第6号(1998年8月6日)<グローバルスペース>
新テーマは「FSP」 −企業診断8月号より−
米国流通業界では「フリークェント・ショッパーズ・プログラム」、すなわち頻繁に買ってくれる重要顧客をいかにして囲い込むかというプログラムが導入され、食品スーパーなどで効果を上げ始めている。データの分析からは、重要顧客が全体の25%とすれば、売上高の50%、利益の72%はここの部分で占められているという。これまでの単純なエブリデー・ロープライスをチラシで訴求する方式から、最重要顧客を優遇する戦略にシフトし始め、地域密着度を高めている。
続・ロスの交通事情
セキやんひとこと:この着眼点は特に目新しいものではなく、パレート分析(ABC分析)を経営戦略に適用したものである。このデータの数字は、今から約百年前にイタリアの経済学者ビルフレート・フェデリコ・パレートが当時の財産所有を分析して発表した「富は少数の人にかたよって所有される」という論文の数字とあまりにも近似している。キーワードは「原点にかえれ!」である。
交通渋滞解消と省エネルギーのため、昔ニクソン大統領がオイルショックの時に考えたカープールレーンが今でも残っている。相乗り優先の車線で、バイクもOK。中央線寄りの黄色車線になっている。この車線は結構流れが良い。
セキやんひとこと:渋滞の呼び方もおもしろい。「トラフィックジャム」は少し流れる時に使う。これが、「バンパートウバンパー」になると、ぎっしり詰まった正真正銘の渋滞を指す。
<ローカルスペース>
ゴミの有料化に思うこと
新聞紙までも回収が有料化になる昨今だが、ゴミの処理については市町村の責務ではないことをご存知ですか?正確にいうと、明治時代の「汚物掃除法」以来、ゴミ処理の計画、管理、指導の役割を市町村に担ってもらっているだけ。とはいっても、多くの所では、市町村が乗り出さなければ、ゴミ問題は片付かないと判断し、市町村が住民の出すゴミを集めて処理しているのが実態。また、我々一人当たり一日1kg以上、全国で毎日14万トンものゴミを排出している。
セキやんひとこと:ゴミ処理をコスト面から見ると、国ベースでの下水道関連も含めた環境衛生予算は約2兆円、さらに地方公共団体の枠を付け加えると約10兆円。つまり、環境衛生整備に国民一人当たり年間8万円程度の負担をしていることになる。
第7号(1998年8月20日)<グローバルスペース>
景気の三気
景気は、「天気・元気・人気」に負うところ大で、景気の「三気」と言われる。中国は水害(天気)で苦しみ、クリントン大統領は「元気」過ぎてお灸をすえられた。アメリカでは政治の混乱が経済の混乱を引き起こす愚だけは避けたいところだけに、底固いクリントン「人気」頼み。ルーブル切り下げのロシアでは、かねてからのエリツィン大統領の健康問題(元気)が尾を引いている。さて、日本丸の執行部の「人気・元気」、梅雨明けしないで秋に突入した「天気」を克服できるか?
当面、食糧危機の心配は無用 −「情報の活かし方」セミナーのさわり−
セキやんひとこと:景気には、「景気のサイクル」といわれる経験則がある。ジュグラーの波は周期10年程度の中期循環で、設備循環・主循環とも呼ばれる。キチンの波は40ヵ月程度の在庫循環をベースとしたサイクル。コンドラチェフの波は50〜60年周期で、技術革新との関連が濃い。クズネッツ循環という建築業界特有の変動などもある。さて、経済学者さん、今はどこにハマるの?・・・・・・返事がない・・・ですね。そう、他人頼りはダメ。やっぱり自分で判断するようでなくちゃね!
地球の人口が、現在約57億人といわれている。21世紀には、人口爆発で食糧危機必至の状況だ。このことを超短期で検証してみる。ここ数ヶ月の日経新聞のデータを追っていくと、傾向が分かる。例えば、物価の半年から8ヵ月位の先を読むのに「CRB先物指標」がある。昨年11月には240ポイント台だったが、じりじりと下げて現在は200ポイントを切る寸前まで9ヵ月で約20%もの大幅な下落である。このアメリカの調査会社コモディ・リサーチ・ビューローの発表するCRB先物指標は、それを構成する商品の6割が食料品であることから、経済アナリストの間では簡便な食料品価格をはじめとする物価の先読みに最適だとされる。今回のポイントの動き、つまり、一気の下げではないが、かなりの下げ率であるということから、読めることは2つある。先ずひとつは、世界の食料について当座は間に合い短期的には安定期であるということ。そして、世界的な経済はデフレ傾向に振れているということ。勿論、今日もアフリカなどでは食料がなくて餓死するという現状もあるが、その因は別のところにあることを敢えて付け加えなければならない・・・。ただ、異常天候などにより食料不足が予測されるとこの指標は一気に高騰する。かつて96年にあったように、このポイントがアメリカで1割跳ね上がってから6ヶ月後に、わが日本の養鶏場でエサ不足から何万羽も廃鶏にしたという痛ましいニュースが流れたが、こんなことのない様に注視し活用したい指標の一つである。すなわち、グローバル経済下、決して自分だけは聖域たり得ない。
セキやんひとこと:わざわざ苦労して新しいことに挑戦しなくても日常は変わらない(ように見える)。一方、一歩踏み出すところにしか道は開かれないことも誰でも知っている。あとは自分次第ということ。当方、各種の「おせっかい」セミナー取り揃えております。情報は自ら取りに行け!
第8号(1998年9月3日)<グローバルスペース>
アメリカの商店街活性化(一部「企業診断9月号」より引用)
このところの世界的な株安で、さすがに強いアメリカ経済にも懸念がもたれてきたが、今回はご当地も例に漏れない切実な標記テーマに迫るために、「タウンマネージメント」の本場の様子を上記冊子より一部引用してみた。レポートによると、アメリカではショッピングセンター(SC)時代の到来で一旦商店街が衰退し、ゴーストタウン化・空洞化したが、街並み修復で蘇る商店街が各地で現われ始めているとの事。大まかにいうと、(1)タウンマネージャーが、商店街活性化の最上位戦略である(2)業種構成(テナントミックス)の再構築で力を発揮しているようだ。(成功事例の共通点である。)ここでいうタウンマネージャーの役割とは、都市再生事業を地域全体の問題としてとらえ、その一環として商店街活性化のための店舗配置計画をつくり、活力ある企業を誘致してくる、いわばソフト面のディベロッパーであると位置づけられている。従って、生活者の立場に立って活躍している点が、ユニークな存在感を発揮している理由にもなっている。成功事例として、SC誘致の新手法で蘇ったパサデナ・オールドタウン、憩いの場と自然を提供して蘇ったカンザスシティ・ニコル街、歴史的建物修復で観光名所となったサウスストリート・シーポート、などが挙げられている。パサディナでは、従来の「閉じられた商業施設」であるSCの概念をブチ破り、既存店舗の入り口をSCの入り口にするなど「街と一体化した開かれた商業施設」にするための工夫がいたるところに凝らされている。カンザスシティでは、SCなどの核店舗がない中で、連棟型の共同店舗の屋上を駐車場にしたり、1階を駐車場にして2階を店舗にしたりして、共通のコンセプトの下に、個々の店舗で駐車場を確保しているのが特徴。サウスストリートでは、開拓時代の船積み港が輸送手段の変遷で荒れ放題だった場所を、タウンマネージメント手法を活用し業種を絞った店の誘致で、年間1200万人が訪れるレジャー志向のウォーターフロント型SCに変身させた。
セキやんひとこと:上記はアイデアとして即、ご当地でも使えそうなものを引用した。個々の特徴を生かす切り口はそれぞれだが、共通のキーワードは「総意」と「勇気」である。もはや、日本の従来型の「ツーリトル。ツーレイト」のおっかなびっくり手法では地域経営が立ち行かないということを皆んな感じているから、今がチャンスである。例えば、具体的には、少し気が抜けた感はあるが16兆円の景気てこ入れ予算の中から、地域の行政のリーダーシップとコンセンサスのもとで、100億円レベルを思い切って一つの中心街区に箇所づけするくらいの決断が必要であり、その展開のためには並々ならぬ裏づけが要求される。そこに立ち向かう「覚悟」が伴うのだが・・・。現に、江戸川区では、駅前再開発で200台の駐車場を作るのに約88億円投資、各方面から多くの反響を得ている。「事態を直視し、己の主体性を要求される」・・・正に、直面が渇望される時代だ。
第9号(1998年9月18日)<グローバルスペース>
株式の時価評価額その1
株式の時価評価額は「時価総額」ともいい、企業の総資産や売上高などと並ぶ企業規模を示す目安で、他の指標と比べて企業の先行きに対する期待感が色濃く反映されるのが特徴だ。この14日にマイクロソフト社がGE社を抜いて「発行株式の時価評価額」で世界一になった。当日付けで、約2611億ドル(135円/$換算で、約35兆円)となり、その差38億ドル(約5千億円)という。市場のトレンドとしては、確実にハード指向からソフト指向になっている。つまり、先行きの産業に対する世の中の期待感や共鳴度が、そちらに向いているということだ。
セキやんひとこと:同様のことが、アメリカのたった2人の学生が起業しわずか3年にして、時価総額1兆2千億円にも上ったインターネットソフトの企業「ヤフー社」にも当てはまる。何と一時は、日本を代表するかつての国営企業新日本製鉄の時価総額と同等(約1兆3千億円)となった。ただし、17日時点での新日本製鉄の時価総額は、約1兆7千億円に若干回復してはいるが・・・。
<ローカルスペース>
株式の時価評価額その2
17日の株価から見ると、トヨタ社のそれは、約16兆円。ソニー社で、約6兆円。NEC社で、約3兆5千億円。県内企業の場合、店頭上場の東日本ハウス社は、約725億円。ジョイス社は、約185億円となる。ちなみに、一関市(人口約63,000人)の平成10年度一般会計予算は265億円。
おらほの会社の簡易株価算出法
セキやんひとこと:時価総額は、企業の元気力?を端的にあらわす。しかし、時価は株式を公開しない限り、市場から客観的な評価が受けられない。そこで、非上場会社が自社の株価を簡単に算出する方法を以下にチェックする。ただし、あくまでも簡便法だということを理解して使用すべし。
純資産価額方式が、わかり易い。純資産すなわち自己資本(=株主資本。資本金・法定準備金・剰余金などの総和)を発行株数で割って、一株当たりの単純純資産価額つまり株価を求める。この他、類似業種比準価額方式と併用するやり方も有るが、比較材料の解釈に客観性が要求されるので、自社株価の算出には適さない。株価×発行株数=時価総額
からシュミレーションできる。
第10号(1998年10月2日)
<グローバルスペース>
欧米の中小企業
EUでは、1996年に中小企業の範囲についての定義が改正され、従業員数では250人未満を中小企業と規程した。アメリカでは基準が複雑になっているが、500人未満の企業が中小企業とくくられる事が多い。いずれも企業数の比率で99.6%以上、従業者数でイタリアは80%、フランスは66%、イギリスは59%、ドイツは57%、アメリカは53%を中小企業が占めている。売上高に関しては、統計上の出所の関係で基準が500人未満と変わってしまうが、イタリアは76%、フランスは62%、イギリスは56%、ドイツは50%、アメリカは51%となる。いずれも、従業者数と売上高との間の差異はさほど大きくない。
第三の道
セキやんひとこと:日本の場合は、従業者数で製造業他は300人未満、卸業は100人未満、小売り・サービス業は50人未満となる。企業数で99.1%、従業者数で78%、売上高で51%となっている。統計上単純に比較は出来ないが、中小企業従業者一人当たりのアウトプットが欧米より低くなっていることがわかり、地道な努力をしている中小企業の付加価値自体が見直されるべきと思われる。
イギリスのブレア首相が、「第三の道」を世界の主要新聞社に寄稿した。今回総選挙が行われたドイツを含めて、EUでは「中道左派」が圧倒的に台頭して、アメリカ的な自由放任とは違う経済社会を模索している。歴史的にも社会政策重視の欧州が、各国による温度差を持ちながらも統一通貨ユーロ導入と合わせて壮大な実験を開始したということか。
セキやんひとこと:企業経営は、社長によって左右されるのと同様、国家の経営も正にトップによって決する。その点、自らの考えを明確に世界に示すことに、潔さを感じる向きは多いだろう。
<ローカルスペース>
フリーマーケット事情
ぐずついたお天気が続く中、運動の秋、食欲の秋と野山も色づき始めた。そして、各地でフリーマーケットが盛んに行われ、資源の有効活用やリサイクルそして少しは節約も考えて、皆さんエネルギッシュに参加している。ここには、家庭内在庫の存在が見逃せない。一昨年の首都圏家庭の調査で、一家庭(2.8人)当たりの肌着を除く衣服の平均保有枚数は、何と337枚で一人当たり120枚だった。そのうち過去1年間で着用したものは59%に過ぎなかった。
セキやんひとこと:超過供給の状態を経済用語ではデフレという筈。この現状が、デフレでなければいつ「デフレ」という言葉を使えるのだろう?特に、深刻なのはステップ償還が始まった人たちの資産デフレである。借金は、デフレで棒引きにならず、かえって重くのしかかる訳だから・・・。