Sekiyan's Notebook グローカルニュース

セキやんのグローカルニュース


第171号(2004年12月3日)

第172号(2004年12月17日)

第173号(2004年12月31日)

第174号(2005年1月14日)

第175号(2005年1月28日)

第171号(2004年12月3日)
<グローバルスペース>

花王の中国ビジネスモデルは?
 花王は、中国での販売体制を見直し重点50都市に絞って売れ筋を投入する方針を決め、3年後の黒字化を目指し今まで不振をかこっていた中国事業の再構築に乗り出した。具体的には、効率的な販売体制の確立を狙い販売地域を現在の130都市から50都市に絞り込み、北京、上海、広州の主要3都市での販売データからの売れ筋商品を各地に投入する仕組みとし、流通網の抜本的な再整備を行う。

セキやんひとこと:そのビジネスパターン「花王製品は何でもどこでも買える利便性」を徹底できる国内では向かうところ敵なしの花王だが、広大な中国では大分勝手が違うようだ。これにより、中国では主力製品をスキンケア用品と生理用品に絞るというが、日本モデルとは対極になる。中国で花王が逆パターンで成功を収められるのであれば、花王にとっては途上国に打って出られる画期的なモデルを築くことになる。
ゴジラ生誕50年、スターの殿堂入り
 怪獣ゴジラが、スーパースターの仲間入りを果たした。ハリウッド大通りの歩道に敷き詰められた米映画界のスーパースターの名前が刻まれた星形のプレート群、通称スターの殿堂といわれている「ウォーク・オブ・フェイム」に埋め込まれたゴジラの名前が刻まれた星形のプレートが29日にお披露目された。 創作キャラクターの殿堂入りは、ミッキーマウスなどの例はあるが日本のキャラクターとしては初めてという。

セキやんひとこと:元祖に先を越されたが、メジャーリーガー松井の方もクーパースタウンの殿堂入り目指して頑張って欲しい。とりあえず来年のワールドシリーズを制覇することから始めることになるか!?
<ローカルスペース>
合併自治体命名の際は、ハロー効果にご留意
 ハロー効果は人事評価の際に評価者が留意すべき事項として良く取り上げられる、「ある特定の項目で際立った評価が他の評価項目にも影響すること」で、たとえばHさんがある特定の項目でひどく成績が良いために、他の項目でも良い評価が得られるという類だ。ハロー効果は、真のハロー、エラーハロー、さらにはポジティブハローやネガティブハローと結構複雑な存在だが、評価者(命名者と言い換えますか?)が犯すエラーは、特定部分で特筆される事項がある場合、他の評価項目に影響を与えてしまう働きがなされることによるとされる。なぜなら、どうしても評価は特定部分の印象から作られた全体像に引きずられること、また特定部分の評価軸そのものが他の評価にも用いられる傾向を持つこと、さらに評価者が評価軸の違いを判別できないために皆同じような評価になってしまうこと、などに起因する。

セキやんひとこと:上記文中、「特定部分」=「観光地としての知名度?」とすれば、結構分かりやすいかも。人事評価は、評価される側よりも評価する側のレベルアップがポイントといわれるが、さもありなん。
掘るまいか、中山隧道
 花泉町のO氏が仕掛けたドキュメンタリー映画「掘るまいか、手掘り中山隧道(ずいどう)の記録」のチャリティー上映会は、岩手県内のみならず宮城県にも波及し盛況裏に終了した。

セキやんひとこと:今回の地震で被災した山古志村民がかつて命がけで手掘りのトンネルを完成させた模様を描いたこの映画は、文化庁の第1回文化記録映画優秀賞も受賞している。O氏に、心から敬意を表す。

第172号(2004年12月17日)
<グローバルスペース>

ロシア企業、米連邦裁判所に破産法申請
 最近の石油製品価格の不安定要素ともなっているロシア大手石油会社ユーコスが、資産の保全のため、テキサス州ヒューストンの連邦破産裁判所に米連邦破産法11条の適用を申請した。 ユーコスは、この法律は世界中の債務者の資産に対して適用されると主張し、自己再編の適用を求めている。これに対して、モスクワ仲裁裁判所関係者は「ユーコス問題はロシア国内法で判断される」と発言している。

セキやんひとこと:プーチン政権が解体を目論み圧力をかけ続けているが、ユーコス側も黙って引き下がらない。米連邦裁判所がすんなり申請を受理するとは思われないが、モンテスキューが提唱した三権分立を独立宣言に取り入れたお国柄で司法と行政は独立分離している筈だから、しばらくは注目したい。
中国企業、IBMパソコン事業買収
 直近4半期でのPC世界シェア第8位である中国企業の聯想(レノボ)が、第3位のIBMパソコン事業を12億5千万ドルで買収した。レノボにとっては、世界ブランドを獲得することで中国市場から海外市場への展開を推進するメリットがあり、IBMにとっては低価格競争に巻き込まれて収益が悪化している事業を切り離し法人向けのコンサル事業など収益性が見込める分野に集中する狙いがある。

セキやんひとこと:IBMにとってのパソコン事業は全売上の1割程度で世界シェアも5〜6%と、トップのデルの約17%、第2位のHPの15%から大きく水をあけられている。レノボのシェアと合わせてようやくトップ2の約半分程度だから、今回の選択は合理的だ。
ダイエー再建問題
 産業再生機構が実施したダイエーのスポンサー公募の第1回目の入札に13社参加し、その1週間後には7候補に絞り込まれた。今後、年明けの1月上旬に第2回目の入札が実施され、来春には最終決定されることになる。顔ぶれは、国内大手小売業のイトーヨーカ堂、イオン、世界大手のウォルマート、総合商社の丸紅、再生ファンドの日本の草分けアドバンテッジパートナーズ、流通専門の再生会社キアコン、穀物メジャーのカーギルをそれぞれ中核とする7グループだ。

セキやんひとこと:ウォルマートは、産業再生機構が3分の1の株式を所有する意向を表明していることから、経営の主導権が得られないとして撤退を検討中と報じられるなど、まだまだ紆余曲折が予想される。
<ローカルスペース>
財政競馬の終焉?
 近年の地方競馬には逆風が吹き荒れ、ご多分に漏れず岩手の競馬も存亡の危機に瀕している。岩手県議会は、岩手県競馬組合に対する50億円の融資予算案を否決した。これにより、年末に24億円の資金ショートが生じる事態となった。今年度末には144億円の累積赤字が見込まれ、実質債務は400億円程度とされる。売上は平成3年度をピークに大幅に減少し基金を取り崩すも焼け石に水で、かつて構成団体の岩手県、水沢市、盛岡市に総額407億円の利益金を配分した「金のなる木」の面影が、今はない。

セキやんひとこと:とすれば、競馬存続の意義が問われる訳だが、それに対する明確な見解はなく、今回の事態に及んだ。関連業界の雇用など慎重に進めなければならない側面もあり、知恵の出しどころだ。

第173号(2004年12月31日)
大晦日ですので、本号は今年の振り返りを中心にします。
 キーワードは、「権力」と「民意」です。そして、民意は良識に基づくものであって欲しいと願うばかりです。
<グローバルスペース>

権力増長への歯止め?
 今年は多くの主要国でトップが再選された。トップ再選となれば、前の任期の肯定的評価をした上での全権委任というのが従来の流れだったが、最近はこれがどうも怪しくなっている。例えば、トップが再選されながらも与党は過半数を確保できなかったり、大国の息がかかっていた筈の隣国の大統領選でやり直しの末に反対派が選出されたり、国民には再選支持されたが他国との信頼関係にさらに悪化の兆しが出てきたり、各々強権発動できる立場であるのに拘わらず、各国トップに相当ブレーキ圧力がかかっている。

セキやんひとこと:これには大義なき戦争を始めた大統領が一役買っているようだ。颯爽?と大義を宣言して始めたにも拘らず情報操作や虚偽が続々と露呈したことから、人々が疑心暗鬼に陥り本質を突き止める必要性を再認識する流れが世界中に伝播した訳だ。こうしたことから、人民の良識は捨てたものではないという希望と、それにつけても大きすぎる代償への無為感が交錯してしまう。
スポーツ界からの贈り物
 スポーツ面でも特筆される年だった。アテネでのオリンピック開催は、第1回の19世紀以来で文字通り世紀をまたぐイベントとなった。世界から集結したアスリート達の身体能力の高さ、その中での日本人選手の大活躍に、睡眠不足を忘れて見入った。また、イチローやゴジラを始めとした日本人メジャーリーガーの偉業にも、大いに溜飲を下げた。80数年ぶりのメジャー大記録を樹立したイチロー、ポストシーズンで名門の4番を務め続けた松井、日本ばかりではなく世界中のファンが諸手を上げて絶賛し感動を貰った。

セキやんひとこと:体操男子団体の28年間も待ち続けた末の金メダル、事前に必ず勝つと宣言して勝ってしまった水泳や柔道の若者達、それぞれタイプの異なる勝利者たちは、世に蔓延する閉塞感を打破する希望の火を灯してくれた様な気がする。百万石の米といえども、その粒の大なるにあらず、である。
<ローカルスペース>
ドン増長への歯止め?
 かつてのカリスマ経営者の相次ぐ凋落、大企業の不祥事、NHKや社会保険庁なども含めイケイケどんどん型の上滑り経営の限界が露呈した。「地」に足のついた経営は、土地などの不労依存経営と対極にある。

セキやんひとこと:何も大企業や中央だけに限ったことではなく、地方企業や地域の3セクの経営でも同様だ。まさに数十年間の先送りのツケが回ってきた。原点に戻って、組織の使命を確認し実践するしかない。
首長・行政・議会と住民との乖離
 平成の町村大合併について、多くの問題が噴出した。中央に統合される流れのかつての合併とは逆で、今回の合併は(国が貧乏になって面倒見切れないので)地域が否応なく自立せざるを得ないという方向であるにも拘らず、混乱の様子をたとえて言えば、発車間際の電車に乗り遅れまいとするばかりで、どの駅に行くのかそしてその駅で何をするのかという本来の目的を二の次にしているところが、上手く行ってない。

セキやんひとこと:国がばら撒く餌も承知の上で、地域が自主自立の戦略を作ること、そのものなのに・・・

第174号(2005年1月14日)
<グローバルスペース>

日本企業、米特許取得数ベスト10に5社 −日経:ワシントン吉田透氏−
 米特許商標庁は、2004年に米特許の取得数が多かった企業のランキングを11日発表した。首位は米IBMで3248件。12年連続で首位の座を守った。日本企業は松下電器産業(1934件)が2位になったほか、5社がベスト10入りした。日本企業は松下電器のほか、3位のキヤノン、8位の日立製作所、9位の東芝、10位のソニー。米企業は4社入り、日米以外では韓国のサムスン電子が特許取得数を291件増やし、前年の9位から6位に順位を三つ上げた。

セキやんひとこと:ベスト10での取得数比率は、米国勢47%で前年と変わらず、日本勢は44%で前年より1ポイント下げ、韓国のサムソンが単独で9%と2ポイント上げ孤軍奮闘している。一方、特許のガリバーIBMは開放特許を増やし、Linuxに象徴されるオープンソースでの相互運用スタイルを推進する構えだ。
中村修二氏、正味6億円で和解
 青色ダイオードの発明をめぐって日亜化学工業と争っていた中村氏が東京高裁の和解案を受け入れた。中村氏は「和解内容にはまったく不満」としながらも、上告しても最高裁では法律論に終始されることが予想されることから、「日本の司法システムは腐っている」と怒り心頭に達しながらも和解に応じた。

セキやんひとこと:一審の東京地裁では中村氏の発明対価を604億円と認定し、日亜側に200億円の支払いを命じていたが、今回の認定額はその約100分の1となる。これが妥当かどうかは議論のあるところだが、ドイツなどでの算定額から言えばまだ大きすぎるという説もある。当事者のみぞ知る、の世界だ。
<ローカルスペース>
農村部の工業団地に野菜工場
 今年の大河ドラマ「義経」のロケ地になる米どころ県内江刺市の工業団地に、水耕栽培の野菜工場が進出することになった。2月に着工し5月から創業する予定で、静岡県袋井市のコスモプラント社からノウハウ提供を受ける。もともとは玉川大学農学部渡辺博之助教授が開発した赤色LEDを使うNASAも注目する技術だ。全国各地で展開されている野菜工場は経営的に苦戦しているが、このLED方式は野菜が成長に必要な波長域の光だけを使えるので電力の無駄が抑えられ、光源からの発熱がないので野菜が近づけられ狭い空間で高密度栽培ができる。こうした利点を生かして経営的にも健闘している。

セキやんひとこと:数年前に工場誘致に苦慮する関係者に、野菜工場も誘致対象になると話したことが現実となった。いろいろな議論はあるが、露地栽培をしている農家の隣に野菜工場ができる時代となった。
自治体再編成への警鐘
 論客として知られる片山鳥取県知事が、ピンとはずれな道州制論議に関連し「今日都道府県を含む地方行政における重大な欠陥はその区域の狭さにあるのではなく、批判を恐れずに言えばその質が高くないことにある。透明性の欠如、説明責任能力の低さ、監査や議会のチェック機能が正常に作動していないことなどに起因する質の劣化は顕著である。」と紙上で主張しているが、これは上滑り議論への警鐘そのものだ。

セキやんひとこと:合併問題では、一緒になる面子が出たり入ったり、露骨な駆け引きがあったりと、今や合併論議は住民不在の政治屋銘柄となってしまった感があるが、次世代に思い致す一点で行くべきだ。

第175号(2005年1月28日)
<グローバルスペース>

ドイツのシュタインバイス財団(StW)
 日本法人であるシュタインバイスジャパンの小堀幸彦社長によると、1万社以上から年間2万件以上の業務を請け負う「欧州最大のニーズ指向技術移転機関」である。その組織のアイデンティティーを「顧客メリットの追求」としていることから、受益者である企業の資金負担で運営している。STC(技術移転センター)と呼ばれる専門家グループの拠点をネットワークし、2年連続で赤字のSTCは閉鎖されるという厳しさだ。

セキやんひとこと:3年前の5月に小堀彦社長が来県され、StWの事業説明を聴く機会を得た。その時は、産学連携機関として世界的に認知されておりその仕掛けが随分企業寄りであると感銘を受けが、具体的な活動がイメージできなかった。今回、産学官連携ジャーナル創刊号の特別寄稿を読んで、日本におけるトレンドとの根本的な違いが良く分かった。
続、StWの若手が語る使命感
 つくば在勤のU氏が、ドイツ視察時にStWの若手職員に「何のための産学連携?」と質問したところ、「何でそんな当たり前のことを訊くの?」という顔で「ジョブクリエーション」と一言で答えたという。さらに、詳しく聞くと、地域の雇用を生み出し、守り、増やし、住む人たちの暮らしを豊かにするためであり、雇用を生み出す地元企業の問題解決に地元の大学が「知恵」を出して協力する仕組みがStWなのだと続けた。

セキやんひとこと:U氏は、「知的財産」でなく「知恵」ということに共感を覚え、その後StWとの関わりを深め活躍中だ。実は、U氏は以前一関の事業所に勤めたことがあり、請われて転職する際に、当方の事務所兼用8畳間で、コーディネート業務の可能性について語り合ったのが、つい最近のように思い出される。
松下、好調デジタル家電リストラ
 DVDや薄型テレビの販売が好調にもかかわらず、この部門全体の5%にあたる約1000名の早期退職者を募り年度内に実施する。韓国メーカーなどとの競合により、主力のPDPテレビの価格下落率が年30%を超し原材料費も高騰するなどが背景にあると報じられているが、本当はもっと深い戦略があるようだ。

セキやんひとこと:それは、かつて黒字のフロッピーディスク事業をあっさり売却した3M社同様、差別化商品が価格競争に移行しビジネスパターンが変わることを察知し、商材を「捨てる」戦略をとったということだ。
<ローカルスペース>
関自工岩手、楽天の35倍の経済効果 −東北経済産業局の試算より−
 トヨタグループ関東自動車工業岩手工場の東北6県への経済効果は、今年10月に現在の年間12万台生産から25万台に引き上げることにより、年間2900億円から6800億円に達し、東北のGDPを0.33%引き上げる効果を持つことが分かった。ただし、この試算は東北6県の経済環境を前提としており、東海4県のような産業構造に変化する可能性を考慮した場合、経済効果は7400億円に上る。これは、プロ野球に参入した楽天による東北全体での経済効果208億円の35倍で、ほぼ岩手県の予算総額に匹敵する。

セキやんひとこと:自動車25万台生産の全国における波及効果額は1兆3900億円とのことだが、いずれにしても低迷する東北経済のけん引役となりそうだ。それにしても、経団連もトヨタ頼みだし、世の中全体トヨタ様々の様相を呈しているが、第2のデンソーが出るかどうかは地場の企業群の踏ん張りどころだ。

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