Sekiyan's Notebook グローカルニュース

セキやんのグローカルニュース


第21号(1999年3月5日)

第22号(1999年3月18日)

第23号(1999年4月2日)

第24号(1999年4月16日)

第25号(1999年4月30日)

第21号(1999年3月5日)
<グローバルスペース>

快走するウォルマートに学ぶ −企業診断2月号より−
世界一の小売企業ウォルマート社は、全従業員数82万人余、97年度売上高1180億ドル(14兆円=120円/$)純利益35億ドル(4200億円)で、売上高伸び率は既存店舗だけに限定しても6%という高さ。その多くの特徴の中の一つとして、従業員をアソシエイツ(仲間達)と呼び、「情報を共有し、責任を持ってもらうことがパートナーシップ」という明確な理念を掲げ、利益や仕入れ値等の数字を従業員のみならずパートタイマーにまでも公開している。情報公開のメリットは、情報が他社に漏れるデメリットよりもはるかの大きいという徹底した考え方だ。

セキやん二言三言:こうした考え方は、もちろんウォルマート社の専売特許ではない。東証一部上場の精密機械部品の企画販売会社(株)ミスミの猪熊社長は、顧客との情報共有を標榜し、一部では有るが仕入れ値情報までオープンにしたという。この時、明らかになったマージンについてとやかく言う顧客はほとんどいなかったそうだ。また、(株)土屋ホームの「社長見習い」育成教育も有名で、財務分析できる社員を何百人も養成して、一事業所内でも何人もの社員が自社の財務分析を徹底的にできるようにした。結果として、社員が経営者的感覚で仕事をしてくれるようになったし、取引先の財務内容も的確に捕えるという副産物も。こうした例は、「オープンと信頼こそが企業活力を上げる」最大要素という当方の根幹理念と合致し、まさに意を強くするところだ。ちなみに、日本の小売業最大手ダイエー(売上高約2兆5千万円)は、ハイパーマートの経営責任者にウォルマート社の元幹部だったW.ウッドワード氏を招聘する人事を3月1日付で発表した。
ファンダメンタルズの眩惑
先月25日に武村元蔵相を会長に超党派の「財政赤字を憂いる会」が106人の国会議員で発足したり、26日には経済戦略会議の最終答申が出されたり、日本経済の立て直し論議が賑やかだ。武村氏は自分の事を、蔵相時代に財政危機宣言をしながら財政赤字を増やしたA級戦犯だとした上で、ケインズ政策に決別し一時的なGDP減さえやむを得ないとしている。また、経済戦略会議の樋口議長は、政治主導でやれる時代なので閣僚はいかんなく指導力を発揮すべきだと言っている。その答申には、規制や保護の無い競争社会の実現と共に結果的な弱者への安心を保証するセーフティーネットを整えるということが盛り込まれた。実体経済を反映するいわゆるファンダメンタルズは、78年のボンの会議でカーター米大統領が持論を展開したのが始まりだ。近年この論に見られる特徴は、市場経済においての資産価値とはすべて実体的な収益を反映してしかるべきという頑なさだ。これだと当然ながらバブル状態は説明できないので、裏付けが無い状態という意味でその状態を「バブル」と名づけた。しかし、資産価値の要素には、ファンダメンタルズ以外にもう一点忘れてはならない重要な要素がある。それは人々の「富の保有」という金持願望である。特に、デフレ期には相対的にモノの価値よりもカネの価値がどんどん上がっていくから、人々はタンス預金までして、極力カネをモノに変えないようにするのだ。こうした流動性の最も高いカネを持ちたがる傾向を、社会への不安感がさらに助長している。

セキやんひとこと:このような状況下では、現在・将来含めさらに公・民問わずマクロでの所得の再配分が求められる。それを合法的にできるのは中央政府しかない。この事に選良は気づいているのだろうか?

第22号(1999年3月18日)
<グローバルスペース>

厚生経済学
「経済学の良心」「経済のマザー・テレサ」と呼ばれるアマーティア・セン教授の専門だ。ご存知ケンブリッジ大学のセン教授は、インドのベンガル出身で昨年度のノーベル経済学賞受賞者である。9歳の時に目の当たりにしたベンガル飢饉(300万人が死亡したといわれる)が、問題意識の原点なようだ。貧困とは、究極的には自由の欠如のことだと言う。そして、民主主義が有れば飢餓は予防でき、そのための人間力を上げるインフラの整備こそ行政府の役目だと言う。そして、資本主義においての危機は貧しい人々に最も集中して影響するので、市場には矯正が必要だとのことだ。

セキやんひとこと:セン教授は、バランス感覚の重要性を指摘しているのではないだろうか。特に、上滑り論議に終始するタレントエコノミスト達を、複雑なものを無理矢理単純化する「合理的な愚か者」と呼び、自重を求めている。物事を論議する時は、「部分均衡」ではなく「一般均衡」を前提とするのが鉄則だ。
リナックスの現状
マイクロソフトのウィンドウズを脅かすと言われているこのOS(基本ソフト)は、フリーソフトで無料でコピー活用できる。1991年にリーナス・トーバルズというフィンランドの学生が開発したソフトだが、現在世界中で約800万人が利用し、日本でも50万人が使用していると見られている。まだまだ対応ソフトが少なく初心者にはつらいが、関連各社のリナックス対応製品開発への動きは急だ。

セキやんひとこと:つい先頃までウィンドウズが世界を席巻するかとさえ思えたのだが、それは錯覚かも知れない。時代は間違いなく動くものだと実感する。電子メールアドレスが4月1日から「or.jp」が「ne.jp」に一部変更になるようだ。早めに対応するに越したことはない。変更になる方は、メールでご一報をお願いしたい。
<ローカルスペース>
一関地方広域連合
岩手県は16日、一関市、花泉町、平泉町の1市2町で介護保険制度を実施するための広域連合を許可した。これだけを目的とした広域連合は県内初で、今までの準備期間を経ていよいよ広域的なサービスの実施に向かって一歩踏み出した。

セキやんひとこと:福祉も産業化してきて、隣接する宮城県側の地域ではホームヘルパーなどの業務を第3セクター化する動きなども出ている。その対応には様々な方法がある訳だが、あくまでも地域住民が主体となって、様々のメニューから選択していくことが求められる自己責任の時代だ。そんな時代への変化を認識する上でも、福祉という身近なテーマは、学習へのきっかけとして適しているのではないだろうか。

第23号(1999年4月2日)
<グローバルスペース>

グローバロニーの錯誤 −ポール・クルーグマン著「グローバル経済を動かす愚かな人々」より−
グローバルとバロニー(たわごと)という単語を組み合わせた造語だ。グローバリゼーションは、もちろん現実の現象だが、そのインパクトが誇張され過ぎて現象全体を悪者扱いにする傾向を指す。例えば、国際貿易がすべての問題の根源だと信じ込まされれば、一般国民は保護貿易主義になびくかもしれない。さらに、問題があまりにも巨大なのでとても対応できないという「宿命論」を人々に植え付け、政策が失敗してしまった内部のリーダーに厳しい目を向けるかわりに、グローバル・マーケットによって引き起こされる「経済の恐怖」を心配する。しかし、国内の社会政策の大きな問題は、決して外国から来たものではない。

セキやんひとこと:クルーグマンは、仮説で検証する有能なエコノミストの論理よりも、部分的な取材で迫るジャーナリストの主張の方が人々に受け入れられてしまうことに、大いなる危機感を唱えている。前号で書いた「部分均衡」と「一般均衡」の適用と同じ観点から論を展開しているのは心強い。
ソニーの取締役に中谷教授
ソニーが、国立大学の現役教授である一橋大学の中谷巌氏を社外取締役に内定した、と新聞で報じられた。上述の通り、有能なエコノミストが具体的に経済活動の場に出てきた行動力の点で評価すべきだ。また同じような事例で、旧知の某国立大学のT助教授が一旦国家公務員を辞して、ある県のプロジェクトチームへ移り、その能力を現場で発揮することになったということを本人に電話で確認した。

セキやんひとこと:構造改革が叫ばれて久しい。しかし、どこもかしこも既得権を捨てられず、総論賛成・各論反対だ。そんな中で、勇気づけられる動きだ。良識ある人々は確実に行動に移しているように感じられる。他人を変えることはできないが、自分が変わることはできる、そんな人達が増えれば良い。
<ローカルスペース>
ペルー大使in花泉
3月30日の夕方、花泉町のKMF社主催の「大使を囲むティーパーティ」にお招き頂いた。ペルー国原産のベゴニアの温室が町の施設として開設される縁だという。日系のアリトミ大使は、約1時間ほどの講演の中で、ペルーの素晴らしさについて身振り手振りを交えながら、懸命に聴衆に訴えられた。そして、フジモリ大統領の施策についても、その方向性や具体的なポイントを分かり易く説明してくれた。

セキやんひとこと:つい先日の産経新聞でも報じられた通り大使の姿からは日本人から薄れてしまった民族への誇りや愛国心がとても新鮮に伝わってきて、素直に感銘を受けた。
サンエスが宮城で介護サービス −企業診断4月号より−
東北最大の医薬品卸のサンエスは、10月からの24時間体制での本格的なサービスを見据えて、当面宮城県の名取市を中心とした介護ビジネスに参入した。

セキやんひとこと:今後多様化する介護メニューの様々な選択肢の一つに加えられよう。同じ宮城県内でも、前号で取り上げた県北の3セクあり、そして企業ありと、ユーザーの選択が市場の完成度を高めていく。

第24号(1999年4月16日)
<グローバルスペース>

ユーゴスラビアそしてインド
民族紛争が日常化し、激しい内戦を経て独立した旧ユーゴの国々、その中で唯一流血なしでの独立を勝ち取ったのが、マケドニアだ。その首都スコピエで、1910年にあのマザー・テレサが生まれた。18才でアイルランドの修道会に入り、21才でインドのカルカッタに渡り、1997年に87才で亡くなるまで終始一貫して身を捨て弱者の救済に当たった彼女が生きていたら、ユーゴの紛争やインド・パキスタンのミサイル騒ぎをどう感じるだろうか。折角一人の女性がきっかけとなって、希望を失った多くの人々を救ったというのに・・・。

セキやんひとこと:国連人口基金の発表によると、今年の10月12日には地球人口が60億人になるという。現在は毎年約8000万人ずつ増え12年で10億人増えているが、1800年当時の10億人が、20億人になるのには120年ほど要している。当時と比べてざっと10倍の期間増加率だ。そんな中で、果たして資質的には向上しているのだろうか。つれづれと、哀しくもあり、また愛しくも想う。
ヤフーに続け −日経マルチメディア5月号より−
日本でもヤフー株が急上昇だが、本家アメリカでは時価総額が、1ドル=120円換算で、現在約4兆円だ。さらに、ネットオークションのサイトを柱にしたeベイ社が、時価総額2兆2千万円強。ここは、社員数がわずか150人なのだが、日本のNECに匹敵するほどの評価を株式市場から得ている訳だ。その他にも「コミュニティ」をキーワードに会社設立からわずか3年程度で、脚光を浴びているネット・ビジネス(インターネットなどによる電子商取引)の事業者が目白押しだ。

セキやんひとこと:アメリカの株価のバブル要素を割り引いても、たまげた。しかし、日本でも事務用品の通販やビジネスホテルの地図サイト活用など、確実に生活に浸透している。都内の安ホテルを探す時などはもってこいだ。盛岡の某ホテルでも、サイトに出した途端に予約の5%がインターネット経由とのことだ。
<ローカルスペース>
北上製紙に通産大臣賞 −岩手日日新聞より−
新聞古紙のリサイクルに意欲的な開発を続けている一関の北上製紙社は、古新聞の回収用ストッカーとしばり紐を、新聞古紙自体を原料として製品化することに成功した。つまり、回収する際ビニール紐を使わない形の100%リサイクル化を推進し、回収後の再生作業の省力化にも配慮しているという画期的なセットだ。容器のデザインなどを競う全国的なコンペで、見事最高賞に当たる賞に輝いた。

セキやんひとこと:新聞回収の必需品として、積極的に地元自治体あたりが音頭を取れば、拍手喝采だ。繰り返し言われるように、資源を大量消費できる状況ではない今、デザインに対するコンペでもリサイクルや環境への配慮が相当重要視されるのだろう。このようなスタンスでの地道な開発研究こそ、地域の産業として大切にすべきだ。関係者の努力に敬意を表したい。
オイル交換を少なくするプロロング
深夜テレビの通販で評判の自動車オイル添加剤も真っ青な性能のすぐれものを紹介され、13万キロ走った愛車に入れて約1ヵ月。加速は良いし、エンジン音は低減、燃費が2割アップ。GSさんに叱られる?

セキやんひとこと:怪しげ商品と思ったが、だまされたつもりで入れたら、効果抜群。詳細はセキやんまでお問い合わせを。

第25号(1999年4月30日)
<グローバルスペース>

G7の共同声明での日本 −全体のバランスという側面−
今回の主要7カ国蔵相・中央銀行総裁会議は、26日共同声明を出した。それによると、日本経済は短期的には不確実な見通しとし、内需主導の成長に向けた一層の景気刺激策が求められ、不良債権処理などを通じた構造改革の必要性が改めて指摘された。また、北米が元気な中にも少々息切れの懸念があり、減速気味のヨーロッパと依然停滞の日本に対して、世界経済底上げへの具体的な貢献が注文された。

セキやんひとこと:アメリカは加熱気味の個人消費を背景に好況を維持しているが、それと裏表の関係で貿易赤字が増大して保護主義が台頭してくる懸念があり、日本政府の毅然とした態度が望まれる。また、最近の日本国内の世論調査では、「失業や収入減への不安」を持っている人が8割強。「大半の人は必要なものを持っている」とした人はおよそ3人のうち2人。地域振興券の使い道は大体「やりくりに消え」(55%)、「景気刺激への効果はなかった」とする人が8割弱。求められる政策は、自由競争の基盤整備と過当競争の犠牲者を守るセーフティネット作りが2本柱となる。
小売業界の変化 −個々の努力という側面1−
国内主要百貨店では、今までの委託販売主体の「場所貸し」方式から、買取の「自主販売」に切り替えているところに業績好転の兆しが見られるという。当然リスクも大きくなるが、収益性向上のチャンスも増す。コンビニ業界も一時ほどの勢いがなくなったが、先ごろ解禁されたドリンク剤の販売などを機に、ワンストップ性をさらに強化すべく、金融機関のATMを設置したり保険の扱いをはじめるなどしている。

セキやんひとこと:しかし、依然として大手スーパーの苦悩は続いているようだ。その6社の2月期決算では既存店売上について前年対比がすべてマイナスで、消費不振で苦しむ流通業界を象徴している。
<ローカルスペース>
雨の春まつりに人出 −個々の努力という側面2−
昨29日の緑の日に、一関市銀座会商店街の第24回春まつりが行われた。恒例の交通安全祈願祭やミスさくらの認定式、地元一関小学校のマーチングバンドのパレードと、時折の雨模様のなか実施された。 今年は、だんご3兄弟のヒットにあやかり「だんご」を切り口と決めたのが、約1ヶ月前。ブームが予想以上に早く進行して少し心配されたが、何とかイベントのテーマとしては堪えられた。テーマが決まってからは、商振部会の熱心な議論の中から「花より団子セール」や「クジ付果報だんご」「だんごDEビンゴ」などの斬新なアイデアが飛び出し、悪天候の中ではかなりの人出を得ることができた。12時ジャストからの各個店1品の超お買い得品を結集した「花より団子セール」では、各個店にお客様の長蛇の列ができた。これは、外部から導入される娯楽的なイベントに頼るのではなく、商店街本来の役割である商品提供・サービス提供の方にしっかりと目を向けてもらおうという趣旨からだ。参加したほとんどの個店はすぐに完売したが、わずかながらお客様の反応が今ひとつのところもあった。

セキやんひとこと:花より団子セールでの各個店への反響の違いは、当然ながら「販売者の論理を離れ、消費者側で仕掛けを考えられるかどうか」にあった。消費者は、明確に「得」を認識しないと受け入れない。 雨に濡れながらも並んでくれたお客様を見、役員をはじめ裏方をつとめた商店街の皆さんと動いて、日本中の商店街が目指している「商店と消費者の一体感ある生活に根付いた街」作りの在り方をフト思った。

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