第26号(1999年5月14日)<グローバルスペース>
大リーグ50勝の野茂
シーズン後に自らの移籍を選択できるフリーエージェントFAの権利を求めて、ブルワーズで投げ始めた。各球団の評価が下がりつづける中、野茂らしいあくなきチャレンジ開始の宣言が、50勝目だ。日本でも認知されているドジャースやメッツなどの都会チームとは違い、地方都市ミルウォーキーを本拠地とし財政基盤が十分でないブルワーズは、かつての花形選手をもう一花咲かせるという方法で、何とか球団経営をしているという。米球界としては、野茂の今の状態ではさすがに評価しないけれども、チャンスの芽までは摘み取ることもしない。
アジアの復活!?
セキやんひとこと:トライ&エラー「失敗してもいいじゃないか、やりつづければいつかいいこともあるさ」とチャレンジすること自体に意義を見出すアメリカ社会が、もう一度這い上がろうとする人間を勇気づける。日米の開業率・廃業率の違いも、こんな社会風土の違いにあると言われる。ひるがえって日本の風土に目を向けると、派手なベンチャー指向よりも生業指向、つまり地味ながらも自分の食い扶持を確保するナリワイを奨励するスタイルの方が歓迎され、産業活性化にも威力を発揮するような気がする。
ソウル市場の株価が強含みで推移し、また99年の韓国の成長率は2%から4%へ上方修正された。米国の素材産業の不振部門にも、アジアの需要増加により、業績好転の兆候が出ているという。インドやタイの引き合いが、石油化学原料のナフサ相場をここ1ヶ月で約2割押し上げている。
セキやんひとこと:バブル後の混乱を教訓とすることができれば、復活を現実のものにできる。その意味で、日本は何ができるのか。頭の上のハエに気を取られているうちに、アジアのリーダーとして不適格の烙印を押されなければ良いが・・・。
<ローカルスペース>
知事サミット
元気印の四万十川シンポが、8日に高知県中村市で行われた。「環境と情報」を切り口に、自立する地域を標榜するリーダー達が、意見交換した。浅野宮城県知事、北川三重県知事、寺田秋田県知事、増田岩手県知事、橋本高知県知事の5人のメンバーが、「県という機関は、将来不要になる」「秋田と岩手は合併しよう」「役所にライバルが存在すれば、すぐつぶれてしまう」などなど、歯切れ良く語り合ったようだ。
環境に優しいプロロング −前々号の続報−
セキやんひとこと:何とか聴講したく、ホームページの案内サイトがなく高知県秘書課から送って貰ったFAXで日程調整を試みたが、当方がかかわっている地元の会合とかち合い、断念した。報道で知る限りでは、地域の自己責任と行政の説明責任に、その先進性を感じる。ありがたいことに、当地もそこに含まれる。
宅配便最大手のY運輸が、約1年の試用期間を経て12万kmオイル交換不要契約を結び、長距離便に採用した。また日本を代表する商社のMが、テレビ通販を中心に販売に乗り出す模様。もしかするとブレークか?我が中古愛車の定速走行時は、アクセルが要らない感じ。
第27号(1999年5月28日)<グローバルスペース>
スター・ウォーズ/エピソード1のノリ
スター・ウォーズの16年ぶりの新作となる「エピソード1/ファントム・メナス」が19日に全米で公開された。約3000館での初日の興行は、売上約35億円と過去最高記録だ。一部の映画評論家に酷評されたにも拘わらず、パブネタとしてテレビ・雑誌に仕掛けたり、清涼飲料やファーストフードチェーンとの共同キャンペーンなどを活用したりの手練手管で、十分に前景気をあおるのに成功した。
新言語XML −日経情報ストラテジー7月号より−
セキやんひとこと:客が何を求めるか、という一点で徹底的に工夫し、素材を真正面からアピールする。正にアメリカ式ビジネスの面目躍如だ。客の方も心得たもので乗せられるのを待っていて、気分良く乗せられたことに対して、納得して代金を支払う。売る側と買う側のこんなわかりやすい関係が、市場を活性化する。疑心暗鬼の中では商売もビジネスも上手く行く訳がない。誤解を恐れずに書けば、「まあっ、これなら(この人なら)だまされても良いか!」で、世の中が明るくなり、楽しくなるという端的な例だ。
現在インターネットの情報は、ほとんどHTMLという言語で記述されている。単純なテキスト文書を見やすく装飾するのが、その役目だ。しかし、集計や検索処理のような厳密なデータを効率良く処理するのには、おのずと限界がある。この弱点を補い両立させようという、都合の良い言語が、XML(eXtensible
Markup
Language)だ。実用に向けて進行中だが、確立されればインターネット上の商取引が、一段と加速する。
セキやんひとこと:現時点では、インターネット上での取引にはどうしてもウサン臭さが付きまとうが、昨年大阪で、インターネット通販の草分けである岸本英司氏の話を聴いた。その中で、決済に関してのコメントが特に参考になる。日本の百貨店では現金支払いが9割、カード支払いが1割だと言い、彼の顧客の場合もほとんどが郵便振込み代金後払い方式を選択するそうだ。気になる未回収は、2000件に1人程度。ここでは、カード決済崇拝は虚像で、きちんとした商品を提供する限りは、代金の回収も心配ないということだ。
<ローカルスペース>
商店街に不満の高齢者 −「企業診断6月号」中小企業事業団アンケートより−
50%の高齢者が「近くの商店街をよく利用」し、「健康維持・気分転換」や「楽しみ」を買物の動機にし、週3〜4回以上買い物に出かけるのは全体の53%に上る。生活における買物の位置付けが高いということだ。その一方、「活気のなさ」や「買物が一度で済まない」などの不満から、「商店街に非常に満足している」と答えたのは、10%以下となっている。サンプル数は少ないが、これが首都圏と地方都市の商店街3箇所を対象とした50歳以上の男女685人からの回答の実態だ。
セキやんひとこと:ひるがえって、この点から切り込む一関中心商店街の優位性は圧倒的だ。全国を眺めても新幹線の駅からものの数分のところに、高齢者の居住可能な商店街が形成されている地域はまずない。すべてに車の都合を優先させる層の買物行動を追いかけるばかりでなく、住人に落ち着いたサービスを提供する基盤整備をはかるという選択もあるだろう。それには、地主の「民」力を活かして空き店舗を高齢者用の居宅に改造し、「官」は安心して居住できるよう24時間救援体制を整備したり固定資産税の減免措置を講じたりを主導する。つまり、首都圏から2時間半で子息がとんで来られる地の利を生かさない手はない。何も、仙台や盛岡と競合するようなやり方だけが選択肢ではない。差別化には柔軟な発想が肝要だ。
第28号(1999年6月11日)<グローバルスペース>
政府の3つの役割 −痛快!経済学(中谷厳著)より−
第1に、マーケットにおける取引が最適な環境にない分野で「市場の失敗」を補完すること。第2に、所得の再配分、つまり自由競争の結果に発生する極端な不平等に対する是正という役割で、税制や社会保障制度を通じてなされる。第3は、景気を安定させるという仕事で、ケインズのマクロ経済学とも呼ばれ、有効需要の原理に基づいて「財政政策」や「金融政策」を行うこと。
NYダウ工業株は一本調子だったか?
セキやんひとこと:今更ながらだが、何かと話題の中谷(元?)教授の著書から、その主旨を引用させてもらった。氏はこの中で、「世界中の政治家がマーケットの意味を熟知し、自由貿易の利益についてしっかりと理解していたなら、世の中はかなり変わっていたことでしょう」とも書いている。イラストや写真などをちりばめ、経済の仕組みやマーケットの本質をもっとよく理解したいと考えている人すべてを対象に書かれた入門書ということだが、内容は結構濃い。一関の場合は、北上書房さんにあります。
現在のNYダウ30の株価は、上がりっぱなしだったのではない。ほんの6ヶ月前と1年前と現在の3点で計測してみても、現在価格は6ヶ月前と比べても1年前と比べても同じ20%高だ。つまり、1年前から一旦下がって6ヶ月前に同じ価格レベルに戻し、それ以後じりじりと上げたという訳だ。株価は上下するという原則は、どんな時にも当てはまる。量や質の関係で、NYダウより信憑性があると最近いわれているS&P500株やナスダック株も同様のトレンドだ。しかし、日本の日経平均株価と日経店頭平均株価との関係は、完全に分裂している。日経平均は、1年前より8%高で半年前より12%高。日経店頭平均は、それぞれ59%高と74%高になっている。
セキやんひとこと:投資家達は、日本企業の場合「規模」よりも「将来展望」に重点を置いて見始めたということ。閉塞感が蔓延しているようだが、しっかりと元気な企業もあるということだ。公の立場でない限り、全体の共通点に目を向けるのではなく、個別の優位性に着目することが、投資でも経営でも肝要な時代だ。
<ローカルスペース>
地域プラットフォームへの誤解
通産省の肝いりで全国的にすすんでいる新事業創出促進法の支援体制を、地域プラットフォームという。一部の報道では、委託事業費の額やアクションプログラムなどが先行している。しかし、この施策の精神は、地域企業群が仕事しやすい環境を提供することだ。つまり、ワンストップのサービス体制、ネットワーク機能の充実、具体的な個別課題への支援など、企業側の使い勝手の良さを醸成することに尽きる。その仕組みとしての地域プラットフォームなのだ。
セキやんひとこと:いつの時代でも、手段の目的化は愚の骨頂だ。繰り返しになるが、あくまでも主役は地域の企業群だ。それを支える仕組みを担っているのが各機関という訳だ。縁あって、そうした機関の一員として小生もお手伝いすることになった。いっそう自戒したい。
第29号(1999年6月25日)<グローバルスペース>
コンピューター、3つの2000について
1つ目は、「2000年問題」である。年号データを下2桁で処理していたために危惧されることで、今年末から来年の年始にかけては、安全のため自宅のコタツの中にいるというご仁さえいらっしゃるようだ。現在これをクリアすべく、みんな頑張り中という状況だ。2つ目と3つ目は結構紛らわしく、同じマイクロソフトが関係している。2つ目の方は、7月9日発売予定のアプリケーションソフト「オフィス2000」で、旧版にWeb対応機能を増強したバージョン・アップと理解して良いだろう。ところが3つ目は、来年前半の出荷予定のOS「ウィンドウズ2000」で、NT5.0と呼ばれる予定だったことをみても分かる通り、もともとのコンセプトは個人向けの98の後継というよりも企業向けのNTの方に属する。つまり、安定性に一段と配慮するということだ。
世界のオザワ面目躍如
セキやんひとこと:マック、リナックス、XMLへの動きなど、マイクロソフトに独占を許さない動きもしっかりとある。一人のユーザーとしては、いろんなメーカーがその技術を切磋琢磨して、使いやすい環境がすすむのが望ましい。メーカーのための技術ではなく、ユーザーのための技術でなければならない。
小沢征爾氏がウィーン国立歌劇場の音楽監督になるという。25年以上もボストン交響楽団を率い、巨匠の地位を不動のものにしていた。その小沢氏があえて伝統のある誇り高きウィーンでオペラへの挑戦をはじめる訳だ。2002年から3年間ということだが、心からエールを送りたい。
アメリカ上院の良識
セキやんひとこと:音楽は門外漢だが、容易でないことは百も承知でチャレンジする筈だ。やはり一流は凄い。自分が追い求めるものは何かを決して忘れることがないのだろう。少しは見習いたいものだ。
あまり大きく取り上げられなかったが、先日鉄鋼製品の輸入規制を狙った保護貿易色の強い法案が廃案となった。保護貿易は結果的に消費者の利益にはなり得ず、一部の業界などの既得権を温存するという利益誘導でしかないことは、経済のイロハだ。自由貿易を標榜するアメリカがごり押しするなら、それは大国主義のエゴで、自分の首を絞めることになる。結果的に、下院での過ちを上院が正したということだ。
セキやんひとこと:我が身可愛さか、大局観に立っているかは、この辺に表れる。他山の石としたい。
<ローカルスペース>
パチンコ店を介護施設に改装 −日経新聞より−
横浜市で低価格老人ホーム経営の伸こう会が、閉店したパチンコ店を利用して医療・介護の複合拠点を開設した。賃貸物件を2500万円掛けて、交通の便が良い居住を求める高齢者の根強い需要に応えた訳だ。コストを押さえ利便性を特徴とした医療・介護サービス提供ビジネスが広がりそうだ。
セキやんひとこと:「高齢化」「利便性」というキーワードから、当然予想される動きだ。このところ、機会あるごとに提案している一関駅周辺の優位性活用にそのまま頂ける。しかし単に真似するだけでは能がないので、さらに「安心」「自然」というキーワードを加える。これらは、リバース・モーゲージの債権化で確保するが、この分野は金融界や不動産業界の研究テーマだし、24時間ケアシステムの確立は通信や行政の研究テーマ。そして、採算性の実現には建設業界の研究が必要だ。地場の経営資源を結集すれば可能だ。
第30号(1999年7月9日)
<グローバルスペース>
新規事業の意義 −平成11年中小企業白書より−
開業率が廃業率を下回るという問題が指摘されてから久しいが、今年の白書はその辺の分析を一段と掘り下げている。平成3年から8年の間の雇用創出のうち、約3分の2は新規事業所によって生み出されている。また、昭和62年から平成9年までの11年間で開業した事業所の割合を見ると、事業所数で40%、従業者数で27%、付加価値生産額で21%となっている。そして、小規模または若い企業ほど存続確率は低いが、なんとか存続できた場合にはその成長率は高い。また、業種転換を行なった事業所の成長率も高いという関係が報告されている。この厳しい時代の中でも、新規事業はしっかりと役割を果たしている。
孫正義氏のゆらぎ
セキやんひとこと:アメリカでは、開業率が廃業率を常に1ポイント以上上回っている。日本でも昭和の時代はそうした状態だったが、ここにきて、開業資金の膨張・人材の確保・取り引き先の開拓という問題点が、開業阻害の3大要因になっているという。しかし、今に限らず昔から資金が十分に有って、人材も揃って、客先も確保している状態で、開業した人はいない。みんな「裸一貫」だから、集中して真剣に取り組むのだ。昭和20年代は自営者の比率が7割、現在は逆にサラリーマンの比率が7割。就業形態の変化が、職業を通じての社会寄与という本質を忘れさせたのかも知れない。寄るべき大樹を喪失しつつある時代、決してベンチャーだけが新規事業ではなく、むしろ個々がしっかりと根を張った職業を持つこと自体に関心をおくことだ。
日本版ナスダック開設を宣言した孫正義氏は、話題の映画「鉄道員(ぽっぽや)」を観て「欲得だけでは生きていけないと本気で思った」そうだ。が、間もなく「本来利益追求の機能集団である株式会社の経営者が、私利の追求を堂々と口に出来ないことに日本経済の停滞の根っこがある」と気持ちを切り替えたと日経新聞のコラムで報じられていた。利益の追求と高邁な求道への欲求、これは企業経営者の共通のテーマだ。
セキやんひとこと:人間の生きる糧は、究極的には「徳」を積むことだと思う。そして、「徳」にも2種類有って、孫氏のように「陽徳」を積む人と、ぽっぽやのように「陰徳」を積む人があって良い。ところが中途半端な迷いが方向性を見失わせるのだ。ちなみに、小生は「陰徳」指向で、やる気満々の「陽徳」指向の企業にスパイスを加えることを淡々と楽しんでいる。そんな観点からの拙文を「東北通産情報」7月号に載せてもらった。
<ローカルスペース>
売るものがない?
前号とも関連するが、山形の殖産銀行は、宅地など資産を担保に定期的に資金を受け取る逆抵当ローン(リバースモーゲージ)の商品を開発し、高齢者対応の中核商品にしていくという。摩周湖畔に完全バリアフリーのホテルが出来て、障害者の方々や福祉関係者の関心を集めているという。脱サラ夫婦が、北海道から1億円と弟子屈町から3千万円の融資を受け、土地も格安で借り、総額で約2億円を投じたという。陽徳か陰徳かは置くとしても、変革の時代はチャンスにあふれている。
セキやんひとこと:「選択と集中」が言われている。また、「挑戦と変革」まで高めるべきだという向きもある。いずれにしろ既存の観念の中でこねくり回しているだけでは、事業者としては生き抜いて行けない。これからの時代には問題が山積し、それを解決すること一つ一つが事業のネタになる。そうした数あるネタを商品化できない理由はただ一つ、プロとして不勉強だからだ。「柔軟で真剣」は、プロの条件の一つだろう。