第31号(1999年7月23日)<グローバルスペース>
香港にもいたマルチ人間 −一橋大商学部、関満博教授の講演より−
1968年生まれの彼は、香港の名門大学の中文大を出て北京語・広東語・日本語・英語・韓国語を自在にあやつり、今は上海を拠点にビジネスをしている。主にアジアを相手に年間200日は中国国外で仕事をし、社員達には彼の地の平均の10倍もの給与を払っている。あと数年でビジネスは引退し、新しい中国の指導者となるべく未知の道に挑戦するとのこと。その名も中国の父なる大河と同じ、黄河さんというそうだ。
ファイザー社大幅増益 −とは言ってもバイアグラ効果ではない−
セキやんひとこと:当ニュース11号で伝えたスタンフォード大MBAの中国系のチャンさんが、英語・中国語の他、来たこともない国の日本語をこともなげに話すのには驚いたが、さらにその上手だ。新しい時代が創出される時には、こういうレベルの人材が活躍するのだろう。日本にいると、こんなうねりは実感できない。
バイアグラで一躍有名になった米大手製薬会社のファイザー社が二桁の増益増収だ。ところが、バイアグラの売上は反動減の25%減だ。その代わり、高血圧治療薬などの新薬が好調だったのが貢献した。
セキやんひとこと:諸行無常は世の常。だからこそ、常に研究しトライし続けるチャレンジ精神が必要だ。あの名門のヒューレットパッカード社が、リストラ策を発表したと思ったら、今度はNYダウを構成する会社で唯一の女性CEOを大抜擢という連続技だ。58歳の会長から44歳へのドラスティックなバトンタッチ、フロンティアスピリットは健在だ。根っから、GO!WESTがアメリカなのだろう。
<ローカルスペース>
補助金漬けからの脱却〜街づくりへの想い
7月上旬で、全国の146の地方自治体から「中心市街地活性化基本計画」が出された。良く見ると、基本テーマが類似しているという。そのキーワードは、暮らしてみたい、住みやすく買物しやすい、活気ある、緑に光る、生き活き、見て触れて楽しい、集い交流する賑わいのある、などだ。しかし、当事者自身が「行政主導で決まった計画。地元に根付いた構想なんて打ち出せない」と危惧する通り、早い時期に計画を提出したところの見直しが目立つ。いずれ、市町村が認定したTMOは、全国でまだ19箇所だけだ。
郊外店へのシフトぶり
セキやんひとこと:街づくりって何だろう。それは、それぞれの地で違うし、地場の人間で考え抜くことでしか対策は得られない。だから、ひとりでも多くの住民を巻き込むことが、そのポイントだ。そこには、本音で語る風土が醸成されていることが、まず必要条件だ。各地の計画を読み進むと、委員に常連さんが多いところほど、そのポテンシャルが低いことが良く分かる。つまり、自己革新をしてない委員を担いだところは一蓮托生で、住民の不幸が目に見える。今こそ、住民ひとりひとりの自覚が重要な時だ。
3年ぶりの消費購買動向調査がまとまった。一関の場合、郊外に大型店が出来て初めての調査だ。広域でみると、旧市街地での買物がが9%減って、郊外が6%増えた。市内だけでみると、旧市街地が15%減って、郊外が13%増えた。一関市内の若者層については、その傾向が少し緩やかなのも面白い。
セキやんひとこと:なかでも、婦人層の衣類の購入に関しては、市内の中で30%程度もの増減がある。それと、商圏外である前沢町の郊外店舗Jへ、全分野に渡って流出が進んでいることもはっきり出ている。
第32号(1999年8月6日)<グローバルスペース>
ナノサイエンス・ナノテクノロジー −SUT BULLETIN8月号より−
ナノ(nano)は、10のマイナス9乗のことである。つまり、マイクロの単位の更に千分の1という極小レベルのサイズである。従って、ナノサイエンス・ナノテクノロジーとは、ナノメートル(nm)のスケールの超高機能化などを目標とした科学と技術のことである。例えば、鏡表面に酸化チタンをコーティングすると曇らなくなる現象は、光照射による結晶表面の構造変化を利用し超親水性状態を引き出した技術で、ナノテクノロジーの身近な例だ。
アメリカのトリプル安
セキやんひとこと:少し前まで、曇り止めイコール撥水性の技術と思いこんでいたが、全くその逆の「親水性」で、高性能な曇り止めを実現するというのには恐れ入った。今のところ一関では1軒のスタンドしか出来ないナノ技術応用のカーワックスをこの3日に施したが、どれだけ効果を発揮するのか興味深い。自然科学の深い理解を追い求めると、ミクロ的な観点では、ナノサイエンスの世界に行き着くのが当然なのかもしれない。では、科学マクロ的には何になるのだろう?人知の及ばざるもの(ところ)なのだろうか?
先週、ニューヨーク市場で株・債権・ドルが下落した。とは言っても、ある指数の8年ぶりの上昇を起因とした動きで、原因は明確だ。経済マクロ的には、米国のインフレ懸念がその底流にあるようだ。
セキやんひとこと:強いアメリカといえども永遠ではない。特に寡占が進めば進むほど、自分の言動から受けるダメージは大きいのが、万物の道理のようだ。その恐怖感をアメリカ人が感じない訳はない。瞬時に、制御不能なマネーが動くことを知り尽くしているアメリカの投資家は、極めてナイーブだ。
<ローカルスペース>
街づくりの気概
セキやんのこれに関する提言のタイトルです。街づくりの要諦は人づくりにあるという原点が忘れられているような気がして、2千字程度に考察をまとめて見ました。興味ある方はご連絡下さい。無償送付します。
インターハイ効果
セキやんひとこと:街づくりって何だろう。前号この同じ書き出しではじめたけれど、やっぱり自分のこととして考えてしまう。他人事やボランティアでは、街づくりは継続出来ないってことをどれだけ多くの住民が認識することができるのか、これがその成否を読み取る唯一無二の目安のような気がする。
この12日までに、インターハイ関係で一関に延べ3万5千人の人が訪れるという。宿泊による経済効果は、単純な掛け算で出るし、お土産経済効果も大まかな平均滞在日数から割り出した来街者数と1人あたりの土産消費額を掛け合せるとすぐ分かる。しかし、ひたむきさから受ける感動には尺度がないのが残念だ。
セキやんひとこと:そうした中、タクシー業界が一息ついてるのが目立つ。さらに今月は旧盆でもあり、月半ばまではこの勢いで行けそうだ。でもその割に、町全体の活気がいまひとつなのが気になる。今日から始まる夏祭りにエネルギーを残しておいたのだろうか。感動という効果を相乗できる仕掛もある筈なのだが…。
第33号(1999年8月20日)<グローバルスペース>
ハンディキャプトとは? −「バリアフリーをつくる」光野有次著より−
「スウェーデンでは単なる身体障害者はもはやハンディキャプトとは呼ばない。もし、いまだに彼らがそう呼ばれているならば、それはわれわれ政府の責任であり、またスウェーデン社会の責任でもある」とは、日本でいえば厚生省の部長クラスにあたるスウェーデンの高官の言だという。事実、超低床ノンステップバスをはじめ街中至るところに工夫が見られ、その能力障害を補う道具(テクニカルエイド)の普及が目覚しいというその環境下では、ハンディキャップが感じられないほど軽減されているという。
景気は既に反転している −日経新聞「大機小機」(隅田川)より−
セキやんひとこと:筆者は、「強度の近視という能力障害を持っている自分は、眼鏡というテクニカルエイドのお蔭で日常たいして不自由を感じない。その考え方を全ての能力障害に当てはめると分かりやすい」という。近くて遠いテーマについて、多くのヒントに溢れている好著だ。
景気回復要因は3つあり、1つはゼロ金利・公共投資。住宅減税などの政策効果。2つは、米国・アジア向けの輸出の増加。3つは、在庫調整の終了。つまり、政策要因、海外要因、循環要因が良い方向に重なったという。そして、97年に財政再建へかじを切って経済失速に至った苦い経験を意識している政府は、政策面での下支えを続けるだろうし、アジア経済が立ち直りを見せているからアジア向けの輸出入も当分続く。さらに長らく底を這っていた設備投資にも明るい兆しが見えてきて、三拍子揃っての回復だという。
セキやんひとこと:景気論議は相変わらず盛んだし、このコラム子の主張も的を得ていると思う。しかし、「だから何ナノ」というのが賢明な企業人の実感だろう。経済学的にコンドラチェフの波やクズネッツ循環を理解しても、実経営にはあまり役に立たなくなってきたようだ。景気とは、「市場の失敗」を「良識の府」が補い、「政府の失敗」を「見えざる手」が是正するというマクロのバランスで、本質的に制御不能だ。一方、成熟時代の企業経営では、いよいよ「顧客づくり活動」にこそ栄枯盛衰が帰結する。景気の回復待ちでは、繁盛店にはなれないという真の理解と行動力がポイントだ。景気は、おまけ程度に考えれば良い。
<ローカルスペース>
好天に恵まれた夏祭り
6日から8日までの3日間の一関夏まつりは、雨に降られるというジンクスをフッ飛ばし、好天に恵まれた。須川サンバなどの新登場もあり、人出も16万人強、12万人強、10万人弱と、昨年を大幅に上回った。
街づくりの気概
セキやんひとこと:七夕もインターハイに関連したものが多く、割合コンセプトがまとまっていて分かりやすかった。毎度のことながら、関係者のご尽力に心より敬意を表する。さて、今日は民区の盆踊りの段取りだ。
前号でお知らせした標記の拙文が、17日付の岩手日日新聞に寄稿という形で掲載された。
セキやんひとこと:念のために、8月17日現在でTMOに関して、基本計画策定を済ませたところが全国で163地区、認定された機関が22団体と、この半月間で刻々と増えている。
第34号(1999年9月3日)<グローバルスペース>
キッコーマンの歩み −「企業診断」9月号より−
キッコーマンの社長である茂木友三郎氏によれば、同社が欧米市場を切り開くことができたのは「しょうゆと肉料理の相性の良さを欧米の消費者が理解してくれたから」ということだ。連結業績で売上の28%、営業利益の54%を海外の比率で占めている。その躍進のポイントは、市場を研究しての販売戦略にあるようだ。いったん美味しいと評判になるとどんどん使ってくれるアメリカでは、テリヤキのスーパーマーケットでの店頭デモで効果的を上げ、一気に拡販した。一方、保守的な風土のヨーロッパでは鉄板焼きレストランの直営などで、じっくりと時間をかけた需要拡大が奏効したという。
ノキアの哲学
セキやんひとこと:こうした経済的な成功をおさめている背景として、茂木社長の「しょうゆは文化である」というコンセプトが、しっかりと根付いていることを忘れてはならない。同社は、そんなに飛びぬけた利益率ではないが、安定的な利潤(=事業を存続させるための費用)を確保しているリーズナブル経営と言える。
フィンランドの巨人といわれる同社は、成長著しい携帯電話業界における世界のトップ企業だ。大型合併やM&Aが盛んなグローバル経済の潮流で、シェアの原則からすれば企業規模が命だ。だが、逆に企業規模を絞り込み、不採算事業部を切り捨てた訳は、経営の命はスピードや柔軟性だと判断したからだ。
セキやんひとこと:一倉流に言えば、社長の決定で最も難しいのは「捨て去る」という決定である。世の摂理に照らして、限られた経営エネルギーをどう展開するかを考えると、自ずと行くべき方向は見えてくる。ここで肝要なことは、業界や業態の成熟度でその要素は明らかに異なるということだ。
<ローカルスペース>
吸川の護岸工事ワークショップ
下の娘2人が通う小学校の校舎が立て替え中だ。その脇を流れる川の護岸を水に親しめるスペースにしたいということで、5日にそのワークショップを県の出先機関である地方振興局が主催して開く。わがまま?で手が掛かる?不特定多数の住民に、門戸を開くこうした動きは歓迎される。
街づくりの「主役」はだれか
セキやんひとこと:行政もオープンになってきたので、住民も責任を持ってそれに応えていくということだ。こうした良好な緊張関係から、住民の熟度が高まるのだろう。かくいうセキやんも門外漢ながら、見学がてら顔を出して、もっぱら評判の汚さを実感してみることにする。
前号に引き続き、街づくりに関連した標記拙文が、3日付の朝日新聞の「論壇」欄に載るというお知らせ。ご興味のある方はご一読を。アプローチを8月17日付の岩手日日新聞に掲載頂いたものとは変えてみた。
セキやんひとこと:まちづくり評論家でも何でもないが、気になってしようがない。轟音と共に浸水が始まっている護送船団「日本丸」の乗客は、耳栓を取ってその音に「直面」すべきだ。タイタニック惨事になる前に対処できるかどうかは、TMOや地域プラットフォームなどを活用する乗船者自らの良識と知恵次第だ。
第35号(1999年9月17日)
<グローバルスペース>
BILL北島の歩み −彼の現地発レポートより−
何とか無事にサンフランシスコに来ることができました。こちらの寒さには大変驚きましたが、胸がわくわくしてそんなのお構いなしというところです。アパート&ルームメイト探しは時間がかかるので、とりあえず激安ホテルに宿泊することにしました。(1ヶ月契約)お化け屋敷のような古さと、太陽が全く当たらないのが気になりましたが、安いことが何より。あと、1部屋に2人泊まるので、それも大変です。今は幸運にも1人ですが。まあ、ホテルマンが良い人なので、かつチップを多めに渡して、私のルームメイトは英語の達人にしてくれと一言言っておきました(貧乏人のミニ投資)。ちなみに宿泊料は、1月で700ドル(84000円)朝夕食付き。シスコにしてはめちゃくちゃ安い。サンフランシスコの家賃は異常に高く、東京以上です。マンハッタンと同じくらい。1部屋9万円以上。2部屋13万円以上。これはほぼ最低価格です。高い理由は、@シリコンバレーの高給取りが大勢住んでいるA住む人の需要が非常に多く、競争が激しい…ちなみに庭なしの小さい一戸建ても1億円から2億円!?というわけで、学生はもちろん、ほとんどの人が、数人で家を借りて、一緒に住んでいる。特徴@男女を全く問わない(これにはびっくり)Aたまにゲイはお断り、とかゲイ歓迎とか広告に載っているB1人あたりの負担家賃は学生6万円くらい、社会人8万5千円くらい。私も、1ヶ月の間にパートナーとお部屋を見つけます。
セキやんひとこと:いよいよミスター北島の米国暮らしがスタートした。初志貫徹するようエールを送りたい。それにしてもサンフランシスコあたりの家賃は随分高いようだが、これも米国バブルの一端か?
<ローカルスペース>
吸川の護岸工事ワークショップでの爽快さ
前号でお知らせしたこのワークショップは、5日に参加者50名(内60代が34人、流域住民への案内だったので町内会の世話役の方が多かったようだ)で、まずマイクロバスで高さ8m幅11mほどもある吸川の放水路(トンネル状態)の中を見学し、南小学校の体育館に戻り7〜8人のグループに分かれて討議した。
岩手県総合計画両磐地域説明会での歯がゆさ
セキやんひとこと:行政側の心のこもった段取りの良さと参加者の皆さんの前向きな姿勢が印象的だった。はじめての試みということだが、テーマの大きさに堪えうるだけのレベルの高さが感じられ、参加して気持ちが良かった。もっと多くの30〜40代の方々にも体験して欲しかった。次回(日程未定)乞う御期待!
両磐の各首長はじめ関係者に対して、13日に開催された。延べ2万5千余人、733団体の意見を集約しての計画で、延長保育可能な保育所の割合を2005年までに6割に2010年までに10割にするといったように具体的に数値化(ベンチマーク)し、県民に分かりやすい12ヵ年の計画となっている。今後、財政当局と数値目標の整合性をはかって進めることが重要と思われるが、一歩踏み出した勇気に敬意を表したい。
セキやんひとこと:仏は作られたので魂をどう入れるかだが、県民総参加をうたいパートナーシップに基づいた計画の説明会なのに、一部の首長・議長の中に、相変わらず何とかおらほに予算をという「主従関係」感覚を脱しきれない発言があった。構造上の問題を割り引いても、この感覚ではその町は危ない。