Sekiyan's Notebook グローカルニュース

セキやんのグローカルニュース


第76号(2001年4月13日)

第77号(2001年4月27日)

第78号(2001年5月11日)

第79号(2001年5月25日)

第80号(2001年6月8日)

第76号(2001年4月13日)
<グローバルスペース>

イノベーション
かのシュンペーターは、これを「新結合」と定義し経済の活力源だとした。日本語では「技術革新」と訳されているが、中国では近頃「創新」を当てているようだ。そして、シュンペーターはその役割を、当初属人的な「起業家」に置いていたが、その後「大企業」に移している。この「市場支配力の大きい企業がイノベーションを起こす」というのが、シュンペーター仮説と呼ばれ、この分野で長年の研究対象にされている。

セキやんひとこと:何も技術に限られる訳ではないので、本来の意味からすると「創新」がしっくり来る。そして、この土壌がある企業は大小問わず、したたかな経営を続けている。
<ローカルスペース>
ローカル人の政策提言
某党の総裁選挙に4人立つようだが、時節柄やはりこの話題になるだろう。本質的な重要性は感じないが、これをダシに少し日本改造を考えてみたいと思う。そこで、これだけ騒がれている「構造改革」を切り口に、それを実行するためのカンドコロとして我が大胆提言の一部を披露してみたい。
@日本国憲法第90条に定められている会計検査院の位置付けは変えなくても良いが、実質的にその運用を定めている会計検査院法そのものを抜本的に改正すること。
 そのココロは、会計検査制度が予算の編成・執行および決算に関する「管理手続」をその役割としているが、もともと行政には「住民サービスの効率的運営」という機能体組織としての宿命があり、それを促すには現行制度は決して有効ではないからだ。むしろ手続きのチェックよりも費用対効果を重視するシステムに是正しなければならない。つまり、公務員性善説に立ち自発的に責任感を喚起し、「財政錯覚」の象徴である形式単年度主義を廃して予算の繰越を認め、さらに施策の継続的チェックを可能になるなどが予測される。これだけで、赤字国債に歯止めを掛け借金返済の目処もつけられる。
A官民の人材をガラガラポンする。
 例えば、リストラの嵐が吹き抜ける建設業界では、技術を持った人材が肩叩きにあい肩身の狭い思いをしている。一方、公共事業を発注する自治体では、前述した「管理手続」優先の体質ゆえに、専門あるいは現場に精通したノウハウが欠落し、ある意味において業界に依存せざるを得ないという実態がある。そこで自治体が、実務に精通した人材を技官なり専門職として採用し、公共事業の予算組みを設計事務所などの外部に依存せず主体的に予算を組むことにより、相当程度の工事費削減と成果物の品質向上に寄与することができる。当然浮かせる工事費は、新規雇用の人件費の比ではない。
B高齢者サービス産業・生活産業に税制の特例を設ける。
 資産ストックで世界に冠たる日本経済が陥っている経済停滞を解決するには、政治的使命として社会的ニーズ優先度ナンバーワンの標記産業を促進しなければならない。そのことを税制でコミットメント(確約・宣言)する訳だ。つまり、社会的な付加価値が高いということ、すなわちインフラ整備に寄与することに対して、民間企業については特例税制で報いる方法がわかりやすい。

セキやんひとこと:要は考え方次第だが、少なくとも政党のトップを目指す者は、戦略的なアプローチをしなければならない。そして、戦略的な洞察力の深さや知見の高さは、戦術的なスキルの延長線上にはなく、トップとしての覚悟と戦略的な感性を磨く努力によるものだ。その意味で、果たして適任者の有無は?

第77号(2001年4月27日)
<グローバルスペース>

重職心得箇条
これは、佐久間象山の師である佐藤一斎が選定した岩村藩(当時の美濃)の十七条の憲法である。その第一条に大臣の心得を述べている。曰く「重職は君に代わるべき大臣なれば、大臣重うして百事挙るべく、物を鎮定する所ありて、人心をしつむべし、斯の如くにして重職の名に叶うべし」これを現代訳すると、「重役すなわち大臣は君主の代行者だから、大臣が古典でいうところの「深沈厚重」であることがすべての好循環の源で、物事をどっしりと受けとめてはじめて、人民の心を落ち着かせるのである。それこそが、大臣の役目を果たすことになる。」また、「家国の大事を取り計るべく職」とその重要性をいの一番においている。

セキやんひとこと:江戸時代に生きながら、既に世界に共通するグローバルな感覚で貫かれている。昨日任命された大臣諸氏も十分にその使命感をわきまえていることと期待したい。
チャイナの駆け引き
中国共産党のナンバー2である李鵬氏が5月末の来日を延期するとのことだ。台湾の李登輝前総統の来日というタイミングでの高等戦術だ。しかし、一方ではWTOへの加盟や北京五輪を推進しているという国家的なプロジェクトを持っているから、自国の国内事情と突き合わせると、当面は結構苦しい舵取りとなる?

セキやんひとこと:今回は、したたかな外交戦術を擁している中国も、さすがにゴネ得狙いは得策でないと認識しているようだ。ある意味で、一皮剥けることが出来るかどうかが問われている気がする。
<ローカルスペース>
ユニクロの苦悩
最近のファーストリティリング社の動きとして、東京の渋谷あたりに中枢機能をシフトし始めているという。柳井社長の話しからすると、その理由はどうも人材採用の面であるようだ。

セキやんひとこと:地方発の元気印として勇気付けられるユニクロではあるが、ある程度の企業規模までは地方拠点で良いが、世界にスタンスを置き規模も一定以上になると、どうしても人的流動性の低い地方では、その辺りの問題に突き当たるという事例か?
あさひやの挑戦
お隣りの千厩町に「あさひや」という洋食屋がある。値段は安いし味も良い一押しの店で、いつ行ってもお客さんがいっぱいだ。そこが、金曜日をレディスサービスで、洋食のコースを2000円で提供している。頑固な調理長が、素材を落とさずに頑張り、大好評だ。

セキやんひとこと:郡部の落ち込みが顕著といわれるが、なかには元気な店も結構ある。こんな店には、ときどき顔を出したくなる。おまけに、リーズナブル過ぎるレシピに、感謝を通り越して申し訳なく感じる。
ついにメガネを作りました
一年半ほど前の運転免許更新で、何回か視力検査を重ねてようやく合格し冷や汗を掻き、それでも頑なにメガネを拒否してきたが、最近の疲れ目に負けて観念した。結果、0.2と0.5で乱視だったと判明した。

セキやんひとこと:視力1.5を誇った学生時代が懐かしい。やはり、パソコン環境も影響したのだろうか?

第78号(2001年5月11日)
<グローバルスペース>

満足と努力の相互依存 −日経新聞「やさしい経済学」より−
アダム・スミスは国富論で、「私たちが食事にありつけるのは精肉店、酒屋、パン屋の博愛心のおかげではなく、彼らの自己利益への配慮のおかげだ」と言った。ヘーゲルは法の哲学の中で、「各人は自分のために生産し消費しながら、まさにそのことによって他の人々のために生産し消費している」「個人的・特殊的なことが同時に社会的なことになる」と述べている。

セキやんひとこと:日本経済研究センターの香西泰会長がコラムに引用したものだ。供給者としての努力(限界費用)が価格を下回っている限り生産を増やし、需要者としての満足(限界効用)が価格を上回っている限りは購入を増やす。したがって、価格を媒介として社会的に生産と消費が均衡するということになる。
国会の論戦レベル
久しぶりに代表質問を見た。増税なき財政再建、国債発行額の抑制、郵政三事業の見直し、招かざる珍客への対応、首相公選制や靖国神社参拝から改憲論議まで、丁丁発止のやり取りが小気味良かった。

セキやんひとこと: しかし、前々号でも指摘した通り公会計制度の抜本的かつ根本的見直しに論点がいかないのは、民間感覚からすると解せない。効果性を求めるのであれば、予算の編成・執行、決算に関する「管理手続」中心の公会計を、利益・損失などの「業績評価」に立つ企業会計に近づけるべきだ。
<ローカルスペース>
地方行政の目指すレベル
上記「公会計」原則に対して、地方では一足先に淡々粛々とチャレンジする動きが出ている。たとえば、岩手県の行政評価システムは、自己採点ながらみずからの施策の効果性を定量評価するという。県の課長が、ローカル放送のインタビューで、さも当然のようにこのシステムについて解説していた。

セキやんひとこと:これは公会計制度の根本にある「管理手続」主導の事実上の否定で、画期的なことである。行政も「業績評価」が当然な時代になりつつあり、いよいよ最大のサービス業として公然と甲乙つけられる。つまり、業績を高めることでしか存在意義を認められない「機能体」本来の姿になるという大胆宣言だ。
続:街づくり塾報告
この3月までの約1年間に渡る一関街づくり塾での仕掛けの数々を印刷物にして頂き、その内容を昨10日の商工会議所の議員懇談会で報告した。もともと任意の「勝手塾」で冊子作成の予算もないので、塾で得られた仕掛けの一部を両面コピーし関わった方々のみへの配布を考えていたが、商工会議所から特段の予算措置を頂き、参加者の手による表紙もパステルカラーで立派な冊子に仕上げてもらった。
結果的には、奇しくも慶応大学の島田晴雄教授が昨年10月下旬に立ち上げた「新・生活産業創出コンソーシアム」のローカルでの実践版もどきの内容になってしまったが、今後粘り強く会議所の各部会や個別に機会を作って内容を周知徹底し、併存可能な別の角度からのプロジェクト作りのヒントにして行きたい。それにつけても、上述の「社会的に生産と消費がバランスする」というヘーゲルなどの先哲に勇気づけられる。

セキやんひとこと:興味のある方は、一関商工会議所(TEL:0191−23−3434 担当:小岩さん、長尾さん)まで連絡乞う。

第79号(2001年5月25日)
<グローバルスペース>

二兎?を追う
竹中平蔵経済財務担当相の「構造改革と景気回復は一つの兎である」と国会答弁で結論付けたのは記憶に新しい。それを裏付けるのが、ここ6年ほどの間に景気回復と財政再建の二兎を得たスウェーデンのケースである。93年時点では、失業率は8%台で財政赤字がGDP比の12%強だった。それが、99年には、失業率は5%台に改善し財政黒字(赤字から黒字になった)がGDP比の約2%、経済成長率も3%後半を達成している。我が日本はこの間、失業率は2%台から4%後半に倍増し、財政赤字もGDP比で2%から約8%まで悪化していて、経済成長率も青息吐息でコンマ数%のプラスに転じるのが精一杯であった。スウェーデンの成功のポイントは、政府がセーフティネット作りを宣言し、そのための財源を高所得層に求め、それに国民が応じ、教育を基礎にした社会的インフラが国民の共通理解の下に築かれ、自由で安心な競争社会(つまり、自己実現社会)を築き上げたところにある。

セキやんひとこと:セーフティネット作りは、ノーベル経済学賞のケネス・アロー博士の厚生経済学が参考になる。端的には「セーフティネット構築の手順は、競争原理を十分発揮させて社会全体の経済効率を上げ、次に所得の再分配をする」ということで、スミスの見えざる手とケインズ政策の両方のバランス良き実行だ。
花から実へ
結果責任であることは、企業にも政府にも共通の経営原則である。端的にいうと、成果を呼びこむ手段として花を活用することは良い。しかし、いつまでも花のままで実を結ばないアダ花はいつか摘まれて捨てられる。時間は平等かつ有限であり、これは生ある万物の宿命だ。花形?政治家も例外でない。

セキやんひとこと:世論もこの原則通りだ。否、自然界以上に世論には残酷な側面があるから要注意。
<ローカルスペース>
東北の上場・公開企業
某紙面に大手証券会社の支店長談で、東北の上場企業は54社と載っていたので、ちょっと調べてみたが、当方の調査では整理銘柄を除いた該当企業数は55社となった。その流れを見ると、古くは1951年上場の東北電力から、トーキン、東洋刃物、さらに銀行関係が続き、90年以降の公開は37社に及ぶ。岩手県内は、73年の岩手銀行から、82年の北日本銀行、88年の東日本ハウス、94年のジョイス、97年の東北銀行と5社である。調査機関によると、県内で株式公開を今後予定の企業は、7社あるという。

セキやんひとこと:不毛な金融政策で直接金融が機能不全におちいっているので、ことさら企業は直接の資金調達を考えなければならない。しかし、あくまでも事業収益という付加価値あってこその投資対象であり、賢明な投資家群はバブリーな案件には決して安易に乗らないことを、企業家は肝に銘じなければならない。
地方交付税論議が熱い
税徴収と公金支出のアンバランスには策を講じずに、地方交付税の見直しを図るという。一般均衡を担保せず部分均衡に活路を求めるは、愚に似たり。「恐れず、ひるまず、とらわれず」の空の心とは対極にある。

セキやんひとこと:特定財源の見直しも、現行制度の非効率性からすれば、さも在りなんである。が、本来的には、流用?ではなくスクラップアンドビルドすべきだ。あくまでも政府の役割は、全体の均衡の追求だ。

第80号(2001年6月8日)
<グローバルスペース>

外資の日本攻勢
大型リゾート「宮崎シーガイア」を買収したリップルウッド・ホールディングス社は、米国マンハッタンの投資会社だ。旧長銀からはじまり日本コロンビアなどの買収に、この1年程度で2000億円に迫る集中投資だ。また、2年前の米コストコ(小売業売上世界4位)の進出を皮切りに、仏カルフール(2位)、さらに独メトロ(3位)と米ウォルマート(1位)の進出も確実視されている。

セキやんひとこと:ここに来て欧米の景気の減速は顕著で、すでにグローバル企業は有利な方へと急展開している。まさに私的経済のダイナミックさで、世界は確実に動いている。思考停止している暇などない。
労働党の優勢
イギリスの総選挙が行われている。ブレア首相率いる労働党が優勢のようだ。80年代のサッチャー保守党が抜本的な改革を断行して、国家の基礎体力を作った。そして政権与党が変わっても、その基盤を生かして労働党のブレア首相が第三の道を目指して着々と改革を積み上げて行く。そこには、イデオロギーを超えた確かな国家観があり、成熟した民主主義を感じる。

セキやんひとこと:それに引き換え、どこぞの国では政治家に大衆迎合主義が蔓延している。やはり国民以上の政治はあり得ないのだろうか。
小人は同じて和せず
同盟関係に盲目的なことを、同ずるという。一方、脈絡のない挑発を、和せずという。今時の日本外交の混乱を論語流に例えてみると、そうなる。望むべくは、和して同ぜずの君子の姿勢である。

セキやんひとこと:自立を軸とした付き合い方の要諦を述べた孔子の至言で、外交も例外ではない。
<ローカルスペース>
岩手発の小型筝
本ニュース63号でも紹介したが、2002年から学校音楽で和楽器の使用が義務付けられることになった中、岩手県三曲協会幹部の悲願のアイデアを、協同組合岩手木工センターが県工業技術センターの指導を受けて、学校用として2万円台で音質的に従来品に引けを取らない筝を開発し本格的に販売を開始した。

セキやんひとこと:この加工のポイントは車椅子のハンドリム(手をかける部分)をブナのムク材で作り上げてしまう高レベルの曲木技術で、日頃の地道な研究が新商品の開発に生きたという典型だ。ご関心の向きは、http://www.ginga.or.jp/imc/までアクセスを! 少しグレードの高い一般用もある。
岩手発のショッピングモール
全国区のショッピングモール「いいもの・ドットコム」の仕掛人は、盛岡にいる。もともとIT技術は、地理的な格差を克服するため絶好のツールという側面を持つから、当然といえば当然だ。出店している店舗のモールでの月商平均は50〜60万円程度で、イケテルところは数百万円にもなっている。

セキやんひとこと:この他にも、公開準備中のソフト製作会社、カナダへ展開している画像系に強い会社など、楽しみな企業が結構ある。根気が必要なIT関係の開発は、地域特性にもマッチしているようだ。

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