第136号(2003年8月1日)
<グローバルスペース>
連続起業家ビル・グロス氏 −−参考:7/28日付け日経新聞−−
2年前、日経が同じコラムで苦境を伝えたカリフォルニアのアイデアラボ社のグロス社長を再度取り上げている。その記事では、氏は今「不況になってかえって強くなった」と元気満々で、年4〜5社のペースで新会社を社内起業している。新規株式公開の氷河期が続く米国では、オフィス提供などの創業支援で株式売却益を狙うインキュベーター事業者はほとんど姿を消し、新興企業からカネや株をせびる自称コンサルタントのたぐいも含め他人のフンドシで相撲を取るモデルはバブルと共に消え去ったようだ、とまとめている。
ちなみに01年の記事の切り抜きでは、「3月6日アイデアラボ社がシリコンバレーでの育成事業を凍結するという、時代の変化を象徴する出来事が起こった」という書き出しで、「インキュベーターは育成先の企業から現金をほとんどもらわず株式ばかり受け取ってきた。株式市場の低迷で公開による現金化という錬金術を失った今、インキュベーターの大多数は経営が行き詰まっている」との専門家の指摘を載せている。
セキやんひとこと:グロス氏は、企業サポートを収益事業として成立させるには「ふ化だけでなく、卵を自分で産む力がないと通用しない」と指摘する。又、最近よく目にするようになった連続起業家に関しては、文字通り「次々に起業を続ける」役まわりと解釈して良さそうだから、それを受けて「産んだ卵を親鳥に育てあげ、次世代までバトンタッチする」役割、すなわちプロの経営者役も次段階では当然必要ということになる。
<ローカルスペース>
住民投票の本質
へ。隣の花泉町でも住民グループの代表から、合併の可否を問う住民投票条例制定の直接請求がなされた。そのことについて、地域との関わりに常に問題意識を持って取り組んでいるO氏のコメントが大変示唆に富んでいるので、その要旨を以下に紹介する。詳しくは、"iwai-gappeiのHP"
――住民が直接投票して意思表示をする方法となると、問題となるのは「町長と議会」のあり方であるような気がしますが、現代のような複雑化した社会において多様な住民ニーズをより適切に行政運営に反映させる為には、議会の位置づける「代表民主制」を補完する意味で有効な手段ではないだろうかと思います。
ところで、住民投票を導入すると「町を二分する」「判断のわからない住民の投票行動」などを懸念する声もありますが、そもそも、それらを判断する為の適切かつ有意な情報を提供するのは町長の役割であり、議員諸氏の役割ではないでしょうか。選挙の時だけ四方八方「頼む」。いざ、住民投票となったら、それは「ダメ」では少々虫のよすぎる話ではないでしょうか。――
セキやんひとこと:首長は地域の舵取りをするため、選挙に勝とうとする。議員は住民の代表として行政運営をチェックし必要ならば新たな決まりを作るために、立候補する。いずれも「当選」は目的ではなく、あくまでもそのための手段だ。だからこそ、話題のマニフェストであれ何であれ「公約」という目的を明確に示さなければならない。そして公約に無く即時対応する必要のある事案が出たら、直接投票も当然有力な選択肢とし、その際彼ら自身が地域のリーダーとして明確に意見を示し、住民に判断材料を提供すべきなのだ。
東北の祭りライブ中継 −−仙台商工会議所からの情報−−
8月1日から7日まで東北各地の夏祭りが、"このサイト"で生中継されるというお知らせ
セキやんひとこと:お天気も、ようやく夏らしくなりそう。人間が少々しんどくても季節のメリハリは必要だ。
第137号(2003年8月15日)
<グローバルスペース>
カリフォルニア州知事選挙
州の赤字財政解消に失敗したとされるグレイ・デービス(民主党)現知事に対して、10月7日のリコール選挙で過半数が失職を支持した場合、同時に投票が行われる候補者の最高得票者が州知事となる。これに、6日時点で何と356人も出馬を表明した。なかには18歳の高校生やホームレスの男性、マイケル・ジャクソンの同姓同名、米人気ドラマ「アーノルド坊やは人気者」の主役を演じた元子役などが含まれていた。最終的に元ロス市長やあのターミネ―ター俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏ら200人弱から正式な届出があり、州選管による書類審査を経て正式人数が確定されることになる。
テレマテックス
セキやんひとこと:いかにお祭り騒ぎの好きな国民性だからといっても、ここまで乱立したのは、リコールに伴う選挙のため政党による予備選がないこと、65人の署名と3500ドル(約42万円)の保証金があれば立候補できることなど、その仕組みも大きく影響している。ちなみに、日本で知事選挙に立つには、300万円の供託金が必要で、有効投票数の1割以下の得票の場合、300万円は没収される。
最近よく目にするが、テレコミュニケーション(通信)とインフォマテックス(情報処理)の合成造語で、自動車向けの次世代情報提供サービスのことを指す。無線通信(携帯電話等)を利用して、車両とセンターをつなぎ、センターからユーザー(車両の運転者や同乗者)が運転の際に求める各種の情報とサービスを提供する。車両に搭載された端末機を通じて、サービスセンターと各車両を双方向通信で接続し、位置情報のなど各種情報の提供やセキュリティ管理を行うものだ。
セキやんひとこと:すでに多くのユーザーに利用されているものとしては、「カーナビ」が最も多く、たまに利用する機能では「ドライブ関連情報」や「インターネット上の情報」が多く、今後は、「故障・事故時の警告、緊急通報」や「盗難時の携帯電話への自動通報」、「地域の最新情報の参照」の利用を望んでいる。
<ローカルスペース>
利息制限法
いわゆるサラ金などに支払った「過払い金利」を取り戻すための根拠である。出資法で定められている上限金利は29.2%を根拠としているが、利息制限法で定められている金利(10万円以上100万円未満の場合は年利18%が上限)を超えた部分については、利息の払いすぎを認めてもらい返還を求めることができる。ヤミ金の黒幕が捕まったのは、明らかに出資法に違反していたからだが、とりあえず刑事罰のない利息制限法上の金利と出資法上の金利の間で堂々と?稼いでいる業者は少なくない。
夏の成人式、続々
セキやんひとこと:司法制度改革に伴う法改正によって簡裁での民事訴訟代理権を獲得した司法書士の組織である全国青年司法書士協議会のメンバーが、今秋率先してこの問題に取り組むことは心強い。
岩手県東山町で合宿中の人気の高見盛関が飛び入りするなど、県内34の市町村で5433人が、この夏に成人式を迎える。尚、お隣の秋田県では63市町村で、青森県では35町村で行われる。
セキやんひとこと:軽装で済むこと、お盆帰省に合わせられること、などが主な理由のようだ。
第138号(2003年8月29日)
<グローバルスペース>
フェアトレード
適正な価格で途上国の産品を継続取引することを通じ、それらの国の持続的な生活向上を支えることを目指す、消費者にとっては買い物を通してできる身近な国際協力のかたちだ。ただし、単に掘り出し物を競争可能な価格で仕入れるだけで生産者を育成する姿勢に欠ける場合は、フェアトレードと言わない。
お買い得感のマヒ ――ショート考察――
このフェアトレード(公平な貿易)運動は、ヨーロッパを中心に1960年代から本格的に広まり、現在では数千店舗の「第三世界ショップ」が世界中に開かれているという。日本でもフェアトレードに取り組む団体やフェアトレード商品を扱う店が増え、23日の朝日新聞「be」でもその活動が取り上げられた。
セキやんひとこと:紙面のインド系イギリス人の経営者サフィア・ミニーさんは日本語にも堪能で日本に根を下ろしたいと言う。しかし、事業の厳しさについては「スタッフの給料をぎりぎりにしても、累積赤字解消はまだ」というように、生産者にとって適正な価格を確保することによるビジネス上のしわ寄せを、スタッフの志で吸収しているのが実態だ。これを含めて、下記に「物の価格」についてのショート考察をしてみた。
ある程度品質が確保された環境下では、日用品・消耗品は「1円でも安く」が当然お買い得感と直結する。さらに、デフレ環境やリサイクルブームも手伝い、本来取得価格から来る満足感は二の次で「保有自体に価値を感じる」嗜好品・贅沢品も、この傾向に毒され価格競争に引きずり込まれている。従って、価格の柔軟性がある筈の分野でも無益なダンピングが横行し、勝者のない価格破壊傾向に歯止めがかからない。
セキやんひとこと:ここまでくると、デフレ経済の終焉は、需給のバランス調整などでは収まらず、もっと本質的に「商品対価に関する満足度」を消費者自身が再確認することが必要だ。これは、漠然と「得をしたい」という気持ちを払拭し、ある種「金は天下の回りもの」的な心理的余裕を皆が取り戻すことから復活する。
<ローカルスペース>
イオン盛岡SC
今月9日に盛岡市の前潟地区にオープンしたジャスコを核店舗とする大型商業施設、イオン盛岡ショッピングセンター(SC)の商圏は、盛岡を中心に34万人を想定、年売上高は200億円(うちジャスコ80億円)を見込む。敷地面積は約7万5000平方メートルで、建物は地上2階地下1階。駐車場は約2800台収容。店舗と飲食サービス部門を合わせた商業施設面積は約4万1000平方メートルで岩手県最大規模。核店舗のジャスコ盛岡店は1、2階に入居し、食料品・衣料・雑貨などを扱い、年中無休で元日も営業するという。また、もう一つの核の114店の専門店モール街にはスポーツ総合専門店や飲食・服飾・アミューズメントなどが連なり、さらに大型のホームセンターや家電専門店も隣接し、巨大商業ゾーンを形成している。
これに対し、盛岡市の中心商店街では、店舗のリニューアル(地元百貨店のカワトク)や、閉店時刻の延長(盛岡大通商店街協同組合)などの対抗策も活発化し、本格的な流通戦争の様相を強めている。
セキやんひとこと:まさに6〜7年前のアメリカでの標準的なショッピングモールのタイムスリップだ。値段に価値を求めるのか、買い物環境の良好さに価値を求めるのか、人のつながりやコミュニティに価値を求めるのか、そんな消費者の様々な価値観に対し、供給者はその一つ一つに商機を見出すことが可能だ。その際地場が留意すべきは、大手資本とは同じ土俵で戦わず、商店街を支える人口には買回人口以外に業務人口や通過人口そして最も重要な住民人口があることを今一度思い起こすことだ。
第139号(2003年9月12日)
<グローバルスペース>
9.11から2年
足止めを食って夜中にホテルに戻った時に目に入った画面は、映画のようなまた幻想のようなスローモーショナルな印象だったが、驚いたことにそれこそが紛れも無く同時多発テロが進行している現実だった。
一等の人物とは
セキやんひとこと:ちょうど2年前の当ニュース87号にその状況が詳しく記されているが、大型の台風15号の影響で出張先の山形が陸の孤島化し、戻れなくなったのだ。たまたま同じ会議に出席して居合わせた仙台の気鋭の教授とカラオケを一緒した後だっただけに、いまだに鮮烈にその画面を覚えている。
さかのぼること約400年、呂新吾は呻吟語の中で「深沈重厚」と著している。「聡明才弁」は第三等の人物にしか過ぎず、その上の第二等に「磊落豪雄」な人物を挙げている。
阪神優勝 ――商標権での――
セキやんひとこと:某党総裁候補者に、第一等は見当たらないのか、世論調査でも「ましな」人が優位だ。
ペナントレースでは今日明日にも決まりそうで、新聞やテレビでは大きく活字が躍ることになろう。さて、ここでは既に面白話題として論議を呼んでいる「商標」の世界でのことを取り上げたい。
特許庁が昨年2月に千葉県内の衣料品販売業者に対して「阪神優勝」の商標登録を認めたことから、今シーズンの優勝が現実味を帯びてきた時点で阪神球団が譲渡を申し出たが、交渉決裂したという経緯だ。
これに関して、「他人の業務との混同防止の観点や他人の著名な略称を含む商標登録は認められない」という商標法を根拠に、特許庁が認めたこと自体が間違いだという意見、さらに百歩譲って商標権が認められた場合に他者が使ったとしても、「阪神優勝」という事実を単に商品に表示しているだけで商品識別に使っている訳ではないと解釈できるので権利の侵害に当たらないという意見など専門家の見解を総合すると、特許庁や業者側の旗色は悪い。
セキやんひとこと:3〜4年前にドメイン名取得についても、同じようなトラブルがあった。不当競争防止法の歯止めや損害賠償を認めるなどの動きもあるが、この手の輩にはご注意あれ(特許庁も含めて・・・)。
<ローカルスペース>
続、商圏人口について
前号で述べた通り商業施設面積約4万1000平方米の盛岡イオンは34万人をターゲットとし年売上高200億円(うちジャスコ80億円)を見込む。マスコミは黒船襲来と大々的に取り上げ、1ヶ月で100万人の来店者があったと報じている。確かにデカイが、本当に歯が立たないのか、少し定量的に周辺のSCと比較してみよう。盛岡近郊のS町に地元有志中心の店舗面積約1万平米のSCがあり、チラシを約7万枚強配布する。1世帯あたり約3人と単純換算すれば、想定商圏人口は22万人程度と推定できる。つまり、盛岡イオンの商圏人口は地元資本SCの1.5倍程度の遠慮がちな設定だ。ちなみに、そのSCを含めたS町に立地する3つの主なSCの年間売上高は過去の取材記事等から60億円超と推計され、思ったほど格差はない。
セキやんひとこと:緻密さに目をつぶれば上記の通りで、イオンは目標値の設定について決して楽観せず押さえ気味なのだ。事実、盛岡では近所のスーパーや地元百貨店を使い分ける消費傾向が表面化した。
第140号(2003年9月26日)
<グローバルスペース>
ティボー・モデル「足による投票」
50年ほど前にアメリカのチャールズ・M・ティボーによって唱えられた公共財の最適供給に関する仮説だ。公共サービスの需要者である住民からすると、複数の自治体間でマーケットメカニズムが働き、税金の取られ方や使われ方によって自分が暮らしやすい地域に移動する。さらにそのことにより地域住民の嗜好や考え方が同質化し、究極は居住者にとって最適な税の取り方や使い方が実現するという理論である。
目的と手段の相違について
セキやんひとこと:これが成り立つには、特定の業界などに肩入れして公共財の無駄遣いをしないという大前提が求められる。また本来は国内の自治体間での「サービスと負担」の整理に使われたが、ここまでボーダレス化が進んでくると、余生を南の島で暮らすというように、国家間でも同様な仮説が成り立つ。
経営者の多くは「企業の目的は、利潤である」と言った。同様に、政治家の多くは「政治の目的は、選挙に勝つことである」と喝破し、今回も某党総裁選挙や組閣に如実に表れた。既に企業経営においては、目的と手段の違いの整理は進んでおり、利潤は単なる条件に過ぎず本当の目的は顧客創造と取引の継続であることは、目先の利益優先で消滅した多くの老舗企業の例を引くまでも無く、相当浸透してきた。
翻って、政治においてはどうかというと、当時の万年与党が過半数を割り55年体制が崩壊してからちょうど10年経ったというのに、いまだ政策そっちのけでイメージ頼りの愚衆指向の真っ只中にある
セキやんひとこと:お題目を並べても客観的に評価できる仕組みがなければ、目標たり得ない。そのためには、誰がいつの期限でいくらの費用でどの領域をどの程度の品質まで実施するのかを、数値や日時を入れて決めることである。特に国政を担うには、お茶の間に媚を売るのではなく、政策目標を競わなければならない。それは有権者自らが求めることからしか始まらないし、それなくして日本再生はあり得ない。
<ローカルスペース>
議員対決
覆面のサスケ岩手県議と大仁田厚参院議員が安比のリングで戦い、サスケが勝った。引退や覆面をめぐっての激しい前哨戦が行われたが、少なくてもサスケ県議の活動には支障が無い結果となった
休日議会開催
セキやんひとこと:お互いファイティングスピリットを政治の方でも大いに発揮してもらいたい。そこのリング上は、悪役には事欠かない?筈だから・・・。
岩手県北の田野畑村議会は秋分の日の23日本会議を開催し、当初準備した48席の傍聴席では間に合わず最終的に60名もの傍聴者があり議員もやる気満々で活況を呈したという。村当局によると、出勤した幹部については休日手当てが無いため、今後代休で対応するという。
全国町村議会議長会の調査によると、日曜日や休日の本会議開催は、平成12年の112町村から13年には139町村になっている。また、夜間の本会議開催も同様に50町村から54町村に増えている。
セキやんひとこと:定常的に実施した場合の反応はどうかわからないが、住民に対するアピールにはなっているに違いない。何はともあれ、住民が自ら選んだ「先生」の活動状況を見守ることは大事なことだ。