第141号(2003年10月10日)
<グローバルスペース>
ロシア「投資適格」へ −−英Financial Timesより−−
8日米格付け会社ムーディーズは、ロシアを初めて「投資適格」国に引き上げた。格上げの理由として、債務不履行のリスクが比較的低いことと、財政全般や債務に対する政府の慎重な姿勢が強まったことを挙げている。同国は98年の債務不履行危機から5年で、投資適格の最低水準であるBaa3を手にしたことになる。格上げ措置は、経済回復を過去4年間の最優先課題の一つとして取り組んできたプーチン大統領の勝利ともいえる。ロシアは総選挙を2カ月後に、大統領選挙を6カ月後に控えている。
更迭騒ぎ、大山鳴動 −−5日の霞ヶ関で−−
セキやんひとこと:適格10段階のぎりぎりではあるが、ムーディーズは市場重視型のプーチン路線について、チェチェン紛争などを抱えているが改革や発展に大筋では支障をきたさないと評価したようだ。
道路公団総裁を更迭するのしないのとマスコミが大騒ぎし、某党のイメージ戦略のスケープゴート作りに一役買った。企業であれば通常的な人事の範疇であり、敢えてマスコミ世論を動員して大騒ぎするほどのものではない。人事が政治家の立場で選挙目当てのイメージ作りに利用されるならば、当の組織にとっては迷惑千万だ。選挙向けポーズだけでは、現場の良識は決して喚起されない。
セキやんひとこと:任命権者かつ執行者である大臣が淡々粛々と対処すれば済むことで、ここで留意すべきは当該省庁組織のトップとしての当事者意識による大義である。この人騒がせな永田町では衆議院が本10日に解散される見込みだ。後の選挙には、ネズミ一匹で満足せぬよう、国民は真剣に関わりたい。
<ローカルスペース>
少数精鋭、智業を学ぶ −−4日の霞ヶ関で−−
公文俊平氏は、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター・所長で、社会システム特に情報社会の研究の権威であり、「21世紀は営利に携わる企業と知的影響力の獲得をめざす智業が互いに協働する時代」だとし、”智業=企業協働プログラム”を唱えている。その氏の講義を、土曜の休日にもかかわらず地下にある地方大学のサテライト教室で熱心に聴講する社会人大学院生たちがいる。
小中学生発明王コンテスト
セキやんひとこと:縁があって霞ヶ関の一角で、この日午前中の講師を務めた。少数ながら聴講生の皆さんの熱心さに、大教室で講義したような心地良い疲労感を持った。同じ霞ヶ関でも、翌日のニュースで見たドタバタ劇と、この日国家像を真剣に追っていた受講者の姿は、まるで立場が逆のように思えた。
各地での実践によって既に大きな効果が実証されている「アントレプレナーシップ教育(起業教育)東北型モデル」に基づいて、地域の特産品や資源を活用した商品開発を実践する場を通じて未来の企業家たちである子供たちの創造性に関する能力や素養を身につけるためのプロジェクトが始まった。小中学生がグループを作って、地域の特産品や資源を活かしながらオリジナル商品を開発するという仕掛け。
詳しくは、こちらを参照あれ。
セキやんひとこと:9月から募集しているようだが、岩手県内の反応はイマイチで、現在も引き続き募集しているとのこと。学校関係や小中学生の参加に心当たりの方は、事務局につなぐので、ご一報乞う。
第142号(2003年10月24日)
<グローバルスペース>
レイオフ否定の米半導体大手経営者
7年半前にヒューレットパッカードの上席副社長から特殊半導体大手のザイリンクス社CEO(最高経営責任者)に転じ売上高を倍増させたウィム・ロレンツ氏は、「レイオフは最後の手段」と主張し安易な人員削減を否定する。半導体業界でリストラの嵐が吹き荒れた一昨年、自らの給与を2割削減する一方で従業員は6%減に抑え雇用を守った。米フォーチューン誌で「働きたい企業ベスト100」の4位に評価されている。
スイス金融機関の規定 −−守秘義務1−−
セキやんひとこと:氏は、日経フォーラム「世界経営者会議」のセッション5「働きたい会社の人材活用」でノーベル賞の田中さんが勤務する島津製作所の矢嶋英敏会長と鼎談を行った中で、「顧客、株主、従業員」の3つが重要と述べ、矢島会長も「働きがいと人が育つ環境を作る」と応じた。
スイスの銀行の秘密保持は、厳しく銀行法で定められている。特にプライベートバンクの口座は金融当局の監査や調査を受けることがない。これは、在スイスの外国銀行の支店の場合にも適用され、本国からの検査の受け入れも認めていない。銀行法変更には、連邦議会に加え国民の3分の2の賛成も必要となる。
セキやんひとこと:プライベートバンクとは「預金者の資金を安全有利に運用することを専門とする銀行」で企業への融資などは行っていないため、不良債権などはありえない。かつてナチスの迫害を逃れたユダヤ人が財産を預けただけあって、スイスの銀行の秘密保持は徹底されている。
<ローカルスペース>
「need to know」の原則 −−守秘義務2−−
一方、日本では某大臣のお気軽なイニシャル発言騒ぎで一躍注目を浴びているが、この「守秘義務」はこの原則によって支えられている。この原則は「情報は知る必要のある人にのみ伝え、知る必要のない人には伝えない」ということであり、知りたくなくても知りうる立場にある人は、大いに自重すべしということでもある。ことに、権力の頂点にある者、公的で中立な役割にある者は、慎重な上にも慎重であるべきだ。
ロボコン東北大会1,2位独占
セキやんひとこと:マスメディアを活用するのは良いだろうが、勇み足をしてしまっては元も子もないし、何よりも公僕に対する国民の信頼感失墜の責任は重い。多くの良識ある行政官の怒りは察するに余りある。
高専ロボ゙コン東北地区大会に一関高専から出場した2台が決勝で激突し、「どんとはれ」が「パスタ号」を破り東北大会を制した。この結果、「どんとはれ」が11月23日の国技館で行われる全国大会へ進むことになった。尚、「どんとはれ」とは昔話の語りべの最後に「おしまい」と言う意味で使う当地独特の言い回し。
セキやんひとこと:かつて全国大会でも活躍した一関高専勢も、このところ鳴りを潜めていたが、この快挙と勢いで全国でも復活が期待される。文字通り全国大会で「有終の美」を飾って欲しい。
盛岡市産業支援センターの卒業事業者 −−守秘義務3−−この開所1年間の詳細状況を皆様にご披露したいのはやまやまだが、「守秘義務」を鑑み差し控えている。
セキやんひとこと:ただこの1年間に半数以上の7事業者が巣立つこと、仮説が確証に近づいたことなどは伝えても良かろう。
第143号(2003年11月7日)
<グローバルスペース>
イラクでは日本人も狙われる −−岡本首相補佐官−−
日本がイラクから総撤退しない限り国際コミュニティーの一員として攻撃対象となることは免れないとしながらも、ここで退いたら国際的な支援の努力を頓挫させようというテロリストの思うつぼになると語った。
トヨタ、日産の利益が過去最高
セキやんひとこと:対処療法より根治療法が良い訳で、そもそも「登る山」の決め方が違っていた?
この9月の中間決算で、国内販売の伸び悩みや円高ドル安傾向の逆風の中、トヨタの純利益は5255億円を記録し通期では1兆円に迫る勢いだ。一方の日産も営業利益で4011億円と営業利益ベースでは過去最高となった。ホンダも含め、海外市場の好調さとコスト削減効果および円安ユーロ高が寄与した模様。
日本振興銀行に予備免許
セキやんひとこと:自動車業界はひとり気を吐いている。今後は、業界として環境負荷への軽減を最大の使命とし、「効率性」追求から世の中全体の「効果性」重視のスタンスへの変身が求められる。
8月20日の記者会見で発表したこの新しい銀行の仮免許申請に対して、金融庁はこれを認め5日までに予備免許が出された。東京青年会議所のメンバーが中心となり、木村剛氏が後ろ盾となる。資本金20億円で2004年4月に開業を目指し、金利5〜20%の「ミドル・マーケット」に照準を定め、不動産担保や第三者保証なしでの融資を基本方針とする構えだ。金融の世界も、少しは脱島国の兆し。
セキやんひとこと:自らの切実なニーズからスタートした事業であるだけに、中小企業融資に特化するという。貸し倒れの回避に、大手都市銀行の元専務たちも一役買うとのことで、準備は着々と進んでいる。
<ローカルスペース>
岩手の人は・・・
選挙戦も終盤である。先日、当地にも人気の某党抜擢幹事長が応援演説に来た。全国紙地元版によると、その際の発言で「岩手の皆さんは、大変ですね。ある時は○○党、次は○△党、そして今度は□▽党です」と述べ、選出議員によって予算のさじ加減がなされるとばかりの利益誘導型の本性を露呈した。
求人あれこれ −−参考:岩手日日新聞他−−
セキやんひとこと:真の政治には「志」が不可欠であり、中傷戦や迎合戦は言語道断で、「この国をこの地域をどうするか」という視点で正面から持論をぶつけ合う姿勢を持っている人物や政党に共感する。
岩手労働局によると、9月の県内有効求人倍率(季節調整値)は前月を0.03ポイント上回る0.57倍となった。これは13年2月の水準で、大量リストラが一段落して求職者数が減少し、求人数も輸出関連が好調な製造業などで伸びたことが要因とみられる。県内の有効求人倍率(季節調整値)は14年6月の0.36倍で底打ちしたとみられ、同局では「有効求人倍率は徐々に改善されているが、全国平均の0.66倍には届いておらず、依然厳しい状況が続いている。」と見ている。
セキやんひとこと:県内で唯一1倍を超えたのが、北上地域の1.17倍、次いで一関地域の0.70倍となっている。一方、久慈地域が0.29倍、二戸地域が0.36倍と沿岸および県北地域が依然深刻だ。
第144号(2003年11月21日)
<グローバルスペース>
「原因」と「結果」の法則 −−ジェームズ・アレン著−−
「人は誰も、内側で考えているとおりの人間である」を人生全般に当てはまる法則とし、「それをはっきりと認識することが必要で、みずからの試みと経験と分析によってのみもたらされる」としている。さらに、内側の自分自身が外側の環境という「結果」を作り出す「原因」であるとし、「人々の多くは、環境を改善することには、とても意欲的だが、自分自身を改善することには、ひどく消極的だ。かれらがいつになっても環境を改善できないでいる理由がここにある」と指摘する。たとえば、自分のあらゆる環境が改善されることを願っている貧しい男が、報酬が少ないという理由で仕事をサボること(雇い主をだますこと)を選んでいる。つまり、貧困から這い上がるために「やるべきことと逆の考えを持ち行動する」ことで、貧しさはより深刻になるという。
リレーションシップバンキング考
セキやんひとこと:ちょうど100年前に書かれたこの原書は極めて明快である。前書きで「近年の自己啓発書のほとんどは、アレンのシンプルな哲学に具体的な事例をあれこれとくっつけて、複雑化したものにすぎない」と紹介されているのはあながち誇張ではなく、モチベーションものの元祖といっても良い。
金融審議会金融分科会第二部会報告書中の説明では、「長期的に継続する取引関係の中から、金融機関が借り手企業の経営者の資質や事業の将来性等についての情報を得て融資等を実行するビジネスモデル」と定義されている。3月28日に金融庁から公表された推進アクションプログラムでは、その機能強化に関する方策が強く求められていたが、ようやくここに来て具体的な動きが出てきた。
セキやんひとこと:霞ヶ関が机上で考えた理屈を、現場の金融機関が工夫を重ね知恵を絞り、企業の目線に立った仕掛けでやりだした。ある種「ひょうたんからコマ」だが、その実効が上がることを期待したい。
<ローカルスペース>
異色の商談会
そのリレーションシップバンキング推進プログラムの一環として、19日に岩手・秋田・青森の地銀3行が初の合同商談会を開催、128ブースに約4300人が来場し商談件数は358件に上ったという。出展者の話では、「金融機関担当者が大変頑張って、多くの商談をセットしてくれたので、出展料の元は十分に取れた。」とのことで、会場では盛んに商談に対応する光景が見られた。
日経地域情報化大賞2003
セキやんひとこと:裏方として汗をかいた行員の皆さんには敬意を表したい。また別の地銀では、同日から2日間東京の有明での商談会への県内企業の参加を支援した。こういう競争なら大歓迎だ。
情報技術を利用した地域活性化の取り組みの顕彰を目的に日経新聞社が今年設けたもので、大賞に企業OBの能力を活かして地域活性化に貢献している「シニアSOHO普及サロン・三鷹」が選ばれた。審査委員長の国領二郎慶大教授は、「地域で頑張っている人を励ますつもりで審査していたが、こんなにも多くの人たちが日本の将来に向けた課題に取り組んでいることを知り、むしろこちらが元気づけられた」と話し、今後の地域情報化の発展に期待を寄せた。
セキやんひとこと:いつの世でも「現場の頑張り」は宝だ。それにつけても、指揮官も大いに奮起しないと。
第145号(2003年12月5日)
<グローバルスペース>
米ウォルト・ディズニー、業績と内紛 −−日経新聞他−−
同社の興行収入は米映画大手で初めて年間30億ドルを突破したと報じられた。11月末までに、北米で15億ドル弱、海外で16億ドルを記録した。現時点で今年の北米興行収入首位に立つアニメの「ファインディング・ニモ」と同2位の実写「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」の2作品が海外でも好調で、全体の約4割を稼ぎ出し大幅増収の原動力になったとのことだ。
ICタグの可能性
一方、テーマパーク部門はディズニーワールドに回復の兆しが出てきたものの、ディズニーランドが低迷し、また創業家のロイ・ディズニー副会長らを社外に追い出した形のマイケル・アイズナー会長兼最高経営責任者は連日、批判を浴びており、映画部門の快挙を手放しで喜べない状況にある。
セキやんひとこと:10月の半ばに米国のテーマパーク施設を運営するディズニーランド・リゾートのシンシア・ハリス社長が退任し、このほどロイ・ディズニー副会長に続いてゴールド取締役も辞任した。夢や希望を売る企業だけに、ゴタゴタが長引かなければ良いが・・・。
10月にはPDA程度の大きさの小型端末「ユビキタス・コミュニケータ」が、数日前にはPHS端末でバーコード情報を読み取れるものが立て続けに発表され、対象物(商品)に貼り付けた履歴情報や周辺設備の情報の読み込みができる装置など、具体化が急だ。様々な場面での有効な用途にも夢が広がるが、その市場の大きさにもおおいに期待がふくらむ。
セキやんひとこと:2010年に焦点を当てた場合、矢野経済研の調査では11億枚のタグの使用が予測され、今夏の総務省の発表では07年頃から市場規模が一挙に拡大し最低でも17兆円は見込めさらに価格や技術的な課題が解決されれば30兆円超となるとしている。30兆円は、現在の外食産業全体の市場規模に匹敵する。これは黙って指を加えて見ている手はないだろう。
<ローカルスペース>
県内ボーナス、厳冬
(財)いわて産業振興センターが調査した県内中小企業の今冬のボーナス予定を各紙が一斉に掲載した。それによると、平均支給額は月給の1.63か月分(平均年齢39.0歳)に当たる34万9,384円で、前年比1.1%減の見込みとなった。業種ごとには、鉱業や卸売業、サービス業、建設業は前年比2〜6%増、逆に運輸業が42%減、小売業や製造業では1〜3%ダウンする。ボーナスとは無縁の我が身には、出るだけ羨ましいが、サラリーマンのボーナスは生活費に織り込み済みという時代ではないのかも・・・。
誤嚥(ごえん) −−プライベート・スペース−−
セキやんひとこと:機関の頑張りにもかかわらず、1800企業を対象とした調査だが有効回答数が残念ながらイマイチでサンプル数が少ない。
詳しくは、こちらを参照あれ。
誤嚥性肺炎は、のどの反射が鈍くなって口の中の細菌や胃液や食べ物が気管に入る(誤嚥)ために起こるもので、高齢者の肺炎の半数以上を占め、睡眠中など知らない間に誤嚥することも多いといわれる。
セキやんひとこと:老父の1年程の微熱の原因はこれだと分かったが、生きようとする姿には頭が下がる。