Sekiyan's Notebook グローカルニュース

セキやんのグローカルニュース


第81号(2001年6月22日)

第82号(2001年7月6日)

第83号(2001年7月20日)

第84号(2001年8月3日)

第85号(2001年8月17日)

第81号(2001年6月22日)
<グローバルスペース>

自国通貨が無い
独立時から米ドルと連動(自国通貨単位はバルボアだが)しているパナマを除くと、中南米ではじめてエクアドルは昨年4月、自国通貨スクレを放棄して米ドルに置き換える「ドル化」政策を実施した。このドル化政策は、ハイパーインフレ等の経済危機打開のため窮余の一策だが、この政策転換には低所得層の労働組合やインディオ先住民が強く反対し、若手将校の支援を受けて、国会占拠やクーデター騒ぎにまで発展した。だが、クーデター拒否、援助差し止めのアメリカの意向を受けて軍部中枢や経済界によって副大統領のノボア氏が新大統領に擁立され、他に選択肢もなく改めてドル化政策を推進していくことになった。

セキやんひとこと:その動きは他の中南米諸国にもあり、自国通貨とドルの併用という「準ドル化」を、91年にアルゼンチン、今年からはエルサルバドルがとっている。これらの国々では商店街やタクシーの支払いで、ドルが当たり前のように使われている。翻って、円は果たしてアジアのドルになれるだろうか。
総白痴化とポピュリズム
「一億総白痴化」は、1956年評論家故大宅壮一氏による造語で、飛躍的に普及したテレビが社会に及ぼす影響を問題視し、番組の低俗さを批判した言葉である。最近のワイドショー内閣も然りで、テレビが社会、特に青少年に与える深刻な影響が論議されているが、いわばメディアリテラシー構築の必要性を痛感する。つまり、未成熟なリテラシー(活用能力)の中で、大衆は真の選択意思の自由を保証されているのか、それが不十分だと、ポピュリズム=「蒙昧な大衆/取り入る権力者」という図式からは、解放されない。

セキやんひとこと:一方、大宅は「私は日本の知識人とか文化人とかを信用することができない。それよりも、一般大衆の健全な常識のほうを信用する。」と述べ、長期的には一般大衆のバランス感覚を信じた。
<ローカルスペース>
岩手型プロジェクト分権モデル
岩手県の増田知事が、来年度から事業と担当職員をセットで市町村に移管する仕組みを実施する。これは、条例により100件以上の事務が移されているが、仕事が増えても人手が増えないという矛盾に、現実的な対応をするということだ。あくまでも事業が終われば古巣に戻るというプロジェクト型だ。

セキやんひとこと:県が主体的にできることから風穴を空けるという意味で、歓迎できる。国がやれなくても県がやれる、県がやれなくとも市町村がやれる、そんなことはたくさんある。要は、トップの決断だ。
ツルの一声効果
プロジェクトを進める際に、上層部が実施責任者に進捗状況をたずねると、「違うんだなあ、やって欲しいのは、こっちなんだ。」ということになり、進んでいるプロジェクトは止まり、極端な場合にはリセットが掛かりそれまでの作業は無駄になることさえある。「ツルの一声」効果は、こうしたマイナス効果のことだ。

セキやんひとこと:これは上手く行かないプロジェクトに共通するパターンだ。プロジェクトとは、特定の目標を達成するために、期間を限定して行なう一連の作業をいう。したがって、「時間」と「投入資源」と「品質」の三要素を明確にしなければ、プロジェクトの成功はあり得ない。今、携わっているのは、大丈夫だろうか?

第82号(2001年7月6日)
<グローバルスペース>

FTA、フタ?
容器のフタにあらず、自由貿易協定フリー・トレード・アグリーメントのこと である。これは、ある特定の二国間または多国間で関税や数量制限などの貿易障壁を排除することで、国際取引を自由化して一つの経済圏を作る取り決めである。たとえば、ノースアメリカの「NA」をかぶせた北米自由貿易協定NAFTA、呼び方こそ異なるが欧州連合EUなどである。日本関連では、昨年10月にシンガポールのゴー・チョクトン首相と森首相が2002年1月から自由貿易協定(FTA)の締結交渉を開始することで合意した。世界貿易機関WTOの次期自由化交渉開始が遅れる中、多角的自由化の補完措置として検討する動きが進んでいる。

セキやんひとこと:東南アジア諸国連合ASEAN10カ国も、域内でAFTAを進めている。当然、進出している日本企業も生産性の高い拠点に集約を図ることになる。とてもセーフガード感覚では間に合わない。
2001年3月期決算
株主総会の集中が指摘される中、発表された上場企業1800社あまりの前期決算は、4期ぶりの増収を果たし、製造業の経常利益は40%、非製造業のそれは12%増益となった。また、無配企業も約2割を数え、店頭・マザーズ・ナスダックジャパンの新興企業の増益率は、前年の42%強から7%台に鈍った。

セキやんひとこと:今期は3%程度の減益となる苦しい予想で、新興企業群がその先取りをしているかのようだ。各企業は、やっただけ返って来る原理は不変だから、早く自助努力で行く腹を決めることだ。
<ローカルスペース>
島田晴雄氏の構想
来週の今日、島田氏が来関する。一関信用金庫の招きで、日本経済新生の戦略「生活産業の創出と地域活性化」と題して講演するためだ。氏は、小泉内閣でも政策ブレインの一人として活躍中であり、先月も首相訪米の地ならしのために渡米した。また、昨年の10月には大手企業13社の参加を得て、3年限定のコンソーシアム(社団)を結成し、具体的な新産業創出にチャレンジ中だ。

セキやんひとこと:一関街づくり塾のコンセプトとピッタリ一致し、我が意を得たりだ。世の中の「困っていることを解決」し、ストックされている個人の金融資産をフローに変えて経済を活性化する、というのが主旨で、幸い一関には具体的な「優位性」というネタがある。まさしく地方都市型の都市再生策なのだが・・・。
飯田亮氏の実行力
セコムも上記の新生活産業創出コンソーシアムの一員で、杉町社長がコアメンバーとなっている。また、創業者の飯田氏は、当社の使命を「安心の提供」と位置付け、数々の新事業の開拓を果たしてきた。現在は、企業家支援や国際平和活動にも尽力されている。

セキやんひとこと:ここでも、塾で目指した「安心公社」のキーワードと一致する。最終的には、感度の問題なので、行政以外のスポンサーに「安心」の支柱を求める方法もある。個別で動き続けるしかないか・・・。

第83号(2001年7月20日)
<グローバルスペース>

株安ドミノ状態
アメリカのIT産業の不振に端を発した株安が、お膝元のNYだけに止まらず世界の株式市場を駆け巡っている。参院選真っ只中の日本では、小泉首相の爆発的な人気にもかかわらず、18日の日経平均は1万2千円台を割り込んだ。ヨーロッパでは、携帯電話最大手のノキア社があるフィンランドの株価指数が年初から50%下落した。また、IT関連企業が集積している台湾の新竹サイエンスパークでは、生産調整のため工場閉鎖や人員削減が相次ぎ、当然ながら株価も93年11月以来の水準まで下落した。

セキやんひとこと:日経平均が1万2千円台を割り込むと、生保10社中3社に含み損が発生し、1万1千円台を切ると6社に深刻な影響を与える。生保は日本における有価証券運用の象徴であるから、他業界の資産運用の損益も推して知るべし。世界的にも資産運用の潮流は「逆ザヤ」なのだから、企業は本業で利益を出すという事業の原点回帰が今こそ望まれる。
中国の存在感
この13日に2008年の北京五輪の開催を決めた中国は、今度は16日にロシアと友好条約を結んだ。1980年に実質的な軍事同盟であった中ソ友好同盟相互援助条約が失効して以来、両国間の基本条約は存在しなかった。しかも、かつてのそれは中国にとってソ連への追随を意味するに過ぎなかったが、今回の条約は文字通り同等のパートナーシップで締結された。

セキやんひとこと:条約締結はアメリカの戦略ミサイル構想をけん制するためという見方もあるが、真意はもっと遠大なところ(たとえば、自由経済へのソフトランディング?)にあり、それに向かって着々と布石を打っていると見るのが妥当だろう。
<ローカルスペース>
洪水体験記 −ばっくん(in台湾)のメールより抜粋−
こちらは11日の夜、台風5号の直撃を受けて一晩で553ミリの大雨となり、高雄市全域におよぶ大洪水になりました。友人宅の高層マンションのエレベータが浸水して止まってしまい、住人が閉じ込められてしまって騒ぎになっていました。友達(幸い男性が3人も揃っていました)と力を合わせてドアをこじ開け、閉じ込められた人を上の階から引き上げてあげました。次にマンションの1階のテナントで漏電が原因の火災を発見し、消し止めました。幸いなことにボヤですみました。高層マンションなので発見が遅れていたらと思うとぞっとします。さらに停電が翌朝10時頃まで続き、復旧してから遅い朝ご飯を食べ、やっと帰宅したら、なんと部屋が雨漏りしていてベッドが水浸し。高雄市全域では10万戸が停電、地下階に浸水したビルやマンションが711棟、死者4人、けが人多数、交通は全てストップ、水は深いところでは2階の床上に達するという状況です。被害額はまとまっていないようですが、工業団地だけで2億元の被害といわれています。12日の昼までにほとんどの場所で水が引き、今はビルの地下の排水作業が続いています。軍隊を動員しての復旧作業が行われて、13日の晩にはほとんどの場所で電気も復旧して通常の生活に戻りつつあります。

セキやんひとこと:何はともあれ、無事で何よりでした。詳細は、コミュカオの高雄ニュースのコーナーへ。尚、同HPでは本場の美味しい烏龍茶を良心的に斡旋してくれます。

第84号(2001年8月3日)
<グローバルスペース>

前号に続き、中国の存在感 −アジア諸国に危機感−
ここでいうアジア諸国は、中国を除く国や地域を指す。日本経済新聞社のまとめによると、工業製品における中国のシェアの伸びは想像以上だ。もともと生産コストの低さに加え、世界の精鋭メーカーからSCM(サプライチェーンマネジメント)のノウハウを得ることでサプライサイドの優位性は圧倒的だ。さらに巨大な内需という需要サイドの要件も揃い、向かうところ敵なしだ。携帯電話の生産台数で日本を抜きアジアのトップになったのをはじめ、DVDプレーヤーや二輪車など12品目中9品目で日本のシェアを上回っている。世界的なデフレ基調もあり、韓国・台湾など近隣諸国でも対中投資に規制するなどの措置を講じ始めた。

セキやんひとこと:この中で日本の存在感を示しているのが、世界シェア17.6%(中国は3.6%)の四輪車と23.6%(中国は5.6%)の工作機械である。このことから、いわゆる「形式知」分野は中国への移転に歯止めがからず、「暗黙知」に裏打ちされた分野が生き残っているということだ。今後の国内製造業の活路は、一段と生産ノウハウを「ソフト化する能力」に磨きをかけるところに見出すことになる。
流動性のワナからの脱却
保有する財を将来にわたって有効に活用する方法として、貨幣で将来に持ち越す流動性を確保すること、すなわち広義の「貯蓄」が一般的である。ことさら、モノ余りの現代においては、画期的な新製品が出なければ真の需要は喚起できない。そうした意味で、好業績を謳歌している事業といえども楽観はできない。なぜなら、売れている要因は、本来のモノの良さにあるのではなく意外性やインパクトに依存するアミューズメント効果が勝っている。アミューズメントは飽きられる宿命を持っているから、相当の継続的な革新が必要だ。

セキやんひとこと:いつでも自由に保有する財を生かしたいというのが、日本人の共通した願望のようだ。ならば、絶対時間すなわち生ある限り保証するというシステムを構築することにより、財の流動性への依存は意味がなくなる。そうすれば、世界一ストックされている日本の財がフローに変わり、経済が生きかえる。
<ローカルスペース>
ふるさと会の会長が来関
首都圏在住の一関郷友会会長である阿部次郎氏が、一関夏祭りの花火見物に里帰りする。まずは商工会議所への表敬訪問をされるとのことで、その際に挨拶させてもらうことになった。

セキやんひとこと:昨年来の街づくり塾提案を進める絶好の機会だ。この面談を通じて新幹線停車駅直近の商店街への定住者誘致という趣旨をしっかりと説明し、Uターン希望の先輩諸氏の橋渡しに寄与したい。
某地権者が興味津々
街づくり塾の提言に対して、某地権者の方に説明する機会を得て、積極的な関与を約束していただいた。さらに、そこから輪が広がりそうだ。また、別途市内で最高層の居住者向け案件が具体化する模様だ。

セキやんひとこと:民間サイドでは、着々と進んでいるが、肝心の「安心公社」について中心となるべき官サイドの感度が今一つだ。この提案事業の最大のキーワードが「安心」である限り、その公的担保が不可欠であり、民間活力が今後の中心になるご時世に、官の存在感を示せる唯一の領域であるのに・・・

第85号(2001年8月17日)
<グローバルスペース>

ユニクロ、中国へ
柳井正社長率いるファーストリテイリング社は、現地の企業と合弁で来秋中国の上海に1号店を出店すると正式に発表した。今秋予定のイギリス出店に間髪を入れず、世界最大のマーケットに挑戦する戦略だ。かねてから、自由競争のしにくい日本の市場に無理にこだわらない考えを表明していたが、いよいよ本格的に世界への挑戦が始まる。

セキやんひとこと:奇しくも、中国の話題が3回続いた。前々回は五輪誘致の成功とロシアとの友好条約という国家戦略の話題、前回は工業製品における中国のシェア上昇という経済面での底力、そして今回は魅力に富む大消費地としての側面。これらは、GDPの主要要素であるコンサンプション(消費)、インベストメント(設備投資)、ガバーメント(政策的投資)の三要素が網羅され、世界経済で希望の星の様相を呈している。
日銀の金融緩和
日銀は一段と量的金融緩和を断行するという。今年3月に金融調整目標を、従来の金利に置くのではなく、通貨供給量に変更した。今回の具体的な措置は、日銀の当座預金の残高を5兆円から6兆円に増やすというものである。前回の3月の措置によって、確かに残高は5兆円の前後で推移してきたが、それによって市場で資金需要が活性化したという実感はなかったし、今回のマーケットの反応もすっかり冷めている。

セキやんひとこと:故一倉定氏が提唱した販売促進の方法に「蛇口作戦」というものがある。メーカーは卸業者や小売店に任せっぱなしでなく、消費者やエンドユーザーに近い蛇口部分を攻めなければ、商品は動かないという考え方である。今の金融緩和は、まさに蛇口部分に働きかけずに、単に水源に水圧をかけて、無理に水を流そうとしているようなものである。どう考えても、今の経済環境では企業も個人も資金調達をしようという気持ちになれない。日銀の量的緩和に先駆けて、政府が先にやるべきことが他にある筈だ。
<ローカルスペース>
先人の足跡と地域づくり
前回お知らせした一関ふるさと会の阿部次郎会長にお会いし、一関街づくり塾で得た構想を10月7日の上野での総会で披露させてもらえることになった。余禄として、郷土の諸先輩を良く知る阿部会長から、後に総理大臣になった人物が危うくレッドパージにかかるのを阻止した当地出身者の肝っ玉検事や日本コンクリート工学の祖といわれた人物が果たした東京復興の功績など、先達の様々なエピソードを聞く事ができた。

セキやんひとこと:85歳という年齢に関わらず記憶を辿っての詳細な説明で、本当に感銘を受けた。「大正生まれがこの国を駄目にしたと言われるのは、とても心外だ」と語る姿には、現代人こそその気概を持つべきだと気づかせるものがあった。「気概」というバトンだけは、伝統として次世代に受け継ぎたいものだ。
岩手の情報産業
東邦銀行のシンクタンクである福島経済研究所の調査によると、岩手県内の生産額に占める情報産業のシェアは15.5%で、その粗付加価値率は74.5%と、いずれも東北ではトップクラスとのことだ。

セキやんひとこと:どこかの3セク会社が暴利をむさぼっているのではなく、実態の反映であれば良いが。

グローカルニュースへ戻る