第196号(2005年11月18日)
<グローバルスペース>
「経営学の父」ドラッカー、逝く −NIKKEIより−
20世紀の産業・社会に大きな影響を与えた米経営学者ピーター・ドラッカー氏(95)が11日、米ロサンゼルス近郊のカリフォルニア州クレアモントの自宅で老衰のため死去した。
1909年、オーストリア生まれ。新聞記者として働きながら独フランクフルト大学で博士号を取得後、ナチス・ドイツの反感を買い、英国に逃れた。37年渡米し、ニューヨーク大学教授に就任。「現代の経営」「イノベーションと起業家精神」など約30の著作を著した。71年にクレアモント大教授に就き、90歳を超えても教壇に立った。
ゼネラル・モーターズ(GM)から同社の研究を依頼され「会社という概念」(46年)に結実。ビジネスの最前線を研究する異色の学者として知られた。「従業員はコストでなく資源だ」とするモチベーション理論は半導体大手インテルなど米国のベンチャー企業のぼっ興にも大きな影響を与えた。
セキやんひとこと: 以上の日経の記事がポイントを掴んでいたので上記引用した。「私はエコノミストではない。オブザーバー(観察者)だ。エコノミストは数字を見る。私は人を見る。人と社会、その価値観の動きを観察する」というドラッカーの言葉に、懐の深さの理由が凝縮されている。そして、「経営は、マーケティングとイノベーションに尽きる」という慧眼には、心服する。心からご冥福を祈る。
<ローカルスペース>
工業団地から、レタス初出荷
本ニュース174号で触れた工業団地・江刺フロンティアパークで操業を開始した株式会社コスモファーム・フロンティア江刺で作られたリーフレタスが大阪方面などに向けて15日初出荷した。赤色LED照射による高密度超促成栽培生産システムを活用し、生育期間を1ヶ月弱とし従来の3分の1から4分の1に短縮され、品質の均一化も図られるという利点があり、苦味が少なく柔らかい特長を持つという。
岩手・山形・宮城が産業基盤で3県連携
セキやんひとこと:想定外で社長になった千葉氏と数年ぶりにお会いし、パリッとした現物も拝見した。もともと氏は税理士で、某社の経営革新事業として計画策定支援をしていた縁だという。先発工場の視察研究での手応えや行政の支援等に後押しされての船出だが、近い将来LEDの種類も増やす意気込みや良し。
県境を越えて自動車関連産業を核とする産業基盤の発展に連携して取り組み、ものづくり基盤の強化を図っていく。宮城は別格として、以前からも製造業関連企業間の取引では岩手と山形の結びつきは強いし、おおむね上手く行っている。行政が今後打ち出す施策が、更なる促進に資することを願いたい。
いいぞ!栃乃花
セキやんひとこと:国内における国立大学と県庁の交換人事の1号が山形と2号は岩手。岩手ファンドの実績を引っさげて山形がんばれファンドに進出したベンチャーキャピタルなど、共通点は枚挙に遑がない。
前号に引き続き、栃乃花。昨17日も勝って4勝1敗。以前は、ずっと連勝していても突然連敗し始めて、星勘定を悪くしたが、今場所は4日目に土が付いても5日目は全勝の十文字を下して連敗しなかった。
セキやんひとこと:体調が良いのか、精神的に一皮向けたのか、是非この調子で頑張って欲しい。
第197号(2005年12月2日)
<グローバルスペース>
中国メーカー、海外で健闘 −フィナンシャル・タイムズより−
国際的事業者を目指している中国最大の通信機器メーカー「華為技術有限公司」は、05年の海外売上高がおよそ40億ドルに達し、初めて国内売上高を上回ると発表した。海外売上高が急上昇している要因は、長年にわたる新興市場での事業展開のほか、英BTなどの通信事業者との契約獲得をはじめ、最近になって一部先進国にも進出を果たしたことなど。同じく深セン本社で中国第2位の通信機器メーカーの中興通訊も、華為と同じく海外で成功を収めており、欧州や米国での契約獲得を目指して積極的に動いている。
米カジノ最大手、旧東欧に進出
セキやんひとこと: もっともこれには、中国の国内市場が低調で厳しいので海外で積極展開を図っているという、穿った見方をする向きもある。しかし、国際競争力を付けたことを疑う余地はない。
米カジノ最大手ハラーズ・エンターテインメントは、スロヴェニア(旧ユーゴスラビア)のカジノ大手グループであるヒット・グループと3億5千万ドル(約420億円)ずつ出資して合弁会社を設立し、イタリアとの国境に近い交通の要衝ノヴァ・ゴリッツァに大規模総合カジノ・リゾート施設を建設する計画を発表した。既に当地にはスロヴェニア最大のカジノ「ペルラ」が建設され、隣国イタリア人が大挙押しかけている実績がある。
セキやんひとこと:スロヴェニアの総人口は約200万人で、首都のリュブリャーナ市でさえ人口約28万人、ノヴァ・ゴリッツァに至っては約1万5千人の人口だが、「アルプスの陽の当たる側の国」と銘打って、自然や緑を生かしたリゾート地としての地位を固めながら、さらにカジノ立国を目指して邁進している。かつての東側の統制経済下では考えられなかった大胆な戦略転換で、観光立国を標榜する国の一つの行き方だ。
<ローカルスペース>
国内観光産業は、監査法人がお世話
カジノとまでは行かないが、国内ホテル・観光産業を支援する事業を監査法人大手のトーマツがホスピタリティチームを組成して実施することになり、既に9月から約20人のコアメンバーで本格的に活動を開始した。大都市圏でのホテル事業の再構築、地方では地場ビジネスホテルや旅館などの再生支援も手掛ける。また、提携先の国際会計事務所DTTとの連携で国境を越えた活動も視野に入れている模様だ。
資本金10万円企業に、埼玉りそな銀行が500万円融資
セキやんひとこと:一般的には供給過多の激烈な業界と見られているが、今が底だという見方もある。さすがにトーマツは会計監査業務だけに囚われない、将来を見据えてのしたたかな仕掛けと見た。
資本金10万円で春日部市に平成15年設立された日本教育工学研究所に対して、著作権を担保として埼玉りそな銀行が8月に500万円融資していた。当行の発表では、同社の田中社長の30年にわたる学習指導経験・研究成果を生かして開発した教育用ソフトを評価し、融資Vファンドの知的財産権担保融資の制度を活用したもので、この実行は今回初めてとのこと。
セキやんひとこと:企業経営の専門誌でもトピックスとして取り上げられた。その記事によると丸善がこの販売代理店となって販路が確立されたことが評価されたとコメントされていた。さすがに銀行の正式サイトでは、このことに言及されていないが、事業の現場では「売りの確立」が最もポイントになるのだ。
第198号(2005年12月16日)
<グローバルスペース>
米GE業績、強気見通し −WEB公開資料より−
米ゼネラル・エレクトリック(GE)の発表によると、今期05年の売上は前期比13%増1510億ドル、純利益は12%増183億ドル程度になる。さらに、引き続き06年も、継続事業ベースでの売上は約10%増の1650億ドル、1株当たり利益は約12〜17%増の約2%程度を見込み、その増益率内訳は、インフラ部門15%以上、商業金融10〜15%、消費者金融約15%、ヘルスケアと工業が15%以上、NBCユニバーサルは横ばい、と全6部門で大幅な増益が見込めるとの見通しを示している。
キヤノン業績、6期連続最高
セキやんひとこと: 同じ世界的ゼネラルでもモーターズのGMは青息吐息だが、片やGEは就任18年間で売上高4倍純利益6倍としたジャック・ウェルチが去った後も、その磐石さが際立つ。巨大企業といえども慢心を許さない「選択と集中」が、既に企業に根差し企業文化・思想にまで昇華したということだろうか。
キャノンは今年、5年間に亘る「グローバル優良企業グループ構想のフェーズII」の最終年度にあたるが、その05年12月期の連結純利益は、前期比14%増の3900億円程度となり6期連続で過去最高を更新する見通しだ。この純利益額は国内上場企業10位以内に入り、同社の期末配当予想のお知らせサイトでは、年間配当を前期比35円増の100円(従来予想は65円)と発表している。ハイテク大手の業績が芳しくない中で、同社は競争力のあるカラー複写機やプリンターの販売が好調で、一人勝ちの様相を呈している。
セキやんひとこと:米国特許登録件数がIBMに続いて不動の第2位を堅持している技術力が支えだ。そのコア・コンピタンスを御手洗冨士夫社長が就任以来推進してきた「グローバル優良企業グループ構想」などで磨きをかけた結果としての好業績だ。その経営手腕に卓越した御手洗社長が、06年5月で任期が切れる経団連の奥田碩会長の後任に推薦され次期会長に就任するのも納得だ。
<ローカルスペース>
楽天に銀次、参上
楽天の高校生2番目指名の盛岡中央高校出身の宇部銀次選手の登録名が「銀次」に決まった。本人からの希望で、親しみやすさを考慮しての命名だという。そして、背番号は67番となった。
地方で拡がる官民所得格差
セキやんひとこと:名ばかりでなく実績も、50番台のイチローに続いて欲しいものだ。
全国紙岩手版によると、9日に支給された県職員の冬のボーナスは2.35カ月分、41.1歳(平均年齢)で92万1千円、今年度採用された新人でも大卒で41万4527円、高卒で33万4783円。一方、県内民間企業の予定支給月数は1.62カ月で31万47円(平均年齢40.7歳)だった(115社から集計したアンケート:いわて産業振興センター調べ)。これらから分かるのは、県内民間企業の40歳前後の社員と県職の大卒1〜2年生の年収はほとんど同じで、同年代の41歳の県職員は民間社員の2倍以上となる。
セキやんひとこと:もちろん残業などは入ってないし、それだけの仕事をしてもらえば問題ない。ただ、10年ほど前の年間所定内賃金(約40歳)と比較すると、民間は約2割66万円の減少で、県職は約3割140万円の増加となっており、その差は拡大する一方で既に倍以上開いていることは肝に銘じて欲しい。
第199号(2005年12月30日)
<グローバルスペース>
中国、中国石油化工の精製赤字補てんへ1500億円支給 −NIKKEIより−
中国政府は国有石油大手の中国石油化工集団(シノペック)へ石油精製事業の赤字補てんのために100億元(約1500億円)を支給した。原油の国際価格が高騰するなか、ガソリンなど石油製品の価格は政府が低く抑えているため国内での石油精製事業が赤字になっている。補てん資金が海外での油田買収を加速する原資に使われるとの見方もある。
中国の上場企業、2割強が訴訟抱える −NIKKEIより−
セキやんひとこと: 米ユノカルの買収を仕掛けて一躍世界に存在感を示したシノペックは、もともと中国企業ではトップクラスの競争力と評価されているが、そこに国策で補填が加われば、まさに鬼に金棒?
28日付の上海証券報(新華社系の証券専門紙)によると、上場企業が今年公表した訴訟に関する公告は998件で昨年に比べ71%増加。金額も300億元(約4350億円)超と同67%増えた。関連する企業数は295社で、上海と深センに上場する企業の21%にあたる。たとえば、通信機器メーカーの深セン市深信泰豊(集団)は今年だけで計46件の訴訟に関する公告を公表。インターネット関連機器開発の朝華科技(集団)は訴えられている金額は10億元強に達する。
セキやんひとこと:同じ情報によると、開示が増えたのは法制度の整備や当局の情報開示基準の運用が厳格になったためと、民生証券研究所の田東紅アナリストはコメントしているが、未開示の案件は依然として多い模様。これからも感じられる通り、中国の文化・風土や感覚は日本よりアメリカに近いとつくづく思う。
<ローカルスペース>
特許流通アドバイザー制度の成果 −NIKKEI&地元紙より−
県内前沢町で半導体や自動車関連部品受注製造を営む叶逑c精密工業は、イギリスの企業ザ・ウェルディング・インスティテュートが開発した材料接合技術を使用できる特許ライセンス契約を同社と締結した。特許庁の委託で県工業技術センター内の県知的所有権センターに配置されている千葉広喜特許流通アドバイザーが料金や実施期間などの条件を決め、契約締結に至った。
山形市の松田氏ブログ本、通販トップに −NIKKEIより−
セキやんひとこと:その特許技術である摩擦攪拌(かくはん)接合は、接合する部分に材料を回転させながら押しつけ、摩擦熱を発生させて部材を溶かす接合方法。熱変形が少なく、溶接する際に火花が飛び散らないなどの利点があり、また放電熱による溶接に比べ強度を保て、作業環境も優れている。半導体製造装置や自動車の車体フレームなどの製造に応用される。
山形市の会社経営者、松田充弘氏(31)が運営する人気ブログ(日記風の簡易型ホームページ)「魔法の質問」が本になり、発売日当日に書籍ネット通販最大手アマゾンの売れ行き1位に躍り出るなど全国的な話題を呼んでいる。「自分のどこを変えたいですか」「5年後はどんな生活をしていますか」といった55の質問が続く単純なスタイルで、書名は「こころのエンジンに火をつける魔法の質問」(サンマーク出版)。
セキやんひとこと:発売日の20日と21日のアマゾンでの売れ行きが「ハリーポッター」を抑えて堂々の1位。その後も26日まで3位以内を保っているという。旧知の学生起業家の走りのミヒロ社長の面目躍如だ。
第200号(2006年1月13日)
<グローバルスペース>
インテルのハートブレイク戦略、進む
ついにアップル社も、インテルのMPU(超小型演算処理装置)をMacに搭載した。さらにスティーブ・ジョブスCEOによると、07年末としていた全パソコンへの搭載完了期限も1年前倒しするという。 もともと、アップル社のMPUは、IBMやモトローラから調達していたが、インテル製MPUの圧倒的な高性能やコストの前には抗しきれなくなった。MPU勢力図は、インテルの独壇場にますます拍車がかかりそうだ。
温暖化防止、屋上屋?
セキやんひとこと: パソコンメーカーは自社の付加価値をいかに上げるかが命綱で、インテルやマイクロソフトのためにパソコンを作るようでは、本末転倒だ。これらウィンテルのように、製品の心臓部をしっかり押さえるやり方をハートブレイク戦略という。部品メーカーにとって、卓越したビジネスモデルの一つだ。
日、米、中、印、韓、豪の温暖化ガス排出量は世界全体の半分に達している。この6カ国が「クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ」を発足させ、このほどシドニーで閣僚会議を開き、今後8つの産業分野で温暖化ガス抑制へ協力することを宣言した。先行する取り組みとして日本が議長国を務めた京都議定書があるが、米・豪はこれを批准せず、中・韓・印については批准しているが発展途上国扱いのため削減義務はないという、誠に寂しい実態となっているが、本来はここで議論を尽くすべきだろう・・・。
セキやんひとこと:パートナーシップの枠組みについては、米国が他国に呼びかけて昨05年7月に発足を決めた経緯がある。例によって単なる米国の覇権主義のパフォーマンスに終わらなければ良いが、そんなことでは付き合った方は良いツラの皮だ。いずれ、しっかりと今後の成果をウォッチする必要がある。
<ローカルスペース>
トヨタ小型車、金ヶ崎を拠点化
トヨタグループの関東自動車工業岩手工場(金ヶ崎町)は約320億円を投じて第2ラインを増設し、2月からフル生産に入る。従来はウィンダムやマークXといった車種を主に生産していたが、昨年11月からはコンパクトカー「ベルタ」の生産を開始するなど、主力車種のモデル替え時期に合わせて、一気に小型車ラインに切り替えを進める。祝賀会には、張富士夫トヨタ副会長や岩手・宮城・山形の3県の知事も出席し、トヨタの戦略および地域の期待の高さをアピールすることになった。
いけいけ、栃乃花
セキやんひとこと:ライン増設により、関連会社も入れると既に800名ほどの雇用を生み出しているので、その期待の高さも当然だ。当地の企業は、これに乗じる手もあるし、独自の道を切り拓く方法もある。しかし、いずれにしても、目標を見定め、それに集中することにしか企業経営の活路は見出し得ない。だからこそ、行政はそうした多様な選択肢を閉ざさぬよう、むしろ全方向的な基盤整備を意識すべきだ。
栃乃花が前頭3枚目に復帰し、序盤から上位陣との取り組みに奮闘している。3日目には魁皇を寄り切りでくだし、大関戦でほぼ5年ぶりに見事な勝ち星を上げた。しかし、12日現在で1勝4敗と苦戦している。
セキやんひとこと:今やベテランと呼ばれるようになった栃乃花だが、そもそも角界入りも大学卒でありながら前相撲から取り、新入幕が27歳の時だ。今まで幾多の困難を克服してきた栃乃花関を信じよう。