岐が現れるが直進する。殆ど使われていない林道は荒廃が進み、倒木が道をふさぐように倒れている。やがて林道は途絶えて道が解らなくなるが、目を凝らすと白や青のビニール紐の目印を発見。踏み後を探すよりは、この紐を探した方が良いと気を取り直して歩く。

 小さな沢沿いに続いた道は、いよいよ檜の茂る急登へと変わる。紐の目印を頼りに、フワフワした滑りやすい斜面を全身を使って登る。15分ほど急斜面と格闘すると、雑木林に変わり尾根に出る。これまでまったく視界は効かなかったが、木々の間からかすかに遠くの山々が見え出す。少し休憩して、傾斜の緩くなった雑木林を進む。


山頂の無線塔
 ペースを落として、じっくり進むとほぼ平らな道に変わりパラボラアンテナのある谷倉山に出る。山頂は全く視界は無い。ここから5分ほど北側に進むと、視界の開けた場所に出るとのことで更に下り気味に進む。無線塔に電力を供給する電線伝いに進むと、一気に視界が開けて日光連山や粟野の町並みが霞んで見える。先客が1名と、昼食を取っていると、もう一名の登山者がやって来た。さすがに向かい側の三峰山とは違って登山者は少ない。

 コンビニおにぎりを食べて、再び山頂に戻る。下山は、避雷針の立つ小屋の左側に沿って進む。踏み後は途切れ途切れでよく見えないが、ビニール紐が案内してくれる。緩い尾根道だが、積もった落ち葉が足をすくう。倒木の小枝で杖を作り、転倒しないように慎重に下る。やがて杉や檜の混じる林に入り、小さな左右の沢が合流すると古い林道が現れ、傾斜は緩くなる。10分ほど下ると登りに利用した林道と合流して、地層たんけん館は近い。たんけん館の内部をガラス越しに覗き込み、ホホォォ・・と感心して星野遺跡に戻る。

 登山道は殆ど整備されていない。各種テープや紐が頼り。十分に目を凝らして歩こう。長時間の山行ではなかったが、足慣らしには丁度良い山歩きだった。  阿部 記

 コース時間:遺跡11:09−12:13尾根12:18−12:30山頂12:35−12:43見晴らし13:06−13:13山頂−13:28沢・林道合点13:45−14:05遺跡 
 


   2005.11.26

   
横根山(1373m)



山頂より男体山方面の展望
 しばらく続く好天気に誘われて26日、粟野町北西部に位置する前日光高原、最高峰の横根山へ出かける。この高原は車道が整備され、比較的アルバイト量が少なく登れる所だが、あえて少し離れた日瓢鉱山口から横根山を目指す。

 自宅より県道37号を北上、県道15号Y字路を左折、まもなく口粟野から右折して入粟野へ向かう。入粟野付近から道幅が所々で狭くなり、紅葉を眺めながら慎重にすすむ。前日光つつじの湯を過ぎるとややきつい傾斜となり小さなカーブも多くなって、やがて鉱山事務所のある十字路に着く。真っ直ぐ進めば登山口となるが、鉱山車両の邪魔にならないよう左折して大小屋橋を渡った袂の空き地に車を止める。


登山口

唐松林の急登

ミニチュア版の五段の滝

防護柵のゲート

横根山山頂
 橋から戻り十字路から登山口を目指すが、指導表の三角印・とがった向きが互いに逆方向を向き、どちらに進めばよいか迷う。とりあえず車道を登る方向に進むと、約8分で登山口(標高約840m)に着く。ここにも方向が当てにならない指導表があるが、登山道らしき細い道が見えるので間違いないだろうと山側の道に入る。沢沿いの登山道は少し進むとゴツゴツした岩に変わり、落ち葉で隠れて良く解らない。時折ビニール紐の目印と杉を三本束ねた丸太橋が現れ、道案内をしてくれる。

 左上部では何かの作業中か石を叩くハンマーの音がこだまする。平日には発破作業も有るようなので、登山口にある事務所で確認しておくと良いようだ。傾斜は比較的緩いが、音がしても水の見えない沢状の岩場を難儀して登る。やがて岩場が終わると唐松林が現れ、つづら折れの急登がやって来る。石コロのない安定した登りだが、相変わらず落ち葉が覆い足がすくわれそうなので慎重に高度を稼ぐ。約10分ほど急登がつづき、少し平坦となって木々の間から石裂山(おざくさん)や遠く霞んで宇都宮方面の町並みが見える。ここが唯一の展望ポイントかと思い、小休止を取る。

 やがて、苔むした岩と巨岩が現れややきつい登りが続く。道は右側の尾根の腹を巻くように続き、しばらく登ると傾斜もやや緩くなって左下の沢から遠ざかっていく。ここまでも殆ど見通しは効かないが、背の低い下草と高い灌木の生えるバランスの良い林が心地よく迎えてくれる。井戸湿原が近いのか平坦な道に変わり、短い木道も現れて心地よい風も通る。間もなく思っていたよりかなり小さい五段の滝が現れ、程なく湿原周回コスー分岐となり湿原は近い。


井戸湿原
 約2ヘクタールの井戸湿原は鹿の食害を防止するために、防護ネットで囲まれている。登山道にまたがる各所にはゲートが設置され、通過後は必ず閉じなければならない。湿原脇の木道を数分進むと横根山分岐があり、東屋の建つ広場へ進む。小休止後、東屋の左手へ進みすぐに現れる分岐を右折して再び次のゲート開閉して高原地帯を横根山へ向けて進む。県の無線中継所を過ぎ、二つほど小さなピークを通過すると東屋の建つ横根山(1373m)山頂に出る。


石畳状の最も良い姿
木の階段は剔れて
歩かれず脇が
踏まれていた
 山頂は小さな灌木が茂り、あまり見通しは良くないが付近の岩に立つと程良く展望が楽しめる。この日は、西側に雪雲がかかり皇海山や奥白根はよく見えないが、袈裟丸山や男体山方面は良く見えた。東屋で昼食を取り、しばし周りを歩き回って山頂を後にする。帰りは井戸湿原の木道を回って五段の滝に戻り、来た道を引き返す。

 この前日光高原は、つつじ類も多く春先にはピンクや赤や白に染まりそうだ。ただし、人・・人・・で混雑するかも知れない。この季節が静かで、一番良いのかも知れない。各所の指導標識は、微妙に方向角度が違うので注意したい。  阿部 記

コース時刻:日瓢鉱山登山口10:15−11:15五段の滝11:19−11:30井戸湿原−11:53横根山12:26−12:41井戸湿原(湿原半周)−13:00五段の滝13:05−13:45登山口(小休止時間込み、車を置いた大小屋橋までは車道徒歩約8分)

  2005.11.19

  熊鷹山−丸岩岳(田沼町)


熊鷹山より、白根山ー日光連山を望む

 17日、高い山は滑り止めタイヤでしか出かけられず、友人から聞いていた田沼町北西部に位置する熊鷹山へ出かける。8:40自宅を出て国道293号にのり葛生町へ。バイバスの途中から郊外を通り田沼町に入る。田沼町の市街地からつづく道を右折して迷いながら作原方面に向かい、見落しそうなY字路を左折して小戸へ向かう。しばらく進むと小戸川沿いに狭い砂利の林道となり、こんな所車が行けるのか心配しながら慎重に車を進める。ジャリ道を20分ほど何とか進み、砂防ダムと広場が現れ登山口につく。春先は、アカヤシオを目指した登山者が多いという。駐車スペースは狭く、整列しても10台が限度と思われる。ただし、左方向に林道がある。


五段の滝

熊鷹山分岐登り口

丸岩岳

丸岩分岐上部にて

 先客の車4台の間に割り込み、身支度を整えて9:55登りにかかる。小戸川と言っても小さな沢だが、小滝が無数に散らばり音だけは騒がしい。薄暗い杉林が続き、丁度良い傾斜を心地よく進む。やがて太い杉が11本並ぶ十一本杉に着き、更に少し行くと最初のわさび畑が現れる。このあたりから沢沿いにわさび畑や小滝が要所要所現れ、独特の景観を見せてくれる。十一本杉から3分ほど進むと、丸岩岳との分岐が現れるが直接小戸川沿いに熊鷹山へ進路を取る。


今年の見納めか

 心地よい登りに小滝の名称を示した看板が要所要所に立ち、落ち葉に埋め尽くされた道をビデオを回しながらのんびり登る。やがて沢も細くなり、雑木林の紅葉がとぎれ始めると少しきつい登りに変わる。春先はこの辺から草花やヤシオが見られるようだ。20分ほどやや急登を進むと尾根を巻き込み、尾根の腹を進むなだらかな直線の道に変わって木々の間から関東平野が見え出す。やがて丸岩岳分岐に出る。熊鷹山は右折して鳥居を潜り約5分で山頂に立つ。

 熊高山(1169m)は背の低い灌木に囲まれているが、約4m程の展望櫓が建ち、まったく遮る物もなく360度の大展望が広がる。約10名程の先客が居たが、早速櫓に立ちビデオを回す。赤城山から男体山方面には雪雲が覆い被さり、こまい雪がこちらまで飛んでくる。晴天の関東平野の奥には筑波山や富士山、時折浅間山も顔を出してくれた。大パノラマを満喫して山頂を後にする。

 滑りやすい道を戻り、分岐から丸岩岳へ向かう。背の高い雑木林に続くやや平坦な尾根道を進むが、葉の落ちた林は風通しも良く手が冷たい。初冬の山を感じながら快適に進むと、再び緩い登りが始まる。木の間から雲の取れた赤城山や浅間山も見え、ピークを乗り越すと再び下ってしばらく進むと、ややきつい登りとなり丸岩岳(1127m)に着く。広い山頂は背の高い雑木林に囲まれ展望は利かない。昼食を取りながらしばらく休憩、丸い岩も無いのに丸岩岳とは・・としばし悩む。

 丸岩岳より小戸川分岐を目指して下るが、結構きつい傾斜で祠が現れ平坦となる。奈良部山方面の分岐があるようだが良く解らず、目に付く印のまま下る。尾根が右手奥に見えるので間違いはないだろうと、再び傾斜のきつくなった道を慎重に下る。やがて大きな樅の木の下を潜り、紅葉の残る林を進む。落ち葉が無数に広がるカールが現れ、何処かで見たような風景に感激しながらしばし下ると小戸川の分岐に出て一安心する。小休止を取り、汗を乾かすようにのんびりと下り、登山口に戻る。なかなか良い山だったが、帰りに車の底を3回ほど擦ってしまった。登りでは大丈夫だったが、ブレーキのタイミングが悪かったようだ。春先は登山者が殺到しそうなので、夜中に駐車場を確保しないと止められなくなるかも知れない。  阿部 記

コース時間:小戸川登山口9:55−10:20丸岩分岐−11:32熊鷹山11:47−12:25丸岩岳12:48−13:33丸岩分岐13:40−13:57小戸川登山口(休憩時間込み)


石裂山(おざくさん・鹿沼西)鎖場を登り切るとアカヤシオの群落が待っていた

2005.4.23 

 23日、この日も快晴。沖さんのメールに誘われて、アカヤシオの咲く石裂山へ登る。先週たどった裏道を進み、鹿沼市街地から来る道と古峰神社との交差点を左折して、一直線に加蘇山神社へ車を進める。ヤシオは終わったか、少し早いかと不安を抱えながら進むと、民家の庭先にアカヤシオを見つてけちょうど良さそうな咲き具合に気持ちは弾む。


竜ガ滝付近に咲くスミレ

中の宮付近の鎖場
 神社社務所を回り込むようにして左折し、更に狭い道を進むと加蘇山神社駐車場に着く。もう、駐車場は満杯状態だが、何とか1台分を確保する。地図は持ってなく、一角の案内板をじっくり眺め頭にたたき込み出発。すると、神社に続く石段の左側には大きな指導表があり、迷わず杉林に続く道を進む。要所要所には「石裂山回遊コース」の小さい札が取り付けられ、迷う所はなさそうだ。割になだらかな安定した道を、東剣ガ峰に向けてコースをとる。

 15分程のんびり登ると、竜ガ滝と言われる小さな滝と東屋が現れる。少し進むと周回コースとの分岐が現れ、やがて天然記念物の千本桂が現れる。ここから本格的な上りになりそうなので、大きな桂の木と山桜を眺めながら小休止を取る。5−8cm程に育ったミズが周りに生えるややきつい上りが続き、小沢伝いに進むとやがて沢音も無くなり、少し頑張ると東屋のある「中の宮」と書かれた平坦地に出る。正面には長くきつそうな鎖場が見え、点在するアカヤシオを見上げながら再び小休止を取る。

 ステンレス製の太い鎖はあまり頼りにしないで、三点確保でグングン高度を稼ぐ。やや平
東剣ガ峰の長い梯子

西剣ガ峰より石裂山方面を望む
坦な道に変わると、大きな岩場の下に中の宮と言われる祠に続く梯子がある。寄り道しないで斜面を巻くようにそのまま進むと再び急傾斜が現れ、岩と木の根に悩まされながら高度を稼ぐ。登り切ると満開のアカヤシオの群落がせり出し、心を弾ませる。赤と言うよりピンクに近い。なかなか見事である。やせ尾根にかかる立派なアルミ製の梯子も心地よい。二つほど梯子を渡り、やがて雑木林に続く安定した道に変わる。斜面にはカタクリの花もまだ残っている。ジクザグに登っていくとやや幅のある尾根に出て、風あたりも強くなる。


石裂山より日光連山を望む

月山より日光連山を望む

月山より宇都宮方面を望む
 しばらく進み、東剣ガ峰はどこかと歩いていると長い梯子の下りが始まり、やがてきつい上りになる。アカヤシオに気を取られながら登っていると西剣ガ峰の標識が急に現れた。すごい、この辺はアカヤシオの群落になっている。萌ぎ始めた山肌にピンクの花々、感激しながらカメラを回しまくる。遠くには、青空をバックに高原山が白く輝く。何と綺麗なコントラスト。しばしタバコをたてて大休止をとる。

 また立派なアルミ製の梯子を下り、左側の岸壁を眺めながら石裂山の急傾斜に挑む。見通しは殆どなく、杉林が現れると傾斜も緩くなり、分岐が現れ左折して石裂山(879m)の山頂に出る。北方が開けて、男体山や女峰山の日光連山が一望できる。ヤシオと日光連山の配置が悪く、いまいちの景観に少しがっかりしながら小休止。風あたりも強くそうそうに杉林の中を月山へ向かう。さほど大きなアップ・ダウンはなく、15分ほどで大きな祠のある月山に着く。

 ちょうど昼飯時で5−6名の登山者が腰を下ろしている。やや広い山頂の周りにはアカヤシオが咲き乱れ、日光連山との相性もなかなか良い。しばし景観を楽しんでいると、更に登山者が集まり混んできた。少し下り、日溜まりを探して昼食を取る。15分ほど昼食タイムを取った、後下山開始する。

 鎖場を数回過ぎると、また植林された杉林に変わるが足下は安定している。しばし下ると、岩場が現れ古い鎖に見向きもせずに慎重に下る。ヤマツツジはツボミが膨らんだばかり、まだ咲いてはいないが真っ赤な花芽は周りの若葉にはえている。数回、鎖場や梯子を渡ると傾斜も緩くなり、うっそうとした杉林に変わる。薄暗い小さな沢から、いきなりゲロッ!と蛙のおたけびが大きく聞こえビックリする。しばらく下ると小沢を渡り、回遊コースの分岐に出る。

 この石裂連山は、標高こそ低いが岩場も多くて変化に富んだ楽しい山だが、転落事故が多く危険な山でもあるそうだ。三点確保を習得して楽しい山歩きにしたいものだ。アカヤシオの咲く今の季節が、一番楽しいだろう。 阿部 記

 コースタイム:加蘇山神社−0:15−竜ガ滝−0:20−中の宮−0:50−西剣ガ峰−0:20−石裂山−0:15−月山−1:00−竜ガ滝−0:15−加蘇山神社(休憩・昼食時間込み)

夕日岳(鹿沼北西)

2005.4.17


ハガタテ平

地蔵岳山頂

夕日岳へ続く尾根道
 17日、快晴。古峰神社北方の地蔵岳・夕日岳(1526m)へ登る。県道14号沿いの大芦川は渓流釣りの客で、路上駐車が道幅を狭くしている。ほどなく県道58号に移ると、少し遅い桜とヤシオツツジが色を添える。小一時間で登山口に着き、車を置き身支度を整えて林道にはいる。殆ど使われていない林道は、思ったよりしっかりしていて歩きやすい。

 約40分で林道終点、いよいよ登山道にはいるが鬱蒼とした杉林には、積雪によると思われる倒木が目立つ。時には倒木をまたぎ、はてまた潜ったりと結構疲れる。延々と続く杉林の登りを更に30分程登ると明るい沢に出て、下って来た登山者とすれ違いに大休止をとる。

 三度杉林に入り傾斜はややきつくなるが、やや狭い湿原が現れ周りも明るくなる。コバイケイソウが芽を出したばかり、まだ付近は冬枯れ色。最後の杉林を登るとハガタテ平の尾根に出て、大休止をとる。ここからは背の高い雑木林になり、立木の合間から見える男体山などを眺めながら進む。地蔵岳への登りは足下は安定しているが、結構きつい傾斜だ。人影もなく涼しく感じる風を受けながら、マイペースで黙々と登る。


奥白根山 手前狸山(夕日岳より)

男体山 から 女峰山(夕日岳より)
 12時10分何とか地蔵岳(1483m)に着く。腹が減っていたが、タバコをたててすぐに夕日岳に向かう。残雪が多いところで50cmほどあり、最後の雪を楽しみながら尾根道を進む。三ツ目の分岐には8名程のザックが置かれ、さらに10名の登山者が薬師方面からやってきた。残雪で座り込む場所が狭いので、休まずに夕日岳へ進む。

 分岐から一旦下りコル付近で岩場を見つけ、上がってみると結構見晴らしがよい。しばらくだらだらの上りの尾根が続き、息が切れ出すと夕日岳(1526m)の山頂に着く。北側の林が切れて、約100度の視界が開ける。奥白根や男体山、女峰山の展望が良く、カメラにおさめる。残雪を避け、少し進んで落ち葉に腰を下ろし昼食をとる。休憩時間も含むが、ここまで3時間近くもかかってしまった。運動不足がたたったようだ。

 下りも元の道をたどるが、膝に効きそうなので倒木の小枝で杖を作りお世話になる。手のひらに豆が出来そうだが、結構役に立ったようだ。途中の山桜はまだ咲いていないが、カタクリの花を見つけ立ち止まる。15時47分、車まで無事戻る。チョット運動をと思っていたが、結局6時間ほど遊び回り、疲労を貯めてしまった。

コースタイム:林道ゲート−0:40−林道終点−1:05−ハガタテ平−0:40−地蔵岳−0:35−夕日岳−0:30−地蔵岳−0:25−ハガタテ平−0:50−林道終点−0:45−林道ゲート(昼食時間含まず、休憩時間込み)

三枚石−方寒山

2004.11.28


ドングリがいっぱい

三枚石(1377.6m)

横根山を望む

赤城山遠望
 前日の強風も収まり、晴天に誘われて古峰原に向かう。古峰神社脇の駐車場に車を置き、三枚石への直登コースを進む。


落ち葉に埋もれる道
 車道から戻るように杉林に続く登山道をゆっくり登ると、まもなく沢を渡りややきつい登りが現れ尾根道に変わる。植林されたヒバ林を左手に見ながらゆっくり高度を稼ぐ。この辺の尾根道はあまり傾斜もきつくなく、平坦部も現れ快適に高度を稼げる。約40分ほど進むとやっと傾斜もきつくなり、心地よく汗が吹き出てくる。背の高い雑木林は葉も全て落ち、登山道が見えなくなるほど落ち葉に満ちている。隠れた小石に足を取られながら、ガサガサ音を立て高度を稼ぐ。

 登山道に大きな石が現れる頃に到達すると、地蔵岳方面の尾根の向こうに男体山や女峰山が頭を出す。風に吹き飛んだ落ち葉の隙間には、ドングリが多数落ちて芽を出した物も見られる。動物の餌が山に少なくなったとは言うが、結構落ちているドングリは多いように思う。更にきつくなった急傾斜の尾根をドンドン高度を稼ぎ、大きな岩を過ぎたあたりで男体山を眺めながら大休止を取る。

 更に急登は続くが、風であせも乾き快適に進む。程なく道は尾根を左側にトラバースぎみに付き、傾斜もやや緩くなる。苔むした倒木や岩が多数現れ、少し変わった光景を見せてくれる。ごく小さい沢を二つ三またぎ、冬枯れの雑木林を進むとやや大きな岩が現れ、道は右に大きく曲がる。再び広い平坦部を下り気味に進み、少し息が上がる頃には三枚石の広場に出る。ここには古峰神社の奥の院がある。展望はあまりよくないが、小休止を取る。

 いつもならここから引き返すが、天候がよいので横根山方面に足を延ばす。やや平坦な「関東ふれあいの道」と記された雑木林に続く小道を快適に進む。遠くにマイクロウェーブの塔が見えると少し下りとなり、高度差約15mを登り切ると南東側の視界が開け方寒山に着く。前日光牧場が直ぐ目の前に広がり、横根山の右側奥に東京の高層ビル群が見え、関東平野を横切る利根川が光の筋を作っている。霞がもう少し無ければ、富士山や浅間山も見えそうだ。牛のいなくなった牧場の一角にから右側雑木林ぎりぎりの所、奥に、赤城山を確認して更に大展望を双眼鏡で楽しむ。

 昼食を取り、小一時間ほどして元の道を戻る。誰もいなかった三枚石には15人ほどが集い、にぎわっているので休みを取らずに下る。そこから10分ほど下ると大きなザックの10名ほどの登山者と出会い不思議に思って訪ねると、焼き肉をして楽しむために荷物が大きくなったとのこと。いいなあぁぁ・・と恨めしくなってションボリきつい下りを下山する。登りに、途中の岩場で見つけた落とし物らしいストック杖は、もう無くなっていた。残念!・・?。

 コースタイム:駐車場−1:50−三枚石−0:20−方寒山、方寒山−0:15−三枚石−1:25−駐車場(昼食時間含まず、休憩時間込み)

赤雪山621m−仙人ヶ岳663m

2004.11.20


最初のピークより続く道

赤雪山山頂

623ピーク
 まだ紅葉が残っているだろう・・と思い、深高山の西側に位置する赤雪山へ足を延ばす。松田川ダムまでは順調に進んだが、当初仙人ケ岳より回ろうと思っていたため、その登山口探しに時間を費やす。キャンプ場で聞いた林道を奥深く進みながら探すが見あたらず、結局赤雪山登山口に車を置き身支度を整える。時計を見たら10時をまわっていた。


仙人ケ岳山頂

山頂より桐生方面

赤城山遠望
 ダム湖からは水質浄化用の噴水が上がり、月山湖を思わせる。噴水が止まったところで出発。鬱蒼としたひばの林の急登をグングン高度を稼ぐ。視界は殆ど効かず黙々と登るが、やや赤い土に採石状の小石が詰まった登山道は安定して歩きやすく、急傾斜も歩幅を選ばず苦にならない。ジグザグに続く道を登り切る頃になると、センブリがあちらこちらに現れ胃腸薬代わりに欲しい衝動に駆られる。約40分で最初のピークに着き、小休止を取る。

 背の高い雑木林は紅葉も終盤を迎えているが、まだまだ色鮮やかなものもある。ナラ科の落ち葉がびっしりと敷かれた道は心地よい音を立て、緩くなった傾斜を快適に進む。木の間からは、500mほど離れたピークにマイクロ波の反射板が見える。あの下がダムの管理事務所か・・と想像しながら先を急ぐ。最初のピークから約20分で視界が開け、大きな東屋のある赤雪山山頂に出る。

 山頂からは赤城山が顔を出し、北西の奥にも高い山波が見えるが何という山かは良くわからない。北から東側にかけてドンヨリ雲がせり出し、基準の山が解らず判断に迷う。日差しはあるが、今一、視界が悪くガッカリする。15分ほど遊んで仙人ケ岳に続く縦走路へ進む。

 雑木林に続く狭い縦走路は落ち葉で埋まっているが、テープやペンキで所々に目印があり間違うことはなさそうだ。尾根づたいに約70mの高低差を下ったり登ったりしながら続く。ツツジの真っ赤な紅葉に紛れて、ピンクのツツジ?が咲いていた。狂い咲きだろうか。約30分ほど進み、585mピークを通過する。更に進むと高低差も大きくなり結構息が切れる。全体的に視界は効かないが、木の間から雲がとれた男体山なども見える。12時40分ころ群馬県との県境の623mピークに着き昼食を取る。

 県境沿いに急な下りや登りを繰り返し、木につかまりながら尾根を進む。群馬側には袈裟丸山が見えるだろうと何回も覗くが、どうも様子がおかしい。手前にもう一つ山塊があり、その陰になっているようだ。群馬側からの風が強くなり、汗は殆ど乾いてしまった。寒さを感じる頃には登りがきつくなり、汗が吹き出す寸前でピークに着き汗をかかずに快適に進む。初めてピークを巻く道が現れ、少し進むと最後の急傾斜が現れて仙人ケ岳に山頂に着く。


現れた林道終端部
 平坦部を少し進んだ所に山頂があり、南側に深高山の峰を確認する。背の高い木々が視界を遮るが、霞んで榛名山も見える。男体山から赤城山までは比較的よく見えたが、山名が良くわからずビデオにおさめる。登山者には全く会わなかったが、山頂に2名がシートを敷いてくつろいでいた。30分ほど展望を楽しみ下山開始する。

 小さな標識に従い少し戻って杉林にはいる。急な道には杉の葉が詰まって滑りながら下る。道も解らなくなり、時々立ち止まって探す。勝手に想像しながら下ると赤い杭を発見して登山道に戻る。杉の倒木が道をふさぎ、屈んだり、またいだりと四苦八苦する。15分ほどでいきなり車道が現れる。えっ!!車道?どうやら、尾根を下るコースではなく、キャンプ場の管理人さんの言った林道に出てしまったようだ。もしかすると登山口を探すときに入り込んだ林道に続くのでは?と思いガッカリする。約30分後、先ほど引き返したところが現れ、予感が的中。益々ガッカリしながら、林道を下る。

コースタイム:登山口(ダム管理棟より二つ目の登山口)−0:55−赤雪山−0:30−585ピーク−0:50−623ピーク−0:40−仙人ケ岳−0:20−車道−0:50−登山口(休憩時間含まず)

鳴虫山(1103m)

2004.4.7

日光の町並みと今市方面(右上)

女峰山遠望

鳴虫山山頂と展望台

 4月7日、日光市街地の南方に位置する鳴虫山へ行く。しばらく休みの日は天候が悪く、久しぶりに平日の休みで天気も良く誘われるように山に駆け込む。運動不足で自信はないが、とりあえず身支度を整え登りだす。

 最初のジグザクの登りをペースを落とし登り切ると、程なく杉林に入って傾斜は緩くなる。視界は全く効かなくなるが、焦らず黙々と高度を稼ぐ。今一調子が出ないまま進むと、まもなく分岐が現れ小休止を取る。さらに尾根道を進み、少しきつい登りにさしかかると今市方面の視界が開ける。そこから5分ほどで神主山(842m)に出る。ここからは、日光市の町並みが眼下に見え、男体山、大真名子、小真名子、女峰山の絶景が見渡せる。


根っこだらけの道

 小休止後、再び小さいピークを登り下りしながら尾根道をたどる。徐々に高度を稼ぐが、木の根が芝木を敷いたように現れ結構歩きづらい。下股のあたりが重く、ペースを落としながら登る。この凹凸の多い尾根に飽きてきた頃、やっと頂上の立派に作られた見晴らし台が見えて山頂が現れる。

 山頂には平日にも関わらず、10名ほどが集いにぎわっていた。見晴らし台からは日光連山の景色が広がり、しばし堪能するが雲も広がり霞んでいる。各峰峰にはまだ残雪も多く、素足(ワカン、スノーシュー等無しでは)では歩けそうにない。昨年の4月6日にはここ鳴虫山頂にも雪があったが、今年は地肌が出ている。各峰も少しは残雪も少ないようだが、しばらくは融けそうにもない。

 早めの昼食を取っていた各登山者は、反対側のコースに消えて行くがなかなか全員が引かない。皆さんの豪華な昼食に引け目を感じてコンビニのおにぎりを出し渋っていたが、空きっ腹に耐えきれず一つガブッとしていたら向かい側の中年ご夫婦から、コヒー、漬け物、デコポンの差し入れがあり、いきなり豪華な昼食となった。何だか学校で弁当箱を空けるのを、ためらっていた時のようだった。何処の何方か聞きませんでしたが、お裾分け有り難うございました。 1時間ほど景色を眺めたり、K氏にメールを入れたりして山頂を後にする。

 日光の町中では梅の花とマンサクが満開、桜は一部でほころび始めたが満開まであと一週間はかかりそう。鹿沼市に戻ると桜も満開で、花見をしながら自宅へ進む。

コースタイム:登山口−0:25−分岐−0:12−神主山−1:00−山頂−0:50−神主山−0:35−登山口(休憩時間含む、昼食時間含まず。)


深高山506m−石尊山486m

2004.3.7


十字路

石尊山へつづく尾根道
 足利市街地の北西約10kmに位置する、深高山(しんこうさん)と同じ尾根を持つ石尊山(せきそんさん)へ登る。栃木・群馬県境に近く、西側の尾根の向こうは群馬県だ。この日は足利市街地から馬打峠を通り、猪子トンネル入り口から入山する。


深高山より足利市街地方面
 トンネル入り口左側の小さい広場に車を置き、車両通行止めとなっている車道を100m程進むと右側に登山口がある。すぐにやや急な登りになり、ヒバの林の中をゆっくり進む。登り切ると視界が開け、送電線のうなりを聞きながら平坦な道を進むとトンネルの反対側から来る道と合流する。しばらく雑木林に続く緩い登を行くと車道と合流する所が2回現れ、間もなく十字分岐に着く。此処まで約20分。

 薄暗い十字分岐を離れると明るい雑木林に変わり、緩い傾斜をのんびり進む。右前方奥には赤城山が木々の間から見え隠れする。しばらく進むとロープの張られたややきつい傾斜が

深高山山頂

石尊山山頂
現れ、深高山山頂に出る。山頂は南方向が約160度も開け、関東平野が一望できる。この日は霞んだ筑波山や東京の高層ビル群も見えた。時間がたっぷりあるので、小休止後石尊山に向かう。

 やや下り気味に進む尾根道は、広く快適につづく。すれ違う女性から「山っていいですねぇぇ」と声がかかり、軽く相づちを打ちながら爽快な気分で進む。約20分で石尊山山頂を通過して、見晴らしの良い”おべんとう広場”と書かれた広場に着く。地元の方は、こちらを石尊山と呼んでいるそうだ。此処もまた展望がよい。再び雪雲に覆われた赤城山、少し右手に榛名山、又右肩奥には雪をタップリ抱いた浅間山も一瞬顔を出した。更に右には、妙義山らしき山と右側の切れ込んだ荒船山も雪雲に霞んで見えた。残念ながら秩父山塊や富士山は見えなかったが、前橋方面の町並みはハッキリ見通せた。

 早い昼食を取りながら雪雲の切れるのを待ったが、頭上に雪雲が張り出し小雪が舞ってきた。冷たい風を受けながら、尾根道を引き返す。約30分で深高山に戻るが、何時しか雪雲も取れて途中赤城山や男体山の頭が見えだした。山頂で小休止を取り一気に猪子トンネルへ下山する。

コーステイム:登山口−0:20−十字分岐−0:25−深高山−0:20−石尊山−0:10−見晴らし−0:30−深高山−0:40−登山口(昼食時間含まず、休憩時間込み)

雨巻山 533m

2004.2.22


なだらかな尾根道

三登谷・尾根コース分岐より

上写真右上部ピークより雨巻山遠望
 この日は低気圧の前線が近づくと言うので、雨に巻かれないよう早めに出発する。雨巻山(あままきやま)は、益子町と茨城県岩瀬町との境に位置する。壬生町から国道352をひたすら東に向けて走り、真岡市から県道257号をさらに東に走って益子町・原西地区で県道297号に入る。小さい峠を一つ越すと栗生(くりゅう)地区に入り、数カ所に登山口がある。


雨巻山山頂

栗生車道より展望コース方面を望
 展望コースを登る予定だったが車を置く場所が分からず、少し戻って尾根コースと沢コースの分岐に車を置いて、尾根コースをたどる。田圃や杉林を眺めながら、約20分凸凹の車道を行くとやっと登山口に着き、雑木林の登りに取りつく。踏み後が少し分かりづらいが、傾斜がついてくるとパサパサした土がむき出しの道が尾根へと続く。少し息が上がり出すと、登りもやや緩くなり快適に進む。木立の間からは、霞んではいるが岩瀬町方面が見える。十m程の登り下りを繰り返し、登山口から40分程で岩瀬町からの分岐に着く。

 暖かい南風を受けながら小休止を取り、5分ほど登ると展望台が現れ加波山(かばさん)方面が見えた。更にやや平坦な道を進むと、いきなり雨巻山山頂(益子町)に出る。広い山頂には50人ほどが集い、にぎわっている。部分的に展望の良さそうな所もあるが、この日は霞が強く展望をあきらめ、少し休んだ後に三登谷山(みつとややま)方面の尾根に進む。

 下り気味に尾根をたどると木立が途切れる場所もあり、後ろを振り返りながら再び人気の無くなった道を快適に進む。山頂から約40分で三登谷山・展望コースの分岐に着く。岩場の少し高い分岐からは雨巻山に続く尾根が見渡せ、談笑していた3人組に展望コースの案内をいただく。ここから戻って車を置いた沢コースを下ろうと思っていたが、この先に更に展望の良い場所があると聞き、麓で車道を歩く覚悟で展望コースを取る。

 分岐から10分程で更に展望の良い岩場に出る。宇都宮方面の大展望が望めるらしいが、残念ながら真岡の町並みも見えない。此処で昼食を取り、しばし展望を楽しんで下山開始する。結構傾斜がきつく、乾いた土は滑りそうで灌木を掴みながら下る。やがて道は直角に右に折れて檜林に入り、林を通り抜ける頃には傾斜も緩くなる。回りが開けて、やがて舗装された車道に出る。のどかな集落の風景を左右に楽しみながら、車を置いた分岐まで戻る。低山ながら登山口も各所に有り、結構楽しい山だ。大川戸には鉱泉もあり、汗を流すのも良いかも知れない。

コースタイム:沢・尾根コース分岐−0:40−登山口−0:40−岩瀬町コース分岐−0:15−雨巻山頂−0:40−山登谷山・展望コース分岐−0:30−車道−0:15−沢・尾根コース分岐(昼食時間含まず、他の休憩時間含む)

大小山(妙義山)313.6m

 2004.2.1

足利・桐生方面の大展望


お寺手前の運動場?より大小山

妙義山(大小山)山頂

鷹の巣山山頂(奥が大小山)

土埃の飛ぶ乾いた道
 大小山は、JR両毛線・佐野駅と足利駅の中間の富田駅北側に位置する。山頂部は佐野市と足利市にまたがり、二等三角点の大小山より少し低い鷹の巣山に「大」と「小」の大きな文字看板が岩場に取り付けてあるのが麓から見える。地元の観光協会では、文字看板の取り付けてある鷹の巣山を大小山と言うそうだ。

 陶芸品を展示してあるという栗田美術館前を通り、600m程進むと左側に大小山登山口と書かれた小さな看板が見える。そこを左に入ると道も狭くなり、同じく小さい看板を頼りに進むとお寺が見えてヘンスに囲まれた広場に着く。車をおき、舗装された小道を3分ほど歩くと車15台ほどおける駐車場が現れ、一角にトイレ小屋もある。少し杉の木に隠れて阿夫利神社があって、ここが登山口となる。

 この日は駐車場脇から直接妙義山(国土地理院で言う大小山)直登コースを取り、雑木林の中を登り出す。登山道と言うよりは森林作業のために着いた道のようで、パンパンに乾き土煙が立つきつい登りだ。あまり息が上がらないようにゆっくりと高度を稼ぐと、10分ほどでやや見通しの良い尾根に着く。下ってきた親子をやり過ごし、緩くなった傾斜を少し進むと最初のピークに出る。結構見晴らしも良く、大小の大きな看板の付く鷹の巣山や大小山のピークがすぐそこに見え、更に佐野の町並みや三毳山方面の眺めもよい。

 やがて二つ目のピークを過ぎ、岩場が多くなると大小山山頂に着く。狭い山頂には10人ほどが360度の大展望を楽しんでいた。霞が多いが、日光連山・皇海山・武尊山・赤城山などか見えている。空気が澄めば東京の町並みや富士山も見えるという。標高が低い割には大展望が楽しめる。

 西側の下に見える足利市街地を眺めながら、鷹の巣山に向かう。細い尾根道はさほどの高低差はなく、5分ほどでたどり着く。少し妙義山より広い山頂で展望を楽しみ、次のピークに進む。こちらは再び360度の展望が楽しめ、再度足利・桐生方面の展望を確認する。上空にはセスナ機に引かれたグライダーが舞い、のどかな風景をそよ風に打たれながら満喫する。

 更に尾根道を進み小さなピークを二つほど通り、左側にコースを取って阿夫利神社へ向けて下る。こちらは傾斜もやや緩く、10分ほど下ると杉林にはいる。更に緩くなった傾斜を下ると小さな沢に着き、舗装された小道に出る。尾根の分岐から約20分ほどで阿夫利神社のある登山口に戻る。尚、鷹の巣山から直接阿夫利神社に下るコースは長い岩場があるそうなので注意しましょう。 展望が抜群で、冬季のトレーニングに最高の山だ。

コースタイム:阿夫利神社−0:30−妙義山−0:05−鷹の巣山−0:05−3ピーク−0:10−5ピーク分岐−0:20−阿夫利神社(休憩時間含まず)

三毳山(みかもやま)229m

 2004.1.25


とちぎ花木センターより中岳方面

整備された散策道

中岳山頂
 三毳山は佐野市と岩舟町にまたがり、佐野・藤岡インター北側にそびえる低山で山塊周辺四ヶ所に登山口がある。主なピークは北方の竜ケ岳(229m)と中岳(210m)がある。25日は東側のとちぎ花木センターより入り、ハイカーでにぎわう散策路を案内標識に従って進む。整備されたコースは山塊各所に広がるが、とりあえず中岳を目指して登る。

 落ち葉が敷き詰められた雑木林は陽の通りも比較的良く、野焼きの煙で霞んだ

三毳神社
木立の中に幾筋もの幻想的な陰を作っている。少し汗ばんでくるころ、雑木林越しに竜ケ岳方面も見えだし中岳が近いことを感じさせる。すれ違う人々は殆ど軽装備で、ジョギングの延長のようだ。トレーニングには最適の山に思える。

 登り初めてから約20分、こぢんまりとした山頂に着く。背の高い木立に囲まれて見通しは良くないが、佐野の町並みがすぐしたに見える。5分ほど休んで尾根伝いに南口方面に進と程なく、東側が開けた広場に出る。この日は霞んで見通しは良くないが、パラグライダーの準備をしていた人に聞くと小山方面の展望が良いとのこと。更に50m程少し登り気味に進むと三毳神社の祠が有り手を合わせる。

 神社から階段を下るとフラワートレィン(蒸気機関車風に作られた計4両編成の自動車)専用の舗装道路に着き、この道に沿って花木センター方面に進む。山腹を巻くこの道に出ると、ハイカーやランニングする人も更に多くなりにぎわっている。約20程かけてゆっくり散策しながら進むみ、木道の通る公園経由で花木センターに戻る。福寿草やラッパ水仙が咲き出していた。約1時間半の行程だったが、物足りない場合はいろんなコースがあるので2時間でも3時間でも楽しめる。カタクリの咲く季節も良く、トレーニングには最適の山だ。

H19.12.9

      古賀志山 (宇都宮市)


赤川ダムより古賀志山
 高原山に登るつもりだったが昨夜半の雨が山では雪だったようで、遠目でも山裾まで白く染まっていて、これでは到底高原山は無理と諦めて、陽だまり山行に方向転換して古賀志山を歩くことにした。高速道が割り引き時間帯だったため、西那須野から宇都宮まで高速道を利用して時間短縮を図り、ゴルフ場を縦断するショートカットコースで森林公園駐車場に到着。この時期は陽だまりハイクが多いようで駐車場の半分以上が埋まっている。


559m峰
 今回の自分の歩いたルートが、阿部さんの報告(2003年11月26日の古賀志山)と合致しているところが多いようなので、それを参考にしながら読んでいただければ幸いです。

 阿部さんは水場の先のベンチのある休憩ポイントから古賀志山北ルートの一般道を離れて、「岩場あり注意」と書かれた中尾根ルートを登ったようだが、当方は一般ルートをそのまま富士見峠分岐まで登る。途中の登山道には冬イチゴが沢山稔り、甘酸っぱい野生の味が口に広がり、美味しそうなのを見つけてはその味を楽しんだ。


古賀志山の峰々

男体山方面を望む
 富士見峠から右手に一般登山者と逆方向に鞍掛山へ続くルートを北の方向に登って行く。最初のピークから目標とする559m峰が見渡せる。尾根道は落ち葉で敷き詰められて歩きやすい。まだ紅葉の残りが所々で見られ、特にドウダンツツジの赤い葉がいつまでも新鮮味を失っていないのには驚かされる。559m峰の西側に続く尾根は岩肌がむき出しで、梢越しにしか見れないけれども中々迫力がある。程なく中尾根ルートの分岐に到着。ここから559m峰まではひと登りだ。一気に登りつめて北側の景色を見ると、山頂部がガスに覆われた高原山が裾野を広げている。日光の山々も山頂が雪雲に覆われて、裾野しか見えない。その裾野も昨夜の雪で白く染まっている。


岩肌の露出した559m峰西尾根
 559m峰の頂には松の幹に寒暖計が取り付けられていて、昼間の暖かくなったときで8℃を指していた。狭い山頂部は賑やかで私は少し外れたところで休んで、汗を乾かし昼食をする。往路を戻って古賀志山山頂を登るより中尾根の岩場を下るほうが面白そうなので、予定を変更してそのまま中尾根へ続く周回路を歩くことにする。下山開始と同時に急な岩場の下りが続くが、足場がしっかりしていて下りでも不安になるようなところは無い。一旦中尾根に出て、そこから尾根筋を忠実に踏み跡を辿っていく。期待したような岩場は無く道なりに下る。ところが途中から余りに忠実に尾根を辿っていたら、いつの間にか分岐を通り越していたようで、その先は踏み跡もか細くなり岩場がやたら続いて緊張を強いられるようになる。


藪柑子
 緊張を和らげてくれるように季節外れのツツジが寒さに震えるように咲いていた。足元には赤い実がついた小さなマンリョウの子供のような若木が励ましてくれる。誰も居ない、道迷いにめげず、戻るのも癪だし、とにかく真っ直ぐ岩場を慎重に降りる。また降りる。そんな繰り返しを続けているうちに、かすかな横に逃げる踏み跡を見つけて、それを辿っていくと水場のはるか下の車道から少し入ったところの登山道に降り立った。よかった、これで安心して駐車場に戻れる。広い登山道を駐車場に向けて下っていくと、もう少し下のほうにも岩場に入る踏み跡と赤テープがあった。岩場を最後まで辿るとこの地点に下りるのだろうと想像できる。 沖 記

コースタイム:西那須野8:50==(東北道経由:約45Km)==9:30森林公園駐車場9:45---10:48富士見峠10:50---11:10中尾根分岐---11:15岩山559m峰(昼食)11:50---13:00森林公園駐車場13:05==(約45Km)==14:20西那須野

  古賀志山 583m
2003.11.16


赤川ダムと古賀志山

紅葉がまぶしい

東綾展望台より宇都宮方面

 16日寒冷前線の通過が遅れてまずまずの天気に誘われ、宇都宮市北西部にそびえる古賀志山へ向かった。近場だったため遅い出発となったが、赤川ダム下の駐車場は車が5割ぐらいも占有していた。身支度を整えて出発。

 一度訪れた道を迷うことなく黙々と進む。檜の林に時折陽が射し、気温も少々高く結構暑い。腕の裾をまくり上げ、水場を少し過ぎた分岐から南斜面の急登に入る。雑木林に変わった登りを、息をあげながら進むと間もなく尾根に出る。見通しは良くないが、残っている紅葉を楽しみながら尾根伝いに西方へ進む。時折大きな岩場が現れ、どんどん高度を稼ぐと、葉の落ちた木立の合間から古賀志山本峰も見えてカメラを回す。

 やや平坦になった尾根の分岐から進路を右に取り、北側にそびえる尾根に向かう。約30m程の高度を再び登ると鞍掛山方面の視界も開け、西方に日光連山が雲の間から顔を出しているのが見える。霞が少し濃いようだが心地よい風に吹かれながら、このピークでしばし大展望を満喫する。

 再び先ほどの分岐に戻り、1月に来た時の逆コースへと進む。途中に見晴らしの良いところがあるはずと思いだし、痩せ尾根を慎重に下る。コースは杉林に変わり岩場を登ると見通しが開け、丁度良い岩を見つけて展望を楽しみながら昼食を取る。先客の初老のご夫婦も昼食中で、ミカンを分けていただき感激する。

 昼食後、見通しの利かない何故か”富士見峠”を通過して本峰に向け登りを急ぐ。15分ほどで古賀志山山頂に出ると、鹿沼方面の視界が開け大展望を満喫する。この日は適度な上昇気流に恵まれ、パラグライダーが無数に舞っている。中には山頂ギリギリまで近づき、気流を探している人もいる。気持ち良いだろうナアァァとしばし観戦する。

 引き続き、東綾見晴台へと足を伸ばす。こちらは更に見晴らしが良く、宇都宮のビル群や東北道なども見えて大絶景が望める。空気が澄んでいれば、富士山も見えそうだ。低山ながら、見晴らしの良い山に満足して山頂をあとにする。  阿部 記

コースタイム:赤川ダム下方駐車場−0:25−水場−0:20−尾根−0:25−北西ピーク・・(尾根歩き・昼食約1:50ゆっくり楽しむ)・・古賀志山山頂−1:00−赤川ダム下方駐車場(休憩含む)


栃木 三峰山 605m

2002.2.16

奥の院

土がむき出しの急斜面の上部

三峰山山頂

セツブンソウ

 栃木インターを降り、県道32号を北西に約15km進と栃木市と粟野町の境に星野遺跡がある。その遺跡のすぐ前にそびえるのが三峰山群だ。標高は600m程と低いが、かつての信仰の山だけに岩場やクサリ場が多く、足慣らしには結構きつい山だった。

 バス停から少し粟野町方面に進み、永野川に架かる橋を渡ると御嶽山神社が見えてくる。登りは神社の境内に入り、小さい鳥居をくぐるり石段に沿って進む。まもなく祖霊殿に出て、道は薄暗い杉林の中につづく。緩い登りにもかかわらず、霜柱が融けだし足下が腐って歩きづらい。まもなく不動明王を祭る清滝が現れる。5mばかりの細い滝を左手に見ながら15分ほど登ると普寛霊神の祠に着く。

 ここからは急勾配の石段が続き、石の小さい祠が数々あり信仰の山を感じさせる。さらに高度を稼ぐと御岳大神岩戸に着く。石灰岩の岩場に出来た穴がポッカリと口を開けいてる。休み場が作られているが、10m程進と見晴らしも良くなり日光連山が木々の合間から望まれる。小休止を取り、再び杉林の緩い登りを15分ほど登ると尾根に出る。

 背の高い灌木の中を右手に5分ほど行くと奥の院に着く。ここには三尊立像が立ち、後方には日光連山や白根山が遠望される。再び尾根の分岐に戻り、三山参道の標識に従いながら、見通しの利かない尾根道を三峰山に向かって進む。尾根の右側はロープが張られ、石灰岩の採石場で発破の音やサイレンが時折聞こえる。3つ程ピークを過ぎた頃、踏み後を見失い下りにかかる。殆ど垂直と思われるような下りで、長い鎖を頼りに高度差30mほど意気揚々と下る。さらに岸壁をヘツル様に下ると倶利伽羅不動が現れる。小休止を取って再び杉林を登り、20分ほどで視界が開け三峰山山頂に着く。


日光連山と白根山(左)

 山頂はやや広いが杉林になり、三角点が杉に囲まれている。少し西側に出ると視界が約200度ぐらい開け、日光連山から白根山・皇海山・赤城山などが望まれた。もう少し空気が澄むと富士や谷川岳も見えるかもしれない。標高が低い割には展望は良かった。

 下山は倶利伽羅不動まで戻り、相変わらずつづく杉林の中のきつい傾斜を膝をかばいながらゆっくり下る。途中には鍾乳洞と梯子場があり、約30分ほどで林道に出る。民家の家並みが現れると、御嶽山神社脇の駐車場に出る。

コースタイム:御嶽山神社ー70分ー奥の院ー70分ー倶利伽羅不動ー30分ー三峰山山頂ー20分ー倶利伽羅不動ー45分ー御嶽山神社


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