第261号(2008年5月16日)
<グローバルスペース>
ブラジル、政府系ファンド設立へ ―NIKKEIより―
ブラジルのマンテガ財務相は、ブラジル企業による海外企業の買収などを支援する目的で、政府系ファンド(SWF)を設立する意向を明らかにした。具体的な支援方法や時期など詳細については明言を避けたが、現地メディアは200億ドル(2兆円強)規模と報じた。ブラジルの資源や食品会社は海外企業の買収を加速しており、政府は同ファンドを通じてこうした動きを後押しする。政府系金融機関の経済社会開発銀行(BNDES)が運営する見通しで、財源は基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字分などで賄う。ブラジルでは鉄鉱石世界最大手ヴァーレや国営石油会社ペトロブラスなどが海外企業の買収に積極的だ。
アジアの災害
セキやんひとこと: 我が国のプライマリーバランスは現在赤字だが、バブル崩壊前には10兆円をうかがったこともあった。それに比べても、ブラジルなど新興国の経済の勢いには驚かされる。隔世の感あり。
ミャンマーのサイクロンに続き、中国四川省の大地震での被害が深刻だ。ミャンマーは軍事政権下での情報統制のためその詳細は定かでなく、迅速に首相が被災地入りした中国の方は五輪を前に必死で救出に当たっているが、被害の規模はまだつかみ切れていない。そんな中でミャンマーでは軍事政権が新たな憲法の国民投票を強行し、本来一致団結して救出復興に立ち向かうべき国内がまた裂き状態だ。
セキやんひとこと: アジア防災センターの資料によれば、壊滅的な災害のうちの約4割がアジア地域で起きており、その犠牲となった死者数は約6割にも及ぶ。災害は、地域でも人でも貧しさに対して冷酷だ。
<ローカルスペース>
南部鉄器ブーム逆輸入、パリのカフェが使用・販売 ―岩手日報より―
欧州で評価された南部鉄器が、文化の「逆輸入」の形で日本でも再評価され始めている。東京都内では、フランス・パリに本店があるカフェ「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」や紅茶専門店「マリアージュ フレール」などが、パリの本店と同じように南部鉄器を使用・販売。来店者にも、おしゃれさや国産の道具という安心感で人気上昇中だ。南部鉄器は欧州を中心に輸出が好調。日本貿易振興機構(ジェトロ)盛岡貿易センターがまとめた本県輸出実績によると、05年には3億円台を突破している。かつての浮世絵のように、海外人気がきっかけで国内でも再び注目されそうだ。
冴木杏奈、タンゴワールドコンサートin盛岡
セキやんひとこと: 海外で評価されて日本に凱旋というケースは多い。地元の冷凍和菓子のさきがけである岩手阿部製粉もアメリカや東南アジアでの成功がきっかけとなって、国内シェアを確保した。地元に錦を飾る商法が有効な分野や商材も確かにある。
6月24日に盛岡キャラホールでコンサートを予定しているタンゴ歌手の冴木杏奈さんも、フランスや本場アルゼンチンでの評価を引っ提げての凱旋コンサートのようだ。今回は、4月に中国とハワイでコンサートした後、6月は国内を縦断し、10月に欧州で11月はアメリカという流れのようだ。
セキやんひとこと: 北海道旭川出身で、ミスさっぽろとなったことをきっかけにタンゴ歌手としてデビューしたという。普段カラオケで演歌?が定番の私だが、ここは当日じっくりと彼女のパフォーマンスを味わおう。
第262号(2008年5月30日)
<グローバルスペース>
アジアの中小経営者、日本経済に悲観的見通し −米貨物大手のUPS調査より−
同社は日本、中国、インドなどアジア太平洋の12カ国・地域における中小企業経営者の意識調査「UPSアジア・ビジネスモニター」の2008年版をまとめた。アジア域内の経済成長を予測する経営者は52%だったのに対して、日本の成長を見込む経営者は36%だった。日本は07年の前回調査より14ポイント低下し12カ国・地域の中で最も下落幅が大きかった。また、自社の業績が「改善する」と見ている経営者は、対象地域全体では63%。日本の経営者は28%にとどまり、前回よりも10ポイントの低下だ。
小企業の経営指標2007版
セキやんひとこと: 日本経済に悲観的な見方が広がっていることが目立っている。次項の指標も同様だ。
国民生活金融公庫が融資した従業員50人未満の企業を継続的に調査しているこの指標で、前回04年時点での損益分岐点比率は、製造業で104.9、建設業で107.6だったが、今回06年時点では製造業が111.1、建設業が112.7とそれぞれ5ポイント以上大幅に悪化している。損益分岐点比率が100を上回ると、赤字で必要な利益が確保されていない状態だが、それがさらに平均で110ポイントにもなると、事業の先行きに希望が持てず、お手上げ状態となる危険性が高くなる。
セキやんひとこと: まだこの調査時点では、原油高の影響などは数字に織り込まれていない。それが、この半年間でさらに材料原価の高騰という要素も加わり、小企業にとっては何ともやり切れない。この状況に負けずに何とか踏ん張ってもらい、損益分岐点比率をせめて普通水準の80台にして貰いたい。
<ローカルスペース>
日本でいちばん大切にしたい会社 ―坂本光司著―
あさ出版の佐藤和夫社長が、ある経営計画発表会での坂本光司氏の講演に感動し、出版を持ちかけて世に出た書籍の題名だ。坂本氏の現職は法政大学の大学院教授で、中小企業の調査研究を地道に進めるフィールドワークには定評がある。テレビ出演も多いが決して大仰な主張をせず、しかし本質を外さない研究スタンスには大いなる共感を覚える。その坂本教授が出会った優れた会社、たとえば社員の7割が障害者の会社など、事業経営の原点を考えさせられる優良会社が感動の中で紹介されている良書だ。
東北の上場企業、約半数が減益 ―日経東北版より―
セキやんひとこと: この本の中で、幸福とは@人に愛されること、A人にほめられること、B人の役に立つこと、C人に必要とされることで、このうちA〜Cの3つは、働くことで得られると説明されている。働けることのありがたさ、社員のやる気の源泉などを改めて確認したい方は、是非ご一読を!
銀行を除いた東北の上場企業39社の2−3月期決算が出そろい、18社が増益の一方、19社が減益か赤字だった。主な減益の原因は、主力商品の市況悪化、急激な円高の進行、原油価格等の原材料の高騰による原価高などがあげられている。逆に増益要因としては、経費節減や合理化・省力化などのほか、他社にはない強みを生かすことができた企業の好調さが目立った。
セキやんひとこと: 常磐ハワイがブームの醸成に成功し本来事業を生かして増益率206%と何と前期の3倍の経常利益を上げた。一時は、飽きがきたと酷評された事業でも、やり方次第で復活できる好例。
第263号(2008年6月13日)
<グローバルスペース>
民主党大統領候補指名、決着
5カ月にわたる長い戦いにようやく決着がついた。ヒラリー・クリントン上院議員は7日午後(日本時間8日未明)、首都ワシントンで集会を開き、集まった支持者に米大統領選の民主党予備選挙での支援に対する謝意と、予備選からの撤退およびオバマ上院議員への支持を正式に表明した。今後は選挙戦を止めオバマ氏を全力で支持することや、11月の本選挙での勝利に向けた挙党態勢の構築を呼びかけた。
日本の食料自給率とコメ
セキやんひとこと: 終盤は明らかな劣勢にもかかわらず、ヒラリーが意地を張り続けただけに見えたが、これ以上ジタバタすることまでは選択しなかった。ここは、党の結束を図る姿勢に転ぜざるを得なかった?
日本の食料自給率に危機感が語られるようになって久しい。主に飼料用となっているトウモロコシを除いた主要穀物の中で、小麦とコメを比べると単位収量あたりの生産性では圧倒的にコメの方が勝っており、コメを我が国の食料戦略の主力にしたことは気候的にも地理的にも当を得ている。ただ、本来気候や自然と合致しているコメの消費が減り続け、小麦由来の食品が増え続けているところにジレンマがある。
セキやんひとこと: 炊飯以外の加工方法の開発に力を入れたり、コメ消費の啓蒙活動を適切に進めるなど、日本の気候風土と共生可能な食生活を抜本的に構築していく必要があろう。こうしたことこそが、食料と環境を関連付ける今回サミットの議長国である日本が、先頭を切って意識的に問題提起すべきことだろう。
<ローカルスペース>
平泉、世界遺産登録に赤信号?
5月にイコモス(国際記念物遺跡会議)がユネスコ(国連教育科学文化機関)へ「登録延期」の評価レポートを提出された後、その結論を審議するユネスコの世界遺産委員会まで1カ月を切った。岩手県はじめ関係市町村や文化庁・ユネスコ日本政府代表部などが、委員国への働きかけを強めている。昨年の石見銀山遺跡の逆転登録の例を望みに、今回の平泉の特徴のアピールに総力戦を展開している。そのポイントは、浄土思想を基調とした「周囲の自然を取り込んだ文化的景観」と「北方の行政拠点」と説明する方針だ。
自らの“ギネス記録”更新、21枚葉のクローバー発見 ―岩手日日より―
セキやんひとこと: イコモスの指摘では、思想と物的資産の関連性が不明確とされているが、一神教の欧米人に、八百万(やおよろず)の神を認める日本人の心情や文化が理解できるのだろうか?
多葉クローバーで英ギネス社の世界記録認定を受けている花巻市矢沢の農業小原繁男さん(83)は、これまでの自身の記録を塗り替える21枚葉のクローバーを発見した。静岡のテレビ局からライバル出現の情報が耳に入り、負けじと栽培する多葉群の中から見つけた。ギネスへの申請はしない考えだが、今春の調査ではより多くの多葉株を確認しているということで、小原さんは「もし記録が塗り替えられるようなことになったら、再度ギネスに申請する」と、記録保持者の意地にかけて真っ向から挑戦を受ける構えだ。
セキやんひとこと: 小原さんは、14年5月に18枚葉のクローバーでギネス認定を受けている世界記録保持者で、関連する研究で農学博士号を取得しているという。打ち込むものがある幸せが伝わってくる。
第264号(2008年6月27日)
<グローバルスペース>
EUとOPECのエネルギー対話、溝埋まらず ―NIKKEIより―
欧州連合(EU)と石油輸出国機構(OPEC)は24日にエネルギー対話の会合を開き、原油高対策を協議した。EUは一段の原油増産を求めたが、OPECのヘリル議長は「できることは既に実施したが、原油価格は下がらない」と主張。投機資金の流入やドル安への対策を優先するよう求め、消費国と生産国の認識の溝は埋まらなかった。EUは産油国が生産枠を撤廃すれば「市場での価格調整が進む」(ピエバルグス欧州委員)とみて、供給量を増やすよう訴えた。だがOPECは、供給は不足しておらず、米国の信用力が低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする投機資金の流入やドル相場の下落、バイオ燃料への批判などが原油高の主因と主張した。
音・においを商標に、特許庁検討 ―NIKKEIより―
セキやんひとこと: 投機マネーにはお手上げだが、このままでは人間の知恵自体が問われるだろう。
特許庁は音やにおい、動きなど新しいタイプの商標を導入する検討に入る。インターネットの普及などで企業が自社の製品やサービスを他社と区別する方法が多様化し、新しい権利の保護が必要になっているためだ。商標の対象を文字、図形など「目に見えるもの」に限る従来方針を転換するため、7月に研究会を発足。2年後の2010年にも商標法改正案の提出をめざす。日本で現在、商標登録によって権利を保護しているのは、文字、図形のほか、立体、記号やそれらを組み合わせたもの。商標の対象が「目に見えないもの」にまで広がると、企業の商品、広告、販売戦略などに広範囲で影響を与えそうだ。
セキやんひとこと: 知財論議が賑やかだが、何でも権利でがんじがらめにしていいのか疑問だ。欧米化?
<ローカルスペース>
大地震その後、一関市側の状況
土石流の発生が心配された土砂ダムからの排水路も徐々に確保され、二次災害の確率は大幅に低下した。須川岳にある須川温泉でも従業員の皆さんが復旧作業に着手し、その手前にある温泉旅館でも源泉からのパイプ寸断が修復され、被災された住民を一泊招待して心意気を示した。孤立していた集落にも林道を利用して陸路で往来可能となり、被災された皆様の出直し復旧に弾みがつきそうだ。
大地震その後、栗原市側では
セキやんひとこと: それよりずっと街場寄りの観光名所である厳美渓の現況について、お土産屋さんのご主人がブログで紹介している。風評被害も含め、復旧に向けた地道な努力は必ず報われると信じたい。
災害地で陣頭指揮をして全国版にも何度か取り上げられた耕英地区区長の金沢大樹さんは、元一関市内に勤める工場長だった方だ。金沢さんは栗駒山麓の環境が気に入って、現役時代からテンガロンハットをかぶり旧花山村の耕英地区から一関市まで通勤し、正義感あふれる工場経営をされていた。
セキやんひとこと: 勇退されてからお会いする機会はなかったが、報道からは地区の皆さんから信頼されている様子が手に取るように分かった。まさに、人間の真価は逆境の時にこそ現れるということだろう。
第265号(2008年7月11日)
<グローバルスペース>
洞爺湖サミット、その成果は?
2000年の九州沖縄サミット以来の日本で開催されたG8主要国首脳会談だったが、CO2半減の長期目標は「すべての国で共有」するというし、原油高への対策も産油国頼みの色合いが濃いなど、G8自らがリーダーシップをとって、主体的に課題を解決できる余地は少なく、成果を得たとは言えないだろう。
平泉、世界遺産登録ならず
セキやんひとこと: 実質為替レート換算のGDPでは、新興国のシェアが急拡大し、既にG8全体でも50%を割り込んでいる。そんな中で、落ち目の首脳が集結しての大袈裟なデモンストレーションは惨めだ。
国際記念物遺跡会議(イコモス)から5月に登録延期の勧告を受けていた平泉だが、それを覆せなかった。世界遺産委員会は非公開で行なわれたが、報道された関係者の情報によると、イコモスから大変厳しい見解を示され、資産価値の完全性、真実性、登録基準の評価、他の類似物件との比較の4項目すべてが「不十分」で、説明が持ち時間の5分を超えて8分間に及んだとのことだ。その後のアフリカ諸国などの好意的な意見も、イコモスによる冒頭説明の厳しい流れを変えるまでには至らなかった。
セキやんひとこと: 救いは、イコモス勧告での庭園発掘後の推薦書改定部分が削除されたこと。これが残ると発掘している間は、何年も再提出できないとのことだ。この延期を機に、真の価値を見つめ直したい。
<ローカルスペース>
中尊寺で、今年も800年ハス開花
世界遺産委員会審査の前日あたりに、テレビのローカルニュースで、今年も中尊寺のハスの花が咲き始めたことを報じていた。このハスの花は、1950年の中尊寺調査時に四代泰衡の首桶から発見されたハスの種を育てて、1998年に約800年の歳月を経て開花に成功したものだ。以後中尊寺に移され毎年淡いピンクの花を咲かせており、株数も増え、今年もしばらく楽しめそうだ。
一関発EV車 サミットへ〜「モディー」が一貫製作 ―岩手日日より―
セキやんひとこと: 世界遺産登録委員会に、このハスの花が咲き誇る画像でも送っていたら、また違う展開になっていたのかも知れない。800年の歳月を経て受け継がれたという物的証拠だし、少なくても目に見えない「思想や心」より、かれんな「フラワー」は英米人にも分かり易いはずだから・・・。
北海道洞爺湖サミットの近未来型住宅「ゼロエミッションハウス」に一関発の電気自動車(EV)が展示された。そのEV車「K・08」は、世界的カーデザイナーの奥山清行氏(KEN OKUYAMA DESIGN代表)がデザインを担当。一関市で設計・開発から試作・製作までを行う一貫工房・モディー(村上竜也代表取締役社長)が造った。二酸化炭素(CO2)削減の環境性がクローズアップされている中、加速性を兼ね備えているのが特徴。同社のアルミのプレス技術、カーボンファイバー使用で軽量化と高効率化を実現。EV車の新しい方向性を提案している。今年、スイスで開かれたジュネーブモーターショーにも出品した。
セキやんひとこと: プロ野球のリリーフカーを手掛けるなど当社の技術力は以前から定評があるところだったが、今回は世界的デザイナーと組み環境面も機能面も両立させる誇らしい製品に仕上がった。