第101号(2002年3月29日)
<舌代>
本ニュースは、前100号を一つの区切りとして、再度101号から積み重ねて参ります。
時同じくして、 (財)いわて産業振興センターで携わってきたオール岩手県の中小企業サポート業務をこの3月で離れ、かねてから約束していた盛岡市の新インキュベート施設を活動拠点に置く「起業」世話人として新たな業務に挑戦することになりました。当施設が完成するまでの約半年間は、盛岡市役所に机を置き、起業予備軍の掘り起こし、新事業の相談対応、協力者ネットワークの構築などに打ち込むことになります。
施設が完成したあかつきには、年中無休24時間対応をコンセプトとして、役所との契約時間外もあくまでも当施設を拠点として活動する所存です。小生の仮説を実証する絶好の環境、すなわち入居者が夜中でも相談できる日本初のインキュベート施設、とめぐり合えたことに感謝し全力を尽くしますので、今後とも皆様方のご支援ご協力を切にお願い申し上げて、小生の新たなチャレンジの報告と致します。
<グローバルスペース>
中小企業のための戦略計画 −同友館刊−
著者のケネスJ.クックは、アメリカにおける中小企業のマーケティングおよび販売専門のコンサルタントだ。翻訳本特有の無機質な日本語のせいもあり、最初は内容も絵に画いた餅のような印象を受けるが、何度か読み返す内に、その内容が日本の中小企業に不思議なくらい当てはまることが理解されて来る。1行目に、「顧客が存在するからこそ企業が存在するのです!」とだけ書かれた書き出しが強烈である。そして、「ビジネスは成長するし、ビジネスは成功する。またビジネスは失敗することもある。そして願わくばそうあって欲しくないが、財務的な意味においてビジネスは死滅することもある。あなたのビジネスの中に現れるこれらの特性は、どれもあなたの行動やあなたの行なうコントロールの水準の直接的な結果」と述べ、「成長をコントロールするには、計画が必要」で、「ビジネスを適切に運営するには、あなたの成長を分析し、計画しなければならない」と計画の重要性に言及している。読み進みながら添付のワークシートを埋めれば、結果として自社の戦略計画が出来上がる仕掛けになっている良書だ。
セキやんひとこと:戦略計画について、P.F.ドラッカーは「手法ではなく責任である」と指摘し、「何をいつ行なうか」を問い、さらに行動につなげることの重要性を説いている。つまり戦略計画とは、未知のものに挑戦するリスクを認識し、それに的確に対処する準備をすることに他ならず、何も特別なことではない。
<ローカルスペース>
一関と佐藤一斎
一関の願成寺に一関藩校教成館初代学頭の関養軒の墓がある。墓石には「重職心得箇条」を著した江戸時代の碩学佐藤一斎から「章句に泥(なず)み詞藻に耽る世儒と異なって践履を崇む」という碑文が寄せられている。関養軒は宝暦11(1761)年に当地の商家に生まれ、名は元龍、通称は運吉・良作と称し、号を養軒とした。十余歳で京都に遊学、天明3(1783)年一関藩に学校建設を建言し学問所の設置のきっかけを作った。学風は朱子学で、文化7(1810)年大手町に移設されると同時に藩校教成館(後に文武館に改める)と改称され、初代学頭に就任し約30年間にわたって学頭を務め、当地の俊英の輩出に貢献した。
セキやんひとこと:関養軒とは姓がたまたま同じことから興味を持ったが、佐藤一斎と縁があったとは感激だ。さらに、養軒は一斎から「一章一句の読み方や解釈だけに溺れたり言葉のあやに耽る俗世間のつまらぬ学者と違い、実行を崇め尊ぶ。」と実践者として最大限の賞賛を受けていることは特筆される。
第102号(2002年4月12日)
<グローバルスペース>
テロ?民族の抵抗?
中東の情勢が緊迫している。イスラエルが圧倒的軍事力で武力弾圧すれば、パレスチナは自爆を含めた捨て身の作戦で対抗し、事態は泥沼化している。日本では10日の国会の党首討論で自由党の小沢党首が小泉首相に「自爆行為をテロと認識するか、民族の自治を守るための抵抗運動とするか?」と質したが、明確な答えはなされなかった。この捕え方によって、日本外交のアプローチの仕方が変わるというのに・・・。
キルヒメディア社の破綻
昨年の9月のNY世界貿易センタービル事件以来、世界の潮流が殺戮という現象面からの定義づけに終始し、その原因や本質についての議論がなおざりにされている。その極め付けがブッシュの「悪の枢軸」発言であり、この種のアジテーションは集団ヒステリーの引き金になる危険性を秘めている。
セキやんひとこと:軽薄なワイドショー政治を本来の政治に引き戻す本質の議論を迫ったのに、肩透かしを食らった。小泉首相は、自ら薦める「重職心得箇条」の第十条「政事は大小軽重の弁を失ふべからず。緩急先後の序を誤るべからず。(中略)着眼を高くし、惣体を見廻し、(中略)意中に成算を立て、手順をおうて施行すべし。(物事の重要性や優先順位を正しくとらえ、大所高所から判断し、立てた目標に向かって実行を積み重ねよ)」を読み直し、真剣に「軽重を定め、意中の成算を明確にし、粛々と実行に移す」べきだ。
今2002年と2006年のサッカーのワールドカップ放映権を持つドイツの同社が、65億ユーロ(約7500億円)の負債を抱えてミュンヘン地裁に8日破産手続きを申請した。その破綻の最大の原因は、スポーツ放映権の高騰だという。今年のワールドカップは98年のフランス大会の10倍になったし、イギリスのトップリーグの放映権もこの10年で30倍になり、ドイツのブンデスリーガもここ数年で約5倍になったという。
セキやんひとこと:98年まで国際サッカー連盟FIFAは、サッカー普及のために放映料を抑えていたが、オリンピックの放映料の高騰などに刺激されて、入札制度を導入したことが放映権社の負担を増し、皮肉にも視聴者離れを招いた。一時のムードや思惑でのバブリーな競争は、必ず破綻に至るという典型例となった。
<ローカルスペース>
盛岡市産業支援センター(仮称)
このセンターは、盛岡駅の真正面300mほどの開運橋たもとに建設中の
(仮称)盛岡大通三丁目再開発ビル、その3階に盛岡市が開設する予定だ。
今秋から供用開始されるインキュベート施設には、ブース・タイプとルーム・
タイプが約10+3室備えられることになっている。募集開始は、7月に入っ
てからの見込み。
大手流通撤退をバネに!
セキやんひとこと:ハードはそんな状況だが、既に「新事業関係の相談」への対応というソフト部分は受け入れOKだ。当面は、盛岡市産業部工業労政課内に陣取る「創業支援コーディネーター」の小職までご一報されたし。電話番号は、019−651−4111内線3716まで、メールはsekiyan@isop.ne.jpまで。
本ニュース99号でお伝えした標記の主張が、近日中に某全国紙に載る?ご興味の向きは、ご注目!
セキやんひとこと:当局の反応の鈍さに業を煮やし何年かぶりに投稿したら、掲載予定との連絡がきた。
第103号(2002年4月26日)
<グローバルスペース>
海外から見た日本の景気 −日経3極エコノミスト調査より−
この調査は、米国、欧州、アジアの8カ国の金融機関やシンクタンクの有力エコノミスト30人から、日経新聞社が海外拠点を通じて聴き取りで実施したもの。日本の景気を、各国ではどう見ているか以下に拾った。
携帯のトレンド
台湾:景気は底入れしたが、他地域より低成長に止まる。制度が官僚化し硬直的。金融システムと企業の関係も融通がきかない。米:底打ち感が出ているのは輸出の拡大による。不良債権処理、消費税廃止、行革が必要。仏:設備投資、個人消費の立ち上がりはまだ先。英:日本経済は4〜6月期か7〜9月期に底を打つが、問題企業は破綻させるという痛みを伴う改革が必要だ。独:依然として景気停滞だ。円安と構造改革の実行が必要。2004年前の抜本的な景気回復はない。シンガポール:小泉首相が必要な改革をする権力を失っており、先行きは不明。タイ:大手金融機関の抜本的な改革なくして安定成長は永遠に来ない。
セキやんひとこと:最近とみにエコノミストの権威も落ちているが、ここは謙虚に聴く耳を持とう。口をそろえて、構造改革の遅れを懸念し、輸出依存の危うさを心配しているが、耳が痛いところだ。護送船団方式や中央集権体制との決別作業へ本気になって取り組むことでしか、各国の日本に対する信頼は回復できない。
国内に限らずインターネット接続型いわゆる第三世代端末の普及が思うにまかせず、世界的に苦戦している。世界のビッグスリーであるノキア・モトローラ・ソニー&エリクソンのシェアは60%弱だが、2002年の需要予測をそろって下方修正した。欧州・日本・中国での伸び悩みがその原因となっている。端末の先行指標である基地関連のインフラ機器も芳しくなく、ここに来て一段落の様相を呈している。
国内では2位のJ−フォンは、第三世代携帯サービスを半年間先送りし今年12月まで延期する。開発の遅れもあるが、既に導入済みのFOMAの苦戦もあり、実質親会社である英ボーダフォンの意向でサービス体制の整備などを先行する戦略を鮮明にした。
セキやんひとこと:パソコン苦戦の中で、代替需要として大いに期待されしばらく牽引役を果たしてきた携帯業界がここに来て一服している。中国の郡部でのインフラ整備や映像配信関係のコンテンツの充実が進めば、再度盛り返すことになる。本格的には、1年後か?
<ローカルスペース>
大型店閉鎖 地域主導の独立店への好機
昨25日の朝日新聞朝刊13面の「私の視点」に拙論が上記の表題で掲載された。一関の場合、2か月という貴重な時間を浪費してしまったが、日本のどこかの同じ境遇の首長が、膝を打って即反応してくれることを祈りたい。紙幅の関係で十分な説明ができなかったので、若干補足するが、困った困ったと手をこまねいているのは地域の責任者としていかにも情けない。また、撤退店舗に情報開示を迫る拠り所とした社会的使命とは、どんなに田舎の雑貨屋さんでも万が一店じまいする際には、利用者へ「ご不便をお掛けしますが、どうか○○商店からお買い求め下さい。こちらからも良くお願いしておきますから。」という商売人としての仁義は切る。大型店はこんな最低限のマナーさえ守れないほど情けないところまで成り下がったのだろうか。
セキやんひとこと:首長も撤退店の社長も、そこを思い出して欲しい。当たり前の感覚に戻るだけなのだ。
第104号(2002年5月10日)
<グローバルスペース>
デジタル放送、欧州で苦戦 −日経新聞ほか−
ヨーロッパでの相次ぐデジタル放送会社の破綻は、5社に渡り加入者数では4090万世帯におよぶ。日経新聞は、デジタル有料放送のビジネスモデルそのものが崩壊したことを意味すると報じた。破綻の主な原因は、加入者の頭打ちと双方向サービスの不発と2つの誤算にあり、有料放送をタダで見られる偽造カードが500万枚近くも出回り事実上有料放送のシステムではなくなったことと、双方向ではデータの伝送速度が遅いため視聴者にそっぽを向かれてしまったこと、だという。
中国の不動産事情
さらに、デジタル放送という巨大な社会資本整備を民間主導で構築する発想に無理があったのではないかとする指摘もある。
セキやんひとこと:5年ほど前から始まったデジタル放送は、地上波、衛生、CATV問わず厳しい。技術的に可能であることと社会的なニーズに裏打ちされた事業としての可能性とは別物だということの例だ。
2000年に国営企業や政府による住宅の現物支給が全廃されたことも手伝い、このところの中国の住宅市場は活況を呈している。土地については、所有権が国にあるので、あくまでも50〜70年間の使用権を得ての不動産開発になるが、昨年の成長率7.3%の4分の1は不動産業の貢献とされ、需給バランスから言ってもバブル状態ではなく、ここ2〜3年どころか2008年の北京五輪までは、住宅市場拡大が期待される。
セキやんひとこと:実は、今時の沿岸部の新興工業地帯への潤沢な労働者供給にも建設ブームは大きく貢献している。内陸部から流れ込む労働者が目指す工場で職にありつけない場合、建設現場の日雇い人夫として日銭を得るのが、標準パターンだ。その建設ラッシュが一段落した時こそ、中国の試金石となる。
<ローカルスペース>
気仙沼ビブレの再開
報道各社によると、気仙沼ビブレが9日に営業再開とのこと。今年1月にダックビブレ本社の判断で閉鎖して以来、約4ヶ月振りの朗報となる。閉店時店長の畠山かよ子氏ら幹部店員4人とダックビブレ本社の開発担当部長だった佐藤敏明氏らが、資本金1200万円の新会社「イコーレ気仙沼」(佐藤社長、資本金)を設立し、旧店舗を使って再開。新店長には前任の畠山氏が、取締役営業部長には旧店営業企画マネジャーの清水恭子氏が就いた。
名称のイコーレは、I(私)プラスCORE(核)の造語で、「生活の核になる百貨店」の意味で、地上4階地下1階延べ7300平方メートルの全フロアを使用し、衣料・雑貨を中心にカジュアルタイプの百貨店を目指す。100円ショップや生活関連のテナントも10店前後募集した。旧店の従業員は正社員20人、パート40人だったが、新店は社員とパート合わせて35人とのことだ。
セキやんひとこと:前号でお知らせした朝日掲載の拙論を見た知人からの情報で、このことを知った。何はともあれ再開に踏み出した有志の勇断に拍手したい。一抹の不安は、本来同じである筈の本部の判断とイコーレ立上メンバーの判断がなぜ異なったか、という点だ。旧社幹部の佐藤社長や旧店長の畠山氏等がどれだけ正確な情報と判断力を持っていたかで、その営業計画の精度は決まる。今後のことは、当然「やってみないと分からない」が、事業を開始する者の社会的責務として、リスクに対する回避策を考え抜くことも忘れてはならない。ここまで来たら、足らざるを補完すべく、行政はじめ地域も傍観者では居られないだろう。
第105号(2002年5月24日)
<グローバルスペース>
瀋陽から韓国へ
23日未明人道的に5名は韓国についた。5月8日から実に2週間以上経過してのことだが、5人にとって最悪の事態は免れた。ウィーン条約違反、いわゆる不可侵権の侵害をめぐる宿題が残された。中国警官に非が有ったとしても、それは不審者の排除という使命感から出たこと。片やビデオの総領事館の日本人職員には使命感のかけらも見られない。法的な次元ではなく、人として有るべき姿としては誠に分が悪い。
ブッシュ&プーチン
セキやんひとこと:日本の外交は、また後始末外交にエネルギーをとられる。どんなに優秀でも、いくら毛並みが良くても、後向きの仕事や内輪向けの仕事ばかりでは、いろんな意味で腐ってしまうのだろう。使命を忘れた公僕が、血税でぬくぬくと生き長らえるのはさもしい。要は後世の評価にたえられるかどうかだ。
24日にモスクワで首脳会談が組まれ、両国の戦略核兵器の削減を巡る新条約に調印がなされる予定だ。そのほかにも、対テロ対策、経済、民間レベルで協調することの声明が用意されている。
1週間後から
セキやんひとこと:世界の外交は、自国の立場を優位にし各国と協調すべく前向きの全方位外交をしたたかに展開している。日本外交へのツラ当てに見えるのは、皮肉だ。(・・・自虐的に過ぎるだろうか?)
ワールドカップの強豪が続々と来日している。日本の予選リーグの対戦相手チュニジアが23日にガンバ大阪と練習試合を行ない、ガンバに3−0で完封された。
セキやんひとこと:ちょっと元気がないようだが、本番にはどのチームもベストで望んで欲しい。できれば、盛岡出身の小笠原選手がピッチでひょうひょうとプレーするのも期待したい。
<ローカルスペース>
続、イコーレ気仙沼
19日に何とか時間が取れたので、気仙沼に行ってきた。突然の訪問にもかかわらず、取締役店長の畠山女史が開店にいたる経緯を親切に語ってくれた。当方が感じた店舗再開のポイントは、計数データを持っていたこと、十分採算がとれると判断する材料を持っていたこと、手続きや折衝に精通した人間がいたこと、そして何よりも元社員のコア・メンバーが再開への強い意思を持っていたこと。それにより、思いのほか仕入先などの協力が得られたということだ。もともと売場面積も小さく、食料品も扱っていない店舗で、一見不利な条件ばかりが目につくのに、まさに執念で再開に漕ぎ付けた。一方ではこの間の行政や商工団体の体たらくも感じられ、言い知れない憤りを禁じざるを得なかった。青森や秋田あたりからも問い合せがあるというが、姉妹都市である一関からは、19日時点まではまったく無かった由。
セキやんひとこと:一関ダイエーの閉店はワールドカップ開幕にあわせて逆カウントダウンだ。それにしても一関ダイエーはもったいないですネ、との女史の一言が何ともつらかった。昼間一関から離れての出稼ぎ稼業の我が身としては、居住地一関へのお節介もこの辺までだ。自らの仕事で、次世代へ顔向け出来るように気持ちを切り替えることにする。