Sekiyan's Notebook グローカルニュース

セキやんのグローカルニュース


第121号(2003年1月3日)

第122号(2003年1月17日)

第123号(2003年1月31日)

第124号(2003年2月14日)

第125号(2003年2月28日)

第121号(2003年1月3日)
<グローバルスペース>

債務超過 −三大過剰の一−
近年世界的な大企業が次々に破綻しているが、その大本には実業における収支のアンバランスがある。これは規模の大小に関わらず事業経営のイロハで、日本国内では三大過剰の一つ債務超過として取り上げられる。しかし、欧米における破綻企業においても同様で、(借金という直接的な形でなくとも)実業の収支から見て思惑でなされた投資が明らかに回収できないことがその主因となる例が多い。

セキやんひとこと:江戸時代のバブル崩壊期を生き抜いた白木屋の家訓に「入りを持って出を制す」とあるように、とうに先人達は経済原則を会得していた。今混迷する世界経済を導く知恵は、既に用意されている。今世界中で欠けているのは、身を挺して実行する姿勢で、要は、腹を括って徹するか否かだ。
設備超過  −三大過剰の二−
産業革命が「革命」たる所以は、単に技術が進歩し暮らしが豊かになったからではない。それは、働き手(労働力)と生産手段が分離したことにより、人々が土地や身分から解き放たれ、効率のみを追求するホモ・エコノミクス(経済人)の側面が増長されたことにこそある。そのため、設備の大なるを正としたのである。

セキやんひとこと:しかしモノ余りの今、かつての工業先進国は次なる付加価値を創り出す責務がある。それは高齢化社会でも十分安心できる環境創出にもつながる。人が生きる実感を持つためには、個別のニーズが実現されなければならない。つまり、人との関わりに十分手をかけ、お互いにその便益(サービス・商品)の価値を認め代価をやり取りすることで、大それた設備投資がなくても産業として回していく工夫だ。
<ローカルスペース>
雇用超過 −三大過剰の三−
確かに当地でも雇用状況は悲惨だ。しかし、設備超過の項で述べたように、産業革命以来働き手と生産手段が分断されていた状況が、ここに来て合体しつつある。つまりSOHOや在宅に代表されるが、これらを良く観察すると、近い将来「雇用」という概念は消え、パートナーシップの関係しかなくなるように思えてくる。

セキやんひとこと:ちなみに昭和20年代は、自営者が7割でサラリーマンが3割だった。その割合が今は逆転している。さらにさかのぼって江戸時代には、大名や旗本や大店の邸宅の手入れをする植木職人が町人の仕事の多くを占めていた。つまり日本人は、もともと一本どっこで飯を食っていたのだ。
本気基金の報告
4年前の一関市長選挙の際、合同演説会を企画した。それは2つの理由からだった。1つは当時のオール与党無風状況。もう1つは自らの地域経営を委ねるトップを選出するというのにあきらめムード一色の選挙民へ「ホントにそれで良いのですか」というメッセージ。しかし力及ばず、合同演説会は流れ、貸切ホテルで急遽「市政を考える集会」を行なった。その時にカンパとして頂いた54,200円をこの基金として預けた。

セキやんひとこと:ホテルの貸切料金は自腹でとても痛かったが、カンパしていただいた皆様の気持ちを想うとホテル代の補填には使う気にならなかった。4年間、この浄財を寄贈する機会を探していたが見つからなかった。拠出の判断基準は、「本気」で住民のための事業を仕掛ける政治・行政に対してであることなのに。ま、北川さんが三重県知事を辞めてどんな活動をするのか見極めるとするか。尚、利息は86円なり。

第122号(2003年1月17日)
<グローバルスペース>

ジャック・ウェルチの慧眼
GE社のトップだった氏は、95年にシェアの捕え方についての方針を大 幅修正した。それは市場を狭く捕えて自社シェアを大きく見せる「官僚主義 」を排除するためだった。すなわち世界の4割を占めていた航空機エンジン 部門でさえ、隣接するエンジン保守管理などのサービス市場を含めるとわず か1割に過ぎず、大いに成長の余地があると檄を飛ばした。固定観念で捕え た市場の占有率に安住する愚を戒めたのだ。

セキやんひとこと:引退後スキャンダル騒ぎにも巻き込まれた氏だが、 この頃すでに物財志向の規格大量生産工業社会から、納得度志向の顧客満足 実現社会への世界的パラダイム転換を察知し対応していた。  
量から質へ1
中国に代表される経済新興国は気をはいている。一方先進国では、米国の 設備投資がGDPベースで2年ぶりに前期比プラスに転じたが、雇用回復に 明るさが見られない状況で先行き不透明である。欧州でも主要国の対GDP 比の財政収支予測がマイナス2〜3%となりEU安定協定抵触の恐れが出て いる。

セキやんひとこと:日本も物財で稼ぐ感覚とはもうお別れした方が良い 。すっかり眠ってしまっている世界一の個人金融資産と不自由な生活を余儀 なくされているその保有者、この矛盾を解決するサービスを構築し市場投入 すれば、一気に先進諸国の将来像のモデルになれる。そのキーワードは、安 心感と信頼感だ。  
量から質へ2
スターバックスコーヒージャパンの2003年3月期決算は赤字予想だ。 店舗数を拡大し知名度アップによるブランド戦略で成功を収めてきたが、競 争激化と価格の割高感で売上不振店が出てきた。ここは戦略を転換し、店舗 閉鎖などの経費見直しや新たなメニューの投入などで巻き返しをはかる構え だ。

セキやんひとこと:ビジネスを定型的なものと捕えれば、おのずと対象 とする市場には数量や規模の面での限界が出てくる。従って、ビジネスの継 続には、イノベーションによってその姿や形を変える「型破り」が不可欠だ 。その原動力は、市場と商品を常に見直し冒険する「興味津々」の企業風土 にあるようだ。
<ローカルスペース>
適時対応の重要性
昨年5月に閉鎖されたAP社盛岡工場から離職した330人のうち、7割 の231人が昨年末時点で再就職を決めた。これは同社がいち早く昨年4月 から専門会社に委託して再就職支援センターを設置したことや岩手県および 岩手大学も即時再就職支援セミナーを開催したり外郭団体で技術者など10 名以上採用したりしたこと等の効果による。同年3月に閉鎖したAW社の再 就職率とは2倍以上の開きが出た。

セキやんひとこと:日本の十八番となったツーリトル、ツーレイトはそ ろそろ返上したい。同じ施策でもタイミングをはずすと天と地の差が出る。 特に今回は、行政と大学が連携しての迅速性が際立ち、的確だった。
スピード卒業
開所3ヶ月弱の盛岡市の創業支援室で、早くも卒業生が出る。既に法人登 記まで終え新規独立立ち上げ準備していた入居者が、古巣企業に懇願され急 遽そのトップの座に推挙され経営に携わるという顛末だ。

セキやんひとこと:人生皆良し、これもまた良し。要は、しっかりと各々 の人生を歩めるよう助力したい。

第123号(2003年1月31日)
<グローバルスペース>

企業統治を委員会方式で?
商法改正でこの4月から大企業で可能になる米国型企業統治の一つに「委 員会等設置会社」という形態がある。これは監督機能を持つ「取締役会」と 業務を担う「執行役」を明確に分け、さらに従来の監査役の変わりに3つの 「委員会」を設ける方式であり、委員会にはそれぞれ過半数の社外取締役を 置くことで透明性が確保される。3委員会とは、取締役候補者を指名する「 指名委員会」、役員報酬を決める「報酬委員会」、そして職務執行を監査す る「監査委員会」である。既に、コニカ、オリックス、ミノルタ、イオンな どがこの採用を表明していたが、このほどソニーも現行の監査制度を廃止し て委員会方式に移行することを発表した。 一方では東証の調査によると、この制度の導入を前向きに検討している企業 は4.7%に過ぎず、導入しないと答えた企業は65%以上に上った。 [セキやんひとこと]  株式会社は公器である。そして企業の不祥事が続出 した今こそ、透明性を確保し社会的な責務を正面きって市場にアピールする チャンスである。方法はさておき、こうした機会を積極的に活かせるかどう かと今後の企業業績の浮沈は、どうやら相関関係がありそうに思える。なぜ なら、これは単なる「流行り廃り」の次元ではなく、企業の「哲学」レベル の問題であるからだ。

セキやんひとこと:株式会社は公器である。そして企業の不祥事が続出 した今こそ、透明性を確保し社会的な責務を正面きって市場にアピールする チャンスである。方法はさておき、こうした機会を積極的に活かせるかどう かと今後の企業業績の浮沈は、どうやら相関関係がありそうに思える。なぜ なら、これは単なる「流行り廃り」の次元ではなく、企業の「哲学」レベル の問題であるからだ。  
純利益が過去最高
前項で登場したソニーは、02年の10月から12月までの4半期での純 利益が過去最高となった。このところ旗色が悪かった日本企業に関する数少 ない明るいニュースだ。しかし、当のソニーは通期での純利益目標を既にク リアしているにもかかわらず、純利益予想も売上予想も上方修正していない 。

セキやんひとこと:このご時世で立派な結果を出していることに脱帽す る。もちろん当社の経営努力が一番なのだが、円安効果などもあるというこ とで、先行きについて決して手綱を緩めていないところも良い。これは最近 発表された大学生の就職希望ランキングで1位に返り咲いたことと無縁では ないだろう。
<ローカルスペース>
地方議員数ほぼ半分に  −27日付日経新聞より−
2003年は新たに20の合併自治体が誕生する。これだけの合併が実現 するのは約40年前の昭和40年代初め以来。本格化する「平成の大合併」 では関係する住民数は240万人近くに達し、千人近い地方議員数はほぼ半 分に減る見通しだ。

セキやんひとこと:合併特例法で合併後2年間は合併前の議員がそのま ま在任できるが、いずれにしろ2年後には地方自治法による議員定数の上限 規定が適用されるので、ずっとそのままではいられない。
岩手県立大学での講義
東京在住の知己からの依頼で、30日に地元の県立大学で約100名の学 生を前に90分間講義した。起業論のひとコマで「インキュベータの歴史と 実情」と題して、1959年ニューヨーク州マンキューソ家によるバタビア ・インダストリアル・センターに始まり、今の日本の実態まで一気に話し、 居眠り学生も最後は起きた。

セキやんひとこと:ジョセフ・マンキューソ氏の“did whate ver was necessary to help them gro w”と語り継がれる姿勢や、いつも12時過ぎまで仕事をしたとされるジュ ーン・ラベル女史のいずれも労を厭わない献身的尽力こそ成功の秘訣である という持論を展開したので、講義後はすっきりさわやか気分!

第124号(2003年2月14日)
<グローバルスペース>

パラノイア  −アメリカンブランド・ストーリー翻訳者日沖健氏−
 起業家たちが目標に至る過程はほとんど千鳥足である。ただし、ひとたび 人生を賭けるに値する目標、事業機会を見つけたら、文字通り寝食を忘れて その事業に取り組む。起業家たちが事業にうちこむ姿は、まさにパラノイア (偏執狂)といってよい。創業時のハーレイとダビッドソン三兄弟は、1年 365日休みなく働き、クリスマスの休暇にただ1日早めに仕事を切り上げ たのは夜8時のことだった。

セキやんひとこと:ランチェスターの法則からいっても、成功要因の5 3%が情熱・熱意に在る。起業も然りで、狂気にも似た執念が人々の心を動 かし、資金・人材・協力を引きつけるのだ。  
合併ではなく“地域の再編”  −(財)日本経済研究所の月報原稿より−
2003年元旦の全国紙では、市町村合併に関する記事が一斉に取り上げ られていた。しかし、市町村の合併は“目的”ではなく“手段”の一つにす ぎない。地方分権国家ドイツでも、今から25年前に大きな地域の改革が行 われた。だが、その政策は、市町村合併ではなく“地域の再編”という言葉 で表現される。

セキやん二言三言:これは、長くドイツに駐在してヨーロッパのまちづ くりに造詣が深い傍士銑太(ほうじせんた)氏から最近恵贈された資料の書 き出しだ。氏自らの見解を月報に記すことで、数合わせに終始し「誰のため 」という視点や歴史観に欠ける現下の日本の合併論議へ警鐘を鳴らしている 。そして氏は、「地域の自立には、@意識の自立(誇り・ビジョン)、A権 限の自立(現場決定システム)、B財源の自立(自主財源の確保)を確立し なければならない」と続け、さらに文末では「平成の大合併論は、全国の自 治体に対して自らの町の存在感について住民とともに真剣に考える機会を与 えている。地域の人々が、いつの日か地域再編のかたちとして合併という手 段を選んでも、あるいは単独で生きていくことを選んでも、長期的な自立へ の道を演じる主役は、地域にいる生身の人間たちである」と結んでいる。ま さに我が意を得たり、である。
<ローカルスペース>
五枚橋ワイナリー
この2月1日、満を持してリリースした「りんごワイン」赤ラベルと白ラ ベル。残念ながら今年の出足は、パブリシティ(報道機関への働きかけ)活 動が奏功した前年に比べて4分の1程度という。しかし、この1年で着実に 力がつき、地域ナンバーワンのデパートや生協各店の売場に進出するなど販 路に広がりが出てきた。

セキやんひとこと:広がるということは認められると同義で、強烈な起 業家の思い入れが徐々にまろやかになり、紛れもなく市場に受け入れられる ということだ。これでいよいよ企業の目的である顧客創造につながり、企業 の条件である利潤も出していけそうだ。
詳細は、五枚橋社のHP、参照あれ。
翻って自立のきざしは?
傍士氏の唱える自立の要件である「意識」「権限」「財源」の三つ、オラ ホの地域に果たして有りや無しや。只ただ総務省の恫喝に怯えているだけで はないか。地域の先人達の心意気と子孫たちの将来に想いを馳せる時、フト 自問自答せざるを得ない。

セキやんひとこと:一方、現状追認の行政的スタンスによる予算配分の 見直しを盾に「生身の人間」に責任転嫁する前に、真に公的サービスが担保 すべき事象は何か、公僕として世の中に提供する付加価値とその報酬額がバ ランスしているかなど、官公エリート達自身が整理をつけなければならない ことが山積している。

第125号(2003年2月28日)
<グローバルスペース>

GNC(グロス・ナショナル・クール)
 2001年春に日本へ滞在したDouglas Mcgray氏の論考が 02年5月のForeign Policy誌へ掲載されたことがきっかけ となり、GNPでいうところのプロダクツ(生産)にかわって、クール(格 好良さ→文化的リーダー度)に着目した考え方が、一部で共感を呼んでいる 。それによると日本の世界に対する影響力が、ポップ音楽、市場指向の電機 製品、建築、ファッション、アニメ、食文化等で大いに高まっているという ことだ。
原文は、http://www.foreignpolicy.com/issue_mayjune_2002/mcgray.html を参照されたい。

セキやんひとこと:アジア諸国で日本製品の不法なコピーが流通したり 、日本食が欧米の知識階級で支持されたり、日本文化の人気はご承知の通り だ。このGNCという概念は、日本にとって80年代までの製造業依存の産 業構造から21世紀のサービス付加価値産業シフトへ大きなヒントと自信を 与えてくれる。  
新規上場(IPO)企業にも厳しさ  −企業診断より−
昨02年の国内IPO企業数は124社で、前年の169社から45社減 少した。ジャスダックなど新興3市場では、同じく前年の147社から47 社に大幅減となった。また、新興3市場におけるIPO企業の時価総額合計 は7000億円弱で前年の2.5兆円に比べ70%強減少し、市場全体に占 めるシェアは前年の63%から38%に低下した。IPO企業数の減少以上 に公募時の時価総額が減少しているが、これは株価がバブル期以降の最安値 を更新する状況が続いていることが主因である。

セキやんひとこと:Initial Public Offering 、「初めて」「公に」「(株式を)提供する」というのだから文字通り新規 株式公開、さらには新規上場をさす。IPOは企業の目的ではないが、企業 は公器という観点からすると、自社のあり方や経営スタンスを開示する仕組 みとして活用を検討する価値は十分にある。
<ローカルスペース>
全国初、市の寄付で国立大が研究施設
昨年11月の政令改正で可能になった地方自治体から国立大学への寄付と いう方法をとって、岩手大学が北上市に金型研究施設を5月に開設する。市 は年間約2千8百万円を寄付し、専任の客員教授として企業技術者から1名 招くほか助手2名程度を5年間おき、同市内の独自技術を持つ金型メーカー との連携を目指す。報道によると、国立大学が地方自治体の寄付で研究施設 を設置するのは、全国ではじめて。

セキやんひとこと:独立法人化を間近に控えた国立大学、製造業の海外 移転に歯止めをかけたい地域、双方の危機感や使命感が端緒となった。その 先進的な実行力に敬意を表し、成功を祈りたい。
銀行の窓口嬢が立ち仕事
盛岡の我が拠点から程近い東北銀行で国庫金の納入を行った。駅直近とい う立地で支店の建物スペースが限られている事情もあり、窓口業務は女性行 員が立ったままで行うという珍しい形だった。新装開店から1週間経過した ところだったが、こちらの問いかけに「だいぶ慣れてきました」という返答 があり一安心。

セキやんひとこと:かつて、ある工場のど真ん中にガラス張りの設計室 を作り、その中で設計部員も製造部員と同じように立って図面を描くという 方式を取った会社があった。でもその時は、確か背中を持たれかけるような 仕掛けが有ったと記憶しているが、今回は正真正銘の立ち仕事だ。その所為 もあってか、窓口嬢の対応時間は心なしか短いように思われたし、こちらと 目線の高さが合っているのにも好感が持てた。

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