第61号(2000年9月15日)<グローバルスペース>
オリンピック週間
シドニーでの五輪が200の国・地域から1万人を集め、28種目300競技が今日から繰り広げられる。招致運動など組織委員会の運営面に様々な批判も有るが、純粋にスポーツを極めるという姿に、人々は「筋書きのないドラマ」を観て感動を誘われる。この点で、掛け値なしに大きな意義がある。日本からの参加メンバーも、世界の精鋭達の中で日頃の鍛錬の成果を存分に発揮することだろう。
日本株式会社への心配 −エイジアン・ウォールストリート・ジャーナルより−
セキやんひとこと:サッカーは始まっている。しばらくは、寝不足に注意されたい。
日経新聞に引用されていたその内容は、おおむね以下の通りだ。8月末に開かれたIT戦略会議で、今回打ち出した日本政府主導の産業振興策は、短期的に効果を上げるように見えて結局は競争力を弱めることになる。インフラ整備のための政府支出を大盤振る舞いするという行為は、「失われた10年」から何も学んでいないということだ。産業創出において政府の懐をあてにすることは、過剰な政府介入で傷んだ経済の再生につながらず、逆に日本の誇るエレクトロニクス産業をも苦境に陥れかねないことの愚につながる。
ばっくん留学記 −以下、台湾高雄からのメール−
セキやんひとこと:海外の情報筋にここまで心配されている日本経済の実態は、どうなのか。この6日に、ジュネーブ本部の世界経済フォーラムから発表された経済競争力ランキングで、日本が昨年の14位から一気に21位に急落したことを見ても、日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は、各国からとても不安視されている。日本政府が今後どんな舵取りをするのか、待ったなしに世界が注視している。
こっちの生活にようやく慣れてきました。大学の授業はとても楽しいです。発音がなかなかできなくて、あせることもありますが、先生はとても熱心に教えてくださるのでなんとかがんばっています。私は2つの科目の授業を受けています。どちらのクラスも私を入れて6人ですが、日本人2人、インドネシア、フィリピン、タイが1人ずつで共通の授業を受けていて、片言の中国語と英語ながら仲良くしています。残る1人は科目によって入れ替わってオーストラリアとドイツです。そこにいるだけでグローバルな気分が味わえます。
セキやんひとこと:ばっくんが乗った8月15日盛岡駅前発の夜行バスを見送ってから、ちょうど1ヶ月になる。つい先日までの岩手のサラリーマン生活から一転して、台湾でバイトしながらの留学生活に踏み出した。高雄のバイク族の無茶な運転に半ば呆れながらも、少しずつ馴染んできているようだ。誰しも今後を選択する道が、平等にある。それは「あきらめるか」「やりつづけるか」の2つの道だ。ばっくんの今後に幸あれ!
<ローカルスペース>
県内青年経済3団体の合同研修会
増田寛也岩手県知事が「岩手県総合計画における若手経営者の役割」を講演し、引き続き県内青年経済3団体のトップとの座談会が、予定通り9月13日に江刺市で開かれ、「連携」が焦点になった。「夢県土いわて」実現には、「行政」と「民」のパートナーシップが必要で、「産」の面でも同様だということを確認した。
セキやんひとこと:質の高い連携のためには、烏合の衆ではダメで、「個」を磨いて「CO(連携)」につなげるという2つの「コ」がキーワードになる。今ここでの、「青年らしい」自らの取組姿勢・行動にかかっている。
第62号(2000年9月29日)<グローバルスペース>
G7蔵相会議
23日にチェコのプラハで開かれた日米欧7カ国蔵相・中央銀行総裁会議の直前に、ユーロ安に対する22日の奇襲的な金融市場への協調介入、続いて原油高に歯止めを掛けるべく米国の原油備蓄の放出決定が一気に実施され、G7蔵相会議も久しぶりにその存在感を示した。ユーロ安と原油高が、世界経済に与える悪影響を懸念して、それを排除する方向に動いた。その中で、アメリカの素早い動きが特に目についた。
インテル・ショック
セキやんひとこと:ユーロ安と原油高への危機感をどこに認めたのか、アメリカらしくて面白い。それはインテル社の業績下方修正と終盤に差し掛かった大統領選の駆け引きともいわれるので、以下に解説したい。
21日に発表された米インテル社の7−9月期の売上高が下方修正されたことが、パソコン需要の鈍化と受け取られて、他の半導体企業やパソコンメーカーの先行きの業績を不安視する市場の動きにつながった。特に、欧州での売上が2割強を占める同社にとって、ユーロ安は大きな痛手となる。さらに、その他の米国輸出産業にとってもダメージが広がり、これ以上のユーロ安ドル高は得策でないと米政府は判断した。
大統領選の戦術
セキやんひとこと:他の輸出企業はさておき、インテル社の下方修正はドル高だけの問題ではないようだ。幾分かげりが出てきたとはいえパソコン向けメモリーメーカーとしては圧倒的なシェアを持っている。しかし成長著しい携帯電話などには、その影響力を及ぼすことができないのだ。
今回米政府が戦時などの非常時に備えている戦略的原油備蓄を放出決定したことは、民主党の大統領候補であるゴア副大統領に対する側面支援だ、との評が専らである。11月7日の天王山を前に、米国北部は冬場の暖房油が必要な時期に入っていく。これで何とか陣営の支持率を上げたいところのようだ。
セキやんひとこと:なりふり構わないところは、どこの政府も同じなのか?しかし、国家が戦略よりも戦術を優先してしまっていいのだろうか。しばらくは、その動向を見守りたい。
<ローカルスペース>
セブン・イレブンが岩手県進出
県境4〜5kmまで迫っていたセブン・イレブンが、いよいよ岩手県南から出店開始する。それに向けて、2箇所の既存店舗の改装が急ピッチで進み、引き続き年内に一関地区で4〜5店を目指す模様だ。
Tさんの転職
セキやんひとこと:3000人に1店といわれるコンビニ戦争も、当地でも少し前から閉店が続き、まさに激戦の様相を呈してきた。セブン・イレブンが、同立地で不振店だったところを立て直せるか注目したい。
Tさんに何年ぶりかでバッタリ会った。彼女は転職して、隠れた地域一番店を掘り起こし、iモードのホームページに掲載店募集の仕事をしているとのことだ。
セキやんひとこと:先日のマラソンにも出場したというバイタリティ溢れる彼女は、着実に新規のお客様を獲得している。「あの明るく元気のある姿勢に魅せられた」とは、新規のお客様からの生の感想だ。
第63号(2000年10月13日)<グローバルスペース>
将来の希望が開花
日本人として9人目のノーベル賞の受賞が決まった白川英樹筑波大学名誉教授は、中学時代の作文に「社会の人々に喜ばれるよう、プラスチックの欠点を研究したい。」と書き、それを淡々と貫き通し、導電性ポリマーというテーマに取り組み、今回の受賞につながった。研究生のミスから出た現象を見逃さず、それまでの導電性イコール金属という観念を打破するきっかけを作った。
米ナスダック指数は沈静化?
セキやんひとこと:シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんと遠縁にあたるそうで、「ちょっと大変なことになった」という受賞への戸惑いからも、氏の人柄が感じられる。二人に共通の恬淡とした中に秘められた強靭な意志の力は、血の為せる技なのだろうか。
このところナスダック総合指数は3240台まで下げてきた。約半年前の3月時点では5040台まで上げていたことから見れば、36%もの下落だ。さしものIT関連という呪文も効き目が落ちてきて、イメージ偏重の投機型から内容・中身が問われる本来の投資型に、市場は沈静化しつつあるようだ。
朱鎔基首相来日
セキやんひとこと:企業業績が先行き不安になるのは好ましくないが、今まで異常だった株式市場の動向がまともになる兆しであれば、歓迎だ。
12日から17日まで滞在し、森首相との首脳会談が予定されている。IT人材の交流の仕組みなど21世紀に向けて見逃せない案件が目白押しだ。
セキやんひとこと:12億人とも13億人ともいわれる大国に対して、かの米国は着々と浸透の布石を打っている。翻って、我が日本の対応はいかに?朱首相を通じて、アピールする絶好の機会にできる筈だが・・・。
<ローカルスペース>
小型の琴の開発
岩手県内メディアでも既に取り上げられているが、盛岡市の協同組合岩手木工センターでは、県三曲協会副会長のアイデアを元に、本物と遜色のない音色の小型の琴を開発し、普及に乗り出した。和音(かずね)と呼ばれるこの琴は、学校音楽で気軽に琴を学ばせたいという発案者の情熱を、技術の専門家集団が製品化したもの。価格も従来品に比べ廉価で、2002年からの文部省方針にも合致し、普及が期待される。
綵さんグランプリ受賞
セキやんひとこと:雅楽の趣味は特に持ち合わせていないが、女性事務長の指先からは見事な音色が奏でられた。県内には、琴を教える先生が300人もいるという。琴の全国大会開催などにも、夢がふくらむ。
盛岡マリオス7階交流サロンのデスクブースを利用している女性起業家である佐々木綵さん(綵情報デザイン室)が、フジテレビ系列の局イメージCM制作で見事グランプリを受賞したとの情報を得た。
セキやんひとこと:その一端が、ホームページでも紹介されているが、彼女のキャラクターそのもので、ほのぼのしてホッとする。子供達に抜群の人気のようだ。
第64号(2000年10月27日)<グローバルスペース>
GEがハネウェル買収
GEのジャック・ウェルチ会長が、来春の引退時期をあえて延長する決断をした。売上高2兆円をゆうに越す巨大企業ハネウェル社を買収して、サービス指向を明確に定着させる道すじを付けるためだという。
GDP算出基準の変更
セキやんひとこと:引退時期という最も重要な予告情報を覆してまで、リスクに賭ける意気込みは凄い。
経済企画庁が10月末からGDP(国内総生産)統計の作成方法を「68SNA」から「93SNA」へ22年ぶりに変更することになった。93SNAとは、国連統計委員会が93年に各国に勧告した国民経済計算体系の国際標準ルールだが、従来と大きく変わるのでデータの読み方に注意する必要がある。たとえば、今まで中間消費と捕らえてGDPから除かれていたソフト会社に外注するソフトウェアも数字に入り、医療費の保険部分は政府支出に算入され、政府の社会資本整備部分の原価償却も加えられることになる。その結果、GDP総額が15兆円(約3%)ほど増え、政府最終消費支出は1.5倍程度に増す。
半導体装置の動向
セキやんひとこと:従来、ソフトウェアが経費と位置付けられ中間消費となっていたが、93NSAではようやくソフト自体の付加価値を認めたということになる。
日経新聞のベタ記事によると、2000年8月の半導体製造装置販売統計で、世界規模での販売額は、前年同月比約88%増の36億5千万ドルで、14ヶ月連続で前年実績を上回った。地域別では韓国(同151.2%増)、台湾(同121.9%増)が好調。
セキやんひとこと:ぐっとローカルに見て、近隣の工場群の動きも同様だ。仕事の量ではバブル期以上という事業所も少なくない。但し、出荷額になるとそれに正比例しないのが実態だ。
<ローカルスペース>
金浦町の戦略
秋田県南の日本海に面する金浦町は、人口5千数百人の自治体だ。最近、町が開発した88区画の住宅分譲地をわずか2週間で完売した。また、JR金浦駅は、町立図書館と一体で建設され、高校生をはじめ町民で賑わっている。国立図書館などとのネットワークが利用でき、専門書などの取り寄せも無料だ。さらに、全国どこでも赤字でお荷物になっている温泉保養施設についても、金浦町では町の全額出資の3セクで立派に経営され、年間1億円程度の益金が行政にバックされている。一方、消防団(消防署ではない)や交通安全関連の組織は、隣の3つの町で共同運営され効率を上げている。そんな先進的な金浦町は、南極探検隊の白瀬中尉の出身地であることとまったく無縁ではないようだ。
セキやんひとこと:町民の皆さんには肩肘張ったところは微塵もないが、地域経営という点で原理原則に基づいた実践をしていて、目からうろこが落ちる思いだ。その要因は、行政と住民の一体感と適度な緊張感にあるようだ。また、カリフォルニア大学のダンカン教授の研究結果によるコミュニティの適正規模にも合致する。金浦町の例を見ると、個々の自治体が強くなることが、本質的な問題を解決する唯一の方法だと改めて確信する。規模だけが先行しての「町村合併論議」は虚しく響く。
第65号(2000年11月10日)
<グローバルスペース>
アメリカの選挙
まれに見る接戦の大統領選挙結果は、フロリダ州の投票結果が判明するまでお預けだ。早ければ日本時間で今朝、海外の不在者投票の結果まで待つようであればさらに10日程度の時間がかかりそうだ。過去の大接戦は、1876年に共和党ヘイズ候補が選挙人を185人獲得し、対する民主党のチルデン候補が184人のわずか1人の差で決まったことがある。有名なケネディ対ニクソンは、得票率こそ0.12%の僅差だったが獲得選挙人数は303対219と大きく開いた。そして、今回は選ばれた選挙人によって12月18日に投票が行なわれ、2001年1月6日の連邦議会での開票により確定し、同20日に第43代大統領の就任となる。同時に行なわれた上院選挙では、民主党の大統領夫人であるヒラリーさんが当選したが、上院下院の勢力地図では、引き続き共和党が過半数を確保した。
大宇に見切り
セキやんひとこと:それにつけても、我が日本の政治状況の寒さが身に染みる。相変わらずコップの中だけでの論理でうごめいている。このままだと、死語だったはずのアナーキー(無政府状態)という言葉の復活も冗談では済まされなくなったか?期せずして、日本赤軍最高幹部の重信房子が、大阪で逮捕された。
韓国第2位の大宇自動車が2回目の不渡りを出して、会社更正法にあたる法定管理を申請する模様だ。かねてから銀行団が再建計画推進の条件としていた労使合意でのリストラ案がまとまらなかった。そのために銀行団が不渡り処理をするに至った。このことでGMの買収についても影響が必至だし、約2万人弱の従業員と1万社弱の関連会社にも死活問題となりかねない模様だ。
セキやんひとこと:日本の第2位は、フランスからの助っ人が業績を急回復中で、なんとかこの調子で通してもらいたいところだ。そして、復活が本物であれば、大宇にも大きな励みと示唆を与えることにもなる。
<ローカルスペース>
まちづくり塾に援軍
この8日夜に、一関在住の数少ない「福祉」全国区の明生園園長の熊谷茂氏から、街づくり塾において専門的な講話を頂いた。あくまでも我々同様に手弁当であり、その内容からは先駆者としての思考レベルの高さや事業者のしたたかさが伝わってきた。
21世紀につなぐ心
セキやんひとこと:福祉は高邁なものであると同時に事業性も有するものと、まちづくり塾で論議しているが、この考え方は熊谷氏の主張と一致するところのようだ。その道の第一人者と同じ指向であることが、我々に次なる勇気をくれる。街中における福祉事業の可能性も探れるような気がしてきた。
地元紙である岩手日日新聞社の企画コラムのタイトルである。先週の土曜日の三好京三氏を皮切りに、土日の連載が始まった。混沌とした昨今に警鐘を鳴らし、21世紀へ新鮮な気持ちで臨むためには絶好の企画で、特にそのタイトルの語感の響きが心地良い。
セキやんひとこと:当方にも依頼があり「主体で生きる」を寄稿した。文字通り、新しい世紀につないで行くために、掲載が目にとまったら是非御一読頂き、感想など頂ければ更にありがたい。