第201号(2006年1月27日)
<グローバルスペース>
ビール世界最大手、中国メーカーを買収 −日経より−
世界最大のビールメーカーで「ステラ」「ヒューガルデン」などのブランドを持つベルギーのインベブは、中国第8位の雪津ビール(福建省)を買収する。約59億元(約840億円)を投じ2007年末までに全株式を取得する。中国での年間販売量は350万キロリットルとなり最大手の青島ビールと肩を並べる。雪津ビールによると、インベブは同社の発行済み株式の39.5%を取得することで合意した。政府の認可を得て、残りの株式も購入して完全子会社にする。成功すれば中国のビール業界では最大規模の買収となる。
米グーグル、中国で機能限定の検索サービスへ −日経より−
セキやんひとこと: 国別ビール総消費量で、中国は03年からアメリカを抜いて世界一となっている。一人当たりの消費量では、トップのチェコの7分の1程度だが、何しろあの人口だから総量ではトップになる。ことビールに限らず、今後しばらくはマーケットとしての中国から目を離せない。
インターネット検索最大手の米グーグルが近く中国で、利用できる機能を限定したサービスを始める見通しとなった。中国は急速にネット人口が増加する有望市場だが、一方で政府の言論統制が厳しい。機能面で一定の妥協をしても同市場で足場を固めるのが得策と判断したもようだ。
セキやんひとこと:グーグルにとっては、情報に対するモラル面からもまた技術的にも高度な対応が求められるが、文字通り「WWW=世界規模のくもの巣」を政府の意向で統制できるかどうかということになる。
<ローカルスペース>
団塊世代、第二の人生を青森で! −東奥日報より−
青森県は2006年度から、都市部の定年退職者の県内移住を促す「あおもりツーリズム団塊ダッシュ事業」を人材派遣大手のパソナ(本社東京)と共同で展開する。豊富な自然の中でのスローライフをPRするほか、退職者の地域づくり参加を支援し、仕事で培ったノウハウや専門知識を地域活性化に生かしたい考えだ。パソナが持つネットワークを活用し、都心の大企業などの「団塊の世代」から希望者を募る。青森県は定住までいかなくても、交流人口の拡大による効果があるとみている。
組み込みソフト分野に、可能性
セキやんひとこと:地域活性化と密接な関係にある購買「人口」には、「定住」「業務」「通過」「買回」の4種類あると言われるが、いわゆる交流人口をこれら4種類にどう結び付けるかが鍵となる。
盛岡市本社の潟Aイシーエスが「組み込みソフト」に乗り出した。まずは1月に事業推進室を立ち上げ、トヨタグループのアイシン子会社に技術者を派遣する。同社は04年度の売上実績が100億円超という岩手IT業界のガリバー企業だが、今まで地元自治体中心の官公需を事業の柱に据えていた。当地では関東自動車工業の関係で自動車産業関連事業を模索しているが、今回のICSの参入で「組み込みソフト」への関心が高まり、ハード分野以外での自動車産業へのかかわり可能性が高まることを期待したい。
セキやんひとこと:既に県内でも携帯電話などの「組み込みソフト」先進企業もあり、県立大学などでも技術者養成講座を開催するなど、地道な努力が実ってきた。この分野は企業規模ではなくスキルに応じた役割分担ができるし、かねがね当地の人材の本領発揮分野と言い続けてきたので、我が意を得たりだ。
第202号(2006年2月10日)
<グローバルスペース>
利上げ。米に続き韓も
先月31日に退任した米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長は、任期最後の日にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年4.25%から4.5%に引き上げた。これで、利上げは04年6月からの14回連続となり、今後はバーナンキ新議長がいつ利上げ停止を決断するかに関心が移った。また、この9日には韓国の中央銀行が、政策金利の誘導目標を同じく0.25%引き上げ、年4%とし即日実施した。
株式分割と投資単位引き下げ
セキやんひとこと: 景況が安定してきていることや若干の物価上昇などが主な理由だが、その大きな要因として、このところのエネルギー価格高騰が影響しているので、今後の経済動向は予断を許さない。
LD社ショックで話題になった「株式分割」は、1株を複数株に分けること。また「投資単位の引き下げ」は、その銘柄を売買するときの最小単位である単元を何分の1かに引き下げること。ともに時価総額は変わらないが、最低購入金額が下がるので投資家にとっては購入しやすくなる。04年度の実績として、384社が2〜6の株式分割を実施し、146社が2分の1から100分の1の投資単位の引き下げを実施している。
また分割の時、権利落ちの日から新株券が届くまで丸2ヶ月以上かかり、この間は、例えば1:5の分割なら、約5分の1の値段になった親株だけしか取引できなくなるので値が上り、その後株券が届けばみんな売りたいので値下がりするというパターンが多く、思惑で値が動くところに根本的な問題がある。こんな状況下、03年になされた当時のエッジ社の100分割は、違法ではないが企業倫理上は大いに疑義ありだろう。
セキやんひとこと:もちろん1月初旬に県内本社の薬王堂も2分割したように、まじめに制度を活用している企業が大半だ。大企業では、株価が1万円を超えると分割するというセブンイレブンの例が有名だ。
<ローカルスペース>
原敬、座右の銘
盛岡市出身の平民宰相である原敬の生誕150年にあたる9日に、市民有志が建立した「宝積」(ホウジャク)と刻んだ記念碑が除幕された。この言葉は自民党本部の幹事長室にも掲額されているが、「大宝積経」という仏教の経典では、宝積経の第一義を「人を守って己を守らず」とあり、まさに「人のために尽くすことに命をかけた」原の生き方を映している。
いわてビジネスグランプリ、受賞者決定
セキやんひとこと:原はこの他にも「天地無私」という言葉を好んだというが、額の下に居る「偉大なるイエスマン」はじめ今時の政治家に、ほんの少しでも倣ってもらいたいものだ。
前号発信日の1月27日午後に「いわてビジネスグランプリ2005」が開催され、2部門の最高賞が決まった。詳報については、岩手日報、および盛岡タイムスをご覧あれ。
セキやんひとこと:スタートアップ部門の受賞者となった北田耕嗣社長(盛岡市産業支援センター入居中)の感想、またイノベーション部門受賞者の工藤昌代社長(起業家塾@もりおか受講者)の感想、各々ブログに掲載中。
第203号(2006年2月24日)
<グローバルスペース>
国家の品格、人間の格
ベストセラーとなった藤原正彦著「国家の品格」は、米国流合理主義の限界と武士道への賛辞で貫かれている。これを読んでいて、「人間の格」の著者である芳村思風氏が、別の著書「21世紀日本の使命」の中で、やはり論理の限界と情緒や感性の効用を展開しているのを思い出した。どちらもタイトルに「格」を据え、日本人の使命は今時の世界の混迷を日本的アプローチで救うことにあると主張している。
論理だけでは世界が破綻する
セキやんひとこと: こうした観点は、当方も日本人の一人として不思議とストンと腑に落ちる。40年ほど前に会田雄次氏が「戦後の日本教育は「察しと思いやり」を否定し欧米流の「言葉と論理」を導入しようとした」と分析して以来、松下幸之助翁など良識派の先達が感性の重要性を訴え続けたのもさもありなん。
上記の「国家の品格」第二章のタイトルで、その理由として以下4つ挙げている。@論理の限界、A最も重要なことは論理で説明できない、B論理には出発点が必要、C論理は長くなりえない。例えば、Bについては、まずAがあって、AならばB、BならばCという具合に展開し結論としてZにたどり着くが、出発点Aは論理的帰結ではなくあくまでも仮説であり、それを選ぶのは紛れもなく選ぶ人の情緒だと説明されている。
セキやんひとこと:さらにCについては、学問上の「0か1か」は成り立つが、現実の世界では「絶対的に白であることも、絶対的に黒であることもなく、ほとんどが灰色である」ことから、その論理展開が長いほど成立する確率は下がる、これが胡散臭さを感じる理由だとの説。いずれも、論理?的でかつ納得できる。
<ローカルスペース>
岩手VB育成ファンド、第2号
いわてインキュベーションファンドは14社に投資して昨年8月に新規投資組み入れを終了した。実質的なファンド運営をフューチャーベンチャーキャピタル(FVC)岩手事務所が担い、投資企業の株式公開という実績も残した。この仕組みを活用して、FVCが第2号のファンドを立ち上げる。既にFVCグループと地元金融機関から1億9000万円出資され、さらに出資者を拡大して5億円以上規模を目指している。
いわて起業家たちの挑戦 (岩手日報の当該HP参照下さい)
セキやんひとこと:自治体ファンドとして第2ファンド組成は東北初となるが、今度の第2号ファンドには県も4月以降に出資する見通しで、運営者への信頼の厚さを物語る。勿論第2ファンドの運営に当たるのも、安定企業である地元金融機関から高い志を持ってスピンアウトした熱血所長とその若きスタッフ達だ。
地元紙の岩手日報の連載のタイトルだ。昨05年4月20日から毎週水曜日に掲載され、この22日掲載分で41社目となった。その狙いは「本県の景気に明るさがまだ見えない中、夢の実現に向けて、会社を起こし奮闘する人たちがいる。ものづくりから新ビジネスまで分野はさまざま。地域経済活性化への期待も膨らむ。その歩んできた道のりと熱い思い、苦労など県内の起業家たちのチャレンジを紹介する」とのこと。
セキやんひとこと:それぞれの事業者ごとに物語があるし、冷静に見れば実像虚像のギャップもある。ただ、事業の動機が明確であればあるほど、次なる目標設定で何をなすかが容易に決まり、さらには具体策アイデアも必然的に出現する。つまり、常に現況が実力であり、謙虚な認識が明日の事業意欲の源泉だ。
第204号(2006年3月10日)
<グローバルスペース>
北京―上海、高速鉄道
中国の劉志軍鉄道相は8日の全国人民代表大会(全人代=国会)の後、1,300kmにおよぶ北京―上海間の高速鉄道は既に事業化調査を進めており、完全に国産技術により建設すると述べた。この路線に関しての情報はやや錯綜気味だが、リニア式ではなくレール式を取ることは既に既定方針と見られている。
一犬虚に吠えれば、万犬実を伝う −朝日新聞:辺見庸氏寄稿文より−
セキやんひとこと: 日本は新幹線方式を売り込もうとしたが、どうも分が悪いようだ。新華社が流したこの情報が正しいとすると、日本の売り込みは実らなかったということになる。どうも、日本からの資金援助がなされない場合の海外ビッグプロジェクトの受注については、日本は不得手なようだ。
氏は、政治の観衆化を危惧し、現首相は「ぶっ壊す」とか「感動した」とか論理の射程が短く群集にとっては小気味よくマスメディアにとっては報じやすいという点を取り上げ、テレビをはじめとするマスコミに見識を求めている。さらに、フランスのドブレの次の考察を引いて警鐘を鳴らしている。「今や政治はショーかスポーツの様相を呈しており、そのような社会はファシズムよりましというだけで、民主主義ではない」と。
セキやんひとこと:言い古された言葉だが「選挙民以上の為政者は出現しない」ということを今ほど実感する時代はなかったろう。それほど一部の政治家(政治屋かな?)の体たらくは目を覆うばかりだ。常に投票行動をなす時は、その投票行動が次代に顔向けできるかどうかを自問しながら行使したいものだ。
<ローカルスペース>
大衆迎合からの脱皮策
万犬?である選挙民がムードに流されぬようにとの願いを込め、地方選挙の首長選挙では地元青年会議所が主催し、立候補者が一堂に会す公開討論会が定番になりつつある。このたび広域合併を果たした奥州市の市長選挙でも過日実施され、約千人の市民が見守った。欧米のような契約社会の場合は、マニフェストのような資料で論理的な判断を求める方法でも良いだろうが、察しと思いやりで成り立っている日本人の感覚には、むしろ臨場感や皮膚感覚を尊重して判断する仕組みの方が合っているように思える。
老舗蔵元の再生
セキやんひとこと:公職選挙法という愚民政策とポピュリズムとのせめぎ合いだが、これらとは無縁なこともある。高知市在住の彗星発見第一人者の関勉さんは、奥州市で活躍した天文家に師事した縁で、発見した小惑星にOshuと命名、さらに別の小惑星に二戸市出身の世界的物理学者Tanakadateの名を冠した。
合併した新一関市の千厩地区に、昨年6月に経営破綻し破産手続き中の老舗の酒造会社がある。この難局を打開すべく、県内の別の蔵元がブランドを活かそうと乗り出し6日から仕込みを再開した。ここに至るまで、行政が国登録有形文化財の酒蔵群を取得し、地元の街づくり会社がその管理運営を担うなど、一企業の枠を超え、地域の文化資源を守ろうという地元関係者の意気込みが一致しての努力があった。
セキやんひとこと:先日も、かつて県内を凌駕した酒造会社が134年の歴史にピリオドを打ち破産手続きの開始を申し立てるなど、酒造メーカーは厳しい経営環境におかれている中、単に一企業の問題と捉えるのではなく、地域の文化資産を守り活用していくという今回の対応に、エールを送りたい。
第205号(2006年3月24日)
<グローバルスペース>
NYタイムズ、WBCの日本野球を絶賛
米紙ニューヨーク・タイムズは、社説で「For the Love of Yakyu」と題し、「What a game!(何て素晴らしい試合だっただろう)」という出だしで、野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で初代王者となった日本の野球を(「Basebal」ではなく、「Yakyu」として)取り上げ、1870年代に日本に渡って以来「Yakyu」がアジアに深く根を下ろしたと、日本「野球」に最大級の敬意を表した。また、同紙は王貞治監督の胴上げ風景に「日本代表、優勝おめでとう」と日本語で記したWBCの1面広告も掲載した。
破綻の米デルファイ、再建前進 −NIKKEIより−
セキやんひとこと: 奇しくも、日本ではモンゴル勢による大相撲の優勝争いが行われている。世界のスポーツ界では、いわゆる国技という概念は過去のものになっている。スポーツにせよ芸術にせよ、また他の何にしても才能や実力で勝負する分野では、ボーダレス化の流れは止められない。
昨年10月に経営破綻した米自動車部品最大手のデルファイは、従業員約1万3千人を対象とする早期退職制度の導入で全米自動車労組(UAW)と合意したと発表した。退職者1人当たり最大3万5千ドル(約400万円)の一時金を支払う。また大口部品供給先の米ゼネラル・モーターズ(GM)はデルファイに対し金融支援を実施するほか、退職者の5000人をGMの工場で雇用する。再建策を巡る交渉が長引き、ストライキ発生の恐れも出ていたが、GMの工場の操業に支障が出る事態は当面遠のいた。
中国女性ホワイトカラー事情 −中国人材ホットラインの調査より−
セキやんひとこと:本ニュース194号で当時取り上げたように、ロバートミラー会長が「年俸150万ドルから1ドルに減額」するなどの経営者側の努力がようやく奏功したということになる。
上海、北京、深セン、広州など大都市の女性ホワイトカラー5000人以上を対象とした収入支出調査で、その56%が給料を固定的な預金に回さずローン返済と投資に使い、14%が貯蓄を全くしたことがなく毎月収入を使い切る「月光族」であり、合わせて全体の70%が収入より支出のほうが多いとの結果が出た。
セキやんひとこと:この調査では、収入と職位が高いほど貯蓄する意識が少なく、職場で疲れた自分を慰めるためにショッピングや美容に使うという傾向も伝えられているが、皆さんの回りではどうでしょうか?
<ローカルスペース>
北海道、団塊世代の起業セミナー
日経産業新聞によると、北海道は06年度から団塊の世代を対象にした起業支援に着手する。07年以降、団塊の世代が退職期に差し掛かるため、道内経済の活力を保つには退職後の起業の後押しが欠かせないと判断した。具体的には、国民生活金融公庫や道中小企業総合支援センターなどと協力して、夏をめどに札幌市内でセミナーを開き、国民公庫のシニア層向け融資制度を利用して実際に起業した人が知識を提供するほか、起業の際に使える公的制度を紹介するといった内容を検討している。
セキやんひとこと:近年創業者の平均年齢がジワジワ上がってきている。理由は、リストラによる大企業の早期退職者群が増えたこともあるが、創業に必要なノウハウやノウフウ(人脈)を会得してからの方が、若さや勢いだけで創業するより、失敗が少ないという当たり前のことが浸透してきたということもあるようだ。