第151号(2004年2月27日)
<グローバルスペース>
IBM、ストックオプション見直し −日経ほか−
制度見直しの対象はサミュエル・パルミサーノ会長兼最高経営責任者を含む全世界の上級幹部300人で、権利行使の株価をストックオプション付与の時点より10%上乗せし、株価が大幅に上昇しない限り利益が出ないようにした。米国ではエンロン事件などを契機に、ストックオプションの乱用が株式数を増やし既存の株主の利益を損ねるといった批判が高まっている。昨年、米マイクロソフトは株主の声にこたえ、従業員向けストックオプション廃止を決めた。日本では昨年6月末までに全上場企業の約3割がストックオプションを導入したが、大半の企業は導入後に株価の下落が続いたため、役員や社員が権利を行使していない。
make a little, sell a little, make a little more
セキやんひとこと:この制度はあらかじめ決めた価格(権利行使価格)で株式を購入できる権利のことで、株価が行使価格より高くなれば売却益を得られるので、役員や従業員の業績に対する関心を高められる新たな報酬形態として使うケースが多い。しかし、日本でも東京高裁から納税者側逆転敗訴の「給与所得」判決がなされるなど、見直しの時期に来ているのではないかという声も一部には出ている。
世界の優良企業3Mのモットーだ。あるセミナー担当講師は、さらにドラッカーの「計画からの逸脱を修正するのではなく、思いがけない成功(創発現象)を探し求めよ」を引き、Act→Discover→Thinkの新業務サイクルを提唱し、「創発的経営」と呼んでいた。今後はそうした事後的能力が勝負どころだと説いた。
セキやんひとこと:イトーヨーカ堂グループの総帥鈴木敏文氏が実行しているやり方を裏付けるかのような内容だったが、これは決して偶然ではなく優良企業の経営のあり方の「必然」だと確信した。
<ローカルスペース>
寝ていて人を起こすことなかれ
明治時代「農聖」と呼ばれた秋田の農村指導者石川理紀之助翁の名言である。40歳を前に県職員を辞める決断をし、文字通り農民と一緒になって借金だらけの農村を5年間で再建、さらに乞われて宮崎県谷頭村の建て直しをするなど、生涯にわたって毎朝3時に掛け板を打ち鳴らして村人を農事に専念させた。また閉鎖的な当時の農業に「種苗交換会」を定着させたことでも知られる。まさに、率先垂範に徹した偉人だ。
アンガスwith北の鉄人
セキやんひとこと:前述のセミナー講師との会食中に、「秋田の石川理紀之助を知っていますか?」と訊かれたが、隣県人でありながらまったく知らなかった。その後調べると、物凄い人物だったと分かった。翁は「何よりも得がたいものは信頼だ。信頼はつつみかくさず教え合うことから生まれる」という言葉も遺しているが、小生の信条である「オープンと信頼は一体」が裏打ちされ、勇気づけられることこの上ない。
元ジャパンのキャプテンだった37歳のラガー、アンドリュー・F・マコーミック選手が日本を去る。外国人として初のジャパン主将を務め、そのひたむきなプレースタイルにファンも多かったが、釜石の19年ぶりの日本選手権初勝利を置き土産に祖国ニュージーランドに帰る。彼は去ってしまうが、その功績は不滅だ。
セキやんひとこと:7連覇中には考えられないほど不振続きの釜石だったが、アンガスが思い出させてくれた「ひたむきさ」と「熱い心」は、来年以降も必ず活きていく筈だ。それが「体育会系の連鎖の法則」だから。
第152号(2004年3月12日)
<グローバルスペース>
トヨタ、ハイブリッド技術供与 −日経ほか−
ハイブリッド車「エスケープ」を独自に開発中で今夏に発売予定のフォードは、技術の一部がトヨタの特許に抵触する恐れがあるため、トヨタとライセンス供与の契約を結んだ。トヨタはすでに日産自動車への技術供与を決めているが、フォードなど米欧の大手と手を組むのは初めてだ。このほかトヨタとフォード両社は、ガソリンエンジンの排ガス抑制技術で互いの技術の使用を認めるクロスライセンス契約を結んだことも明らかにした。一連の動きから、トヨタがハイブリッド技術の世界標準化へ一気に加速する戦略が見える。
チョーさん、養生を
セキやんひとこと:また、アメリカのコダックがソニーをデジカメ特許の侵害で提訴することになるなど、技術のせめぎ合いは完全にグローバルレベルで繰り広げられている。自社で開発するのも良し、供与を受けるも良し、いずれにしても経営判断の切り替えスピードが勝負の時代となってきた。
4番サード長嶋として国民的な期待をにない、そして永遠のミスターとして輝き続け、アテネ五輪野球でもジャパンを率いることを当然とされたチョーさん。今は、何とか体調を戻すことに専念して欲しい。
牛丼屋が牛丼屋でなくなる −新社会システム研究所セミナーより−
セキやんひとこと:脳梗塞によって、突然健常者が自分の意思通りの動きができなくなるのは、周囲の者でさえも、とても歯がゆいものだ。ここは、何はさておき、そっと見守ってやりたい。
ピンチをチャンスに変える経営戦略−−と題して、広告代理店勤務の講師が一席ぶつ。その流れを見ると、前々回の150号配信時の前文で示したコメントと同趣旨の内容のようだ。危機管理〜カテゴリーのとらえ方〜中核価値〜選択肢の自由度、とその道のエキスパートが系統立てて解説する仕掛けのようだ。
取らぬタヌキの・・・
セキやんひとこと:新社会システム研究所では、時流を捕らえた先進的なテーマのセミナーを頻繁に実施している。本セミナーにご興味のある方は、http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_04112.htmlをご覧あれ。
カネボウが迷走の挙句、産業再生機構に引き取られることになった。エクセレントカンパニーの花王から化粧品事業の譲渡を4000億円以上でとの申し入れを断り、それ以上の評価を得ようと公的機関にすがったが、そうは世の中あまくない。世論の逆鱗に触れ、結果として譲渡価格は3800億円にとどまった。
セキやんひとこと:経営危機に陥った理由が、とても良く学習できるケース。それは、経営陣もダメだし、労組もダメだからということに尽きる。企業の使命は、顧客の創造と取引の継続なのであり、中身のない企業実態を不当に高く他所に売るつけることではない。そんな破廉恥は、単なるタカリ屋と呼ばれる。
<ローカルスペース>
岩手県が初の複数年度契約
県は盛岡駅西口に建設中の複合施設の情報提供システムの委託方式について、同一業者に複数年度契約で委託することを明らかにした。建設自体には異論はあるが、やればできるじゃないか・・・という感じ。
セキやんひとこと:硬直の三要素のひとつに風穴を開けることができるか、次は受注業者に興味は移る。
第153号(2004年3月26日)
<グローバルスペース>
資生堂、中国で高級化粧品店展開へ
資生堂は中国専用の高級化粧品ブランド「オプレ」の専門店を直営方式で展開する。オプレは94年に創設され都市部の高級百貨店約360店で販売していた高級ブランドで、この19日に北京市朝陽区のショッピングセンター内に1号店を開設、5月下旬には上海にも出店、10年間で200店まで拡大する予定だ。すでに資生堂は中国での中・低価格帯の商品については、昨秋から契約専門店網の構築に着手し、09年3月期には5000店と契約を結ぶ方針を打ち出している。
「ユニクロ」が食品事業から撤退、特損28億円
セキやんひとこと:この背景には、最近は沿海部だけでなく内陸部でも所得水準が上昇、高級化粧品の需要が高まっているという事情がある。その市場動向に対応するため、高級品のオプレについては直営店方式で専門の販売員を配置しブランドイメージを維持する。09年3月期にはオプレだけで年商300億円を見込み、中国でのグループ売上高も現在の約5倍の1000億円まで伸ばすという。さすが市場規模が違う。
ファーストリテイリングは食品販売子会社「SKIP(スキップ)」のブランド名のエフアール・フーズを6月に解散し、「ユニクロ」の衣料・雑貨事業に経営資源を集中する。「永田農法」という独特の生産方法で青果を生産する約600の農家と契約し、産直方式で提供する事業に取り組んだが、黒字転換のめどが立たないことからから撤退を決め、百貨店内などの店舗とインターネット通販もすべて4月末までに閉鎖する。
セキやんひとこと:食品事業に02年9月から乗り出し、ネット通販を手始めに、首都圏での店舗展開に展開しピーク時6店あった店舗での販売も、商品が割高で固定客を確保できず、赤字が膨らんだ。この措置に伴い、04年8月期(単独)で28億円の特別損失を見込む。約1年半の授業料、餅は餅屋ということか。
<ローカルスペース>
一関一高ナイン、ご苦労様
21世紀枠で選出され、49年ぶりに春の甲子園に出場したが、関東の強豪拓大紅陵高に緒戦で敗れた。主戦木村投手が三振を奪い、先頭打者がヒットで出塁するなど、見せ場はあったが及ばなかった。
本気基金、ご報告
セキやんひとこと:関係者が試合後語ったように「さっそく頭を切り替えて、今日から次の目標に向けてしっかりやって行って貰いたい」ものだ。少なくても、種々の制約を克服しての伝統の応援は見事だった。
前々回の市長選の最中、平成11年1月13日(水)の夜、当市ベリーノホテルを会場に開催した「市政の在り方を考えるフォーラム」(詳細は本ニュース18号ほか)で、不肖が手弁当で開催したという心意気に感じ、ご参加の皆様が帰りにカンパされた浄財を、単なる会場費の補填に使うのがしのびなくて、何かの機会に役立てようとして基金にしておいた。何かの機会とは、真に地域を想い真に地域のために尽くそうという動きが出た時に、些少ながら役立てて貰おうということだったが、昨今の「オレオレ詐欺」など金融機関の遊休口座を悪用した事件が相次ぎ、当基金の金融機関からも口座の整理を求められ、やむなく解約した。
セキやんひとこと:その節は、本当に皆様方のおこころざしに頭が下がり、何とか役立てようとしたが、機会に恵まれず、誠に無念ながらこういう形で5万4千円強の基金を5年後に解消しました。お許し下さい。
第154号(2004年4月9日)
<グローバルスペース>
イラクで邦人拘束
中東カタールの衛星テレビ放送アルジャジーラは、日本時間の8日21時のニュースで邦人3人がイラクの武装勢力に拘束されたと伝えた。拘束されたのは、長くボランティア活動を続けている女性、高校をこの春卒業したばかりの若者、現地の状況を取り続けるカメラマンと見られる。犯人の要求は、3日以内に自衛隊を撤退させることで、要求が受け入れられなければ3人の殺害の辞さないということだ。
ウォルマート、日本で始動
セキやんひとこと:無事を祈るだけである。自衛隊の派遣などの経緯を含めて、これまでの政府の対応については、コメントする気にもなれない。悲劇に見舞われるのは、いつも現場だということを、本物のリーダーは自戒すべし。151号で取り上げた石川理紀之助翁の「寝ていて人を起こすことなかれ」が重い。
西友を足がかりにして小売業界の巨人ウォルマートが、静岡県沼津市に7日から「スーパーセンター」の実質国内1号店を開業した。スーパーセンターはまとめ買い対応型の低価格販売の成長業態で、ウォルマートは米国で約1500店展開している。こうした動きに呼応して、国内勢も大都市周辺で続々と出店を進めようとしている。昨年の総店舗面積が1万平米を超える店舗の新設届出件数は65件で、イオンが15件、ヨーカ堂が7件、ベイシア(群馬県伊勢崎市)も8件、いずれも大都市周辺で予定している。
セキやんひとこと:一方では、全国百貨店やスーパーの長期低落傾向には歯止めがかからない。どちらも92年以降96年を除いて前年の売上高を下回り続けている。百貨店については、売上の約半分を占める東京地区での高級専門店の台頭が影響し、スーパーは扱い商材が消費の縮小に直撃されている格好だ。
<ローカルスペース>
食材王国みやぎ
宮城県は緊急経済再生戦略の中でフードマネジメントシステムを新設し、同県の食品のブランド化を推進する事業を始める。当面は3000件を目標に食品アイテムを増やしていく構えだ。具体的には、大手スーパーの地元店舗で、この制度で認証した宮城県産のコメ加工品や納豆味噌などを販売する。従来の個別の人的つながりで進めてきた手法から、システムとして大々的に取り上げていく方向に踏み出した。
セールス・レップ
セキやんひとこと:思惑通りに、県ブランドが販路拡大の信用力になり得るか。販売は、消費財や生産財の違いでも打つ手が異なるし、嗜好品や必需品でも切り口が全く違う。その辺りは十分加味されたい。
もともとSales Representative(販売代理人)で、アメリカでは既にひとつの事業として確立したワークスタイルで、まさに販売のプロフェッショナルのことだ。現在日本で現在行われている代表的な方式は、製品見本だけで営業を行い、売上高や利益に応じて手数料をやり取りするというものだ。また、端的に営業のアウト・ソーシング(外部委託)のことを指すこともあるが、本当のプロがいるかどうかが成否の分かれ目だ。
セキやんひとこと:本来的な「販売代理人」であれば当然成功報酬となるし、それに対応できるレベルならば本物のセールス・レップということになろう。しかし、完全歩合方式でのキャリアが長い小生から見れば、口先だけのぶったくり似非指向の輩も多いので、ご興味の向きは十分研究を積んでご判断を!
第155号(2004年4月23日)
<グローバルスペース>
燃料高で、米航空大手赤字
発表された上位4社の1−3月期決算状況について、最大手アメリカン航空の親会社AMRは売上高が前年同期に比べ9.5%増え45億1200万ドル、デルタも4.3%増、ノースウエストは9.6%増、コンチネンタルは11.1%増とそれぞれ大きく伸びたが、ジェット燃料費がほぼ20年ぶりの高値になったのが響いて最終赤字となった。一方で格安航空のサウスウエストは引き続き黒字を確保した。
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セキやんひとこと:異常な燃料高の影響が関連業界の足を引っ張っていることを示しているが、より興味深いのは、ここでも「量より質の経営」が結果を出しているという点だ。
http://www.emaga.com/info/3407.htmlをご覧あれ。
<ローカルスペース>
ソフト著作権担保融資
盛岡市のワイズマン社へ、日本政策投資銀行の東北支店として初めて、知的財産権を担保に1億円の融資を決めた。今回は既存のソフトの改良に関わる資金の約3分の1を融資するというもので、担保は改良する原型のソフト製品の著作権で、5年間の低利融資となる。
KCCI創業塾、受講者追跡調査
セキやんひとこと:一般的に不動産や有価証券などの担保に乏しいとされるベンチャーや頭脳集約型の企業にとっては朗報だ。ある程度の規模の開発には相応の開発資金がかかり、従来は公的補助金などに活路を求めていたが、これで少し開発資金調達の選択肢が広がる。
神戸商工会議所より贈呈いただいた資料から、創業者の「現状課題」は段階によって異なるという結果が確認できた。@開業済み・開業予定、A計画中、B創業予定なし、の3段階で分け、A段階では「資金調達」「情報収集・分析力の不足」が主な課題と認識され、その前のB段階ではさらに「事業計画立案」が課題に加わる。一方@の実施段階では、「マーケティング活動」がダントツで、「プロモーション・PR」「資金調達」「事業計画立案」が第2位グループ、次に「適切な店舗・拠点」、さらに「販売先・仕入先開拓」と続く。
岩大インキュ施設、開所
セキやんひとこと:神戸商工会議所が毎年同時期に実施していることに敬意を表する。サンプル数には若干弱みがあるが、傾向を洞察することは可能なので自分なりの分析を記すと、最初の計画段階では事業計画という紙の上や頭の中の作業に偏りがちで、実施段階で直面する「売り先・売り方」の問題が見えていないのではないか。これは、国や地域を問わず共通の傾向なので、サポート側は心して掛かるべし。
「岩手らしい企画を発信し、地域活性化に結び付くよう、具体的な成果につなげたい(平山健一学長)」との思いを受けて、待望の岩手大学のインキュベーションラボが稼動した。21日にセレモニーも行われ、すでに12グループの入居も決まっており、満室状態だ。
セキやんひとこと:岩大拠点、県立大拠点、マリオス拠点、開運橋拠点と盛岡地区の創業支援拠点は4箇所となり、花巻及び北上を加えて環境は整った。しっかりと連携をはかって創業者群の情熱に応えたい。